ClarksのWallabee GTX(ワラビー ゴアテックス)遂に入荷!何でそんな流行っているの?古くて新しいカジュアルシューズの魅力と難しさ…サイズには要注意!
古くて新しいClarksのWallabee GTX、今最も注目される革靴に?
今、もしかしたら最も注目と人気を集めているかもしれない革靴…それがClarks(クラークス)のWallabee GTX(ワラビー ゴアテックス)です。
Wallabee GTX / メンズワラビーゴアテックス (ブラックスエード)
※現状クラークス公式は品切れ状態ですが、後述する再入荷がチラホラありますし、他のショップにはまだ在庫があります。
新型ウイルス禍の影響もあって品薄、また入荷も遅れていましたが、ようやく再入荷。
これが、22年ワラビーゴアテックスの初入荷になります。
これは誰しも一度は目にしたことがあるであろう、クラークスのワラビー(由来はあのカンガルーに似た動物のワラビーです)をゴアテックス仕様にして、雨天時も使用出来るようにしたもの。
一見すると特異なこのスウェードシューズが、何故今再注目されているのか?
それを解説していきたいと思います。
そもそもワラビーと言えば、樹脂で出来たクレープソールがトレードマークでした。
ですが、その独特の履き心地の一方で種々のデメリット(一番は、汚れを付着して汚らしくなりやすい)もあり、透湿防水性に優れたゴアテックス仕様になると同時にビブラムソールに変更されています。
より日常使用に適した、ガシガシ使えるカジュアルシューズになっています。
このワラビーGTX、昨年からアパレル関係で履いている人多くなってきたのですが、さらに21SSシーズンからは継続的にCOMOLIのルックでも使われました。
さらに青山にあるCOMOLI本店でも販売されるなど「COMOLI公式」靴的な存在に。
https://www.comoli.jp/collection/21ss
それまで様々な靴が使われてはきたものの、「COMOLIに合う靴と言えばコレ」的な、決定的な何かは無かったので。
一躍COMOLI愛好家達の注目を集めることになりました。
今やドメスティックブランドナンバーワンになってからそれなりの期間を経過した、ファンの多いブランドですから、その影響力は軽視出来ません。
「COMOLIも(ブランドとして)使っている」というのが、言わばお墨付きみたいになった感じでしょうか。
それでなくとも、「3万円ちょいで買えるカジュアル向きの革靴」というのは、魅力的。
カジュアルシーンにおいて革靴は非常に有用な一方で、「ビジネスとの明確な区別」の問題だったり、値段の面でのハードルはかなりありますからね。
ワラビーであれば、「仕事用の靴を私服でも履いているのかな?」なんて思われる心配は一切ありません。
そんな、ワラビー、カジュアルシーンにおいて万能なシューズか?と言うと…そうでもありません。
この角張りつつ、ボテっとしたフォルムは、やはりちょっとしたクセがあります。
意外に厚底ではありますが、シャープ感や脚からの繋がりで見せるスタイル補正効果はほぼ無いかな…。
スタイルというのは、パンツと靴の連続性があると良く見えますし、連続性がぶった切られると悪く見えます。
同じパンツでも靴が違えば全然見え方が違ってくるし、一般的に革靴にあるような、スマートな見え方がワラビーにはありません。
もちろんスタイル補正力だけを考えていると、ファッションがつまらなくなってしまうんですけどね。
ただやっぱりミリタリーパンツだったり、それに類するような野暮ったいパンツに合わせてしまうと、野暮ったさが増長してしまうきらいはあるでしょう。
また、綺麗めなシャツ+スラックスのような、クリーンな格好も、完全に合わないわけではないものの、ちょっとチグハグになってしまうかも。
とは言え黒靴ではあるので、ある程度どんなテイストでも、絶望的に合わない、なんてことは無いですけどね。
ワラビーはCOMOLI的な、キメ過ぎない気の抜けた感じや、シンプルの枠からはみ出し過ぎない範囲で個性を演出したい場合には、持ってこいのシューズかも。
最近の古着を再構築したようなブランド群であったり、無印良品的な、綺麗過ぎない、「ナチュラル」を押し出したテイストにはハマるでしょう。
ただ反面で、野暮ったさも多分にある靴ですから、履く人本人にそれ相応の説得力がないと「COMOLIのコスプレ」的な感じになってしまう側面もある…というのが、嘘偽り無い本音ですね。
アパレル関係での愛用が多いように、「一周回ってのワラビー」みたいなところがあり。
ここ数年のカジュアルシーンを貫く大きな裏テーマとして「カッコつけるのはカッコ悪い」みたいなところがあるのです。
これはもう服もそうだし、髪型などもそう、そしてそれが、靴まで派生している…と考えると、クラークス・ワラビーが再注目されていることも合点がいくのではないでしょうか。
だから、この靴を単体で見て「カッケェ!」となるわけではなく、その人本人の雰囲気、コーディネートやライフスタイルなどトータルで判断されるような靴…
と、このように言うと大袈裟ですが、万人に万能な靴としてオススメ出来るものではありません。
「カンタンにキマる革靴」であれば、他をオススメしたいかな…。
実際私も店員さんが履いているのを見ると「イイっすね!」と素直に思うのですが、自分で買って履いてみると何か違ったかな…という感じ。
ただゴアテックス仕様で基本雨でも平気、さらに革靴としては手が出やすい3万円チョイ、そういう靴が選択肢に加わるのは歓迎すべきことですね。
