従来とは全く異なるアプローチ!nano・universe×西川ダウンの2019は、「PHOTOGRAPHERS」の送り出す新型がアツい!スタイリッシュを志向してきたダウンジャケットに「もっさり」ボリューミーダウンの流れが…遂に情報解禁されたあのダウンジャケットも!
毎年のことですが、まだ夏の余韻を大きく残す9月にも関わらず動き出す真冬のアイテムであるダウンジャケット。
暑くてダウンなんてまだ考えられないよ…と言うなかれ、今年のダウンジャケット市場はなかなか面白いことになりそうなのです。
実は、近年止まったように感じられたダウンジャケットの進化が再び動き出す予感が…!?
既に完成されたように思われた西川ダウンのラインナップ…しかし?
アパレルにとって「冬のドル箱」とも言えるダウンジャケット。
冬になると、少し前はカナダグース、そして今はノースフェイスのアイテムを見かけない日は無いでしょう。
ダウンジャケットと言えば高級品か、かなり劣る廉価品しか無かった(テカテカで、ファーがちょろっとだけある…みたいな)ところに、セレクトショップオリジナル品として、中間価格帯でコレ!という存在を確立したのがナノ・ユニバースの「西川ダウン」です。
羽毛布団で有名なあの東京西川が羽毛を提供し、セレクトショップのナノ・ユニバースがデザイン・制作・販売を担当。
発売当時はかなり画期的なコラボレーションでした。
そして数シーズンの試行錯誤を経て完成したダウンジャケット「G2」は、西川ダウンのフラッグシップモデルとなりました。
ダウンジャケットらしいボリューム感はありつつ、ミリタリーディテールの情報量を加え、ショート丈でスタイリッシュさも確保する。
そんな誰にでも似合いやすい要素を持ったこのモデルの完成により、「ナノユニバース西川ダウン」のブランドは確固たる地位を確立したのです。
ある意味「ダウンジャケットらしいダウンジャケット」を志向しているG2から遅れて登場したのが、ダウン量を調節しスタイリッシュに見せたモデル「カグラ」。
そして2年前から本格的に登場した近年流行りのカナダグースやウールリッチのような「N3B」型の「アークティックダウン」。
これらのラインナップはカラーや生地などマイナーチェンジこそあれ、西川ダウンにおいてほぼ完成したラインナップとなりました。
そう、西川ダウンの進化は止まった…ように思えたのですが…。
「PHOTOGRAPHERS」の登場で、新しい一面を見せてきた西川ダウン…スタイリッシュか?ボリューミーか?
なんと今年、ナノユニバースが新たに上位ライン「PHOTOGRAPHERS」として西川ダウンの新型モデルをリリースしてきました。
情報解禁もつい最近までされていなかったモデルです。
これが、今までの西川ダウンにはないかなり意欲的なモデルになっているのです。
私ナル男、居ても立っても居られず、早速店頭に見に行ってきました。
今回リリースされたモデルは3つ。
まずは「モッズ」と呼ばれる新モデル。
こちらはショート丈バージョン。
「モッズ」と言われるとちょっと騙されると言うか、あまり従来的なモッズコートのイメージはありません。
モッズコートの特徴であるフィッシュテールもありませんし。
現代的にリファインされた、機能的中綿ブルゾンですね。
素材的にもヌメリ感のあるポリエステル×ナイロンを使用していて、ちょっとモードというか高級感アリ。
あまりダウンジャケットらしく無いのには実は秘密が…。
実はこれ中綿ブルゾンとインナーダウンベストをセットにしたアイテム。
インナーダウンというのは、コートの中に着るような薄手のダウンのこと。
アウターと一体型になる、いわゆるライナーなどとは別で、完全に別個の服になります。
身体に密着し、その熱でダウンは羽を膨らませてさらに身体を温めてくれるのですが、身体に密着しすいインナーダウンは、アウターの防寒性を高める働きをします。
中綿は、最近の機能性中綿はダウン並に温かいとはされますが、最大のメリットはダウンのような膨らみを持たせずに済むということ。
