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カーキ・ベージュのパンツがトップスの可能性を広げる…2017AWのパンツ・ボトムストレンドについて読み解く・後編

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今期カーキ・オリーブなどミリタリーカラーのボトムスが選択肢として大幅に増えている!カーゴパンツは復権しない? ベージュの難しさとは?トップスの選択肢を広げてくれるボトムス達

 

 

ここ数年、黒・ダークネイビー中心に展開されてきたボトムストレンドだが…

 

 ここ数年、メンズボトムスのトレンドはカラーで言うと、主に黒・ダークネイビーを中心に展開してきました。

 

特にボトムスのシルエットの変動期だった昨年はこの傾向が強く、メンズボトムスの基本色の1つであるチャコールグレーですら探すのに苦労するほど…。

 

ボトムスの色に黒・ダークネイビーという「線を描く力が強い色」を使うのは、シルエットをハッキリ、シャープに見せるという意味ではプラスに作用しますが、どうしても同じく黒やダークネイビーが選ばれがちなアウターの色とも被りやすいため、

「全身真っ黒」気味になってしまいがち。

 

私はこの「全身真っ黒」というのは、1つの選択肢としてはアリですが、人を選ぶ側面があると思っていますし、実は難易度が高いスタイルだと思っています。

 

そこで昨年は、「インナーでの緩和」や「カーキ・オリーブなどミリタリーカラーアウターの導入」といった提案をしてきたわけです。

 

 

www.narcisman.com

 

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そして今年はカーキ・オリーブといったミリタリーカラーをパンツ・ボトムスに導入する、あるいはベージュ・キャメルといった明るめのカラーも取り入れることを提案していきたいと思っています。

 

少し難しさもある色ではありますが、今年はそれらの色がかなり選びやすくなってきたんです。

  

 

ボトムスが、トップスのバリエーションを広げる!

 

 シルエットを綺麗に、シャープに見せるという点では、最も線を描く力が強い黒に敵う色はありません。

 

ダークネイビーと黒ですら結構差が出てきたりします。

 

パンツはこのような暗いカラーしか選ばない、という方もたくさんいます。

徹底して黒、という方もいますね。

 

それはそれで、選択肢としてはアリです。

なぜなら、ボトムスの色を固定したとしても、トップスで印象は変えられるからです。

 

ただやはり、それ以外のカラーも取り入れることで一気にトップスとの組み合わせ、バリエーションは広がります。

 

今期はカーキ・オリーブのミリタリーカラーをパンツで…カーゴパンツは復活しない?

 

 最近どうも今のスタイルに飽きてきた…、そういう場合トップス、アウターを買い足しがちですが、パンツをカーキやオリーブなどのミリタリーカラーにすることでグッと変わってきます。

 

ボトムスは昨年から、黒のキュッと締まったシルエットからの開放が始まっていますが、それを象徴するのがカーキ・オリーブの復権の気配です。

 

今期この色を選択肢の1つとして用意するブランドや、アイテム数が確実に増えてきているのです。

 

 

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 https://i.lumine.jp/item/141170030120001

 

ここでまず、これらのカラーの特性を述べておくと、カーキ・オリーブという色は、アウターに使った場合と違って、ボトムスに使うとどうやってもシャープさが出せません。

 

どうやっても「野暮ったい」んですね。

 

だから、シャープさの究極であるスキニーパンツをカーキ・オリーブで作ったとしても、決して魅力的に見えないと思うのです。

スキニーパンツの特性と、あまりに相反してしまいますからね。

 

あくまでこの色はその特性である野暮ったさを受け入れた上で、新しい色の組み合わせを楽しんでいくために、またこの色自体のくすみ感が生み出す独特の雰囲気を楽しむために使うのです。

 

とはいえ、シルエットはどうでもいい、というわけではありません。

 

しっかりとテーパード(スソに向かって細くなっていくシルエット)の効いたもの、かつ細すぎて脚の形が出てしまい、くしゃくしゃっとした質感が出ないものを選ぶ。

くしゃくしゃっとしたシワは、余計に野暮ったさを強調してしまうんですね。

 

