ダウンジャケットやウール・カシミアの服は本当におうちで洗えるのか検証!冬モノをしまって、クローゼットを整える!洋服の価値が見えてくる、洋服のケア!
4月も中旬に入り、春らしい陽気…というよりも早くも夏を感じさせる日すら多くなってきました。
こうして春に近い日と夏に近い日が繰り返されて夏に向かっていくのですね。
寒の戻りは度々あるものの、流石にそろそろダウンジャケットやウールのニットなどは流石に不要になる頃です。
そろそろ冬モノはしまいましょう。
そしてそれを機に、今の自分のワードローブに本当に足りない物は何なのか?
また不要な物は何なのか?整理していきましょう。
洋服のケアにはそういう一面もあると思います。
ということで、前からリクエストを頂いていたダウンジャケットやニットって本当に洗えるの?という企画をやっていきたいと思います。
難しく考えすぎる必要はないが、やっぱり慎重に決めて欲しい「おうちクリーニング」
「家で洗えないものは基本的にはない、なんでも洗える」と言う人もいます。
確かに、超高級だったりレアな素材はさておき、一般的に売っているもののほとんどは家で洗える、と経験上私も思います。
メーカーは、「基本なんでも家で洗えますよ」と言ってしまうとリスクしか無いので、クリーニングしか出来ないものが本当はそうではないのに溢れている、というのが現状です。
ただね~、やっぱり基本はクリーニング店に任せる、が良いと思います。
クリーニング店って日本中どこにでもあるし、今まで数多くのクリーニング店を利用してきましたが、基本的に大きな失敗をされたということはないですし(シミ抜きなどに関しては、技術力に差を感じるところではありますが…最近流行りのネット宅配クリーニング店については後述します)。
これから解説しますが、おうち洗いもなんだかんだ手間や時間が掛かるものです。
そのうえ失敗のリスクもあります。
「失敗したら泣く」なんてお気に入りは、素直にクリーニングに任せましょう。
家で洗ったほうが良い、というメリットは、コストを除くならほとんど無いのが実情です。
私も、その年に買ったばかりというようなお気に入りはまずクリーニング店に任せます。
どんなに高いクリーニング代でも、その商品を買った値段を超えるということは基本的には無いですからね。
そのことを念頭に入れた上で、本記事は「洗えるものはなるべく家で洗って、クリーニング費用を抑えたい」「本当のお気に入りだけきちんとクリーニングでケアしたい」という方に向けた記事となっています。
「クリーニング代が嵩むから、今年は洗わないでおこう…」なんてことをしてしまうと、いざ着たい時に汚れがシミとして顕在化しているかもしれませんからね。
意外と簡単なダウンジャケットのおうちクリーニング…西川ダウン洗ってみた!
これは家では洗えないだろう…と考えられがちで、かつクリーニング費用が高額となりがちなものの代表格がダウンジャケット。
この手の記事では必ず「ダウンジャケットも洗えるんですよ!」みたいな流れが多いですが、大体ユニクロのウルトラライトダウンみたいな羽毛量の少ないものが多いですよね。
毎年紹介しているナノ・ユニバース「西川ダウン」のような、羽毛量の多いふかふかのダウンは本当に洗えるのか??
ということで、西川ダウンを洗ってみました!
ナノ・ユニバース西川ダウンについてはコチラを
洗う前の確認作業とネットの使用
洗い前
洗うのは2015年秋冬期発売の西川ダウン「G2ジャケット」。
表地の素材は「ナイロン」です。
洗い前に主にチェックして頂きたいことは、毛羽の大量な抜けが無いか?ですね。
毛羽が大量に抜けているという場合、小さな穴がダウンパックに空いているはずで、それが洗うことによってどうなってしまうのか未知数です。
そのような場合は素直に専門家に委ねるべきでしょう。
西川ダウンG2を洗う上で気をつけるべき点は、ご覧の通りレザーパーツやメタルパーツが使われているため、洗濯機を使った際に洗濯槽に引っ掛けたり、擦れるのを防ぎたいというところ。
そのため、折畳んだダウンジャケットが入るくらいの、やや大きめの洗濯ネットを用意する必要があります。
今回は50cm×60cm程度の大きさのものを使用しました。
WINOMO 洗濯ネット ランドリーネット 角型 洗濯物カラミ/傷み防止 60 x 50cm/50 x 40cm/40 x 30cm(6枚セット)
大きめの洗濯ネットは、大規模な100円ショップでも置いてあったりします。
200円だったりしますけどね。
基本的に全てのオシャレ着洗いには洗濯ネットは使ったほうが良いと思います。
洗剤は中の羽毛のことまで考えて中性洗剤をセレクト
使った洗剤はTHE LAUNDRESS(ザ・ランドレス) のウールカシミアシャンプー。
THE LAUNDRESS(ザ・ランドレス) ウールカシミアシャンプー cedarの香り475ml
後でカシミアのニットもこれで洗っていますが、その名の通りウールやカシミアなどデリケート衣料にも使えて、なおかつ比較的洗浄力があるオシャレ着洗剤です。
ダウンジャケットは表面がポリエステルやナイロンなど比較的強い化繊素材で出来ていても、中の羽毛のことまで考えるとアルカリ性洗剤は避け、必ず「中性洗剤」を使いたいところ。
ランドレスのウールカシミアシャンプーは、粘度が強く、ピンポイントの汚れを狙い撃ち出来るのと、cedar(シダー)の香りが気に入っていますね。
シダーの香りは、好き嫌いもあるとは思いますが、防虫効果もあるとされているのがポイントです。
洗いは全自動でOK!
