どーもナル男です、長かったPコート特集ですが、この記事で終わりです。
ドメスティックブランド編の三回目ですね。
いやーほんとに長かった。ほんとはね、先週の土日で完結する予定だったんですよ。
Pコートの着こなし記事を1つ、セレクトショップ編、ドメスティックブランド編とアイテム考察をやって、3記事で終わる予定で書き始めて。
それがまあこんなに長くなってしまって。
お付き合いいただいたみなさんがもう若干Pコート嫌いになってるんじゃないかと心配です。
Pコートのことは嫌いでもナル男のことは嫌いにならないでください!
ふう…さて、では最後のドメスティックブランドのアイテム考察をドドドン!とやっていきましょう!
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ようやく復活した、FACTOTUMのPコート
タイト&コンパクトなショート丈Pコートを、これだけ「当たり前」のようにしたのは、ディオール・オムの影響が大きいのですが、当然それだけではありません。
国内のドメスティックブランドが頑張って「ディオール・オムからインスピレーションは受けつつも、そのブランド独自の」ショート丈Pコートを作っていったからこそ、さらにセレクトショップ、さらに下位ブランドへと波及していき、やがてショート丈Pコートが当たり前になっていったのではないでしょうか。
ショート丈Pコート初期にかなり貢献をしたブランドとして、ナル男は真っ先にFACTOTUMが思い浮かびます。
金属紋章ボタンに、裏地が赤のチェックという、今では「ださっ」となってしまうディティールながら、当時はとてつもない人気を誇ったPコート。
あの頃ナル男も●●歳、若かった…。そしてFACTOTUMは憧れだった。
出典 http://simplecity05170.at.webry.info/theme/94c39f9db3.html
今見るとダサいでしょ?でもこれがね、当時はメチャクチャカッコいいとされてたんですよ。
めったにオークション等にも出ず、出てくるとプレミアが付いている。
そんな感じでしたね。
しかしそんな名作Pコートを出したFACTOTUMのPコートはそこから迷走をします。
おそらく誰もが、このPコートを再現してほしかった。
でもしないんです。
ATTACHMENTは、現在のPコートをかなり前(10年前くらい?)に完成させてそれをマイナーチェンジすることによってなるべく変えずに変えずに来ているのに対して、FACTOTUMはインナーやデニムを除いてアウター類に「定番」を持っていなかった。
途中からコレクションブランドになったからというのも大きかったと思うのですが。
素材をシルクという変わり種にしてみたり、やたらミニマルな「よそにありそう」なPコートにしてみたり。
出典 http://bltkyoto.exblog.jp/m2010-10-01/
ようやくこの時くらいから「現在のPコート」の原型のようなものが見え始める。
cv
出典 http://kingsroad.jugem.jp/?eid=560
しかし相変わらず大胆なマイナーチェンジで失敗したり…
出典 http://www.jb-voice.co.jp/jackinthebox/2013/10/11/15708/
そして今年、リアルクローズライン「VALLIS by FACTOTUM」のスタートによってようやく、Pコートの迷走も終わった感があります。
出典 birds eye http://www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/1010524
デザインは究極的にシンプル・ミニマルに。
これまで主張しすぎだった、ポケットの三角レザーを大人しめにして、全体になじませてあります。ボタンもイカリボタンをやめて、シンプル・ミニマルに。
かなり細かくチェックしたんですが、本当によく出来てます。
正直これまでのモノは防寒性は抜群だったんですが、動きにくくて。
それがかなり改善されています。
そしてこれまで通りキルティングとシンサレート(高性能中綿)仕様で、防寒性を高める。
迷走を続けた末にようやくたどり着いたカタチがこれだとするとかなり悪く無いと思いました。
デザインも着心地も防寒性も、高いバランスで整ってますね。
これが毎年定番化するなら「FACTOTUMのPコート、復活!」と言ってよいでしょう。
「PコートならATTACHMENTが間違いないよ」を覆せるのでしょうか?
