1年中大活躍するメンズの基本アイテム、ブルゾン。着こなしの難易度を決めるのは、細かいディテールにある!
メンズの超基本アイテム、ブルゾン。
カットソーの上からアウターを羽織るだけでスタイリングが完成する。
http://www.cambio.co.jp/fs/cambio/mj4609
そんなスタイルを基本かつ理想とする私にとっては、カットソーと並んで春・秋の重要アイテムになります。
今日はそんなブルゾンの攻略法をお伝えしましょう。
スポンサーリンク
ミニマルなエリ無し、難易度の低いエリ有り
ブルゾンと言っても、本当に様々なタイプに別れます。
それらを全て分類していくととてつもない数になるわけですが、
1つ意識してもらいたいのは「エリ無し」か「エリ有り」か、です。
エリ無しタイプ
【LOUNGE LIZARD ラウンジリザード】CORDURA リップストップ リブブルゾン 5664
エリ無しタイプは、ライダースジャケットなどに多いタイプ。
ライダースジャケットは、身体にフィットしていないサイズ感だと途端に野暮ったく感じますが、それはエリがないことも大いに関係しています。
(同じエリ無しブルゾンでも、MA-1やスカジャンはまた違ったサイズ感が求められますが。)
エリがない分、上に上に重心を持ってこれず、シルエットをより問われるのです。
(さらに言うと、着る人本人の素養も問われやすいのがこのタイプです。)
ttp://loungelizard.main.jp/blog/recommend-item/
このアイテムは是非身体に沿うタイト~ジャストフィットで着てもらいたいですね。
今期ラウンジリザードのブルゾン類でも一番キレイ目に見えるアイテム。
襟元のリブは細めに作られていて、素材からくる、ストンと落ちるラインが非常に綺麗ですね。
ウールメインで作られていますが、コーデュラナイロンも使われており、強靭な作り。
毛羽立ちなどにも強いはず。
ここらへんテーラードジャケットにはないブルゾンの強みですね。
「リップストップ」と言って、 引き裂き防止のための格子状の織り目が付いていて、それが表情になっています。
ブラックはそれが目立つのですが、グレーはほとんど分かりません。
今期他を含めても、最もキレイ目なブルゾンですね。
キレイ目に見せたいけど、テーラードジャケットはなんか違うんだよなあ…という方にオススメ。
エリ有りタイプ
出典 ttp://www.diverse-web.com/products/detail26272.html
ブルゾンでも、エリ有りタイプは着こなしの難易度が低いことが多いですね。
エリの無いライダースジャケットやテーラードジャケットはとてもシンプルだけど、着こなしがカンタンだと言う人は意外と少ないですよね?
シンプルとカンタン、は実は全く違う概念なんですね。
エリが無い分、重心を上に持ってくることが出来ずに視線が分散され、結果として他をカバーする力が弱いのです。
つまりシルエットやフィット感、またインナーにも気を使わなくてはいけないんですね。
これはチェスターコートとステンカラーコートの難易度の違いと似ています。
参考記事
エリ有りタイプも、スタンドカラータイプ、あるいはエリを立ててスタンドカラーのように出来るタイプはさらに簡単に着こなしがきまります。
出典 ttps://www.eureka-jp.com/item/nonnative/coach-jacket-poly-twill-stretch-dicros-solo.html
出典 ttp://wear.jp/session22/8343339/
エリ立てのカバー力は抜群で、今日のコーディネートイマイチだな…という時はエリを立てて誤魔化す…というのは即効性のあるテクニックです。
シャツの襟立ては、どうしても頑張っている感が出てしまうもの(私も抵抗がありますね)ですが、ブルゾンの襟立てはもっとイージーに取り入れられると思います。
マウンテンパーカの時に、フードの重要性を解説しましたが、フードにも同様の強力なカバー力があります。
出典 ttp://wear.jp/session22/9608205/
このようなエリ有りタイプでオススメだったのが、Engineered Garments(エンジニアードガーメンツ)の「NA2 JACKET」。
出典 ttp://www.everly.co.jp/Engineered-Garments/2017SS/Engineered-Garments-NA2-Jacket-PC-Poplin.html
「だった」というのは、もうほとんど在庫がないからなのですが、窮屈感のないサイジングながら、このエリ効果によってすっきり見せられる、そんなお手本のようなブルゾンでした。
出典 ttp://natural1999.com/products/detail.php?product_id=6428
「最近スタイルが崩れてきた…」という人や「筋肉質なのですが…」という人からも、どんなスタイルを志向すべきか?というご質問をいただくのですが、このようなカバー力の高いブルゾンはオススメですね。
世の中には「格好いい服」と「格好悪い服」という分類が多くなされていますよね?
(例「チェックシャツはヲタクっぽくてカッコ悪い」など)
でも、「難易度」で洋服を見ていくことも大切です。
それも、「この服はなんか難しそう…」 ではなく、「こういう理由で難しい」を理解していくようにすると、自分に似合うスタイルを発見しやすくなると思います。
コーチジャケットがエリ有りなのに難しい理由は…?
