今年も継続されるメンズの無地Tシャツ・カットソースタイル。スリットか?ラウンドか?スソのカタチや生地の厚みなど、「1枚で着るのに向いた無地Tシャツ・カットソー」と「インナー向き無地Tシャツ・カットソー」の違いとは?今ベストのサイズ感は?クルーネックはもう終わり?Vネックは復権するのか?ユニクロ対無印良品、リーズナブルカットソーはどちらにある?
ノームコアが終わったとか言われますが、今年も「無地Tシャツを1枚で着る」というスタイルは継続されるでしょう。
今やメンズの必須アイテムと化した無地Tシャツスタイルですが、一体どういう物を選ぶべきなのか?今年も詳しく解説していきたいと思います。
生地の厚みと、無地Tシャツを1枚で着るという意味の変化
具体的なアイテム紹介の前に、無地Tシャツ・カットソーというアイテムの現在地を確認していきたいと思います。
まず、基本的には生地にある程度厚みがあったほうが1枚で着るのに向きます。
生地が薄いと、肌が透ける恐れがありますし、乳首浮きなどの問題も生じます。
ボーダー柄だったり、プリント等があればまた別なのですが…。無地Tシャツは誤魔化しが効きません。
生地が薄いカットソーでもタンクトップ等を入れて誤魔化す、ということができなくはありませんが、今度はそのタンクトップが透けてしまったり、あるいはタンクトップの厚みが「響いて」、シルエットが崩れてしまったりするんです。
生地の薄い無地Tシャツ・カットソーというのは、あくまで「下着」なんですね。
生地が薄いと、それだけ下着っぽくてセクシーなんですが、最近の「無地Tシャツを一枚で着る」というのは、「下着をあえて1枚で着る」というかつての「セクシーさの表現」では無くなりつつあるのです。
セクシーな無地Tスタイル
http://www.cambio.co.jp/fs/cambio/mt4058
現在の無地Tスタイルは、どちらかと言うと「Tシャツにプリントなんて要らないよね?」というシンプル・ミニマルな志向から来ています。
無地Tをセクシーに下着風に着たいわけではなく、あくまでTシャツスタイルをよりシンプルに、ミニマルに、よりラフに…大人っぽく表現したいというわけなのです。
かつてストリートブランドが競うようにロゴTシャツやプリントTシャツを出していた時代から比べると、プリントTシャツそのものが衰退したというのもあると思います。
生地の薄い、本来は下着として作れたパックTシャツをTシャツスタイルとは差別化されたものとして、半ば無理やりセクシーに着る、というものではなくなってきているんですね。
生地が厚ければ良いカットソーというわけでは必ずしも無いですし、薄いカットソーは、シャツを「羽織り」でセクシーに着るのに向きます。
全く使えないアイテムでは無いのですが、少なくとも1枚で着る、という場面ではオススメしません。
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スリットやラウンドなどの「スソ」ディテールは絶対か?
近年Tシャツのスソの変化が顕著です。
メンズでもスソに「スリット」が入っている物がかなり増えてきました。
出典 ttp://www.area-website.com/products/detail15307.html
このブログでも何度か解説していますが、これがあることにより腰でクシュクシュとスソが溜まらずにストンと落ちてくれます。
カットソースタイルをいつでもシャープに見せてくれます。
出典 ttp://www.arthur.gr.jp/tsuhan/cgis/goodslist.cgi?mode=view_detail&genre_id=00000024&goods_id=00001455
申し訳程度に浅く入っている物もありますが、これが深めに入っていて、かつ着丈に前後で差が付けてある(後ろのほうが長い)物は非常にスタイリッシュに見せてくれます。
なおかつ、1枚で着た時にも後述するラウンドシルエットほどわざとらしくないので、入っていると嬉しいディテール。
これがあるとタンクトップとのレイヤードもスムースにいきます。
(特にタンクトップ自体にスリットやラウンドなどのディテールが無い場合に有効。)
実はこのスリット、お直しやさんにお願いすると入れてもらえることがあります。
私は着丈が長すぎるTシャツをお直しするついでに入れてもらったことがあります。
もちろんメニュー表に「Tシャツにスリットを入れる」なんて項目があるお店はまず無いので、相談した上で、となるわけですが、どうしても手持ちのTシャツにスリットを入れたい!という場合は相談してみるのも手でしょうね。
次にスリットと並んで増えてきたディテール、「ラウンド」。
このディテールを持つカットソーをラウンドカットソーと呼んだりします。
ラウンドしたスソというのは、サイドが短く、前後が長く作られており、これを丸みを帯びたカタチで繋げたディテールのこと。
上記のスリット的な「腰で溜まらない」役割も少し果たしています。
【KAZUYUKI KUMAGAI】37-2空紡天竺クルーネックS-S
こちらは、アウターとのレイヤードで多大な威力を発揮します。
スソに明確にポイントが作れるので、ちょっと何か足りないなぁ…なんてアウターと合わせると見違えますよ。
ただ1枚で着るとなると、少しだけこのディテールが恣意的過ぎる感じがしなくもないですね…。
スリットは機能的にあったほうが嬉しいのですが、ラウンドは一枚で着るなら必ずしも必要ではないですね。
前述したように今の無地Tを一枚で着るスタイルは、セクシーさを表現したいというものではなく、まっすぐのスソの方がよりシンプルでラフ、という意味でその趣旨に沿うのかもしれません。
Tシャツ・カットソーに付きまとうネック問題、クルーネックはそろそろ終わり?またVネックが復権?
