犯人に告ぐ2闇の蜃気楼読了 あの巻島が帰ってきた!読むと震えて眠れなくなる?ストックホルム症候群を味わえる一冊

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「犯人よ…今夜は震えて眠れ」

 

 

 

でおなじみ、「犯人に告ぐ」の続編。(便宜上以下「1」と記載。)

 

 

犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼

犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼

 

 

 

内容紹介はAmazonによるこんな感じ。

 

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。
巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。和菓子メーカーの社長と息子が拉致監禁され、後日社長のみが解放される。
社長と協力して捜査態勢を敷く巻島だったが、裏では犯人側の真の計画が進行していた――。
知恵の回る犯人との緊迫の攻防!
単行本文庫合わせて135万部突破の大ヒット作、待望の続編!!

 

 

 本屋で見掛けて、 内容とかあらすじとか一切気にせず

あの犯人に告ぐの続編というだけで即決して購入しました。

 

 「1」と同じく誘拐ものだとも知らないくらい。

 

 冒頭は犯人グループの青年、砂山和樹たちの話から始まるので

あれ?もしかして今回は「1」とは世界観だけを同じにした

 

 全く別のお話なのかな??と思いましたが、ちゃんと登場します

「1」の主人公である巻島。

 

 最初に言っておくと「1」とは巻島をはじめ登場人物を同じにするものの

趣向は全く違うお話になっています。

 

 念のため「1」のあらすじはこんな感じです

ノンキャリアながら警視として、神奈川県警本部管理官の地位にあった、主人公 巻島史彦は、とある誘拐事件の捜査ミスの責任を負わされて捜査会見を行うが、上層部の指示により過失を一切認めなかったため、マスコミの激しい攻撃に晒された事から逆切れし、足柄署に左遷された。

6年後、「バッドマン」を名乗る犯人による連続幼児誘拐殺人事件の捜査が難航。警察や自分に批判的なマスコミ関係者を嘲弄するメッセージを送る犯人に対する世間の怒りは、警察に対する非難となって現れていた。この事態に危機感を持った県警上層部は、捜査責任者がマスコミを通じて目撃情報を求めると共に、犯人自身に呼びかける「劇場型捜査」とも言うべき起死回生の策を取ることとし、巻島がその責任者として呼び寄せられる。

巻島はニュース番組に出演し、犯人に同情するかのような発言をしてメッセージを求めるが、数百通もの自称「バッドマン」からの手紙が寄せられるものの、犯人しか知らない情報を記載したものは一つとしてなかった。世論は犯人を英雄視するものとして批判、「特ダネ」をもらえなかったマスコミもこれに同調。巻島は、捜査本部においても孤立。試みは失敗に終わったかに思われた。だが、ついに「バッドマン」本人からのものと思われる手紙が届き、事態は思わぬ展開を迎える。

  (犯人に告ぐ - Wikipedia

 

 

 

 「1」は、主人公である巻島を中心にして描かれており、「ワシ」

「バッドマン」といった猟奇的誘拐殺人犯側の描写は全くなされません。

(それがより事件や物語の怖さにつがっているのですが)

 

 そしてもう1つは巻島を追い落とそうとする警察内部の動きや

「マスコミ」の動きが物語の中心でした。

 

 警察内部やマスコミの「妨害」とも言えるような干渉に何とか耐えて

事件解決に向かっていく、ヒロイックな巻島の描写と、事件解決とともに

邪魔してた連中ざまあ!という分かりやすいカタルシス。

 

 それが「1」でした。

 

 僕がこれを読んだのはトヨエツ主演の映画版の公開前後だったので

小説を読んでいる時も巻島=トヨエツで脳内再生されていました笑

 

 上記のようにヒロイックで分かりやすいカタルシスで終わる作品なので

読了感はかなり良かったのですが、何せ事件内容が猟奇的誘拐事件な上に

犯人の素性や心情が全く見えないだけに読んでる最中はとにかく「怖かった」ですね。

 

 ナル男はスーパー恐がりなのでね。東野圭吾作品でもよく眠れなくなるし。

この犯人に告ぐの、雫井脩介氏の「犯罪小説家」なんて実家に帰る新幹線の中で

読んだんだけど、作品の持つ「魔力」みたいなものにやられて、怖いというか

気持ち悪くなって、

 

 実家の最寄り駅のゴミ箱に捨てたからね笑

 

 