これらに気をつければ、今のスタイルに違和感無く取り込んでいくことができると思います。

 

 

オススメカーキ・オリーブボトムス

 

 先日から秋冬モノを取り上げていますが、この時期のリリースはまだまだドメスティックブランドが中心。

 

どうしてもいわゆる大手セレクトショップオリジナル品は、大量に売れ残っている春夏モノをこの時期にできるだけ売り切りたい、ということもあるのか、なかなかな秋冬モノに切り替われていません。

(まだまだこれだけ暑いわけですから、それが正常なんですけどね…この時期にコートを見ているとなんて異常な世界なんだと思いますよ、苦笑)

 

せっかく行っても、ほとんど見る物がなかったりするんですが、チェックし続けております。

 

そんな中、まずセレクトショップで良いと思ったカーキオリーブボトムスがこちら。

 

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URBAN RESEARCH DOORS Tapered Baker Pants

 

 

URBAN RESEARCH DOORS (アーバンリサーチドアーズ)の「Tapered Baker Pants」。

 

こちらはベイカーパンツといって、最近トレンドになりつつあるパンツの形。

腰回りのポケットと、少しゆったりとしたシルエットが特徴で、オリーブ・カーキといった色味の物が多く出ています。

 

私は特にこのベイカーパンツという種類にこだわっているわけではないのですが、この形で探すと種類が豊富で良いかもしれません。

ファティーグパンツと言われるパンツとともにカーキ・オリーブボトムスの復権に一役買っているパンツです。

 

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 http://www.selectsquare.com/shop/urbanresearchdoors/goods/3316906

 

これはしっかりとテーパードが効いているので、履いてみるとかなりスッキリとしていて、レディースにありがちな中途半端にワイドパンツを意識したような、膨らみのある女性っぽいシルエットにならないのが良いですね。

野暮ったさを軽減しつつ、しっかり男らしく穿けます。

 

例えばもっともっと価格帯が上の、ドメスティックブランドで探すとシルエットも生地感も最高の物が見つかるのですが、これをオススメする理由はとにかくシルエットが綺麗だから。

シルエットはなかなかのものです。

 

生地も及第点で、ストレッチの入っていない綿100なので、これから洗いを掛けていったり、履き込むことでもうちょっとクタッとしてくるとより雰囲気が出てくるかなと思いますね。

 

ちなみにURBAN RESEARCH DOORSは「URBAN RESEARCH」とは同系列ながら、別形態のセレクトショップなので、URBAN RESEARCHではなく、URBAN RESEARCH DOORS取扱店に行かないと見ることが出来ません。

 

その点はご注意ください。

 

次に、私が最高のボトムスを買うならココ!と思っている2ブランドからもオススメのボトムスを2本紹介しましょう。

 

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出典 http://honor-gathering.com/shopping/index.php?main_page=product_info&cPath=4&products_id=176

 

このブログではおなじみのブランドHonor-gathering(オナーギャザリング)の「W FACE 2タックセミワイドスラックス」。

 

こちらは生地に「スラブ」というあえてムラを出した糸を使用しており、さらに製品洗いを予めかけているので、最初から抜群の雰囲気が出ています。

 

雰囲気を出すために育てる必要なしです。

 

色味もしっかりカーキなのですが、グレーを少し混ぜたような、くすんだ独特の深みが出ていますね。

 

これは探してもなかなか無い深みのあるカラーです。

 

 

 

RECTOHALLさん(@rectohall)がシェアした投稿 -

 

 

シルエットは、このカラー・生地感を活かすためにややゆるさを出したセミワイドですがテーパードがしっかり効いているのですっきりまとまります。

 

ここがカーキ系のボトムスを作ったら面白いんじゃないかなあ…と考えていたところでドンピシャの物が出てくれました。

 