コーチジャケットはエリ有りなのにちょっと難しいアイテムが多いですね。
NIKE SB SHIELD COACH JACKET(829510-010)
これはコーチジャケットが本来スポーツ時の防寒目的で作られたものであるため、着丈が短いと防寒性を維持出来ず、やや長めに、かといってコートのような長さも無い…という中途半端な着丈に設定されていることが多かったからです。
ただ、今期トレンドアイテム化したことで、より難易度を低く着丈を短くしたアイテムも増えてきました。
あまり短すぎると、「コーチジャケットっぽさ」、良い意味での野暮ったさがなくなってしまうので、どの程度短くするか?というバランスが大切なんですけどね。
スポンサーリンク
MA-1やスカジャンの難しさはサイジングにあり…
近年のトレンドブルゾン、MA-1とスカジャン(スーベニアジャケット)。
これらのエリ無しブルゾンは、エリが無いにも関わらず、ライダースジャケットやテーラードジャケットのように、身体に沿うようなジャストフィッティングが正解とは限らないアイテムです。
アイテムが濫発されていることもありますが、一番はそこ(サイジング)が、難しい…。
出典 ttp://zozo.jp/shop/studiouslab/goods/18905491/?did=37264486
さまざまな解釈がありますが、私としてはあくまでブルゾンの範疇を脱しない「ややゆるい」程度のサイジングがおすすめですね。
カットソー1枚でキツキツになってしまうほどのタイトさは不要ですが、厚手のニットを着て少し窮屈さを感じる程度のフィット感は、長く使う上では保っていたいところです。
これらのアイテムのポイントは、アームの「たわみ」。
このたわみが適度に出ていると、サイジングをブカブカに大きくしなくても、ほどよく「ゆるさ」が生まれます。
例え身幅が大きくても、アームホールを細く作ると一気に細身のシルエットに見えるように、アームの見せ方はトップスにおける重要なポイント。
出典 www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/1013104
その際も袖は細めのリブでキュッと締められると、よりたわみが強調されますし、モテ余すことも無いので良いですね。
秋冬だと厚手の生地故にこのたわみが「本家」MA-1のように大袈裟になってしまう物もあるのですが、春夏だと良い感じにたわみが生まれてくれますね。
MA-1は本当に氾濫しているので、差別化が難しいですね…。
スカジャンだと、今季始めに紹介したVALLIS by FACTOTUMがやはりおすすめですね。
出典 ttp://www.factotum-store.jp/products/detail.php?product_id=1119&category_id=
昨年発売された、刺繍などスカジャンの派手かつ難しい要素をオミットして、スカジャンのカタチとツヤ感のみ残したシンプルスカジャンの最高峰。
今年は袖がベージュになり、よりシックな配色に。
一般的なスカジャンのツヤって、ピカーっとしたモノなのですが、これはジワッとした品のあるツヤ感に抑えられています。
今季はSTUDIOUSから別注でFACTOTUMのスカジャンが出ていましたが、このジワッとしたツヤ感で、レギュラーラインの方が良いと思いますね。
大人が着るスカジャンはこの「ジワッとしたツヤ感」、ポイントです。
ただかなりコンパクトな作りなので(それが着やすい理由でもあるのですが)、タイトに着るサイズではゆるさが出ない場合、1サイズ上げて、ゆるさを出してあげると良いかもしれません。
そうすると、アームに綺麗なたわみが生まれますね。
ニットなどと重ね着も出来るようになりますし。
今季は様々なブランドが、それぞれ趣向を凝らしたスカジャンを出していて、非常に楽しかったのですが、実際自分が買う、オススメするとなった場合はやっぱりコレですね。
まだまだ在庫あるようなので、春の羽織モノを探している方はチェックしてみて下さい。
今回はドメスティックブランドのアイテムを中心とした構成となっていますが、セレクトショップからもオススメのスカジャンを紹介しておきましょう。
【ジャーナルスタンダード/JOURNAL STANDARD】 TR スカジャン
ジャーナルスタンダードのTRスカジャンは、スカジャンというよりも、最初に紹介したラウンジリザードのブルゾンのような要素もあるアイテム。
キレイ目な生地をカジュアルなカタチに落とし込んだようなブルゾンです。
ジャーナルスタンダードと同じくベイクルーズグループを母体とするセレクトショップ「EDIFICE」でも似たようなアイテムが出ているのですが、生地感の面でこちらをオススメしたいですね。
実は今季、セレクトショップオリジナル品に「Gジャン」や「カーディガン」といった春先に便利なアイテムが激減してます…。
トレンドの移り変わりや、ファストブランドの差別化といった様々な側面があるとは思うのですが…。
ちょっとオーソドックスなワードローブに変化を加えつつ、シンプルさはキープしたスカジャンブルゾンを視野に入れても良いかもしれません。
ブルゾンの着こなしは、「スソ」のレイヤードにアリ!
アイテム単体だけではなく、ブルゾンの着こなしには大事なことがあります。
それは「インナーとの着丈差」です。
出典 ttp://www.essence-web.jp/products/detail.php?product_id=15635
ブルゾンとインナーに着丈差が生まれている、着丈の短いことの多いブルゾンでは、インナーの方が少し長め、がベストバランスです。
最近はインナーをタックイン(ボトムスに入れてしまうこと)も流行っていますが、そんな現在でもこの組み合わせが最も簡単に、最もバランスよく見せられることには変わりありません。
インナーが長すぎると恣意的に、あるいはだらしなく見えてしまうこともありますが、どれだけスソを出せば綺麗に見えるか?インナーとの組み合わせも考えていきましょう。
スポンサーリンク