実はこのモッズはジャケット本体はかなり薄手で、もう秋口や春先から着れそうなくらい。
真冬となると頼りないくらいの、そんなボリューム感なのです。
これがダウンらしからぬ(本体はダウンではないのですが…)シャープな見た目を作ってくれるんですね。
その代わり、インナーダウンベストとレイヤード(重ね着)することで、ダウンジャケットの防寒性を取り戻す、という設定。
これは、もちろん秋口から真冬まで1つのアウターで完結させることが出来るというミニマリズム的な、機能的な側面もあります。
ただそれ以上に、インナーダウンがチラッと見えることによりかなりスタイリングに奥行きが生まれるというメリットのほうが大きいかもしれません。
正直なところこのインナーダウンベスト単体でのデザインは微妙なのですが、それでもダウンジャケットを重ねてチラ見せしたときの見え方がとても良いですね。
あまり大々的に見せないで、あくまでチラ見せがオススメ。
この手のフードブルゾンは、ダブルジップの片方を一番上まで閉めて、そしてもう片方のジップを下から開ける。
こうして見た目の重心を上に持ってくる、という着方がハマるのですが、ダウンジャケット本体、インナーダウンともにダブルジップなので、そんな着方が実現出来ます。
そしてインナーダウンにもポケットがたくさんありますが、ダウンジャケット本体にもかなりのポケットが。
タブレット端末が入るような大きめなポケットもあります。
ここらへんも大いにテアトラを意識していそう。
ダウンジャケットって、バッグのストラップが肩から滑りやすかったりするのですが、これならバッグほぼ要らないんじゃないか?というくらい恐ろしく収納力あります。
デザイン上も大きなアクセントになっている、大きなジップはポケットではなく、開けることで中のダウンベストのポケットにアクセスしたり、熱を放出するベンチレーション的な機能も果たします。
機能性もそうなのですが、とにかくデザインがスタイリッシュに洗練されていて、その点が一番のウリでしょうね。
本体の薄さなどからしても、あまり従来の「ダウンジャケットらしさ」みたいなものにはほとんどこだわっていません。
暖かさはインナーダウンで補完する…。
ダウンジャケットをより洗練されたものにしよう!ブルゾンのように着れるものにしよう!とここ数年積み重ねられてきた方向性をさらに飛躍させたような、新しい提案になっていると思います。
ある意味、ズルいですね。
ダウンの膨らみを中綿に置き換えてスタイリッシュに、という試みはこれまでもあったものの、中綿ブルゾンにインナーダウンベストを使うという新しい発想。
まだ他のセレクトショップオリジナルのダウンジャケットが発売されていないのでなんとも言えないところですが、今の所今年のセレクトショップオリジナルのダウンジャケットでは一番のオススメ候補になるかもしれないですね。
ロングバージョンもあります。
この2型のモッズに加えてもう1型、PHOTOGRAPHERSからは「ダウンブルゾン」と呼ばれる型もリリース。
こちらは、かなり今年のトレンドを反映したボリューミーな、いわば「もっさり」としたダウンです。
ちょっとここでダウンジャケットの歴史を振り返ってみると、ダウンジャケットというのは元々防寒着のイメージが強く、もっさりとした野暮ったいアウターというイメージでした。
それをイタリアのブランドなどが洗練されたデザインに進化させていったわけですね。
西川ダウンの歩みにしても、いかにダウンジャケットをナノユニバースの客層にも通用するスタイリッシュなものにしていくか?という試行錯誤の歴史と言えます。
ところが昨年あたりから、逆にダウンジャケットのボリューム感を活かして、もっさりとした野暮ったさ、丸っこい可愛いらしさなどが逆に新鮮と捉えられるようになりました。
ミリタリーやアウトドアからのトレンドの流入、そしてビッグシルエットトレンドのダウンジャケット分野における反映の結果でもあります。
ファッションのトレンドって本当に面白く、また難しいものですよね。
