ブルゾンとロングコートの良いトコ取り!?春アウター特集最終回、ミリタリーコートのススメ。この春最も着やすいロングコートやこの春最もカッコイイ!?コートを紹介!
ブルゾンとロングコートの良いとこどり!ミリタリーコート
ここまでこの春のアウターとして、ステンカラーコートなどのロングコート、ブルゾンなどのショート丈アウターを紹介してきました。
丈が短く、襟周りに情報量のあるブルゾンは手軽に羽織れる気軽さがあります。
一方チェスターコートやステンカラーコート、トレンチコートなどのロングコートは、大人っぽい色気を出せるのが魅力ですよね。
どちらかに偏り過ぎること無くワードローブ(手持ちの洋服達のこと)戦略を考えていくと、「明日着ていく服がない…」なんて状態にならず、バランスが良いのは秋冬も春も同じ。
ではそんな両者の良いトコどりみたいなコートってあるのか?
あります。
それがミリタリーコートです。
ミリタリーコートは、ステンカラーコートやチェスターコートなどに比べると情報量がしっかりとあって間延びしにくい。
(以前は肩章などディテールがわんさか付いていて情報過剰なものもありましたが、最近の物は大分洗練されてきました。)
特に首まわりがフードやスタンドカラーで、ディテールがしっかりとあるため、気軽に羽織るだけでスタイリングを完成させやすいのです。
そしてロング丈の大人っぽさ、生地の揺れる感じや、色気も出せるというわけなのです。
昨今はロング丈のコートでもチェスターコートやステンカラーコートなど、特定の「型」に対する意識が強かったため、一斉に同じ型が流行するような風潮もありましたが、昨秋あたりから徐々に型に対するトレンド意識が弱まったため様々なコートを選べるようになりました。
トレンドのゆったりとしたシルエットを選んでも、着こなしに難しさを感じにくい。
そんなミリタリーコートから、いくつかオススメのコートをオススメしたいと思います。
今季最も着やすいロングコート?
ラウンジリザードの「SUPIMA BURBERRY HOODED COAT」は、ほぼブルゾンのように羽織れるコート。
【LOUNGE LIZARD ラウンジリザード】BURBERRY フーデッド コート 5713
ロングコートという括りではありますが、ミドルまでいかない絶妙な、長すぎない着丈とフードによって持て余すところがまったくないのです。
【LOUNGE LIZARD】SUPIMA 60/2 BURBERRY フーデッドコート | 5713 |
生地もスーピマコットンを使用していてコットン100%の物としては最上級のリッチなツヤ感がありますし、何より軽くて着心地が良いのも特徴です。
素材や着心地にこだわらないと生き残れない時代とあって、そこらへんもよく考えられています。
現代的に再構築されたディテールも、情報量的に過剰にも不足にもならずバランスが良いですね。
小さめのフードも立ちやすく、スタンドカラーのように着ることが出来ます。
あまり言うことのない、今季最も着やすいロングコート。
ロングコートに抵抗がある…という方に、オススメしたいアイテムです。
サイズは落とさずジャストで着てほしいですね。
今年のラウンジリザードのオススメアウターは、マウンテンパーカーではなくコチラです。
今最も旬なブランドが送り出す、本命のブラウンアウター
どうしても高額なものとなってしまうドメスティックブランドのアウター。
買いたい、オススメしたいと思うブランドも、このカテゴリーとなるとどうしても限られてきます。
そんな中でも今最もオススメしたいブランドの1つが、THE RERACS(ザ・リラクス)です。
THE RERACS ザ・リラクス メンズ(MENS)ロングモッズコート ブラウン
THE RERACS(ザ・リラクス)は2010年スタートのドメスティックブランド。
モッズコートやチェスターコートなど定番的なアイテムを現代的にブラッシュアップしていく…と言ってしまうとどこかありきたりですが、そこに対するこだわりが尋常じゃない。
いわゆるハイブランド、ビッグメゾンに匹敵する物を作ろうと生地や縫製、細部のパーツにも徹底的にこだわった結果、リラクスのアイテムの質感にはしっかりと「重み」があります。
要するに圧倒的な情報量をアイテムに載せられているんですね。
シーズンによってはちょっとまだモード色が濃いなあと感じる部分があったのですが、今季のコレクションからはメインアウターのモッズコートにネイビーやブラウンが採用され、一気に取り入れやすくなりました。
モッズコートと言えばカーキ・オリーブが定番ですが、そのイメージが強すぎるのも事実。
ブラウンやネイビー(今回のコレクションにはないですがベージュなども良いですね)にすると一気に土臭さやザ・軍モノ感が抜けて現代的になるのです。
色だけでなく、シルエットもトレンドを取り入れて身幅を広く、肩を落としたものに。
このゆるさを出すシルエットの取り方も、下手をすると可愛らしくなりすぎたり、恣意的なものになりすぎたりするものですが、もっちりとした素材感から計算された絶妙なゆるさに仕上がっています。
決して「コートが歩いている」みたいな、難しすぎる、下品なビッグシルエットにはならないんですね。
それでいて、腕を広げた時やポケットに手を入れた時に、生地が持ち上げられて出来るドレープ感や広がりなどが色っぽい。
女性デザイナーらしい他にはないシルエットになっています。
フードにはワイヤーを使用しているので、立ち上がりや形を常にキープ出来ます。
今年は1年を通してブラウン及びそこから派生するカラーがトレンドカラーとなりそう、というのは度々お伝えしてきましたが、なかなかブラウンの良いアウターが無い…。
そんな中でこれはその一番手となるアウターですね。
(着回しや長期的な運用まで考えるとネイビー、トレンド感ならブラウンです。)
