西川ダウン最終リリースアイテム、 復刻西川ダウンリモンタコンビジャケットとユナイテッドアローズbeauty&youthが小松精練の生地を使って送り出す小松ダウンのレビュー!小松ダウンと西川ダウンの違いは?これで今年のダウンを決められる!?
本来アウター連載の1つとしてリリースする予定でしたが、大幅に遅れてしまったあるアイテムのレビュー。
既に今季も西川ダウンジャケットについて記事を書き、たくさんの人にご覧頂きましたが、年末を迎え本格的な冬を前にダウン選びをしたいけれど出遅れてしまった…という人もいるのでは?
そんな方に参考にしていただくべく、ナノユニバース西川ダウンの最終リリースアイテムとユナイテッドアローズ beauty&youthの小松精練とのコラボダウン、「小松ダウン」をレビューしていきたいと思います!
(ちなみに「西川ダウン」はナノユニバースの正式なアイテム名なのに対し、「小松ダウン」というのはナル男が勝手に言っているだけです)
ナノユニバース西川ダウン2016の最終リリースアイテムは、復刻リモンタコンビジャケット!
ナノユニバース西川ダウンは昨年発売の「G2」モデルが発売以来の大ヒット。
そこで今季は新たなカラーバリエーションや、従来のナイロンに加えウールなど素材バリエーションを増やし、なおかつ新モデル「カグラ」や「ステンカラーコート」などを加え、より豊かなラインナップとなってより存在感を増しました。
(それ故どれが良いか?で頭を悩ませることになったのですが…。)
「G2」モデルの新カラーバリエーションの1つ「ベージュ」
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2875815
「G2」新素材バリエーション「ウール」ダウンジャケット
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2875831
新モデル「カグラ」(ナイロンバージョン)
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2910255
そしてそんな大幅なラインナップ増を締めくるる最終リリースアイテムが
「西川ダウン リモンタコンビJKT」です。
出典 http://store.nanouniverse.jp/jp/g/g9999161111280_r1110
西川ダウンリモンタコンビジャケットは2014年のアーカイブからの復刻モデル
これは2014年の西川ダウンシリーズとしてリリースされていたモデルの復刻。
フレッシュアップ加工など西川ダウンの内容は2016年版そのままに、人気の高かった型を復刻したこのアイテム。
アウターにウール地のダウン、インナーにカモフラージュ柄のナイロンジャケットをレイヤードしたような形になっています。
出典 http://store.nanouniverse.jp/jp/g/g9999161111280_r1110
アウターレイヤーとして使用されている尾州産ウールジャージーを使用したウールダウンジャケットは、今季「G2」や「カグラ」とは全く異なる型で、フード一体型(「G2」や「カグラ」は取り外し可能)。
インナーレイヤーのカモ柄ジャケットは、「リモンタナイロン」で有名なイタリアのリモンタ社のナイロンを使用。
リモンタナイロンはどちらかというとバッグで有名な素材かもしれません。
これが、西川ダウンの暖かさをさらにパワーアップさせてくれるのです。
西川ダウン×尾州ウール×リモンタナイロンというゴージャスな組み合わせで、値段も西川ダウンシリーズでは一番高くなっています。
このアイテム、着想はすごく良いと思いますね。
まずウールダウンと迷彩ナイロンジャケットの異素材コンビがバランス良いです。
普通アウターとインナーのレイヤードは自分で考えるわけですが、それが最初から好バランスでなされているので、自分でアウターとインナーのレイヤード、ひいてはトップスのコーディネートを考える必要性がほとんどない。
西川ダウンシリーズでも最強の防寒性を備えていますから、この下に長袖のカットソーでも着れば、それでコーディネートが完成してしまうんです。
出典 http://wear.jp/honshastaff11/2428858/
出典 http://wear.jp/honshastaff07/2428733/
アウターonアウターコーディネート全般にいえますが、ダウンジャケットのインナーにライトアウターをレイヤードするコーディネートは特に難しい。
元からボリュームのあるダウンジャケットがさらにモコモコとしてしまいがちで、絶妙なバランス感覚が要求されるのですが、これは最初から絶妙なサイズ感でレイヤードされているので、その心配がありません。
実際羽織ってみると、びっくりするほどコーディネートとしてまとまっているのです。
ただ…着想は素晴らしいのですが、このアイテムちょっと詰めが甘い。
まず、インナージャケットを取り外して使用出来ない、という点はレイヤードありきのコンセプトとしてまあ良いとしても、インナー、アウターともにフードの取り外しもできないため、着こなしの幅が狭そう。
インナーにタートルネックを着る場合、首元が3重になってしまいます。
そして一番残念だったのは、インナーのジャケット、アウターのダウンジャケットともに、ダブルジップではなかったこと。
ダブルジップとは、その名の通りジップが2つ付いていて上からも下からもジップが開け閉め出来るようになっている機構。
これによって前を閉めていても、下のジップだけ開け、上は閉じるなどコーディネートのバランスを整えて様々な着こなしが可能に。
2016年の西川ダウンのラインナップには標準装備されている機構です。
「カグラ」モデルのダブルジップ機構
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2910255
