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ZOZO(ゾゾ)離れ、本当に起きてる?ブランドは生息する「環境」を求める生き物…

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ゾゾ離れはZOZOARIGATAOがお得過ぎるから!?本当にブランドが離れていってる?カギを握るのはあの大手か…?実は○○離れも…ブランドは生息する「環境」を求める生き物…?

 

 

 

 

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ブランドのゾゾ離れニュース、ZOZOARIGATAOはお得過ぎる!?

 

 

 年明けから何度か、ZOZOTOWNからブランド離れが起こっている、といういわゆる「ゾゾ離れ」のニュースをよく見かけるようになりました。

 

ついに始まる?アパレル「ゾゾ離れ」の現実味 | 専門店・ブランド・消費財 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

 

ZOZO社長の前澤さんは、正月の100万円お年玉企画などで今非常にニュースバリューのある「時の人」になった感もあるので、「ZOZO離れ」を煽るのは若干悪意的なところも感じられるのですが…。

 

 

当初一連の「ゾゾ離れ」報道は、「ZOZOARIGATO」による一律割引がブランドイメージを損なう、という文脈でした。

 

 

ZOZOARIGATO」は、月500円、年3000円という月額会員制の有料メンバーシップサービスで、何とZOZOTOWNで取り扱うアイテムがいつでも全品10%OFFになるというもの。

(※ただし、月に割引合計5万円まで、という上限があり)

 

 

12月末というセール真っ只中で投入されたサービスなので、あまり実感が持ちづらかったのですが、春物の新作すら現金10%OFFで買えてしまうのはかなり大きなメリット。

 

私は1月早々に4万円使ったので、もう年会費分以上に得をしてしまったことになります。

 

「ポイントとか色んなサービスがあるけれど、現金割引が一番良いでしょ?」

 

という非常に直截的なサービス。

 

これまで「品揃え」や「返品がしやすい」など細かいところで勝ってきたZOZOTOWNですが、より分かりやすく直接的なサービスで「同じ物が売っていたらまずはZOZOで」という流れが出来たか…に思われたのですが。

 

 

 

 

人気ショップの新作が入荷してこない!?

 

 

 ニュースで取り上げられる「ミキハウス」や「オンワード」は、あまり通販で、ましてやZOZOで買うイメージの無いブランドですから、「ブランドのゾゾ離れ!」と言われてもユーザーにはイマイチピンと来なかったと思います。

 

 

ただニュースでは報じられていないものの、やはりジワリとゾゾ離れは起きていると思います。

 

例えばジャーナルスタンダードやEDIFICEなどを擁するベイクルーズグループは、自前のサイト「ベイクルーズストア」には既に入荷させている春物の新作アイテムをZOZOTOWNにはアップしていなかったりします。

 

 

ベイクルーズグループは膨大な取扱いブランドがあるので、そのすべてをZOZOにもアップしているわけではないのですが、「EDIFICE」などのセレクトショップオリジナル品をアップしていないのは珍しいこと。

 

セール品は依然としてZOZOに並んでいるので、すぐに全面撤退というわけではないと思うのですが…。

 

 

元々ベイクルーズグループは、大手アパレルの中では「ZOZO依存」の度合いが非常に低いのが特徴でした。

 

 

「ゾゾ頼み」から脱却へ、アパレル企業の苦闘 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

 

このニュース記事内にあるデータによれば、ネット通販全体に占める自社サイトの販売比率は5割と、およそ半数を占めており、残りの5割という数字にしてもすべてがZOZOではないですから、ZOZO依存は低め。

 

ミキハウスやオンワードのようにZOZOをすぐ離脱しても痛くも痒くもない…というわけではないでしょうが、おそらくしばらくはZOZO離脱なんて不可能そうなユナイテッド・アローズ系に比べればかなり気が楽なのではないでしょうか。

 

 

ベイクルーズストアは、サイトの見やすさだけではなくセール時でも返品出来るなど、サービス面でもZOZOの上を行っていました。

 

これによってセール価格と引き換えに「ギャンブル」をしなくても良くなったのです。

 

 

また買い物によって付与されるポイントが実店舗と連動している、ということも、実店舗を持つセレクトショップグループの強みながら、意外と他社が追従出来ていなかったりする部分です。

 

 

比較的大手だと、STUDIOUS、UNITED TOKYOなどを擁するTOKYOBASEが自社オンラインショップと実店舗の相互のポイントを一元化するシステムを2月28日より可動させます。

(ただし、それによって既存のオンラインショップのポイントは失効で使えなくなるそう…なんでやねん!ポイント消化はお早めに。)

 

メンバーズアプリ/ECシステム移行に伴うポイント失効のお知らせ | STUDIOUS MAGAZINE

 

 

こうしてせっかく育ててきた自社ECサイトも、ZOZOTOWNが恒常的に10%OFFをやっていてはそちらに全部持っていかれてしまう…それならばいっそこの機会に徐々に離脱を…という思惑もあるのではないでしょうか。

 

 

 

