ナルシストで何が悪い?

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メンズファッション初心者がまず最初に買うべきアイテムとは何か?

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ファッション初心者がまずすべきこととは?徹底的に、分かりやすく解説しましょう。まず買うべきアイテムはボトムス?スキニーデニムが万人にオススメ出来るわけではない理由。ドレスとカジュアルのバランスの本質とは?始めるなら早い方が良い!Q&A特別編!

 

  先日コメント欄にて、「ファッション初心者がまず何に手をつけるべきか教えていただきたい」という要望を頂きました。

 

確かに私ナル男は、これまでメンズファッションについて数多く記事を書いてまいりましたが、「初心者の方はこの記事を見て下さい!」というような記事は書いていませんでした。

 

今では一日1万人ほど、新規のユーザーの方が訪れてくれることもあるというのに…。

 

実はメンズファッションに対する初心者の方でもいきなり取り入れられるような、シンプルでクセの少ないアイテムを紹介してきたつもりではいましたが、初心者の方に対する解説などは、記事の中で散発的に、あるいは「行間」でしか出来ていなかったなと反省致しました。

 

そこで今回は、Q&Aコーナー特別編として「ナル男がメンズファッション初心者の方と買い物に行ったらどうするか?」というテーマで初心者の方向けの記事を書いていきたいと思います。

 

中級者上級者の方も、初心者の方から「買い物に付き合って欲しい」などの相談を受けることがあろうと思います。

その際の思考の参考になればと思います。

 

具体論を語った前編と、抽象論を語った後編とで構成されています。

 

 

 

具体論編

 

色々と手を出しすぎるのは禁物!まずはボトムスだけでもOK! 

 

 私も、「買い物に付き合って欲しい」ということで何度も初心者の方の買い物に付き合ったことがあります。 

 

その際、最初からフルに全身コーディネートをしようとすると、初心者本人も、アドバイスをするこちらも両方挫折します。

見るべきアイテムが明確とならず、比較検討もないまま、ただなんとなく服を見て回るだけで何も決まらない、という状況に陥りがちです。

(これは中級者以上の方の普段の買い物にも言えるのですが、今日はボトムスだけ見るぞ!とアイテムカテゴリーを絞ってお店を回ると、見るべきものが明確となり、比較検討もスムーズにいきますよ。)

 

よほど急いでいて、全身コーディネートをするしかない場合や、最初から具体的にアウターだったり靴だったり、「コレが欲しい!」という要望があれば別ですが、無いのであれば、まずはボトムス(と出来れば靴も)から、にしましょう。

 

※ボトムスとは、パンツ、ズボンのことです。

パンツ、と言うと下着を思い浮かべる方も多いそうなので、意識的にこのブログではパンツ、ズボンをボトムスと記しています。

 

洋服をボトムス(下半身)とトップス(上半身)に分けるとすると、両者は鶏と卵のような関係です。

それぞれが一方的に作用するわけではないので、どちらを先に決めるか?というのは実は一義的には決まりません。

 

トップスから構築していくファッションだってあるはずです。

(例えば、ロングコートを着たいから、太めのパンツではなく細めのパンツを穿こう、と思考するのは、トップスから構築していくファッションの例です。) 

 

ただ、何故先にボトムスから先に構築していくファッション指南が多いか?と言うと「ボトムスの方が回数多く使える、故に少ない点数で済む」からだと思います。

 

例えば大学生は基本的に一週間毎日私服を着ることになると思いますが、毎日別々のボトムスを穿かなければいけない、ということはありませんよね。

仮に7日間コーディネートを組むにしても、7本ボトムスを用意する必要はないわけです。

ボトムスは2、3本あれば十分でしょうし、旅行などの数日間限定ならば最悪1本でも何とかなります(あまりに無理なローテーションでは、すぐ駄目になるでしょうが…)。

 

トップスだって7種類用意する必要はありませんが、2、3種類では心許ないでしょう。

どうしても洗濯の問題が出てきます。

 

靴もボトムスと同様ですね。

靴は一度履いたら最低でも24時間は休ませて欲しいのですが、仮に2足だけでローテーションしても最初は構わないと思います。

 

最初にボトムスと靴に手をつければ、一週間の多くをカバー出来るわけです。

 

ファッション初心者は、ボトムスに問題を抱える人が多い

 