細かいところ…ではあるのですが、これによって大分見え方が変わってくるものなんです。
http://www.selectsquare.com/shop/beautyandyouth/goods/3073686
オシャレな人は必ずと言っていいくらい、ダブルジップの下のジップを一番下まで降ろさず、適度に開けているので見てみて下さい。
カットソーやニットをレイヤードをする時、「スリット」という切れ目が入っているとすっきりと重ねることが出来たりしますが、ダブルジップでも似たような効果のある着用方が出来るんです。
西川ダウンリモンタコンビジャケットも、アウターダウンを開けて、中の迷彩ナイロンジャケットは閉めて着る…
など本当にレイヤードしているかのように着こなすことが可能なのですが、この時にダブルジップで中のナイロンジャケットのジップの下を開けることが出来たら…と試着時に思いました。
出典 http://wear.jp/honshastaff11/2428858/
現在は高いアウターではほぼ当たり前のようについているディティールなので、これは欲しかった…。
古着や安めのアウターなら諦めも付くのですが…。
しかしこの異素材疑似レイヤードジャケットは、着想・コンセプトは素晴らしいと思いますし、これと似たことが再現出来ないか、是非参考にしたい部分ではあります。
ナイロンジャケットのインナーにローゲージのニット、ウールコートのインナーにナイロンのライトアウターなど質感の相反する素材を合わせるのはレイヤードの基礎中の基礎ですが、その基礎を思い出させてくれましたね。
こちらはナノユニバース本サイトのみ通販取扱で、実店舗での取扱も限られているのですが、実店舗の方にはまだまだ在庫があるようなので、是非見てみてください。
私は細かいところが気になってしまいましたが、コーディネートがとにかく面倒!簡単に着こなしを完成させてしまいたい!という要望に応えるアイテムではあります。
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小松精練の別注生地×ミニマルなデザインの小松ダウン、今年もリリース!
セレクトショップオリジナルのダウンジャケットとしては西川ダウンがかなりリードしていると思うのですが、一方でユナイテッドアローズのオリジナルラインbeauty&youthの小松精練への別注生地を使用したダウンも目を引きますね。
http://www.selectsquare.com/shop/beautyandyouth/goods/3073623
「小松精練」は覚えておこう
「小松精練」は覚えておいて損のない名前。
「世界に冠たる『先端ファブリックメーカー』になる」ことを掲げた会社です。
ハイブランドやドメスティックブランドなどが続々と採用している小松精練の生地。
世界でもKOMATSUの名で知られるそう。
出典 http://www.sambanatural.com/?pid=108955357
私もこの秋、「MILOK」というブランドで小松精練の「ハイパーストレッチ生地」を使用したボトムスを購入しました。
出典 http://www.milokwebonline.com/?pid=106597045
ハイパーストレッチ生地は、今年増えてきたタテ・ヨコに伸びる「2WAYストレッチ」より更に上、もはやスポーツウェアと同様の穿き心地。
ぐにょーんとゴムのように伸びるわけでも無いのに、本当に「適度」にストレッチしてくれて今までにない履き心地のスリムパンツなんですよね。
なのに生地感は、化繊100%とは思えない何とも言えない複雑な質感をしていて綺麗。
流石にウールの綺麗な質感とはまた異なるものなのですが、化繊の安っぽさは皆無です。
何度洗っても劣化がほとんどなく、また復元力もあるのでそこらへんに放り出しておいても平気というスラックスでは考えられない気楽さもこの化繊生地が実現してくれるメリット(ただし熱には弱いらしいのですが、アイロンをする必要が全く無いようなアイテムなので関係ないでしょう)。
日頃このブログで化繊嫌いみたいなことを書いているかもしれませんが、良い化繊もありますから、誤解なきよう笑
そんな小松精練の生地を使ったbeuty&youthのダウンジャケット。
一口に小松精練の生地と言っても展開されている型によって生地感は違うのですが…
ショート丈タイプで使用されているのが、ウール10%ポリエステル90%の生地。
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS BY "小松精練" T/W ダウンジャケット ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ
やはりまず目を引くのがその生地感。
http://www.selectsquare.com/shop/beautyandyouth/goods/3073623
ナイロンやポリエステルダウンのツルッとした表情ではなく、ウールの温かみがちゃんとある、という独特の表情。
ただしこの生地感は、他のウール混の生地でも見たことがありません。
表面に張られた特殊フィルムによりウールの扱いにくさも無く、防風性と撥水性を持たせてあります。
デザイン面で見る、小松ダウンと西川ダウンの違い
デザイン面では、全体的に本当にミニマルで、余計なものはほとんど付いていません。
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS BY "小松精練" T/W ダウンジャケット ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ
