ヘアワックスの付け方って美容師によってそれぞれ違うけど、どれが正解なの?失敗しにくい付け方のコツ、ヘアワックスの後にヘアアイロンってしていいの?などなど意外に知らないヘアワックスのあれこれを解説!!
今日はヘアスタイリングのお話を。
ズバリ「ヘアワックスの付け方」です。
ヘアワックスの付け方がわからない!あるいは間違ってつけている人もいると思うので、それを解説します。
※本記事は2016年執筆のものですが、2020年若干のリライトを行っております。
目次
- 一番ダメなのは、表面にのみ、不均一につけてしまうこと
- ワックスの付け方は美容室・美容師によって違う?本質は同じ?
- 美容師によって共通しているところ
- 見解が分かれるところ
- ヘアワックスの後にヘアアイロンってアリ?
- 結局は「自分のスタイリング」を極めるしかない
- オーシャントーキョーヘアムックが、一番詳細に解説された本かも
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一番ダメなのは、表面にのみ、不均一につけてしまうこと
実はヘアワックスの付け方にこれ!という大正解のようなものはありません。
「髪全体」に「均一」に付けられれば、基本的には問題無いのです。
もちろん部位によって差を付けるのですが、とりあえずの前提としてはこれで間違いありません。
要はこの「髪全体に均一に付けること」をどう行うか?の違いでしかありません。
一番ダメなのは、まず髪全体に均一についていないこと。
「毛束を作りたい」からと言って、いきなり作りたい毛束に直接ワックスを塗ってグリグリとネジる
これは本当にダメなのです。
しかし、いきなりこれをやってしまっている人が多い多い・・・。
なぜこれをやってしまうのはダメかというと、ワックスを使うのは毛束を作ることだけが目的ではなく、髪全体の質感を作ることにも目的があるので、この使い方ではある毛束だけ質感が突出してしまうのです。
またワックスは「油」ですから表面にのみ付ければ、その「重さ」に髪が耐え切れず、結局は髪型がペタンと崩れてしまいます。
本来バラバラであるはずの髪が、毛束としてまとまるのは、ワックスに粘着力があり、これによって髪がくっつくからですが、まずは髪全体に均一にワックスを馴染ませて、それから毛束を作る、これを心がけてください。
崩れないか心配…という人もいるかと思うのですが、本来髪型キープの役割を担っているのはワックスではなくスプレーです。
スプレーは使うか使わないかも含めて論争があるので次回記事でまとめましょう。
とにかく、毛束モリモリのキメキメヘアーを作るにしても、ナチュラルな整える程度のスタイルを作るにしてもまずはとにかく髪全体にワックスを均一につけていく。
違いが出るとしたら、その後なので、まずはこれを心がけましょう。
ワックスの付け方は美容室・美容師によって違う?本質は同じ?
ワックスの付け方は、美容室、美容師によって本当に異なります。
それぞれが提唱するテクニックも様々です。
とにかく「2分間」髪を散らしていく方法
例えば現在メンズ美容界の一大巨塔、OCEAN TOKYOの高木琢也氏などは、「騙されたと思って2分間ワックスを散らし続けろ」と繰り返し提唱しています。
(ちなみにリンクから確認すると分かるのですが、高木氏は、予約を取るのが非常に困難なカリスマ美容師です。)
OCEANTOKYO本店代表高木✖︎原宿店代表三科のコラボセット講座
使用ワックス デューサー「4番」
ナンバースリー DEUXER(デューサー) ミディアムハードワックス 4 80g
OCEAN TOKYOの特に高木氏の影響を大きく受けているスタイリスト、アシスタントの人はこの「騙されたと思って2分間」をやたら強調してきます笑
(個人的には1分以下でも十分とは思います。)
ワックスを手にとって、シャンプーするように手で髪を振り続けるのです。
髙木氏は、いきなり揉み込むように付けていますが、これは高木氏の出身であるLIPPSグループに特徴的なヘアワックスの付け方です。
メンズ 髪型 美容室LIPPS×宮崎湧 L12フリーキープワックス スタイリングムービーLIPPSオリジナルスタイリングワックス.スタイリング
使用ワックス LIPPS 「L12」
LIPPSは他にも「どこから見てもひし形に見えるように」など、かなり統一したヘア理論を持っています。
ここらへんは、美容室グループの個別記事でも書いた時に詳しく書きたいと思います。
2分間ひたすらワックスで髪を散ら続けていくいく方法のメリットは、こうすることで嫌でもワックスが均一に、まんべんなく髪に付けられるということです。
髪全体を一度全て上に持ち上げるようにつけていく方法