 もう1つが、「これまで全くファッションに気を使ってこなかった人」というのはボトムスと靴に問題を抱えていることが多いのです。

 

というのもボトムスの試着ってとっても面倒です。

トップスの試着は、例えば1アイテムに付きSサイズかMサイズかの2サイズくらいの検討で済みます。

アイテムによっては試着室に入らず、鏡の前で羽織るだけで試着が完了します。

 

ところがボトムスって、ジーンズブランドともなると28インチから34インチとかまであって、「自分はどれくらいなんだ…?」ってなっちゃうわけです。

必ず試着室に入って、靴を脱いで、っていう手間もあります。

 

初心者の人ほど、試着している時間って恥ずかしいものらしく、試着に掛ける時間を短くしたいので、テキトーに選んでハイ終わり、となりがち。

(私も、「じゃあ試着してみようか」と促すと「良いよ、お前がこれで良いって言うならこれ買うよ」と頑なに言われたことがあります。)

 

当然慎重にやるべき裾上げなどのお直しもテキトーに早く終わらせてしまったり、あるいはやらなかったり…。

(あとで解説しますが、お直しをすると、どうしても出来上がりがイメージと異なってくるので、それもまたボトムス選びを難しくさせています。)

 

そして、面倒なのでもうボトムスには出来るだけ手を付けたくない!俺はずっとこれを穿くんだ!となってしまうんです。

テキトーに選んだものなのに…。

 

そんなわけでファッション初心者ほど、ボトムスが「苦手」分野となりやすいのです。

 

したがってまずはボトムスに注力しましょう!

 

 

黒スキニーデニムは万人にオススメ出来るわけではない、自分の脚のタイプを認識して

 

 この記事を書くにあたって、他の人はどんな感じで初心者の方向けの記事を書いているのだろうか?とちょっとググってみたのですが、今は「まずは黒スキニーデニムを買おう!」みたいなものが多いですね。

 

ここでいうスキニーデニムは、「細身のデニムパンツ」という意味合いではなく、「伸縮性があり、肌にぴたっと密着するような」デニムパンツのことです(厳密に言うと「デニム」ではない組成の物も多くありますが、今はそういった物もデニムと呼ぶのが一般的です)。

 

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 http://item.rakuten.co.jp/auc-doraku/b429/

 

これはひとえにこの本の影響によるものが大きいと思います。

  

 

最速でおしゃれに見せる方法

 

この本はおそらく近年最も売れたファッション指南本であり、黒スキニーデニムを買おうと謳うサイトも、この本の影響をかなり受けていることが端々から感じられます。

(というか丸パクリだろ、というところもあります。)

 

ということは、今ネットで初心者の方がボトムスを買おうと思うと、実質的に1人の方の意見しか見ることの出来ない状態であり、ああこれは一度初心者のボトムス選びというテーマで記事を書くべきだなと思ったわけです。

 

結論から言うと、私は黒スキニーデニムを、初心者の方がまず穿くボトムスとしてはあまりオススメ出来ないと思っています。

 

初心者の方は、一方でまずは黒スキニーデニムがオススメ!一方であまりオススメ出来ない、などと言われると、混乱されてしまうかもしれませんが、なるべく理由も分かりやすく説明したいと思いますので、自分にはこちらの方が合うな、と思った考えを取り入れて頂ければと思います。 

 

さて、私は何もアンチ・スキニーデニム論者というわけではありません。

スキニーシルエットをとにかく認めん!と言って、それを初心者の方にも押し付けようというわけではないということをご理解頂ければと思います。

 

スキニーデニムは、綺麗な脚を持つ人にとっては最も簡単に(安価に)脚を綺麗に見せることが出来るアイテムです。

故にファッションリーダーとなりうるようなモデル・芸能人がこぞって取り入れて、今日の影響力を保ってきたというわけです(未だに若い芸能人やモデルは、スキニーデニムを穿いています)。

 

しかし、多くの人に合う万能パンツではない、と思っています。

 

スキニーデニムは、安いものは生地が薄く出来ていることが多く、脚に密着するため、脚の形をストレートに出してしまう物が多いのです。 

 

そのため、脚が短い、太い、あるいは細すぎるなどといった場合、その欠点をモロに出してしまいます。

一番多いのが、ヒップや太もも、ふくらはぎがピチピチになってしまうということです。

生地の薄いスキニーデニムは、サイズを上げたとしてもなかなかこのピチピチっとした感じが消えません。

 