Pコート好きとしては大いに期待するところです。
ネイビーも、セレクトショップのネイビーのような「黒と大差ない」ものとは違って、
しっかりと独特の色みを持っていて、黒スキニーを合わせると同質化せずに「浮き上がってくる」んです。
出典 birds eye http://www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/1010524
ただ、今季セレクトショップもドメスティックブランドもあまり出してくれていないのがグレー、それも濃い「チャコールグレー」。
黒スキニーとの相性は、間違いないです。
出典 birds eye http://www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/1010524
防寒性の分だけ、ATTACHMENTのモノより分があります。
防寒性がかなり高いので、薄着で着用でき、ショートPコートで大敵と繰り返している「着膨れ」リスクを回避出来ます。
正直「ハズレ」の方が多かったFACTOTUMPコートですが、今年は本当にオススメできます。
リンク kings roadhttp://smallking.com/shopdetail/000000012073/factotum/page1/recommend/
ATTACHMENTと双璧、と言えるくらいになってくれると良いのですが。
シルエットは綺麗だが…素材感で好みが分かれそうなラウンジリザード
ナル男がよくシャツやボトムスを購入するブランド、ラウンジリザード。
出典 Arthur Fashion World Lounge Lizard|ラウンジリザード メルトンビーバーPコート
これもシルエットはラウンジリザードらしく綺麗です。
デザインもミニマル。
あとはぶっちゃけ、この生地の素材感がどうか?ってだけですね。SUPER100'sウール(原毛1キログラムを100キロメートルの長さの糸を作ることが出来るという意味、それだけ細く、柔らかな糸だということ)に
ビーバー加工が施されています。
毛足が長いんです。
これが「高級感があって良い!」という人もいるでしょうし、「通常のメルトン地の方がいい」という人もいるでしょう。
まあそれも含めてラウンジリザードの採った差別化戦略なのでしょう。
なんせドメスティックブランドの価格帯で、Pコートで勝負するとなると
今季のFACTOTUMくらい、デザイン・着心地・防寒性をハイレベルに揃えないといけないわけで…(それでもPコートブームが去った今はバカスカ売れるというわけでもないという…)
あとFACTOTUMより1万円ほど安いです。
あとは今季どこも出さず、絶滅危惧種と化している「ネイビーではなく、青のPコート」というバリエーションも出してくれています。
出典 birds eye http://www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/br-loungelizard/1010445
一応ネイビー表記ですけど、ほぼダークブルーと言って良いと思います。
出典 http://www.loungelizard-shizuoka.com/shopdetail/000000001816/
まあほんとにぶっちゃけなんですけど、多分SALEで買えると思います。
ラウンジリザードはシャツやボトムスに対する評価は高いんですが、あまりアウターの評価は高くない上に、Pコートはハイレベルな競争が行われているが故に
「そこそこ良作」程度だとSALE行きになってしまうんですね…。
ラウンジリザードなら、スタジャンが毎年良いです。
出典 http://www.birdseye.ne.jp/fs/birdseye/1010429
スタジャンはATTACHMENTなどになると10万円近くして、とても手が出ませんからね…。当然カシミア混だったり袖のレザーにこだわったりしてるんですが。
ラウンジリザードのスタジャンは高いですけど、ナル男的には買えなくはない、というところに収まりつつ、メルトンの質、シンサレートによる防寒性、袖のレザーの質感等満足できる次元にあるので、好きですね。
個人的にはLOUNGE LIZARDはアウターならスタジャンを買うところ、という印象です。
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人と違ったPコートが欲しい!
