新生活、スチームアイロンとスチーマーどちらを買うべきか?あなたはシャツをどれくらい着るライフスタイル?スチーマー買うならティファール・アクセススチームとパナソニック・衣類スチーマー、どちらが良い?男のアイロン問題、決着付けましょう!
メンズファッションにおいて「清潔感のある格好」というワードはよく使われるわけですが、その1つの源泉となりうるのが「洋服のアイロンがけ」。
アイロンがけ一つで、洋服はその表情を全く変えてしまいます。
何年も着た洋服がまるで新品のように見えたりもするし、逆にシワによってせっかくの高級感が台無しになってしまったり…。
アイロンを持っていない男子はオシャレになれない、という記事を以前書きましたが
その後「スチームアイロンと衣類スチーマー、どちらを買うべきですか?」「衣類スチーマーを買うならどこのものが良いですか?」といった質問をよく頂きます。
今回は、スチームアイロンとスチーマーで出来ること、出来ないことの比較、そしてスチーマーのレビューを行っていきたいと思います。
悩めるメンズのアイロン問題、決着付けましょう!
スチームアイロンと衣類スチーマー、どちらを買うべきか?
いわゆるプレス面をもった一般的な「アイロン」で出来るのは「プレス」。
アイロン面を衣類に押し当てることで平面的・直線的に仕上げることも出来ますし、先の尖ったタイプを選べば部分的にかなり細かい作業もすることが出来ます。
シャツのエリをピシッと仕上げる、スソやソデまできっちりとシワを伸ばす。
こういったことにはやはりアイロンが向きます。
またスチームを噴射することでスチーマーの機能を一部持たせた「スチームアイロン」が現在は主流となっています。
一方で衣類スチーマー(以下スチーマーと呼称します)は、スチーム(蒸気)で繊維を元のカタチに戻すことでシワを取ることが出来ます。
スチーマーの最大の利点は、ハンガーに掛けたまま使用出来るため、アイロン台が基本的には要らないという点です。
以前はスチームが弱すぎて使い物にならない物が多かったのですが、最近はその点が改善され、その手軽さから人気になっています。
では、どちらかしか買えない、という場合にどちらを買うべきか?というと、「どれくらいの頻度でシャツを着るか?」というライフスタイルが大きく関わってきます。
この両者はシャツの仕上げに関して、使い勝手がかなり異なってくるからです。
シャツの仕上げ、ここにスチームアイロンとスチーマーで一番の違いが出てくる!?
まずはスチーマーを使って、シャツを仕上げていきましょう。
形状安定ではないコットン100%をシャツを、少し脱水時間を長めにしてシワを付けて乾かします(シャツのシワを伸ばしたい場合は脱水時間を短めに、シワ感を付けたい場合は長めします)。
完全に乾いたら、これにスチーマーを当てていきます。
まず使うのは、Amazonスチーマーランキング1位、T-FAL(ティファール)の「アクセススチーム」です。
右手にカメラ、左手にスチーマーなので再現するのが厳しいのですが、実際には片方の手でシャツのスソを引っ張りながら、もう片方の手でスチーマーを当てていきます。
スチーマーをただ当てているだけではだめです。
まず左半分に掛け終わった状態。
掛けていない右半分
一通りかけおわった左半分。
右半分に比べて大分シワが伸びています。
アーム部分も、ソデを引っ張りながら掛けることでここまでシワを伸ばすことが出来ます。
もう少し神経質にやれば、もっと伸ばせないこともないでしょうが、とにかく手軽に、が趣旨の衣類スチーマーなのでこれくらいが標準かなと思います。
右半分も含めて全体にかけ終わってこんな感じ。
どうでしょうか?
ビジネスで使うワイシャツとしては少しピシッと感が物足りない、という人も多いのではないでしょうか?
カジュアルで着るシャツなら、この程度でも十分でしょうけどね。
問題はスソやソデ部分の仕上がり。
ここは引っ張りながら掛けられないので、スチームを当てるだけではこのようにシワが残ってしまいます。
(ここで無理をすると火傷をするので絶対に無理はしないでください!)