「穿いているうちに伸びてきますよ、スキニーデニムは最初は窮屈めに穿くのがセオリーです」などと言われます。

確かにスキニーデニムは、最初は窮屈めに感じるものを買うのがセオリーです。

もちろん穿いているうちに伸びるのですが、それはサイズを上げてもピチピチ感が解消されないのと同様、伸びてきてピチピチ感を解消される、ということは少ないと思います。

 

そういった方には、生地の薄い安価なスキニーデニムはオススメ出来ないのです。

自分の脚のタイプを客観的に認識するのは難しいと思いますが、もしスキニーデニムを試着してみて、変だなと思ったのであれば、無理に穿くことはないと思います。

 

※ちなみに俺は脚の形が綺麗なので、スキニーデニム穿きたいぜ!という方は、とりあえず身近なところでは無印良品の「スーパーストレッチデニムスリムスキニー」が最近のモノでは安価に、比較的生地感も厚めに、またストレッチ性も効かせて作られています。

 

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出典 https://www.muji.net/store/cmdty/detail/4549738530923?searchno=16

 

 

黒&細身で選ぶこと自体は間違ってはいない

 

 黒スキニーデニムの全ての要素が初心者に向かないわけではありません。

まず色に関して。

 

黒のような、濃く「線を描く力が強い色」は、ボトムスに持ってきた時にシルエットを綺麗に見せてくれます。

 

皆さんも絵を描く時に、輪郭を黒などの濃いめの鉛筆で描きますよね。

それと同じことが服にも言え、中でもシルエットを綺麗に見せたいボトムスにはこのような色を持ってくると簡単です。

 

中上級者にも「ボトムスは黒しか買わない」という人がいるくらいです。

黒に近い、暗いネイビー(ダークネイビー)などにも黒と同様の効果があります。

 

この春夏はベージュやライトグレーのパンツも紹介したいなあと思っているのですが、初心者の方は「黒のトップスを着たい!」というわけでないのなら、まずは黒やダークネイビーのボトムスを選ぶことをオススメします。

 

次にスキニーデニムのような細身のシルエットも、現在のトレンド下においては、まずは無難な選択肢だと思います。

最近はワイドなシルエットのボトムスも大分躍進してきてはいますが、まだまだ一般的ではありません。

未だにボトムスは細身なものが多いですね。

ボトムスに合わせるトップスも、細身のボトムスに合わせた方が幅広く選べます。

 

これはトレンドに左右される部分なので、いつの時代でも初心者の方は細身のものを選ぶべきだというわけではありません。

 

例えば私がファッションをかじり始めた時期は細身のボトムスは冷遇されていた時代で、そのようなタイプはロックミュージシャンくらいしか穿いておらず、街はダボダボっとしたシルエットで溢れていました。

その頃この記事を書いていたら、おそらく太めのボトムスをオススメしていたでしょう。

前述した本が、スキニーデニムを初心者の方にオススメしているのも、おそらくその本が書かれた時期、もっと言うとその大元となるメールマガジンが書かれた時期が、スキニーデニムの一般的普及時期と重なったことも大いに関係していると思います。

 

さて、話を戻しましょう。

初心者の方がボトムスを選ぶ上で大事なこと。

それは細身のシルエットと、もう1つ重要なのが、「密度がある、ハリ感のある」生地の物を選ぶことです。

 

 

細身でも、密度・ハリ感のあるタイプを選ぼう 

 

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 URBAN RESEARCH ポンチテーパードパンツ アーバンリサーチ

 

 例えばこの春のメンズファッションは「リラックス」が1つの隠れたテーマとなっており、「ポンチ」と呼ばれるジャージのような生地のアイテムが結構見かけられます。

このような素材のボトムスは確かに穿いていてラクなのですが、一方でシルエットが安定しません。

自分の脚の形や限界などがよくわかっている中上級者なら良いのですが、初心者だとどのようなサイズ感で穿くのが良いのか分からず、ともするとスキニーデニムのようにピチピチになってしまいかねません。

 

初心者は、高密度でハリ感がある物を選ぶと比較的簡単に、シルエットが綺麗なボトムスを選べます。

 