Tシャツ・カットソーに付きまとうのが「ネック」の問題。
ここ最近は前述した「スソ」の変化の方が顕著で、ネックの変化はあまり見当たりませんでした。
詳しくは過去に書いた記事に譲りますが、カットソーのネックの形は約10年くらいの時間を掛けて
クルーネック→Vネック→深いVネック→深いUネック、という変遷を経て、現在のトレンドであるやや詰まり気味のクルーネック、に至りました。
どんどん胸元を見せるかのように深く開いていき、広くなっていたネックが、どんどん狭くなり、詰まっていったように、今後はまたどんどん開いていくと思われます。
そしておそらく、トレンドがどこかのタイミングでVネックに切り替わるのかなと思っています。
本当に徐々に徐々にですが、昨年からクルーネックと並行してVネック、そして少し広いネックであるUネックのカットソーを出すブランドが増えてきました。
とはいえ、まだまだ少数。
前回トレンドがクルーネックからVネックへ、そしてVネックからUネックへ切り替わる時というのはそれなりのアイテム供給がされてから、でしたから、まだまだそんな気配にはありません。
まだ全面的に切り替わるほどの供給量では全然無いのです。
クルーネックが今年の夏いきなり廃れるということはありません。
まだまだ今年の主役はクルーネックです。
出典 ttp://shop.iddailyshop.com/?pid=114632701
私は昨年から「詰まりすぎ」のクルーネックではなく、「開きすぎず、詰まりすぎてもいないクルーネック」をオススメしていますが、今年は並行して、バリエーションとして1枚Vネックを買ってみても良いかもしれません。
トレンドが切り替わるタイミングって結構残酷なものです。
一気にそれまでのネックの形が古くさくなってしまいますから。
ただ、そんなことを当たった外れたと予想していても仕方ありません。
物事がどんどん変わっていくのは、どうしようもありません。
我々消費者は、トレンドと適度な距離感を保ちつつ、その時その時を楽しめば良いのです。
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今のサイズ感は「ちょいユル」がベスト
現在の無地Tスタイルが、下着のようなセクシーさが求められるわけではないことは前述しましたが、それはサイズ感にも言えます。
タイトシルエット
http://www.cambio.co.jp/fs/cambio/mhlt/mt4403
数年前のとにかくタイトにまとめるスタイルから、現在のサイズ感はどんどん緩和されています。
いわゆるビッグシルエット、オーバーシルエットに引っ張られる形で、「ちょうどよいサイズ感」も、少し緩くなってきており、今はジャスト~ゆるめのサイズ感が最も支持されています。
ビッグシルエット
出典 http://www.cambio.co.jp/fs/cambio/cambiot/mt4072
小さすぎるよりは、ちょっと大きいくらいが良い。
ビッグシルエットまでゆるゆるにする必要は無いものの、どこかでストリート系のテイストを感じさせる「ちょいゆる」なサイズ感が今はベストではないでしょうか。
出典 ttp://www.smallking.com/shopdetail/000000016356/wyatt/page1/recommend/
着丈は短くなるのか?
トップスのビッグシルエット化というのは、横に大きくなることだけではありませんでした。
縦にも長く、どんどんカットソーの着丈も長くなってきたのが近年の傾向。
こうして長くなった着丈を、スマートに見せるのがスソのスリットというディテールの役割でもありました。
そもそもトップスの着丈が長くなっていったのは、数年前のタイト&ショートブームからの反動です。
数年前のメンズトップスは、本当にタイトで着丈が短かった。
ということは、現在のビッグシルエット化の反動で、着丈は短くなるのでしょうか?