元々何故ZOZOTOWNがファッション通販大手、特にAmazonや楽天などの総合オンラインショッピングモールを除いた「ファッション専業モール」のトップに成長出来たかというと、ユナイテッド・アローズやナノ・ユニバースなど「比較的知名度のある大手セレクトショップ」を一番早く揃えられたから、ということが大きかったように思います。

 

ということは、ベイクルーズグループという柱に抜けられることはその屋台骨を揺るがす…ということになるのでしょうか。

 

 

多分ならないと思います。

 

ZOZOの人気アイテムランキングなどは既に低価格帯ばかりになっていますし、当初とはその姿を大きく変えています。

 

大手セレクトショップ側もZOZOに通販事業の大部分を「投げ」るのをやめて、いわば徐々に独立していくような形が一番近いイメージではないでしょうか。

 

「ZOZO離れ」オンワードだけではない!?セレクト各社の危機感(ダイヤモンド・オンライン) 

 


ユナイテッド・アローズやナノ・ユニバースはその依存度からしてすぐにはZOZOを離れられないし(その証拠にユナイテッド・アローズ系のブランドは新シーズンのアイテムをどんどんZOZOに投入しています。)、その間にZOZOはプライベートブランドを充実させてその穴を埋めようとするのでしょう。

 

まだまだ即日配送などのスピード面と、アイテム網羅性ではZOZOにはかなり優位性がある、というのは色々なオンラインサイトを使っていて思うところです。

 

 

 

 

楽天離れも…ブランドはどこまでも生息する「環境」を求める生き物

 

 

 こちらはZOZOのように深刻ではないものの、ブランドの「楽天離れ」もあります。

 

例えば今最も勢いのあるブランドの1つAURALEE(オーラリー)は2019SSシーズンを機に楽天での販売をブランドサイドから禁止しました。

 

以前から有名ブランドにしては楽天での取扱が多く、非常に便利だったのですが、楽天では今年から新品は買えなくなります。

 

おそらくなのですが、アイテム数は少ないながらも一部ショップで取扱があったAmazonもNGになると思います。

ZOZOには入荷はあるので、ZOZONGは無いんでしょうが、例年に比べるとかなり少ないので、今後はZOZOで買うのも難しくなるかも。

 

 

AURALEEは2019AWからパリコレに参加するから…というわけでもないでしょうが、そもそも楽天NGなブランドは結構多く、体感的にはドメスティックブランドなどの高価格帯になるとおよそ半数以上が楽天での取扱はブランドサイドで禁止しているのではないでしょうか。

 

元々ブランドは楽天離れしている状態、と言えるのかもしれません。

 

 

楽天というと、昨年はダウンジャケットのポイントによる実質的な値下げ合戦を何度も取り扱っています。

 

 

 

www.narcisman.com

 

 

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ポイントによる値引きとはいえ、その威力は凄まじすぎました。


西川ダウンなんかはせっかく大切に育ててきたアイテムだけに、もうちょっと大事にしてあげてもいいのでは…?と思うほど。

 

この状況を知って来年店頭で予約しよう、という人がいるのかな…?と老婆心ながら心配になります。

 

 

確かに楽天やAmazonは消費者サイドから見ると非常に便利なショッピングモール。

 

楽天で得られるポイントは、楽天カードの支払や楽天ペイでコンビニ支払いにも回せるので、もはや楽天ポイントによる還元は現金値引きに限りなく近いものになるのです。

 

ただブランドから見れば、楽天ポイントで買われるなんてブランドイメージが…となっても仕方ないのかもしれません。


誰もオーラリーを指して「楽天ブランド」などとは呼ばないですし、うちはそういうの気にしないスタンスなんで、というくらいの方がカッコ良かったようにも思うのですが。

 

 

ブランドアイテムはそれを使う時に留まらず、買うときも含めた「高揚感」と表現するしかないものも含めて、ブランド側で培ってきているわけです。

 

ブランドはユーザーの手の届くまでのことにひたすら気を使っているし、目に見えにくい商品環境にひたすら神経質になります。

 

ちょっとでも「ブランドにふさわしくない」なら環境を変える。

 

 

そのためにユーザーから見ると利便性が下がってしまっても、致し方ないのでしょう。

 

 

ZOZOTOWNにしてもその他のサイトにしても、1つのサイト、1つのアプリで何とかユーザーを囲い込もうと「囲い込み」を掛けてきます。

 

面倒だからZOZOTOWNで探そう、となるように。

 

でも、魅力的なブランドやアイテムはもうZOZOTOWNの外にあることの方が多くなるかもしれません。

現にZOZOTWONの新入荷情報だけを見ていては、去年の水準ですら情報が入らなくなるでしょう。

 

ユーザーにとって大事なことは、そこに魅力的なブランドやアイテムがあるかどうか。

 

多少利便性が下がっても、そういうところに消費者もまた移動するのではないでしょうか。

 

どうしても欲しかった全国残り1点のアイテムなら、面倒でも新規住所入力からやりますよね。

 

 

 

ただ、新規に住所入力くらいなら良いんですが、「カート販売禁止」とかああいうのはブランドはやめて欲しいですよね。

 

ユーザーに「問い合わせ」させまくるのは、別にオシャレでもなんでもないでしょう…。

(「通販全面禁止」との妥協点なのかもしれませんが…。)