なぜならこうした物は、穿いても伸びすぎないので、ボトムス本来の形をキープしてくれますし、キツ過ぎればそもそも入らないので、自ずと初心者にも自分の限界が分かるのです。

パツパツにならずシャキっとしたシルエットが作りやすいのですね。

 

ファッション初心者の方の特徴として、全体的にどことなくふにゃふにゃっとしたシルエットになってしまっていることが多いので、これを防止する意味合いもあります。

 

この観点で、大手セレクトショップを回ってみたので、いくつか初心者の方向けのボトムスをちょっと紹介します。

(別にここで紹介した物を選べ、というわけではありません。このような観点で選ぶと、初心者でも上手くボトムスが選べるのでは?という話です。商品そのものよりも、選ぶ際にどこに注目しているか?を見て頂けると良いと思います。)

 

 

 

BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS BY TR 1P ワイド テーパード アンクルパンツ 

 

ユナイテッドアローズのプライベートレーベル「BEAUTY&YOUTH」のワイドテーパードアンクルパンツ「BEAUTY&YOUTH」は、いわゆるセレクトショップオリジナル品(いわゆるセレオリ)と呼ばれる価格帯・カテゴリーでもボトムスの種類が豊富でして、ボトムス選びにまずは行ってみて欲しいショップですね。

 

こちらのワイドテーパードアンクルパンツは、名前だけ聞くと「ワイドパンツ?」と思われるかもしれませんが、全くワイドパンツではありません。

私が以前からオススメしているワイドテーパードパンツとも異なり、どちらかと言うと細身のタイプ。

ヒップや、足の付根部分に余裕が取られており、つい最近までスポーツをやっていたので細いボトムスが履けないんです…みたいな人にも試して欲しいボトムスです。

また、とにかくラクがしたいんです!という方には今回紹介する中で一番ラクであることを伝えておきましょう笑 

 

生地も高密度というわけではないのですが、きちんとハリ感があり余った部分もへにゃっとなりにくいのです。

これは分かりやすく綺麗なシルエットを体感していただけるボトムスではないでしょうか。

 

センターラインがあるので、よりシャープに見えますね。

こちらはポリウレタン(ストレッチ、生地にビヨーンと伸びる、伸縮性を与える素材)が入っていないタイプです。

 

 

 BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS BY ノープリーツ アンクルパンツ 

 

同じく「BEAUTY&YOUTH」のノープリーツ アンクルパンツ 。

こちらはさきほどのワイドテーパードパンツより細身で、かつ生地の密度が高く、固い生地のタイプ。

そのため、入らないという人もいるかもしれませんが、この生地のおかげでこちらもシルエットが綺麗に出せますね。

入ったけどセンターラインが消えてしまう、という場合はサイズがキツすぎるサインなので止めておきましょう。

 

実はこちらはカラーにブラックは無いのですが、黒に近い濃いネイビーです。

こちらはポリウレタン(1%)が入っていますが、前述の生地の関係でそこまで伸びません。また上記ワイドテーパードパンツは、ポリエステルメインの生地なので、ポリエステル特有のツヤ(テカリ)がありますが、こちらはコットンメインなのでそれがあまりありません。

 

 

BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS BY T/R ストレッチ1P イージー テーパードパンツ 

 

同じく「BEAUTY&YOUTH」のイージー テーパードパンツ。

「イージーパンツ」と呼ばれるタイプで、ベルトループがありません。

ドローコードを絞って着用します。

 

イージーパンツということで、初心者にまずオススメする物としてはどうなんだ?と思われるかもしれませんが、

生地のハリ感や細さはバランスが良いのではないかなあ?と思います。

腰部分をトップスで隠してしまえば、全体の雰囲気は全然イージーパンツに見えないですね。

 

イージーパンツも、スウェット素材・フリース素材でめちゃくちゃ細く作ったものだったりがありますが、高密度でハリ感のある生地で作られた物だと本当の意味で「イージー」に綺麗なシルエットにきまります。

 

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出典 ttps://baycrews.jp/item/detail/journalstandard/pants/17030610011510

 

セレクトショップ「ジャーナルスタンダード」のLEE×JS / リー別注JS : Chetopa Wide Chino。

ジーンズで有名なLEEにセレクトショップジャーナルスタンダードが別注を掛けたアイテム。

 