もう1つ、メンズで有名なAKROSなどの美容室では、前髪以外の髪全体を一度スーパーサイヤ人のように上に持ち上げてから、それを下ろすようにしてワックスを馴染ませていきます。
よりわかりやすい動画はこちら。
(この動画の3分~くらいから)
使用ワックス デューサー 「3番」&「4番」
ナンバースリー DEUXER(デューサー) ミディアムソフトワックス 3 80g
ナンバースリー DEUXER(デューサー) ミディアムハードワックス 4 80g
どちらのやり方もワックスを均一に付けるための手段の違いでしかありません。
つまり本質は同じなのです。
結局は、ワックスを髪全体に散らしたあとで、毛束をつまむとか、ネジるとか、そういう操作をしていくわけで、ワックスを全体に均一に付けられるのであればどちらのやり方でも構いません。
※最近はLIPPS系でも髪全体を一度全て上に持ち上げるようにつけていく方法をするようになりました。
ただ、繰り返しますが一番やってはいけないのは、ワックスを「表面にだけ」「不均一に」付けることです。
表面にベタッと付けて、そのまま、のようなワックスの付け方では、ワックスは油なので、どんどん重みで髪型が潰れていきます。
どちらの方法にしても「髪の内側から」「ワックスを均一に散らすように」つけていくのがポイントとなります。
髪を一度全部上に持ち上げる方法は、この「内側からワックスをつけていく」ことを初心者でも実践しやすいのだと思います。
一度髪全体を持ち上げて、そこから高城氏の言うように2分間ワックスを散らしていく、この方法が一番良いのではないか?と個人的には思っています。
美容師によって共通しているところ
どの美容師もおそらく共通していると思われるポイントは下記のことでしょう。
・ワックスは後ろから徐々に前に向かって、下から上に付けていく
・前髪にはほとんどワックスは付けない
ワックスは後ろから前へ!
前者について、ワックスをサイドやトップ、前髪からつけろなどという美容師はいないはずです。
これは後ろから前につけていくことで「ワックスを髪の表面ではなく内側から付ける」という繰り返し述べている大原則を実践しやすくしているのだと思います。
さらに髪の毛は、後ろが一番多いわけですから、ここから付けるというのは「均一に」という原則にも適います。
前からではなく後ろから、上からではなく下から
これを心がけましょう。
前髪にはワックスはほとんど付けない!
後者について、前髪までしっかりとワックスを付けることは基本的にありません。
ビジュアル系の髪型や、オールバック、前髪立ち上げ系は別ですが、基本的に前髪にはあまりワックスを付けません。
全体のセットが終わった後で、手にワックスがほとんど残っていない状態で、毛先にのみ付ける、という方法が一般的です。
ワックスを全体的につけたとしても、手には少しワックスが残り少しベタつきが残っていると思います。
これで前髪を整える程度付けるのです。
何故前髪にワックスをあまり付けないかと言うと、前髪はとても割れやすいのです。
割れるというのはどういう状態かというと、汗をかいた時など髪が濡れている状態の時に「すだれ」、もっと言うと「バーコード」のようになってしまう人が多いと思いますが、ああいう状態のことです。
前髪がぱっくり割れてしまっていると、とても見栄えが悪いのです。
それを防ぐためにも前髪にベッタリとワックスを付けるのは誰も推奨しません。
前髪にシャープ感が欲しい!という気持ちはわかるのですが、それは「カット」や「ヘアアイロン」によって実現することで、ワックスでシャキーン!とやってしまうのはダメなのです。
見解が分かれるところ
「根本にはワックスは付けるか、付けないか」
髪の根元にワックスを付けるか付けないかは美容師によって見解の別れるところです、
「ワックスは中間から毛先までに付けます、根本には付けないようにしてくださいね」という人もいますし「根本から毛先まで均一に付けてください」という人もいます。
「根本からワックスを付けることで、しっかり立ち上げることが出来る」という人もいますし「根本にワックスがつくと潰れやすい」という人もいます。
「根本にワックスを付けて立ち上げるのではなく、根本にはスプレーをするべき」という人もいます。
私はここらへんは正直どっちでも良いと思います。
なぜなら、髪全体にヘアワックスをつけていく過程で、根本に全くヘアワックスを付けないでいることは不可能だからです。
正直根本にヘアワックスを付けるか付けないかは、素人が意識したところであまり大差が無いと思っています。
初心者が根本からヘアワックスをつけようとすると、根本ではなく、頭皮に直接ワックスを付けてしまう気がするので、初心者のうちは中間~毛先に付けるイメージで良いのではないでしょうか?
