流行は所詮世の中の流れだから自分ではどうしようもない。では流行していたアイテムはどうすればいいのか?3年後も着ているために、何が必要なのか?
(BEAUTY&YOUTH) BY パデッド ニット チェスターコート
今日も好評(?)連載中の「なぜこんなにも僕らは他人のファッションが気になるのか?」を考えていきたいと思います。
第二回の記事で「流行は保険、流行という安全圏で人は冒険出来る」というようなことを書きましたね。
この一言で説明するのは到底ムリなので、まだ読んでいらっしゃらない方には是非読んでみて欲しいです。
さてその中で紹介した鷲田清一氏の著書の中の一節。
ニーチェという哲学者は「各人にとってはじぶん自身がもっとも遠い者である」と書いたが、これこそわたしたちのファッションの根にある共通感情ではないだろうか。
そんな「じぶん探し」は、きっと果てしなく続くことだろう。
そのとき、ひとは流行の服装を一種の保険のようなものにしている。
というのも、みんなとだいたい同じような服を着ておいて、そのなかでちょっとした冒険をしていろいろイメージを調整するというのが、ファッションのやり口だからだ。
ちょっと目立とうと背伸びもできるし、派手目にコーディネイトもできるが、みんなのなかに隠れようしてカムフラージュも出来る。
よく考えてみれば、そもそもじぶんのからだがよく見えない。それを毎日他人にさらして生きているのだから、こんな無防備なことはない。
誤解や曲解にさらされることもある。
そこで、おたがいがより確かなセルフ・イメージがもてるようにたがいにイメージをあらかじめ微調整しあう。
みんなお互いを鏡にしてそこに自分を映すわけだ。
セルフ・イメージを支え合うのである。