スソに関しては、ビジネスではパンツインしてしまうのであまり問題ないとも言えますがソデはちょっと何とかしたいところ。
また同様に引っ張ることが出来ないエリ周りや肩口も、ビジネスレベルでは不満が残ります。
この改善策としては、スチーマー用の「ミトン」を使用する方法があります。
ダイヤコーポレーション 耐熱 セラミックスアイロンミトン スチーム用
ミトンで引っ張りながら、スソまでスチームすることが出来るのです。
ミトンを使用することで、スソ・ソデもこの程度のレベルまで仕上げることが可能です。
ただ…。
色々やってきましたが、シャツの仕上げに関して言えば、スチームアイロンのほうが圧倒的に早く済みます。
こちらが、アイロン台を使って、スチームアイロンで仕上げた状態。
スチームアイロンなら襟周りもピシッと、しかもスチーマーよりもはるかにスピーディーに仕上げることが可能です。
スソ・ソデまでぴっしりと。
もちろんある程度性能の良いスチームアイロンとアイロン台を使うことが前提とはなりますが、ことビジネスシャツの仕上げに関してわざわざスチーマーを使うメリットはほとんどありません。
使ったスチームアイロンはT-FAL(ティファール)の「アクアスピード」です。
多数の噴射口から大量のスチームを放出することで、そこらへんのスチーマーにはまず負けないスチーム量を誇ります。
これによって様々な仕上げをすることが可能なのです。
スチーマーに出来て、このスチームアイロン・アクアスピードにできないことはほとんど無いと言っていいレベル。
ただアイロン台を出してくるのが面倒だったり、スチーマーとして使うには形状や重さがネックになってくる、というだけですね。
というわけで、シャツをアイロンするならスチーマーよりも断然スチームアイロンの方が速いのです。
だからシャツをアイロンすることが多い私としては、どうしてもどちらか一台だけを残せ、と言われたらスチームアイロンを残しますし、もし家にアイロンが一台も無いのであればスチームアイロンの方をオススメします。
来週分のシャツ、全部スチーマーで掛けてね、と言われたら正直シンドイですね…。
この春からスーツを着て出社する、という新社会人だったり、就活が始まる大学生だったりする場合、スチームアイロンをオススメします。
ただ、ライフスタイルとしてシャツをそこまで着ない、あるいはワイシャツはクリーニングに出すよ、とか形状記憶のものしか買わないよ、という方はスチーマーだけでもOKかもしれません。
とにかくアイロン台でアイロンがけなんて面倒なんだ!という方はいますからね。
スチーマーだって、ないより絶対あったほうがいいですから。
アイロン台を買ったものの、面倒で全然使わない…なんて状況になるくらいなら、スチーマーで済ませるのは十分アリです。
こちらはスチーマーとミトンだけで仕上げた別のカジュアルシャツですが、カジュアルな場面ならよほどパリッとしたものが好みで無い限り、これで十分です。
カットソーやニット、アウターでこそスチーマーは威力を発揮する!!
スチーマーを使ってみて思うのが、ぶっちゃけスチーマーってどこも宣伝の仕方がおかしいんですよ。
ほとんどがワイシャツで、あっという間にシワを伸ばしてすぐ着れる!みたいに宣伝していますが、あんなのは誇大広告だと思うし、ウリにする場面を間違っているとすら思います。
スチーマーがその真価を発揮するのは、シャツよりもカットソーやニットなどのシワを伸ばしたい場面です。
柔らかい生地のニットは、そこらへんに放置しておくと、すぐにこんな風にシワが入りがち。
これでは到底着ていく事ができません。
こんな時は、スチーマーが威力を発揮します。
シャツと違って、ニット生地やカットソー生地はあっという間にシワが伸びていきます(蒸気が入っていきやすいからです)。
全体がスッキリとシワが伸びて着れる状態になります。
ニットの場合、プレスしないスチーマーなら毛足を押し潰さないので、ふっくらと仕上がるのも良いですね。
カットソーも前回の記事で紹介した、脱水時間を極力短くする方法なら、乾かしてそのまま着ていけるくらいの状態にはなるのですが、若干シワが残ってしまう場合もあります。
このくらいのちょっとしたシワであれば、シャワーの後にお風呂場に掛けておくだけでも取ることが出来ますが、早く確実に取りたい!という場合はスチーマーが便利です。
スチーマー+ミトンで、短時間でシワ無く完璧に近く仕上げることが出来ます。
綺麗にアイロンがけしたり、クリーニングから戻ってきた服も、クローゼットで保管しているうちにちょっとしたシワが入ってしまったりしますよね。
そんな時にスチーマーがあると本当に便利ですね。
(余談ですが、このブログのように洋服を撮影するときも、ちょっとしたシワが気になったりするので、撮影時に非常に重宝します。)
また、これはなかなかスチームアイロンでは難しい、と感じるアウターのシワ取りなんかもスチーマーなら簡単に、ハンガーに掛けたまま出来てしまいます。
通常のアイロンでは毛足が潰れてしまうことにより「テカリ」が出るのが怖いテーラードジャケットなんかも綺麗に仕上げられます。
昨年トレンドになった「ビーバー」生地なんかも、毛足が長くスチーマーが向く素材。
ヘビーアウターをアイロン台でアイロンがけ、なんてなかなか出来ませんが、スチーマーなら簡単です。
このようにアイロン台でアイロンがけすることが通常は考えられないような衣類では、スチーマーはスチームアイロンより優位に立ちますね。
スチームアイロン派だった私も、今回スチームアイロンに加えてスチーマーを持っていれば、こんなに幅広く洋服のメンテナンスが出来るのか!と驚きました。
スチーマーを使うならどこで?ハンガーラックのススメ
ハンガーに吊るしたままかけられるのがスチーマーの大きなメリットですが、クローゼットの中で使うのはオススメ出来ません。
強力なスチームを発生させるティファール・アクセススチームなどは、蒸気が上ってラックのバーなどをしばらく濡らしてしまうほどなのです。
これがクローゼットだったら、かなりの湿気を発生させて、カビなどの原因になってしまいます。
クローゼット以外の場所でもハンガーを掛けられるようにティファール・アクセススチームにはドアノブに掛けて使用できるパーツなども付いてきます。
ただ、私のオススメはハンガーラックです。
このようなキャスター付きのハンガーラックは非常に便利で、2,3日分のコーディネートを予めクローゼットから出して掛けておくことが出来ます。
また、洗濯から帰ってきた服を一時的に掛けておくことも出来ます。
クローゼットだけではなかなか難しい洋服の運用が一気に柔軟性を持って行えるのです。
私もひとり暮らしを始めたときからずっと、クローゼットの前とかソファの後ろなんかにこれを置いておいて使っています。
ここに掛けて、スチーマーを掛けるとベストと言えるでしょう。
スチーマー買うならティファール?それともパナソニック?