こちらは生地感という意味では私がイメージする「高密度でハリ感のある」生地に最も近い物が使われています。

ナイロン98%なんですよね。

 

BEAUTY&YOUTHの物に比べるとスソがあまりテーパード(スソに向かって細くなっていく形)していないこともありますが、この生地感によってストンとまっすぐ落ちてくれる感覚が分かるかと思います。

この生地が一番、手入れとかはラクだと思います。

シワも付きにくいですし、センターラインもありませんし(センターラインがあるパンツは、消える前にアイロンを掛ける必要があるので、その意味では初心者向けでは無いかもしれません。)

 

テーパードが苦手な人向け。

 

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出典 ttps://baycrews.jp/item/detail/journalstandard/pants/17030600800010?q_sclrcd=040

 

同じく「ジャーナルスタンダード」のTRギャバスラックス。

ジャーナルスタンダードのスラックスは人気で、よりストレッチ性の高い物もあるのですが、こちらはストレッチを使用していないタイプ。

そのためシルエットが綺麗に出やすいですね。

 

人気のためサイズ欠けが起こることが多く、試着がしづらいのが難点かな。

 

以上はZOZOタウンなどでも買えます。

全て「通販で買っても返品が可能である」という物で選びました。

初心者の方は、まずはこれらの物を試してみて欲しいですね。

 

あるいはセレクトショップなどで「高密度でハリ感のあるタイプ」を探していくと良いでしょう。

 

補足 アンクルカットについて

 

 上で紹介したボトムスはほとんど「アンクルカット」と呼ばれる、短めの丈のボトムスです。

これが今のトレンド最先端か?と言われると実は違います。

これらのボトムスは今、「普及フェーズ」にあります。

スキニーデニムは、数年前に幅広く様々なブランドに大量にアイテム数が作られたことによって一気に市民権を獲得しました。

 

アンクルカットもまた、大多数に普及するフェーズ(段階)にあり、今は価格帯の高い低いを問わず、生産されているボトムスがかなりの割合でアンクルカットで作られているほどです。

 

ユニクロがCMで「アンクルカット、アンクルカット」「くるぶし出して行きましょう」と連呼しているので、若干不安になるのですが、とりあえずこの普及フェーズにあえて逆らうこともないでしょう。

 

アンクルカットは、ボトムスをくるぶしが見えるくらいに短い丈にしてしまうことでスッキリと見せることが出来ます。

そして副次的効果として、「裾(スソ)上げ」というお直し作業が要らなくなります。

 

以前はボトムスを買うとほとんどの人が、長すぎる裾(スソ)丈を詰める、という行程を経て、ボトムスを手に入れていたわけですが、これが要らなくなります。

 

前述したようにファッション初心者の方はお直しといった作業も煩わしく思うので、これをしなかったりして、足元に生地が溜まってしまったりしていたんですがこの危惧が無くなります。

 

お直しも決して簡単なものではなくて、実は私は必要以上のお直しはオススメしません。

出来上がったときのイメージと、実際の仕上がりにギャップがあることもあり、それが初心者の方にボトムス選びを難しいものにしています。

 

アンクルカットは、ファッション初心者向けと言えるかもしれませんね。

 

アンクルカットは、人によっては(脚の長短によって)必ずしもアンクル=くるぶし丈にならないことがありますが、その場合でもなるべくお直しはしない方が良いですね。

バランスが崩れる恐れがありますし、必ずくるぶしを出さなければならないわけでもありません。

単なる目安です。

 

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抽象論編 

 

ファストファッション、価格の安いアイテムと高いアイテムの考え方

 

 今回具体的なアイテム紹介で、セレクトショップオリジナル品が多くなってしまったのですが、それについてちょっと補足的に説明したいと思います。

 

ファッション初心者がまず探すべきボトムス、としてここで紹介されているアイテムは高すぎるかもしれません。

 

ファストファッションには、もっともっと安いアイテムがたくさんあります。

ただ、今回この記事を書くにあたって、結構ボトムスをリサーチしたのですが、ファストファッションで脚に何らかの悩みを抱えている人にもオススメ出来るボトムスを見つける、ということは困難を極めました。

 

シルエットは、そのアイテムのカタチだけでなく、生地にも大きく左右されるため、私が初心者の方にベストだと思っている「細身でも、密度・ハリ感のあるタイプ」がなかなか無いのです。