だって、ダウンジャケットの着こなしといえば、いかに「もっさりと見せないか」がテーマだったのに…。
このダウンブルゾンは、ただトレンドの野暮ったいダウンジャケットを作りました、というだけではないんです。
要所要所にはデザインを加えて、アウトドアブランドのダウンそのままではないというところを見せています。
生地は先程のモッズダウンとは異なる、リップストップナイロンまではいかないですが、格子状の繊維が見えるナイロン生地。
面白いのが、こちらもインナーダウンをセットにしているところ。
先程のモッズダウンとインナーダウン自体は共通です。
どうしてもこの手のもっさりダウンは、情報量も不足しがちなのですが、それをダウン本体は過剰にいじらずにインナーダウンで解消する。
モッズダウンもそうですが、ダウンジャケット単体で何かを解消するのではなく、インナーダウンで補完する、というのが新しい。
ちなみにインナーダウンまで装着すると、めちゃくちゃ暖かくて、今の店内だと暑すぎてすぐ脱ぎたくなるほど…。
このダウンを見る前から、今年のダウンジャケットはこれまでのスタイリッシュさを追求したものを選ぶのか?それとももっさりダウンを選ぶのか?ということが大きなテーマになると思っていたのですが、いやまさか西川ダウンからそのテーマに対する1つの回答が出てくるとは…。
これ是非着比べてみて欲しいですね。
今年の西川ダウンの本発売は9月20日(金)なのですが、既にナノユニバースの一部店舗にて販売が開始されています。
http://www.nanouniverse.jp/blog/archives/31003
今年の楽天ブランドアベニューのポイント還元は…?
西川ダウンといえば、既にお伝えしてきたように、シーズン前、シーズン中と、楽天ブランドアベニューなどでかなり大きいポイントバックが受けられるアイテム。
ポイントバック率がアップするイベント時や、クーポン発行時などタイミング次第ではかなり強烈なポイント還元を受けることが出来ます。
今年も早くもG2など既存モデルはポイント還元率が高め。
ですが、このPHOTOGRAPHERSに関してはまだ出始めということもあって、ポイント還元率はかなり抑えめです。
これが今後どうなるのかはなんとも言えないところですが、売り切れない程度に様子を見ても良いでしょう。
今年は本年度のデサントオルテラインの「水沢ダウン」の発売が先日開始されましたが、毎年注目度の高いセレクトショップの別注モデルも店頭に並ぶのはまだ先です。
DESCENTE ALLTERRAIN / オルテライン 別注 MOUNTAINEER
さらにさらに、昨年セレクトショップのオリジナルアイテムとしては一番のオススメだったユナイテッド・アローズビューティー&ユースの「小松マテーレ」の生地を使用したダウンジャケットも本当につい先程情報解禁がされたばかり。
https://zozo.jp/shop/beautyandyouthunitedarrows/goods/46876457/?did=76913440
聞くところによると、サイズスペックなどは昨年そのままに、生地面で変わっているとか。
ショート化、各部のディテールアップなど「従来の文脈におけるダウンジャケットのスタイリッシュ化」は、昨年のこの小松マテーレダウンによって完成した感がありますから、今年も注目しないわけにいかないでしょう。
また小松マテーレダウンからも新型ダウンとして「もっさりダウン」と言えるようなボリューミーな「ワイドシルエット」と呼ばれるモデルも…。
https://zozo.jp/shop/beautyandyouthunitedarrows/goods/46876460/?did=76913468&rid=1019
https://zozo.jp/shop/beautyandyouthunitedarrows/goods/46876459/?did=76913460&rid=1019
スタイリッシュか、それともボリューミーか…。
今年もなかなか悩ましく、楽しい冬になりそうです。