Wフェイスと言って、裏表別の2枚の生地をくっつけているので、やや厚みがあり今すぐには暑くて着れないのですが、秋が来るのが楽しみになるパンツです。

 

やっぱりこれくらいわかりやすく生地にこだわってくれないと、この値段は出せないなあ…という。

 

やっぱりドメスティックブランドは、魅力的なアイテムを出し続けてくれますね。

そうじゃないと存在意義が無いですから。

 

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 出典 http://shop.iddailyshop.com/?pid=119354146

 

こちらも綺麗なテーパードシルエットのボトムスを作り続けてくれているブランドID DAILYWEAR の「CHINO SLACKS 」。

 

こちらは厚手でかなりハリのあるギャバジンと呼ばれる素材を使っているため、ギリギリまで細く(と言ってもスキニーのような細さではありませんが)、かと言ってシワシワにもなりづらく綺麗なシルエットを出してくれます。

 

カーキやオリーブでもポリエステルのツヤ感のあるスラックスタイプの物はセレクトショップオリジナルで見かけたりするんですが、カーキやオリーブはそうじゃないんだよなあ…と少し思ったり。

 

カーキオリーブの魅力が残る形でこの色味の持つ野暮ったさをギリギリまで削ぎ、スタイリッシュにしたパンツと言っていいでしょう。

 

ここはかなりテーパードの効いた股上が深めのサルエルパンツが得意だったのですが、このパンツは股上は浅くよりスッキリして、サルエルっぽさが軽減され、より取り入れやすい形になりましたね。

 

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出典 http://slow.ocnk.net/product/1805

 

黒やダークネイビーのコートと合わせると、かなり良い雰囲気になるハズ…。

ニットでも良いですねえ。

 

こちらもかなり厚手で、今すぐ着ることは出来ませんが、秋冬が楽しみになるパンツです。

 

ちなみにこのID DAILYWEARを取り扱う「DAILY SHOP」というお店は、元々渋谷の神南(渋谷と原宿の中間あたり)にあったのですが、今年中目黒にもショップをオープンし、神南店の方は8月27日の方でクローズとなるようです。

 

なかなか魅力的なアイテムを出し続けてくれているブランドなので、更に成長して取扱店が増えてくれると、より紹介しやすくなるので、そうなると良いなあと思っています。

 

値段の高いこうしたいわゆるドメスティックブランドは、実店舗まで行けない方にはZOZOTOWNなどでの取扱が無いとなかなか返品ができる形で、

つまりリスクをあまり背負わずに手にとってもらえる機会がありません。

 

その点で、紹介する側としても心苦しい面はあるのですが、やはり良い物を作っていますので、たとえ買えなかったとしても必ず参考になる面があると思って、紹介し続けています。

 

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カーゴパンツは復権しない?かつての着こなしのエッセンスを取り入れるのは○

 

 カーキやオリーブのパンツと言うと、カーゴパンツを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、2000年代初頭に流行したようなボリューミーで、ポケットが目立つカーゴパンツが完全復活する、というわけではないと思います。

 

 

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Buzz Rickson's バズリクソンズ BR40927[rr]カーゴパンツ 

 

ただ、かつてカーゴパンツが流行ったときは、そのままだカジュアルに取り入れるとキメ感の強くなりすぎるテーラードジャケットや白シャツと合わせるなど、「ドレス感の強すぎるアイテムをうまく軽減させる方法」として取り入れられていました。

 

今それをそのまま再現しても、バランス的にうまくいかないのでしょうが、そのエッセンスは取り入れてもいいでしょうね。

 

今回はドレス感が強くなりすぎるのを避けるというよりは、全身真っ黒を避ける、 という形で提案していますが、それもこの頃のトレンドが形を変えて復活しつつあるという解釈をしています。

 

黒をより引き立てるベージュ、だが…

 

 トップスを黒などの濃いカラーで構成しようと思うと、誰もが思いつくのが、ボトムスに明るいカラーとしてメジャーどころのベージュのチノパンツを取り入れよう、ということ。

 

ところがコレ、なかなかうまく行っている人を見ないものです。

 