 

逆に、セレクトショップオリジナル品以上の価格帯であれば、もっともっと見つけることも可能だったと思います。

 

脚に何らかの悩みを抱える人の場合は、ボトムスをファストファッションで無理に見つけようとするよりもセレクトショップのオリジナル品から選ぶほうがより簡単です。

 

逆にボトムスで綺麗なシルエットが出せていれば、トップスは比較的安価に見つけることも出来ます。

このブログでもユニクロや無印良品から比較的安価なオススメアイテムを紹介することがありますが、そのほとんどはトップスです。

 

まずは点数が少なくて済むボトムスを押さえて、数が必要なトップスはファストブランドでしのぐ、こんなやり方もアリなのではないでしょうか。

 

全身ファストファッションで、というのは、よほど本人にポテンシャルがないとなかなか難易度の高いチャレンジになると思います。

 

またいきなり2万円台中盤以上の高価なボトムスを買うのも、経済的な意味でも取扱いや手入れといった問題からもオススメしません。

それなら1万円ちょっとくらいのボトムスを2本買ったほうが良いでしょう。

 

ドレスとカジュアルのバランスについて

 

  前述した「最速でおしゃれに見せる方法」で説かれている「ドレスとカジュアルのバランス」の話なのですが、これがファッション初心者指南でそのまま語られている(丸パクリされている)ことも多く、たまにこれについて質問もされるのですが、正直これらの「ルール」について、過度に気にしすぎないで良いと思います。

 

あのドレスとカジュアルのバランスというのは、実は本来的、古典的な意味での「ドレスアップ」「カジュアルダウン」といったことに要点があるわけではない、と解釈しています(本来的・古典的な意味でのドレスアップ・カジュアルダウンの話は長くなるので省略します)。

 

要するに「服がシャキッとしているとカッコよく見えることが多いよね」「服がへにゃへにゃっとしているとかっこ悪く見えることが多いよね」という程度の話なのです。

 

ドレス寄りのアイテムだと、シャキッとして見えるスタイルを作りやすく、(間違った)カジュアルだとへにゃへにゃっとして見える事が多い、そういうイメージです。

 

大多数の、ファッションについてよく分かっていない人がするカジュアルスタイルは、結果的にへにゃへにゃっとしてだらしなく見えることが多いんです。

だからそれ(カジュアル)を制限するルールを設けて、そのリスクを減らしているのかなと思います。

 

他にも「色はモノトーン+1色まで」など、過度ではないか?と思われる制限が多いのも、色使いが苦手な人は、結果的に色がゴチャゴチャとしてだらしなく見えやすいから、そのリスクを回避することにあるのでしょう。

 

これらの制限は、その趣旨をうまく解釈していれば適宜外して良いのです。

 

実際著者のMB氏本人も、丸パクリ解説の人も、結構都合よくルールを外しています。

趣旨さえ理解していれば、ルールを外しても大きく間違った方向に行くことはない、(とされている)のは世の中の条理かもしれませんね。

 

大事なことはルール自体ではなく、その趣旨ですから、そのことは忘れないほうが良いでしょう。

 

本当に初心者がまずすべきこととは?

 

 「初心者はまず何に手をつけるべきか?」というのは、非常に難しい問題であり、おそらく聞く人によって異なる答えが帰ってくると思います。

 

抽象的に答えれば、あまり役に立たない答えになってしまいますし、具体的に答えようとするととてつもないボリュームが必要となってしまいます。

(1冊の本が出来てしまいますね)

 

バランスよく的確に答えられていれば良いのですが、あまり自信がありませんね…。

 

抽象的なことも言うなら「まずは自分はどういう格好をしたい人間なのか?」を出来るだけ早めに把握することです。

 

既に自分の中に、こういうスタイルがしたいという具体像があるのか、それとも「人に変に見られたくないから、とりあえず無難(と言ってもこの場合はおそらく平均以上に、ということなのでしょうが…)にまとめたい!」なのか、これだけで最初に立っているスタートラインや、人にアドバイスを求めた時に返ってくる返答がかなり変わってくると思います。

 

ファッションが難しいのは、世の中で今格好いいとされているスタイルを一応の正解とみなしたとしても、それがあなたにとって正解とは限らない、ということにあります。

 