用意が終わったら、洗いスタートです。
作業は全て洗濯機で行います。
まずは皮脂汚れが付着しやすい、エリ、ソデ、それからフード周りなどに洗剤をブラシなどを使い、直接塗布していきます。
ランドレスウールカシミアシャンプーの粘度の高さがここで活きてきますね。
この作業も洗濯機の上で行ってしまいます。
その後折畳んで、洗濯槽へ。
表面の汚れをよく落としたいので、この時点ではまだ洗濯ネットには入れません。
洗剤を軽く追加して、しばらく浸け置き。
(たまに洗濯槽を回します)
その後、洗いが一通り終わったら、洗濯ネットに入れて、すすぎ→脱水へ。
全行程手洗いでやる、という人もいますが、手洗いだと時間と労力が掛かりすぎて、何のためにおうち洗いを選んだのか分かりません。
洗濯ネットを使っていますし、面倒なのでここからは全自動です。
一番ソフトなモードにしましょう。
「ドライ」モードが一般的ですが、「おうちクリーニング」や「オシャレ着洗い」などその名称は洗濯機によって様々です。
乾燥後、ひと手間かけてダウンのふわふわ感を復活させる!
脱水まで終わって、洗濯ネットから出した直後の状態がコチラ。
洗濯直後
フードも、アームもかなりボリュームが減って、ぺたんとしています。
果たしてコレが、元々のふわふわに戻るのか…。
直射日光は避けて、陰干しで丸3日間ほど乾かします。
乾燥後
大分膨らんできましたが、最後に…
適当なところを持って、手でバサバサと振り捌きます。
これによって羽毛の偏りを軽減し、ふわふわ感も戻ってきます。
全行程終了
洗濯前のふわふわ感も戻りました。
羽織ってみると、西川ダウンのふわっとした軽い着心地も変わらず。
レザーパーツなんかも特に問題無し。
気になっていた汚れもスッキリと落ちて、これは再度クリーニングに出したりする必要が無さそうです。
このまま、次の冬まで収納します。
ポイントとしてはやはり洗濯ネットをしっかり使うこと、乾燥後振りさばいてふわふわ感を復活させてあげること、ですね。
次はカシミアのニットをおうち洗いしてみましょう。
ウールニットは洗った後のフォローも大事!
イメージよりもおうち洗いが簡単にできてしまう「大物」ダウンジャケットよりも、実は結構大変なのがウールで出来たニットのおうち洗い。
準備する物も色々あります。
まずはこれまた洗濯ネット。
WINOMO 洗濯ネット ランドリーネット 角型 洗濯物カラミ/傷み防止 60 x 50cm/50 x 40cm/40 x 30cm(6枚セット)
これは絶対必要ですね。
ウールにとって、水分を加えた上での摩擦というのは大ダメージの元になってしまいますからね。
今度はダウンジャケットとは逆に、小さめの洗濯ネットが必要となります。
ニットを洗う過程において、絡みあう、摩擦する、といったリスクを出来るだけ少なくするためです。
そしてウール用の洗剤も必要です。
ウールは、水に浸けた瞬間から縮むリスクを負いますが、ウール用洗剤は摩擦を防ぐ成分が入っているので、縮むのを防いでくれるというわけです。
(絶対に縮まないわけではありません。)
これは先程紹介したランドレスのウールカシミアシャンプーなどがベストですが、簡単に入手出来るエマールでも良いでしょう。
エマール 洗濯洗剤 液体 おしゃれ着用 リフレッシュグリーンの香り 本体 500ml
ただし、エマールは衣類に優しいと言えば優しいのですが、その分洗浄力はかなり弱め…。
例えばTシャツなどにもこれを使っていると、汗汚れを落としきれず後々シミとして顕在化してきてしまいます。
大切な衣類だから全部エマール…というのはやめましょう。
(私はかつてこれをやってかなり痛い目を見ました…)
以前紹介したプロ防虫エッセンスと同じ会社が出しているプロ・ウォッシュも以前使っていましたが、ニットを洗うのには適しています。
量が多く、使い切るのが大変なくらいです。
最難関、カシミアのニットを洗う!
