ドメスティックブランド ATTACHMENT/KAZUYUKI KUMAGAI 公式通販が返品可能に!しかも返品送料無料!?これが今後のドメブラの流れになるのか?
どーもナル男です。
今週から、ちょいちょい2016SS春物の情報をお伝えしているんですが、まさかのニュースが飛び込んで来ました。
飛び込んできたというより、HP行ったらあったんだけどね笑
タイトル通り、ATTACHMENT公式オンラインショップ(KAZUYUKI KUMAGAIも取り扱い) が返品可能になったそうです。しかも返品送料無料です。
http://www.attachment-ec.com/guide/#shippingfee
これ本当に凄いことだと思いますよ。
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基本的に洋服屋さんは返品NG
原宿などのお店は、レジ周りがすっきりしていることが多いのですが、それでも「返品 交換 不可能」という趣旨のプラスチックの表示があることが多いです。
いちいち「ご購入後の返品はお断りさせていただいておりますので」と言ってくる店もあります。
その場でタグを切っちゃうお店もあるんですが、あれはやめて欲しいですね。
別に返品はしないけどタグ切るか切らないかはこっちの自由だろ?と。
どこも本店は品揃えが最大のサービスだった
基本的にブランドの本店ってサービスが無いんですよ。
ポイントサービスとかやっているところすらあまり無いですし。
FACTOTUMの本店が、1年間だったかな?無料で修理を受け付けてくれるサービスはやっていたんですけど(保証書必要)。
基本的にサービスはナシ。
それでもやっていけるのは、「本店が一番品揃えが充実しているから」という大原則があるから。
それが最大のサービスだったわけです。
そんな中でATTACHMENTは、本店で会員になると「5%OFF」という珍しいサービスを行っていました。
このカードを見せるか、スマホで会員画面のバーコードを見せると5%OFFが受けられる
なおこれは、通信販売では適用されずに実店舗限定のサービスなのです。
今後統合されることもあるかもしれませんが。
このサービス導入時から、「実店舗に来て、服を実際見てくれ!」というメッセージは感じました。
ZOZOTOWN・Amazonの猛攻
「あの」ZOZOTOWNが返品可能になった上に返品送料無料、になった、という話は前に記事にしました。
何故「あの」と付けたかは、この記事を御覧ください。
ZOZOTOWNに追随し、Amazonも当然のように返品送料無料化に踏み切りました。
しかも基本的にはZOZOTOWNが2週間(返品連絡に1週間、そこから1週間以内の到着が必要)なのに対し、Amazonは30日間(到着から30日以内にAmazonへの返送が必要)!
これはただでさえユニクロの猛攻を受けているアパレル業界にとっては明らかに変革を迫られる事態だったのでしょう。
ATTACHMENTはZOZOタウンでの取り扱いがない
ATTACHMENT及びKAZUYUKI KUMAGAIはZOZOタウンでの取り扱いがありません。
1店舗だけ返品を受付けているディーラーがあるのですが、基本的には返品送料無料どころか、返品自体受け付けていません。
実店舗での試着無しに通信販売でサイズなりイメージなりを誤ったら、当然そこで終わりです。
ATTACHMENTもKAZUYUKI KUMAGAIも、アウターとなると5万円からします。
10万円を超えるアイテムもありますし、ミスったら洒落になりません。
オークションも今は不況で、かつてのように新品なら定価近くで売れる、なんてこともなく、せいぜい6~7割程度の値段が付けば良いほうです。
通販の失敗リスクは全面的にユーザーが負わねばなりませんでした。
必然的に、試着に行けない人たちにとって、そのようなブランドは視野から消えるわけです。
それではやっていけない時代になったのでしょう。
返品を無料化してでも、手にとってもらう必要があった
最近は、本当にファストファッションが全盛で、ユニクロをはじめ安い服が原則になってしまって、確実に洋服に掛けるお金というのは減少していると思います。
中には「ユニクロのアイテムはドメスティックブランドレベルの物とあまり大差が無い」かのようなことを主張する人も出てきてしまう有様。
でもそれは、上記のように敷居を高くし、「取扱店に来れないお客様は知りません」というような隔絶状態を作ってしまったから起きたことでもあって。
それをぶち壊すATTACHMENTの返品可能、しかも一気の返品送料無料化は「やめてくれー」という他ブランドの悲鳴も聞こえますが、非常に良い試みだと思います。
体力が完全に無くなってからでは、出来ないですから。
そこまでしてでも、手にとって見てくれと。
確実にドメブラのハードルは下がりました。
通販でミスったら終了、ではなくなったのです。
しかも本店のどこよりも多い品揃えの中から選べるのです。
前の記事に書いたように、返品する側のモラル、ブランド側の品質管理という問題は残すものの、敷居を高く高くすることでむしろ高価格を裏付けていたようなドメスティックブランドとしては革命的な出来事だと思います。
とにかく驚きました。
これからのドメスティックブランド
ATTACHMENT本店のこの方向転換に、ATTACHMENT取扱店がどう動くのかすら分かりません。
ATTACHMENT系列店は名古屋店以外は他のブランドも入っているので、それらとの兼ね合いもあるでしょう。
返品可能・返品送料無料化に果たして他のドメスティックブランドが追随するのかは微妙なところです。
しかし、ファストファッション台頭によって数年前までは確実にあった「服はある程度の値段を出さないとまともな物が買えない」という共通認識がぶっ壊れてしまっているのが現状なのです。
もちろん良い物を作りつづけなければいけないのですが、明らかに情報発信も足りていません。
「ユニクロのこのアイテムはドメスティックブランドの物と大差無いですよ」というような主張に反論することが出来ていない状態です。
広告をもっと雑誌に載せろとか言っているのではなく(雑誌も弱体化しているので大して意味がありません)。
もっともっと啓蒙活動をして、客層を、ファンを開拓していかないと、ユニクロの何倍、時に10倍もの値段を払って服を買う人なんていなくなってしまうと思うんです。
カッコいいHPを作って、バーンと外人モデルの写真を並べて、それで終わりではなく。
あるフランスの高名な画家は、何故自分の絵が高いのか、何故それだけの値段を出しても買う必要があるのか?をニューヨークの美術館を何度も訪れ啓蒙していったそうです。
現代もまた、良い絵を描くだけではダメな時代に突入しているのは確かでしょう。
正直ね、気持よくお金を出せるようになって欲しいんですよね。
だってこれだけ「安い服で揃えるのが正義!」という時代になっちゃったんだもの。
「高い服を買うやつは馬鹿」みたいなファストの圧力をね、ちょっとは風穴開けて欲しいと思う。
ファスト側は「服は高くなくちゃダメ」っていう風潮に風穴を開けたんだから。
偏った空気って、閉塞感を生むんだよね。それを打ち破って欲しい。
いろんな価値観があるから、面白い。
そういう「空気」を作るのもこれからのブランドの役目かな、と思います。
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