学力テストでは、同じ答えを書けば、採点者が横着でない限り必ず同じ点数になるのですが、ファッションは同じ格好をしても全く異なった結果(評価)となってしまうのが常です。

 

ファッションというのは、残酷なまでに具体的でパーソナルな問題です。

それは「見た目」の話だからです。

どれだけレアなスニーカーを履いても、どれだけ上等な生地を使った服をまとっても「似合ってないよね」「ダサいよね」と言われてしまったら終わり、というとてもとても残酷なものなんですね。

 

このような問題を解決するために、ファッションという具体的な問題を抽象的に定式化する試みは「なんちゃらマニュアル」という形で昔から行われてきましたし、今も行われていますが、どうしても万人を救えないのは、それぞれの人にある程度変えようのない個性があるからなのです。

 

もちろんその人の元々の個性だけで、似合うスタイルが決まるわけでもありません。

その人がしたいスタイルによって、個性を変えていくこともまたある程度なら出来るからです。

 

欲しいものと似合うもの、現実と理想は、確かに違うものですが、そこをすり合わせるのもまたファッションだったりします。

 

なるべく早く、おぼろげにでも自分がどういうスタイルのファッションをしたいのか?を把握してみて下さい。

「初心者がまずすること」は、そこから逆算することになるかもしれません。

 

昔は雑誌を読み漁るしか、自分がしたいスタイルを見つける方法は無かったわけですが、今は無数の画像がインターネット上にあるので、その点は楽になりました。

 

なりたいスタイルが無いなら、まずはシンプル&クリーンなスタイルから、その人の個性に裏付けられていない個性的なスタイルはダダ滑りするだけ

 

 なりたいスタイルがまだ無い、とします。

それならば、出来るだけシンプルでクリーン(清潔感のある)なスタイルをまずは目指すべきです。

 

その人のキャラクターに合わない個性的なスタイルはダダ滑りするだけです。

それはただのコスプレですからね。

 

ただし、最初はその「シンプル」「クリーン」さえもよくわからないと思います。

考えてみると、よくわからない、抽象的な概念ですからね。 

 

このブログでは、私が思う究極的なシンプルでクリーンなアイテムを紹介しているつもりではあるのですが(苦笑)、雑誌で学ぶのも手です。

雑誌は、個人のブロガーなどはとても太刀打ち出来ない情報量があります。

(今ではブログにしか出来ないこともあると思ってますけどね!)

 

とりあえず一番オススメは、「メンズファッジ」ですかね。

モデルは外国人もしくはハーフばかりで、直接的な参考にはならないかもしれませんが、やっているファッションは極めてシンプル&クリーンで、これらの概念の理解に役に立ちます。

 

 

 men's FUDGE 2017年 05 月号 (メンズファッジ)

 

私が思うシンプルとはちょっと違うのですが、ジョーカーなども良いでしょう。

 

 

 Men's JOKER 4月号

 

 月刊誌ではなく、あくまでムックという扱いなので、不定期刊行なのですが、「LOADED(ローデッド)」も近年は良いですね。

 

 

LOADED vol.31 (メディアボーイMOOK)

 

以前は「ツヤリズム」なる謎の概念を振りかざす雑誌だったのですが、最近はその特集特集に合わせたアイテム情報が豊富に載っています。

近年はより前記ジョーカーに近い感じになっています。

 

早めにファッション中上級者のサイクルに近づく

 

 全てのファッション上級者中級者の買い物の仕方を把握しているわけではありませんが、基本的に彼らは既にある程度満足できるだけの服を持っています。

 

それを基礎にして、シーズンごとに新しい服を迎え入れるわけです。

 

ここで重要なのは「既に持っている服が新しく迎え入れる服をある程度決定している」ということです。

 

例えば、黒とダークネイビーのパンツしか今は満足できるものが持っていなかったとしましょう。

そうすると、どうしてもトップスはバランスを取って明るめのカラーが良いな、となりがちです。

そうすると、今度は明るい色のトップスが増えてきます。

 

ここでファッション中上級者は、「新しいバリエーションを取り入れたい」と思考します。飽きるからです。

 

そこで今度は何をするかというと、ライトグレーやベージュのパンツを買おうとなります。

そしてそれに伴って、ダークカラーのトップスを取り入れる、という新しいサイクルが生まれます。

 