その原因の1つは、ベージュの明るさにあります。

ベージュの明るさは、単体では綺麗に見えたとしても、いざコーディネートとして合わせると白いパンツに近い難しさがあります。

 

また極端に線を描く力が弱いため、シルエットもぼやけてしまいがち。

色味の薄さだけが強調されて情報量のない、間の抜けた感じになりやすいんですね。

 

ベージュの攻略法としては、まずはベージュにグレーを加えたような「グレージュ」という色を選ぶこと…

なんですが、私が思っているようなグレージュのパンツがなかなか無い…。

いつかまた紹介出来たらと思っているんですが。

 

もう1つは色味、生地感をしっかりと吟味することですね。

 

実は先程紹介したオナーギャザリングで、今期オススメのパンツとしてもう一つ紹介したいのがベージュのスラックス。

 

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出典 http://honor-gathering.com/shopping/index.php?main_page=product_info&cPath=4&products_id=173

 

これはまずベージュの色の出方がかなり良いですね。

めちゃくちゃ色味が濃い、というわけではないのですが、深みがしっかりと出ていて、情報量がしっかりあります。

 

本当にここは、雰囲気のある服、アジのある服を作りますねえ。

 

ベルテッドパンツ、と言って、同生地のベルトが取り外せるパンツもトレンドで、色々なブランドでも出すようになっているのですが、ここは昔から出していることもあって熟れています。

 

あえてベルトをしないで、ロングベルトのように垂らしても良いと思います。

同生地の分だけそこまで目立たないので。

 

形としてはレングス(丈)が長めで、股上が深いためゆったりとしています。

ここの2タックに代表されるスラックスが、レングスが短いために断念されていた方にもオススメですね。

 

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 出典 http://chalt.exblog.jp/i34/

 

値段的にもやや中上級者向けとはなるのですが、今期オススメのボトムスの一本です。

なかなかベージュの良いボトムスって無くて、見つけたら嬉しくなるのですが、もうちょっと安いブランドでも発見できるといいですね。

 

ベージュは、黒、ダークネイビー、それから濃いパープルがかったチャコールグレーなどとの相性が抜群に良いため、 それらのトップスの選択肢を広げてくれます。

これトップスに持ってくると全体が暗くなるし…となかなか着る機会のなかった服を蘇らせるのは、新しい色のボトムスかもしれませんね。

 

そして 新しい色のボトムスを買うと、次に買いたくなるトップスも変わってくるものです。

 

今日紹介した色味のボトムスは、万能性こそ黒やダークネイビーには劣るかもしれませんが、ファッションの幅を確実に広げてくれるでしょう。

 

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 あれ?自分には似合わない…?と思ったら、5分待ってみる

  

 これは私も昔よくあったのですが、人間穿きなれない色のボトムスを急に試すとなんだかとても違和感を感じて「自分には似合わないな…」とすぐに脱いで試着室から出てきてしまったりするものです。

 

ですが、もし色味だけが問題であるなら、実はボトムスの色だけで似合う・似合わないということはあまりありません。

 

確かにトップスの色味というのは、肌の色や顔立ちなどで似合う・似合わないが多少出てきてしまうものなのですが、顔から、首、トップスとワンクッション置いて距離が離れているボトムスではあまり色の似合う・似合わないを決めつけないほうが良いと思います。

 

しばらくすると見慣れてきて「あ、良いじゃん」となったりすることもよくあるものです。

 

店での試着の場合、まずは5分ほど新しいボトムスを履いたままで店内を歩いてみましょう。

店員さんに、ちょっとトップスとの組み合わせを試してみたいと言って、何か気になる色との色合わせを試しても良いでしょう。

 

その場合、そのトップスを買う気が無くても全く嫌がられることはありません。

そうしているうちにだんだん見慣れてくるはずです。

 

見慣れてきた上で、やっぱり違うなと思えば、やめれば良いのです。

 

これはちょっと覚えておいて欲しい話ですね。

 

 

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