昨年からタックインスタイルが増えてきましたし、着丈がショート化することは十分ありえます。
タックインスタイル
http://www.selectsquare.com/shop/urbanresearchdoors/goods/3401204
レギュラー丈(現在のトレンドを反映してやや長め)の他に、ショート丈のカットソーを並行的に出しているブランドもありますが、まだまだその数は多くはありません。
Vネック同様、カットソーの流行が切り替わるタイミングには、アイテムの供給が伴う必要があります。
少なくとも今年の夏は、あまり気にしなくていいでしょうね。
ユニクロ対無印良品のリーズナブルTシャツ対決
私自身は、常にカッコいいカットソーを求めているため、予算には限度があるものの(流石に無地カットソーで2万円ですと言われると狼狽えます…)、シーズンごとの購入枚数は青天井で考えています。
ただ、そういう人は稀でしょうし、「無地Tシャツにお金をかけるのはちょっと…」という人が多いのは理解できます。
無地Tシャツというアイテムの寿命は短いものです。
もちろんただ着れれば良い、というのであれば何年でも着れるでしょうが、きちんと清潔感を持って着られるのは薄手の物では1年、厚手の物でも3年といったところではないでしょうか。
私自身はあとで紹介するように、ケアもしっかりとして、大切にしている方だと思いますが、それでもやはり「カットソーは消耗品である」と思っています。
そんな消耗品ですから、毎季リーズナブルな価格の物も色々とリサーチしています。
まずはユニクロ。
出典 ttp://www.uniqlo.com/jp/store/goods/196273-00#thumbnailSelect
ビッグシルエットポケツキT(半袖)。
この夏ユニクロでかなり推されているように感じるカットソーですが、生地感があまり良くない…。
確かに生地は割と厚みがあるのですが、生地表面の質感が悪い…。
ビッグシルエットにしていっぱい生地を使うから…ってわけではないんでしょうが、去年秋冬のユニクロUのカットソーとかお値段同じでも生地感良かったですからね。
それと比べてしまうとうーん…。
ユニクロのカットソーなら、ユニクロU随一のアタリアイテム、「スーピマコットンボーダーT(半袖)」でしょう。
出典 ttp://www.uniqlo.com/jp/store/goods/192788-69#thumbnailSelect
ボーダー柄ではありますが、それ故にスーピマTシャツの薄さから来る欠点もほぼ克服されているアイテム。
生地感はこの値段からは考えられないくらいに◎。
ネック部分がデザインが効いていて、こちらをインナーにした重ね着にも有効です。
ボーダーも細かく、色差も少ないので無地Tシャツのテイストにかなり近く着れると思います。
現在完売中ですが、早期に品薄になったことから、ユニクロルメール同様再販無いかな~?と思っています。
再販されたら絶対に複数枚買っておきたいアイテムですね。
私も色違い・サイズ違いで発売直後3枚買ったのですが、なんとか買い足したいなあ。
安いからこそ、真のアタリアイテムを見つけたいものです。
無印良品も、今年発売されているカットソーを何枚か買って試しましたが、「オーガニックコットン太番手クルーネック半袖Tシャツ」が一番オススメ。
出典 ttps://www.muji.net/store/cmdty/detail/4549738576563
太番手の糸で編み上げているらしく、厚手かつかなりガシッとした質感のアイテム。
着てみるとシルエットがしっかりとしていて崩れにくいのが分かります。
夏場は、アイテム数が少なくなるだけに、ヘナヘナとしたTシャツを着ているとそれだけでだらしなく見えてしまうもの。
これが、リーズナブルな価格の無地Tを1枚で着ることの難しさだったりするのですが、このアイテムはそれを限りなく克服してくれると思います。
製品段階で洗いをかけてあり、粗野感のある生地感がちょっとこなれたテイストに変換されているのも良いですね。
私はトップスとボトムスなら、順番としてはボトムスから力を入れるべき、という考えなのですが、しっかりと自分の脚に合った良いボトムスがあれば、トップスはこのアイテムで十分だと言えるくらいのクオリティはあるかと思います。
実はパックTも含めていくつかリーズナブルな値段の無地Tシャツも試してみたのですが、「1枚で着る」ということを考えるのであれば、これが一番コスパが良いのではないかと思っています。
パックTシャツの場合は、開けてどんな物か確かめることが出来ませんし、どれだけ安くても開封してみてダメとなると結局お金を無駄にしますし(その点でもあまりパックTシャツが好きではなかったりします…)。
ドメスティックブランドから選ぶ「勝負の1枚」も紹介
次の記事ではは私が今シーズンドメスティックブランドで買ったオススメの無地Tシャツを多数紹介していこうと思います。
この夏の「勝負の一枚」があるかも…?
お楽しみに。
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