一応色で説明しましたが、これはパンツの太い・細い、アウターの短い長いなど様々な要素で繰り返されます。

 

このように、いわば同パターンに適度が「飽き」が来ることもあって、緩やかにワードローブの新陳代謝が行われます。

 

「今持っているものを基礎にして少しずつ少しずつワードローブが変化していく」イメージです。

 

私はなるべくこのモードに速やかに入ってしまうのが、一番良いのではないか?と思っています。

毎シーズン、毎シーズン、トップスもボトムスも0から構築していくというのはとてもお金が掛かりますし、思考経済的にも悪いでしょう。

  

積み重ねがあるから、毎季毎季、そんなに無理をしてファッションアイテムを数多く買う必要がなく、その代わり色々な意味で「質」にこだわれるわけです。

(まあ私のように買い物中毒みたいな症状に侵される人も少なくありませんが…)

 

ある時ふと「ボトムスもトップスも持っているもの全て気に入らない!」というモードに入ってしまう人もいますが、それはライフスタイルや志向が大幅に変わったということなのでしょう。

 

服だけではなく、「中の人」の基礎力の向上も 

 

 服や小物だけに頼り切った「ファッション」というのもそれはそれでなかなか難しいものです。

 

髪型に気を使う、肌に気を使う、筋トレをする。

 

連鎖的に、それらに気を使う生活を始めることもまたファッションです。

 

美容室も、自分に合うところさえ見つかれば(これが一番難しいのだが!)あとはもう習慣です。

ヘアスタイリングも、慣れればそんなに難しいことじゃありません。

髪質的に難しいならヘアアイロンを使えば簡単になることもあります。

パーマを掛けると本当に色々とラクです。

 

それらが結果的に服選びも「簡単」にしてくれたりします。

 

このブログではそれらもフォローしています。 

 

少しずつで良いので、「中の人」の基礎力も向上させていって下さい。 

 

 

頑張るなら早めの方が良い

 

 今回の記事のきっかけとなった質問は、大学入学を控えた方から頂きました。

大学入学をきっかけとしてファッションを考えるようになった(考えざるを得なくなった)人も多いでしょう。

 

人間というのは非常に面白いもので、ある組織やグループに所属した初期にそのキャタクターや立ち位置をほとんど(8割方くらい)決定づけられるようなところがあります。

 

中学校1年生の1学期の最初のテストで優秀な成績を収めた子は、その後も優等生として歩んでいくことが多い。そして逆もまた然り。

最初に立ち位置が決まってしまうとなかなか逆転するのは難しくなります。

 

面白いのは、これが高校生になるとまたリセットされることです。

中学校時代に優等生として歩んできた子も、高校最初のテストにつまずくと、あっという間に劣等生に転落します。

 

これは、中学校と高校では集まっている生徒のレベルが違うからだ、と片付けられがちですが、私は人間はその集団での最初期にキャラクター付けがなされるから、という側面もあると思っています。

 

最初に良い点を取ると、自信が持てるというのもありますが、周りは優等生として見てきますし、それが無意識に優等生としての振る舞いに繋がります。

逆に悪い点を取ってしまうと、自信を失い、周りからは劣等生のレッテルを張られるので「頑張らなくても良い、頑張るのは格好悪い」などとどんどん劣等生として振る舞うようになってしまう。

 

実はファッションにもこれが当てはまります。

大学生になった時に、最初に「私はファッションには気を使っていません」というキャタクター設定をしてしまうと、あとで変更をするのが大変になるのです。

 

髪を染めただけで周囲から「どうした?」と言われるでしょうし、ちょっと格好つけただけで「今日頑張ってるね」などと半ばバカにされたようなことを言われてしまうでしょう。

そんなことを言われたら「頑張るのはかっこ悪い、私はファッションとかはあまりこだわらない人だから」と自分で自分にブレーキをしてしまう人もいるでしょう。

 

後から変えれば良いや、変わればいいや、というのは実はすごくエネルギーが必要になってきてしまうんです。

 

大学入学は、よほど小規模なエスカレーター式のところでも無い限り一旦人間関係がリセットされる良い機会です。

世の中には「大学デビュー」などと揶揄する言葉もありますが、そんな言葉を気にしても仕方ありません。

 

早め早めのスタートをオススメします。