さて、シャツをどれくらい着るか?が、スチームアイロンとスチーマーの優先順位に大きく関わってくるわけですが(両方持っているならそれに越したことはありません)、ではどのスチーマーが良いのでしょうか?
現在よく目にするスチーマーは、前述したティファールの「アクセススチーム」とパナソニックの「衣類スチーマー」。
パナソニック 衣類スチーマー ダークブルー NI-FS530-DA
Amazonのランキングでもスチーマーとしてはこの2台が1位・2位となっています(ティファールアクセススチームが1位)。
多くの方がスチーマーで迷われるならこの2種だと思うので、この2種のスチーマーを比較検証していきたいと思います。
パナソニック・衣類スチーマーは、非常に小ぶりで、洗練されたデザイン。
プレスアイロンと両用出来るタイプなので、使用時以外は台に置いて。
そのままインテリアとして置いておいても違和感のないデザインが特徴です。
アパレルショップのバックヤードでもよく使われているとされ、実際私も店員さんがこれで商品のプレスをしているのを見たことがあります。
スチーム噴射口は小さめ。
ティファール・アクセススチームは、パナソニック・衣類スチーマーよりタテに2倍ほど大きく、スチーム噴射口も倍近い大きさがあります。
これによりパワフルなスチームが持ち味になります。
洋服に直接当てることができる、滑らかな素材で出来たヘッドカバーを付けて使用します。
パナソニック衣類スチーマーのスチームは、カメラで撮影するのは困難でしたが、ティファールのアクセススチームはスチームをはっきり捉えることが出来ます。
これにより、より短時間でシワを伸ばすことが出来ます。
また使用感も大きく違います。
パナソニック衣類スチーマーはずっと噴射ボタンを押していないとスチームが出ません。
ただでさえスチームが弱く、時間が掛かる上にこのずっとボタンを押しているというのが結構苦痛。
ティファールのアクセススチームは、噴射トリガーをロック出来るので、ロックを解除するまでスチームが出続けるのが良いですね。
また衣類スチーマーと違って、台が無くてもどこでも置けるのも使用していて大きな差に感じますね。
水を入れるタンクも、ティファールの方が大きく、何着も連続で掛けることが出来るのに対して衣類スチーマーは1枚がやっと。
給水方法も、衣類スチーマーは軽量カップで水を入れるというちょっと面倒な方式。
衣類スチーマーのウリは、プレスのアイロンとしても使えて、アイロンプレスが出来る、という点ですが、これに関しても形状的に力が入りにくかったり、先端部分による細かい作業が出来なかったりと「オマケ」程度でしかありません。
ただ安全性という意味では、スチームが弱い分パナソニック・衣類スチーマーに分があるかもしれません。
Amazonのアクセススチームのレビューで気になったのが、「本体噴き出し口から熱湯が垂れてきて本体を持っている手に垂れます。これが熱い!」というコメントだったのですが、少なくとも上述したヘッドカバーを付けて使用する限り、私はそのようなことはありませんでした(ヘッドカバーを付けないで使用する場面、というのは通常ありません)。
ただし、やはり強力な蒸気自体は触れると非常に熱いですし、よりしっかりと全体に、細かくスチームを掛けたい場合片手にはミトンを併用するのをオススメしますね。
両者を比べた時に、シワを取るのに掛かるスピードや使用感でやはりティファール・アクセススチームをオススメしたいと思います。
正直パナソニック・衣類スチーマーはシワを取るのに時間ばかり掛かって疲れるし、洋服1枚掛け終わるか終わらないか…というところで水切れになったりで非常にストレスがありましたね。
「衣類スチーマーなんてやっぱりこんなものか…スチームアイロンの方がやっぱりオススメだなあ」と衣類スチーマーを使っている時はちょっと後悔しましたし。
ティファール・アクセススチームくらい強力なスチームが出て初めて、便利だなと感じられて、スチームアイロンと競合してくるのかなと思います。
付いているシワが気になるけれど、アイロンがけしている暇がない、手間が面倒…と言っているうちにその洋服を着なくなってしまうというのは非常にもったいないことです。
洋服の稼働率・発揮率を上げていくことが、ワードローブの充実に繋がっていくという話は前回ハンガーの話でもしたところではあります。
「着たいものを着たい時にスグ着れる」ように、スチームアイロンやスチーマーを上手に使っていきましょう。