本当、革靴って、手が出ない価格の物が多いですから…。
人気は人気ですが、供給量的には昨今のドクターマーチン的なことになること(要するに本当にどこでも見掛けるレベルになる)も考えづらいですし。
また今後は、このクラークスワラビー自体でなくとも、このトレンドに引っ張られる形でワラビータイプのスエードシューズが、皆気になってくるのでは?と思っています。
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正直クラークスって、定番ではあるけれど、デパートの紳士コーナーでかなりひっそりとした存在感になっているイメージだったのですが…。
何処で火が付くか分からない、そういう「定番品の力、魅力」みたいなものを思い知らされましたね…。
そうか、ワラビーっていう手があったか…と。
気を付けたい、クラークスワラビーのサイズ感
クラークスのワラビー、買ってみたいけれど、クラークスのサイズ感が分からん!という人も多いハズ。
クラークス公式の日本でのサイズ展開が24cmから30cmと、スニーカーみたいなラインナップであること。
またワラビー自体が革靴とスニーカーの中間的な存在であることから、ついついスニーカー基準でサイズを選びがちだと思います。
ただ、クラークス・ワラビーは、基本的に革靴基準でサイズを選ぶシューズです。
https://www.clarks.co.jp/contents/size-guide
革靴は、足長の実寸を基準として選ぶのが基本。
例えば足の実寸が25cmだったら、サイズ25cmを選ぶ、というように。
そこから足幅や甲の高さも加味して0.5cmアップする、みたいにフィットさせていきます。
スニーカーはもっとアバウトと言うか、さらに0.5cm~1.5cm程大きく履いていることがほとんどかなと思います。
(日本におけるスニーカーシーンの2大巨頭、NIKEとadidasがそもそも足の実寸では小さ過ぎて履けないこともこれを増長している気がします。)
ニューバランスの一部店舗などだと、3Dスキャンなどしてくれて自分の足のサイズを一瞬で判定してくれるので、めちゃくちゃ有用です(あくまでニューバランスの購入前提で利用して欲しいのですが…)。
普段スニーカーが26cmだから、クラークスワラビーも26cm、という選び方をするとまずほとんど大き過ぎるのではないかな…と。
うちのモデルの子はスニーカーは27cmで履くのですが、クラークスワラビーは25cmがジャストフィットでした。
とは言え人気故に、複数サイズの試着が極めて難しいところでもあります。
ただそのお蔭というか、再入荷して早々にサイズ欠けを起こしているワラビーですが、おそらくはサイズ選びに失敗して返品して戻ってくるとか、
そういうことがこれからもあると思います。
クラークス公式サイトでもポツポツと在庫が復活しているんですよ、すぐ無くなりますけど。
他サイトならまだ在庫有りますが、サイズの問題もあるので返品が効くかどうかはチェックしておきましょう。
Wallabee GTX / メンズワラビーゴアテックス (ブラックスエード)
オマケ DESERT TREK GTXはどうなの?
同じくクラークスで、この春かなり久しぶりの復刻となったのが「DESERT TREK GTX」。
Desert TrekGTX / デザートトレックゴアテックス
こちらはブラックスウェード、ゴアテックス仕様、ビブラムソールとwallabee GTXとかなり似た要素を持つシューズです。
こちらはセンターシームがある独特の形、クラークスの象徴とも言えるトレックマンがカカトに施されたタイプ。
いかにワラビーでクラークス人気が高まっていても、いわゆるデザートブーツタイプはちょっと違うのかな…?というところで、
よりワラビー的なところに近い「野暮ったさ」と「可愛らしさ」があるモデルではないかなと思います。
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こちらもかなりボテっとしたフォルムながら、スクエア感のあるワラビーよりはすんなり取り入れやすいですね。
とは言えそれでもカンタンな靴では無いよ…ということは言っておかねばならないのですが…。
ただ、こちらは野暮ったいパンツと合わせても、ワラビーほどには野暮ったくなり過ぎないので。
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Desert TrekGTXには、トレッキングを意識してトレッキングブーツ特有のシューレースがデフォルトで装着されていますが、より街着を想定するのであれば、無地のものと交換したほうが、よりすんなりと取り入れられるかなと。
無地のものもちゃんと付属しているので。
ワラビーでもなく、またデザートブーツでもないクラークス、そしてゴアテックス…!ということで、
先行で発売されたセレクトショップでは即完売が続いたのですが、公式で完売するほどではない、という人気具合もちょうど良いかなと。
いやワラビーではないんだよ…とか、ワラビーはミーハーな感じがしてイヤ
(一般的には全然そんなことはないのですが、今ワラビーにピンと来ている人には沿う感じてもおかしくないのです)という人にはこちらも良いでしょう。
ちなみにこちらもワラビーと同じサイズを選んでOKなサイズ感です。
Desert TrekGTX / デザートトレックゴアテックス