ミニマルなデザインは細部まで徹底されていて、例えば各部ドローコードで絞れるようになっているのですが、これも外部には見せないようになっています。
胸ポケットも、スラッシュポケットを採用し、使いやすい外部にあるにも関わらず存在を感じさせないデザインになっています。
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS BY "小松精練" T/W ダウンジャケット ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ
西川ダウン「G2」が、細かなディティールを「見せる」方向性なので、違いがハッキリしている部分かなと思います。
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2875815
小松ダウンでは唯一、一体型のスタンドカラーのようなフードが大きな特徴です。
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS BY "小松精練" T/W ダウンジャケット ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ
実はこれこそがこのダウンのポイント。
ダウンジャケットのコーディネートで難しいのはそのボリューム感。
ダウン量を調整した、細身シルエットのダウン、というものも存在します。
例えば西川ダウンの「カグラ」モデルや「タトラス」などですね。
ナノ・ユニバース(nano・universe) 西川ダウンカグラJKT nano・universe
(タトラス)TATRAS BOESIO MTA16A4379 BLACK 02
一方で西川ダウン「G2」やBY小松ダウンは、ダウン量もたっぷり使った、暖かさも重視された「ダウンジャケットらしいダウンジャケット」。
この方向性のダウンジャケットは、そのボリューム感をどうデザインでカバーしていくか?がポイントになります。
西川ダウンは、「着丈の短さ」でこれをカバーする方向性。
http://www.selectsquare.com/shop/nanouniverse/goods/2875815
「短すぎるのではないか?」と思う人もいると思うのですが、これによってブルゾンのようにコンパクトに見せ、視線を上に持ってくることでダウンジャケットのボリューム感、もっというともっさり感を軽減しているんです。
これは着用していると実感出来ますね。
そして小松ダウンの場合は、フード。
http://www.selectsquare.com/shop/beautyandyouth/goods/3073623
前を開けて着てもしっかりと立つスタンドカラーのようなフードが視線を上に持ってきて、ボリューム感を軽減するという、G2とは異なるディティールながらも、同じ方向性の工夫なんですね。
着丈自体は小松ダウンの方が長め。
いくら工夫されたデザインとはいえ、西川ダウンの着丈の短さがどうしても受け入れられない、という人にも合うのではないでしょうか。
あとは小松ダウンの方はより「ストリート」を感じさせるデザインですね。
一概に言うのもどうかと思うのですが、がっしりとした体格の方には小松ダウン の方が似合うかも?
700フィルパワーってどのくらいすごいの?
小松ダウンのもう1つのウリは、米国アライド社の手掛ける700フィルパワー、チャイナホワイトダックを使用していること。
この700フィルパワー、どういうことかというと、下記のリンクが参考になります。
羽毛1オンス(28.4g)のダウンをシリンダー内に入れ、一定荷重を掛けた時の膨らみ度合いを立法インチ(2.54cm立法)で示します。
800フィルパワーとは、1オンスの羽毛が800立方インチの体積に膨らんでいることになります。
フィルパワーの数値が大きいほど空気を多く含んでおり、大量に含まれる空気の断熱効果によって保温性に優れ、暖かく良質なダウンといえます。
一般的に、500フィルパワー以下は低品質ダウンであり、600~700フィルパワーが良質ダウン、700フィルパワー以上は高品質ダウンといわれています。
フィルパワーが大きいと、同じかさ高さ(容積)のダウンが、少ない量のダウンで作ることができるため、軽いウェアとなります。
700フィルパワーが良質ダウンの基準となるようなので、小松ダウンは十分な品質を持っていると見て良いでしょう。
実際羽織ってみると、ダウンに包み込まれているような感覚で、とても暖か。
ちなみに西川ダウンの方はフィルパワー表記がなく、どうなんだろう?と思っていたのですが、2013年頃は
西川独自のフレッシュアップ加工で何度も洗浄・乾燥を繰り返し、およそ700フィルパワーの崇高性と高レベルの
清潔・安全性を誇ります。
とあります。
フレッシュアップ加工は2016年版でも採用されていますし、西川ダウンを羽織ると分かるのですが、そのふっくら感からは信じられないほどの軽さを感じられるので、フィルパワーの定義からすると700くらいはあっておかしくないのでは?と思います。
ダウンの質や軽さ、暖かさは西川ダウンも小松ダウンもタウンユースには十分以上の物で、極寒の日が来ても心強いと言えると思いますよ。
私も西川ダウンを購入し、極寒の日は重宝しています。
BYの小松ダウンも定番化し、西川ダウンとともどもこの価格帯ではコストパフォーマンスに優れたシリーズになっていくのかなと思います。
ダウンと言えば、良いものはめちゃくちゃ高い、というのが当たり前だったことからすると有り難い流れですね。
ダウン選び出遅れてしまった!という方は、是非過去に書いた西川ダウンの記事も含めて、ダウン選びの参考にしてみてください。
まだギリギリ間に合うかと思います!
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