今回はダウンジャケットと同様ランドレスのウールカシミアシャンプーで、カシミアのニットを洗ってみたいと思います。
洗濯前
以前紹介したジャーナルスタンダードのカシミアハニカムニット。
多分この冬一番着たニットですね。
合わせやすいので、気がついたら手が伸びるんです。
今年も頑張ってくれました。
ふわふわっとした質感で、いかにも家での洗濯が難しそうなコレを攻略していきます。
ウールは、先程言ったように、水に浸けた瞬間から縮みのリスクが生じるので、まずウール用洗剤を洗濯槽に入れて、「洗剤が溶けた水」を先に用意します。
そこにネットに入れたニットを投入し、あとはドライコースで洗っていきます。
ダウンと違って、ウールニットの表面は荒れやすいので、必ず裏返してネットに入れてください。
その際、柔軟剤を入れるのを忘れないで下さい。
ウールを髪の毛とすると、柔軟剤はリンスやコンディショナーの役割。
摩擦を防いで、縮みや生地の荒れのリスクを抑えられます。
柔軟剤は、正直なんでも良いと言えば良いのですが、私は以下の物を今は使っています。
THE LAUNDRESS(ザ・ランドレス) ファブリックコンデショナー classicの香り475ml (柔軟仕上げ剤)
ランドレスの洗剤と最も相性が良くなるように作られた柔軟剤。
「classicの香り」と言われても、何のことかピンとこないと思いますが、洋服屋さんでしてくる甘い香りと言えばいいかな。
分かる人は分かると思うのですが、セレクトショップ「EDIFICE」の香りです。
苦手な人は苦手な香りだと思うのですが、ランドレスは人工(合成)香料を使用していないので、甘い香りでも気持ち悪くなりにくいんですね。
またこの香りが近いのが、LAVONS(ラボン)のラグジュアリーリラックス。
ランドレスclassicの香りが好きだけど、もうちょっと安く日常使い出来ないか…という方向けですね。
cederの香りもそうですが、香りに関しては好みがあるとは思いますが、好きな香りがあると、洗濯という一見面倒な作業も楽しくなるものです。
柔軟剤は最初から投入してしまうと、洗剤の洗浄力を大幅に減殺してしまうので、すすぎの水が綺麗になってから入れましょう。
洗濯機についている柔軟剤投入口に柔軟剤を入れておくと、最適なタイミングで投入してくれます。
柔軟剤を洗剤と一緒に始めから投入してしまう人が4人に1人もいるらしくて驚くのですが、もしやっている人は絶対にやめてくださいね。
ウールのニットは洗ってからがキモ
ウールのニットは洗ってからがちょっと大変。
まずそのままハンガーで干し始めると、伸縮性に優れた「編み」で出来ているニットは濡れた水分の重みで変形しやすくなってしまいます。
(これは同じく「編み」で出来ているコットンやリネン糸のニットなどでも同様です。春ニットも出来れば平干しからスタートしたいところです。)
ある程度乾くまでは、ニット用の平干しネットの上で干すのがオススメです。
平干し
この平干しを行う場所は、お風呂場でOKです。
大体朝に洗濯をして、夜に帰ってくる頃には、もうハンガーで乾かしても大丈夫なくらい水が切れていると思います。
(「換気」をONにしておきましょう。)
ある程度乾いたら(水の重みで伸びる心配が無いくらい水が切れたら)、ハンガーに移します。
ハンガーは必ず、厚みがしっかりあって肩に跡などを付けないものを使用してください。
無印良品のポリプロピレンハンガーがここでもオススメです。
そして、乾いた後の仕上げとして、スチームアイロンで生地表面を整えます。
洗いざらしのウールニットは、いわば髪の毛を自然乾燥させたような状態なので、しっかり整えてあげるんですね。
この時ぎゅーっとアイロンを押し付け過ぎてしまうと、表面の毛羽が寝すぎてしまうので、優しく表面を撫でるように。
この一手間で仕上がりが全く変わってきます。
今回はありませんでしたが、ソデなどに「リブ」があるニットの場合、結構な頻度でこれが波打つように縮んでしまうことがあります。
そんな時はスチームを出しながら、丁寧に伸ばしてあげることでフォローします。
肩にハンガー跡がついてしまったときも同様です。
全行程終了
カシミアのふわふわっとした質感や風合いを損なわずに、ダメージ無く仕上げられました。
ふわふわ感はむしろアップしているかもしれません。
同時に白も洗ってみましたがコチラも上手くいきました。
ニットを洗うポイントは、必ずネットを使って裏返しにして洗うことに加えて、乾燥後のアイロンでのフォローでしょうか。
(平干しは絶対でありませんが、やったほうがリスクは減ります。)
ニットが絶対に縮まないという方法は残念ながら無いので、スチームアイロンでのフォローが出来ないのにニットをおうちで洗う、というのは無謀ではないかと思っています。
自信が無いならやめておくのもアリ
今回ダウンジャケットとカシミアニットをおうち洗いしてみたのですが、どうでしょうか?