着丈がロングのものとショートのものとがあり、ショートのものはブルゾン感覚で着ることが出来ます。
気をつけたいのが、ロング版は前述の通り肩の落ちたドロップショルダーですが、ショートはセットイン(普通の肩の付け方)になっているので、肩を落としてゆるさを出して着るなら大きいサイズを選ぶ必要があります。
そんなわけでショートに関しては、サイズによってイメージががらっと変わるものになっています。
フードの効果でゆるさを出してもバランスが取りやすいので、是非2サイズ両方試して欲しいんですね。
リラクスは原宿に「THE RERACS FITTING HOUSE」という試着専門のショウルームを構えており、サンプルとして貸出等が行われているものを除いて多くのアイテムを見たり、試着することが出来ます。
商品在庫ではないので、売れたら無くなってしまうということがないので、アイテムをチェックするのにこんなに優れた環境はありません。
この試着専門のショウルームというのも、通販全盛時代とあって構想やアイデアとしてはよく出てくるものの、実現しているブランドというのは日本国内では非常に少ないものです。
このショウルームは基本的にブランドの世界観を表現する空間で、「ザ・リラクス」を知ってもらうためのPRが目的とのこと。
私はどんなに小規模でも、実店舗を持つか、(大手・小規模を問わず)セレクトショップに卸して、そこで人と人とがセッションしていかないとブランドが育っていかないと思っています。
本当に通販専門にしちゃうとブランドや信頼ってなかなか形成されていかないんですよね。
これだけハイクオリティなアイテムを「見るだけ」「試着するだけ」などと気楽に触れるというのは、こういう形態として準備されないと実際はなかなか難しいと思います。
新しい試みだし、今後かなり強みになっていくと思っています。
メインアイテムに関してはセールも基本的にしないブランドです。
ハイブランドやビッグシルエットメゾンを除いて、ブランド価値を長期間保つのが難しくなってきている中で、注目していきたいブランドです。
今季一番カッコイイコート!?
今季は先程紹介したリラクスをはじめ本当に良いコートが多くて、私自身どれを買おうかと非常に迷っていたのですが(そういうしている間にサイズ欠けになってしまったものもあったり…)、比較的遅い発売を心待ちにしていたのがこのコート。
COMOLI(コモリ)の「Storm Coat」です。
http://www.ins-online-store.com/?pid=129264829
いかにロングコートがトレンドといえど、100cm超えのロングコートというと、長身の方の専売特許といった風潮はまだまだあると思います。
ただ、コレはそんな着丈長めなロングコートが苦手という方にも試してほしい逸品。
試着しに行く前はやっぱり難しいかな…?いけるかな…?と期待半分不安半分でしたが、ハンガーに掛かったこのコートは予想よりもずいぶんスッキリと見えるのです。
シルエットも、コモリの代名詞的な存在である「タイロッケン」コートをはじめとするトレンドの「Aライン」ではなく、ストンとタテに生地が落ちていくIライン。
身幅はずいぶんゆったりと取っているものの、落ち感の強い生地のため、下に下に流れていくので、それを感じさせずスッキリと見えるんですね。
そしてスタンドカラーは、視線を上へ上へと集中してくれますから、生地の落ち感と合わさって上半身に重心が来るようになり、とてもバランスが取りやすいんですね。
「落ち感」の説明も難しいところですが、生地の柔らかさによって身体に沿うようなシルエットを形成するものを指します。
反対にタイプライターなどハリ感のある生地は服本来のシルエットを形成します。
ハリ感のある生地によるビッグシルエット
URBAN RESEARCH iD 90/2タイプライター オーバートレンチコート
どちらが良いか?というのも難しいところですが、この手の落ち感のあるロングコートというと、どうしても女性っぽいニュアンスが出てしまうものなのです。
このコートはディテールやシルエットの作りに男らしさ、無骨さもあって、それでいて生地が揺れる色気もある、という絶妙なバランスになっています。
襟裏にフードが収納されており、これがエリの立ち具体をサポート。
あまりフードを出してカッコイイとは思わないですね、スタンドカラーとして着たいコートです。(ちなみにこのフードの収納法がちょっとアナログチックで難しいので、一度出してしまって収納出来なくなってしまった、という方はご一報下さい。教えます。)
サイドは開きつつ、軽妙な襟元を演出してくれます。
生地はほんの少し起毛されたピーチスキンのような質感。
このため柔らかさを感じるグレージュ(グレーとベージュの中間のような色)です。
黒でも起毛が掛かっているので、柔らかい印象になりますね。
今のように気温が高く暑い時は脱いで手に持って、また着る、という際もシワを気にしないですみます。
全体としてロングコートの色気がしっかりありつつ、襟周りや胸元を中心として「上半身がカッコイイ」、そんな珍しいロングコートになっています。
もちろん値段は春物のコートとしてはもうマックスで高いんですが、今季最もカッコイイコートだと思っています。
このブログをやっていく上で、コスパだけでなく、こうした良い物に出会いたいと常に思っていますし、紹介もしていきたいと思っています。
3回に分けてお伝えしてきた春アウター特集はひとまずこれで終了。
何だか夏を感じさせる日も増えてきて、春アウターは春だけ着る、というよりは秋への投資みたいな側面も持つようになってしまいましたが、参考になれば幸いです。
さらに軽い、ライト・ライトアウターやシャツ、カーディガンなんかも紹介できればと思っています。
色々慌ただしかったり、花粉症だったり、春も色々あるとは思いますが、このブログは皆さんの新生活を応援していきます!