こする・こすらない
これはLIPPSグループに特有のスタイリング法なのですが、ワックスを付ける際と、ワックスを全体に付け終わった後、手のひらで毛束をこすり上げるようにして束感を強調するというスタイリング方法があります。
メンズヘアスタイル 美容室LIPPS×宮崎湧 スタイリングムービーLIPPSオリジナルWAX L08.m4v
使用ワックス LIPPS 「L08」
これは以前、AKROSの「CHOKiCHOKi」誌上(現在は休刊)でのヘアスタイリング講座で、「髪をこするようにしてスタイリングするのは、キューティクルが壊れてツヤ感が無くなるのでNG」と明確に否定されていて、見解が別れるところです。
この「こする」スタイリングを毛束感の欲しいトップやえり足などに試みることがありますが、別にキューティクルが壊れる感覚は無いんですが…。
それを言ったら、ネジるなどの毛束を作る行為は全てキューティクルを壊す気がするのですがどうなんでしょうか。
あまり気にする必要はないでしょう。
毛束感を出すには有効なテクニックなので「そういう見解もある」というのを知った上でやってみる分には良いと思います。
見解が別れているところは、正直「どっちでも良い」と思えるような論点であることが多く、それより「共通項」を早めに把握して取り入れるべきでしょう。
ヘアワックスの後にヘアアイロンってアリ?
ナル男はメンズもヘアアイロンでのスタイリングをした方が良いというか、結果的に色々ラクだよ、ということを提唱しています。
で、1つ問題になるのは、ヘアワックスとヘアアイロンの関係。
これはですね、基本的にはヘアアイロン→ヘアワックスです。
髪に水分が残っている状態で、ヘアアイロンをかけるとジュッという音がしてこれが髪を痛める原因となります。
(詳しくはこちらの記事へ メンズヘアセットにおけるヘアアイロンの使い方、注意点とコツ「冷ます」 - )
ヘアワックスにも多少水分がありますから、まずヘアワックスを全体になじませた後に全体にヘアアイロン、なんて使い方は基本的にやるべきではないです。
ただ、美容室でもヘアアイロンをしてヘアワックスでセットした後
「ちょっとここカール感足りないな」などという時、追加でちょっとだけヘアアイロンを使うことがないわけではないんです。
全面的に使うのは全くオススメしませんが、ほんの少し、手直し程度に使う分には構わないのかなとは思います。
使わないほうが絶対良いですけどね。
ヘアアイロンしてからヘアワックス、仕上げにスプレー。
この順番が鉄則です。
結局は「自分のスタイリング」を極めるしかない
色々なテクニックがあることを紹介してきましたが、結局は自分のスタイリングは自分で研究し、極めていくしかありません。
頭の形も、髪の毛の量も人それぞれ違いますし、したい髪型・ヘアスタイリング、ニュアンスなど趣向も異なるのです。
例えば「ワックスの量」、これも美容師さんによっては「パールや枝豆2つ分」とか、「500円玉1枚分」とか色々表現しますが、そんなのは人によって異なります。
以前も述べましたが、人間の毛髪量は、人によって10万本も異なるのですから、使用するワックスの量はそれぞれです。
ワックスを付ける回数も、一度で全て済ませてしまう人もいれば、前と後ろ2回に分けてつけろという人もいます。
しかし、これも結局所定のワックス量であれば何度に分けても良いのです。
髪全体に均一に付けば良いので、不安であれば少量ずつ何度分けても構いません。
私も時間があり、かつ失敗したくない用事があるときなどは、今でも少量ずつ少しずつワックスを継ぎ足す方法で付けています。
たとえどんなにヘアセットに慣れていたとしても、一回一回正確にヘアワックスの分量を量れる人などいないでしょうし、現在の自分の毛量も、正確に把握しているわけではないからです。
急いでいる時、時間がある時でヘアセットの仕方も自ずと変わってきます。
結局は自分で研究していくしかありません。
カットは月に1回程度、美容師さんに半ば「お任せ」するわけですが、毎日美容師にセットまでしてもらえる人間はまずいないでしょう。
セットは「あなた自身」が「ほぼ毎日」「自分で」行うものなのですから、向上心と研究心を持って、動画を見るなどしていくしかありません。
でもね、今って本当に良い時代ですよ。
トップクラスの美容師たちがYou TubeやインスタグラムのIGTV、TikTokなんかで動画分かりやすくセット方法をレクシャーしてくれるのですから!
もちろんスタイリングしやすいカットをしてくれる美容師さんにカットをお願いするのは大前提ですけどね。
「ここをこうしてみるともっと面白いんじゃないか?」と常に好奇心を持って取り組むと、楽しくなってくると思います。
レッツ・トライ!
オーシャントーキョーヘアムックが、一番詳細に解説された本かも
追記 オーシャントーキョーから、スタイリングについて解説したムックが出たので、動画ではなく誌面で解説を見たい、という人はこちらが現在は最も詳しく解説されたものだと思います。
ヘアカタログ雑誌などでもなかなかここまで解説されたものはありません。
人によっては、動画よりもこうした写真での解説の方が理解しやすいかもしれません。
OCEAN TOKYOのメンズヘアBOOK (エイムック 3322)
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