簡単そう、やってみたい、と思うかたもいる一方で、やっぱり面倒だなあという方もいるはず。
そんな時は無理せずクリーニング店に頼ったほうが良いでしょう。
特にニットはスチームアイロンでのフォローが前提となってくるので。
これはメンズにありがちなのですが、「洗ったら服がダメになってしまった!」という嘆き。
実は一度洗いを掛けてしまうと、洗いざらしで元どおりになる、なんて服のほうが少ないものです。
「これは一度洗いを掛けられているので、洗濯しても変わりませんよ」なんてお店で言われることがあると思いますが、製品段階で洗い加工を施されているものでもその後アイロンプレスされていたりします。
ニットに限らず、洗濯後にアイロンでカタチを整えてあげると、新品の時に近づけることが出来るものです。
(もちろん洗いざらしの風合いが雰囲気があってカッコイイ、なんて服もあるので使い分けですけどね。)
それが出来ないからといって洗わない、というのも本末転倒ですし、クリーニング店にお任せするのも全然アリです。
私だって去年の秋冬シーズンで買ったばかりのダウンジャケットやニットは、自分で洗おうとはまず思いません。
自信が無いなら止めておく、クリーニング店にお任せする、というのもアリです。
クリーニングから帰ってきたら、防虫カバーでしっかり防虫&ホコリケア
クリーニング店から戻ってきたら、透明なビニールのカバーはすぐ外してしまいましょう。
あれが結構綺麗で、ずっと付けていたいのは分かるのですが、あのビニールのカバーではクローゼットの中で洋服が呼吸出来ません。
半分「不織布」という空気が通れる布で出来た防虫カバーで保管すれば、虫からもホコリからも守ってくれて、なおかつクローゼット内での摩擦も避けて、服が呼吸も出来ると言うことなしです。
ムシューダ 防虫カバー 1年間有効 スーツ・ジャケット用 8枚入
最近流行りのロングコートは、コート・ワンピース用で。
ムシューダ 防虫カバー 1年間有効 コート・ワンピース用 3枚入
丈が130cmあるので、100cm超えのコートも余裕で収納できます。
もし余ってしまったら、ハサミなどで切ってジャケットなどに使ってもいいですし、実はスラックスなんかもこれでカバー出来ます。
取り出しにくくなるので、長期保管に限りますが、ズボン吊りにかけたスラックスに2、3枚まとめてこれをかけてしまいます。
ネット宅配クリーニングについて
最近流行りのネット宅配クリーニングサービス。
ネットでクリーニングの集荷受付をしてくれて、クリーニング後は保管までしてくれる、というものです。
ただ一部でトラブルもあるようです。
私の読者の方でも、大手のネット宅配クリーニングに出したところ、一部がヨレヨレになってクリーニングされていない状態で帰ってきたり、倉庫内で行方不明になったり(結局見つかったそうですが)、といったトラブルに遭われたという報告がありました。
こういったことが頻繁に起こっているとは思いませんが、「そういうこともある」と思って利用したほうが良いでしょうね。
私は「安い物はここ」「高いものはここ」みたいな馴染みのクリーニング店を持っていますが、流石にこのブログを始めてからというもの、クローゼットが圧迫され気味なので、クリーニング店に全ての服を持ち込むのもしんどくなってきました。
今年はクリーニングに加えて保管もしてくれるサービスを利用しようかなと思っています。
洋服のケアって結構面倒ですよね。
でも面倒な分だけ、その洋服のケアにどれだけの手間とコストを掛ける価値があるのか?この先も所有していきたいと思えるのか?など見えてくることもあります。
ケアをしていく中で「自分の洋服」になっていく部分もありますし、ケアまで考えると「安いから買っとこう」みたいな考えも抑制出来ます。
買っては捨てる、みたいな時代ではないですし、メルカリやヤフオクで簡単に洋服を回していける時代ですから、洋服のケアについても覚えておいて損は無いはずです。
春物を買って、クローゼットが膨らんできた…という方は、冬モノをケアしつつ、クローゼットを整理してみてはいかがでしょうか?
春本格化で、ワイドパンツ、シャツ、カットソー…など春物の記事も執筆中です。
またチェックしに来て下さい!