 怖くて笑もう二度と読み返したくないから笑そんなやついる???笑

雫井脩介をこの「犯人に告ぐ」とか「クローズドノート」で分かった気になってなめてたね完全に…。

 

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 なので今回も読了後はともかく、読んでる最中は怖くて眠れなくなる恐れがあったんだけど、そんな怖くなかったんです。

 

 多分それは、犯人側、被害者側、警察側、というこの物語の各陣営の手の内ややりとり、心情がほぼ公開されているからだと思う。

 唯一不気味さがあるのは、犯人グループのフィクサー「淡野(アワノ)」かなあ。

こいつだけは何考えてるか開示されないので。

 

 こいつの放つ

 

「レスティンピース」

 

 という言葉が物語を通して1つキーポイントになってきます。

まあこの言葉が、最後には主人公である和樹に使われるんだろうな~って

勘ぐりながら読み進める。

 

 最後からしてこいつ続編にも登場すると思う。

 

 こいつが「1」の「ワシ」ともつながったりしてると面白んだけど

いまんとこその気配は全く無しなのが残念だ。

 

 「ワシ」の存在は、巻島だけじゃなくて読者の心にも陰を落としてるのになあ…。すっきりしたい。

 

 今回の主人公は巻島というより、犯人側の砂山和樹と言って良いと思う。

 

 横浜を中心に展開するミナト堂から、消費期限改ざん問題による経営危機によりほとんど一方的に内定取り消しされてしまったことから、弟とともにオレオレ詐欺グループに手を染めることになった和樹。そして半ば淡野に誘導されるように誘拐事件にまで…。

 

 和樹がやってることはもう真っ黒な犯罪だし、八つ当たりだし、擁護のしようがない。両親が死んだり、内定取り消しされたからってオレオレ詐欺や誘拐に手を染めていいわけがない…んだけどどうにも和樹に肩入れしてしまう。 

 

 対して主人公巻島の存在感は、「1」に比べるとかなり薄い。

まず今回は警察が「犯人側」「被害者側」「警察側」という各陣営の1つでしか無く、犯人側と同じくらいの 占有率しかないので。

 

 当然「1」でほぼメインの描かれ方をした警察内部のごたごたであったり

嫌がらせだったりと言った干渉は殆ど無い。

 

 巻島はなかなか本当のことをしゃべろうとしない被害者、ミナト堂社長水岡を騙す。

 それがどうにも、読者の喉元に引っかかる。

 

 水岡は過去に和樹たちにちょっとだけ因縁あるとはいえ完全に被害者。

嘘をつくにしても息子裕太が人質に取られている以上、仕方がないと思える。

 読者としては、犯人和樹にも肩入れしているから「このまま犯人たちの計画通り1億円を渡ししまって裕太を返して貰えればみんな幸せだろ?」と思い始めていたところで嘘付いて水岡を揺さぶる巻島にどうにも「1」のヒロイックな姿を見いだせない。

 

 「身代金を支払うならば、人質は無事に帰ってくる」という信頼関係が犯人との間にある場合に、被害者が身代金を支払うという選択をすることの是非。

 これを本作では読者は問われる。

 

 もちろん国とか警察からすると、それを許してしまうとそれ以後誘拐ビジネスをオレオレ詐欺のような国内犯罪のメインストリームにしてしまうことから絶対に許容することは出来ないだろう。

 

 マスコミだってそうだ、決して「払って無事帰ってくるならそれで良いんじゃないの?」とは言えない。

 

でも実際自分が被害者になったら?

 

「その後のことなんて知ったこっちゃねえよ!!」となるよねえ…。

 

もし今後日本でそんな論争があったらナル男はきれい事は言いたくない。

まあそんな日本にならないで欲しいが…。

 そんなこんなで、犯人に捕まって欲しいんだか、捕まって欲しくないんだか

よく分からなくなってくる。いや捕まって欲しくないんだけど、どうせ捕まるんだろうな~ってなる笑

 

 ストックホルム症候群がちょっと体験出来る。

 

途中正直会話部分以外見なくて良いじゃないか?って位凡長なんだけど、この作家の場合それが伏線になってることが多いので、半ば義務感で読むのでちょっと辛いかも。

 

 「1」が好きな人は、「1」とは登場人物が共通するものの、全く毛色の違うモノだと思って見て欲しい。

 

 巻島を嫌いになりそうになるのでそこも注意笑

 

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