さて、ここまで色々なPコートを紹介してきましたが、全くこだわりの無い人から見ると、大なり小なり違いはあれど「似たようなもの」であると思います。
デザイン、生地の質などはあるのですが、どれも「ただの黒やネイビーのPコート」に見えなくもありません。
防寒性に至っては見えることすら無いですからね…(パッと見で生地薄くて寒そう…とかはありますが)
もっとわかりやすく「人と違ったPコートが欲しい!」と言ってもジップ使いが濫発されているものや、ライダースとドッキングしたデザインなど
「奇抜なもの」に走っても仕方ありません。
いかにして「変わってるけどイイね!」と思わせるか?です。
「色」で差別化
やはり「色」は、人の視覚にダイレクトに訴えかけてくるものです。
かと言って「赤」とか「バッファローチェック」とかに走っても奇抜なだけです。
(過去のATTACHMENTをディスっているわけではありませんよ、念のため…)
出典 http://www.ladmusician.com/webshop/products/detail.php?product_id=2215370&color=25
「白いPコート」を着ていたら確実にそこらへんのPコートとは差がつけられます。
しかもこれ、ベージュが多分に入った「ホワイト・ベージュ」なので、そこまで真っ白感はありません。
出典 http://www.ladmusician.com/webshop/products/detail.php?product_id=2215370&color=25
逆にこれを安っぽいブランドでやってしまうと悲惨になりそう…。
シルエットも素材感もミニマルで上品だからこそ、「奇抜」にならなくて済むというか。
ただやっぱりこれを着こなすには技術と、あと勇気が要ります笑
ポイントとしては、この着こなしのような、「インナーまで変わり種」のものにはしないということでしょう。アウターまで同様に変わり種に見えてしまいます。
ボトムスは黒スキニーで、インナーも品が良く極力シンプルなものを。
マフラーはチャコールグレーなどが良さそうですね。
上品なものを自然に選んでいたらこのコートになった
という感じを演出しましょう。あくまで自然の成り行きだったとね。
「コート以外は極めて常識的な」モノにするのが着こなしのコツになりそうです。
これに先の尖った靴やハイヒールブーツなんて合わせた日にはアダ名「王子」になりますから注意してください笑
「素材」で差別化
もうちょっと現実的に、素材で差別化したいなら「TROVE」です。
出典 TROVE http://trove.shop-pro.jp/?pid=94171161
ん?フツーじゃねえか?と思った方もおられると思うんですが、TROVEの生地は全然そこいらのモノとは違います。
よーく見るととてつもない複雑な生地をしてます。
英国羊毛をベースに、タテヨコで色を分けて交織したオリジナル生地。
「ただのメルトン地」とは一見して違うのが分かってもらえると思います。
これと同種の生地は前に変形コートで出たことがあるのですが、ようやく「現実感のあるカタチのコート」に使用して復活してくれました。
出典 アナザーラウンジ http://www.anotherlounge.jp/blog/2011/10/post-438.html
エリを立てると全く違うコートのようにも着ることが出来ます。
出典 http://trove.shop-pro.jp/?pid=94171161
ネイビーよりまだグレーのほうが、着こなしはしやすいかと思いますね。
実物はメチャクチャ綺麗な表情してましたよ。
TROVEって、昔から生地に対するこだわりが半端なくって、それゆえに暴走気味のデザインとか、やり過ぎて「絨毯(じゅうたん)」みたいなコートになっていたりするんですが、たまにこうやってデザインはシンプルだけど生地が素晴らしい、というバランスの取れたモノを出してくれるんですよね。
本店はインテリアも素晴らしいですし、一度足を運んでもらいたいですね。
これからPコートはどうなるのか?
ここまで全8回(!)のPコート特集はいかがだったでしょうか?
最初から最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
正直疲れました笑
ただ、削ろうと思った話は多々あれど、無理矢理延ばしたということはなく、
Pコートの魅力について語り尽くせぬ思いをぶつけたつもりです。
Pコートはメンズ着用率ナンバーワンコートだと未だに思っていますが、では今季も好調かというと、そんなことはないように思います。
やっぱりステンカラーや、チェスターコートなどにかなり主役の座を奪われているように思いますね。ナル男もそっちで検討する機会増えましたし。
ただそんな中でもPコートの良作は作られていますし、それをお伝えしたくて、こんなに長くなってしまった面もあります。
「ショートのPコートは今は下火ですけど、うちはコレを作り続けますよ!」なんて頼もしいことを言ってくれたところもあって、Pコート好きとしては嬉しいですね。
これからPコートはどうなっていくんでしょうかね~?
ミドル丈に新境地を見出して、どんどん丈が長くなっていくんでしょうか?
今季そんな流れも感じましたね。
やっぱり短いのが着やすい!着たい!っていう需要も感じますし。
両方出してくれて選べるのが有り難いんですけどね。
既に在庫が動きまくっていて、遅きに失っした感が否めない特集でしたが、何らかの参考になっていれば嬉しいです♪
Pコートを探しに行った先々で、Pコート以外の良いアイテムもたくさん見つけたので、そちらもお伝えしていくのでお楽しみに♪
クリスマスに向けても考えないとね…。
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