靴箱の隅で眠っていた靴をケアで復活させることは出来るのか?
どーもナル男です。今日は革靴ケアのお話です。
一例として、ちょっと2軍落ちというか、靴箱の隅で眠っていたしばらく履いていなかった茶靴をケアしてみます。
BEFORE
やる前はこんな感じです。
ちょっと現役から遠ざかっている(…)、パドローネのブーツ。
革小物を取り扱うsot さんで5年ほど前の夏に購入。
通常ラインでは無く、別注品です。
キャメルとダークブラウンあって、ダークブラウンを購入。
今じゃだいぶ色褪せてますね。
現役から離れていることもあって、カピカピでは無いですが、潤いがあるかといわれるとちょっと乾いた質感。
こうなってしまってもケア次第では結構綺麗に出来るよ、という
まずブラッシング
まずは最初にブラシで表面の埃を落とします。
ブラシは持ちやすくて、かつ毛の密度がしっかりした物がラクにかつ早くブラッシング出来ておすすめです。
特にコスパが良いと思うのが、上のコロニルの物。
持ち手のところが凹んでいてぐっと手にフィットさせてブラッシング出来るし、
毛の密度が高く、素早くブラッシング出来ます。
[コロニル] Collonil コロニル 馬毛ブラシ 17cmx5.4cmx4.5cm CN044042 (BlackF)
クリーム・ワックス・オイルなどの油分ケア
次は、クリームやワックス、オイルなどの油分ケアです。
革は、油分を失うと乾燥して強度が無くなり、穴が空いてしまいます。
高級な革はしっかりと油分を入れてありますが、そうではない革、また購入から大分時間が経った革についてはしっかり油分を入れる必要があります。
今回はしっかりと油分を入れたいのでラナパーを使います。
[ラナパー] Renapur レザートリートメント Leather Balsam 100ml
ラナパーは、 固形のワックスタイプで、特に乾燥の酷いレザーに効果があります。
これを丁寧にブラッシングした後、塗りこみます。
ブラッシングはしっかりと行ってください。
というのも、あとでどうせオイルやクリームで拭くし良いや、などとテキトーにやっていると、革をホコリで擦って傷つけてしまうからです。
クリームを塗り込む際は、ブラシで塗布する方法と布を使う方法があります。
クリームを塗るブラシをペネトレイトブラシと言います。
これを使うと、革全体に均一に少量でもクリームを塗布出来る、また細かい部分にも塗布出来るというメリットがあります。
[アールアンドデー] R&D ブラシ ペネトレィトブラシ 7012 (マルチカラーフリー)
布を使う場合、布は何でも良いです。専用の布とかも売ってて、確かに使いやすいけど、本当になんでも良いです。着れなくなったTシャツとかで全然OKです。
いやそんなの本当に無いし…という場合は、ネルといって安く大きめの生地を買ってそれを適当な大きさに切って使用してください。
白ネル1mカット 二巾 70cm 16号 双糸 ネル生地 日本製
また、靴にクリームを塗る時はシューツリーを入れてあげてください。
シューツリーによって甲に入ったシワが伸びるので、シワの間にもクリームを塗り込むことが出来るからです。
シューツリーは、靴よりもちょっとだけ小さめが良いですね。
大きすぎると、靴に圧力が掛かりすぎて、革によっては伸びすぎてしまうので。
小さすぎても、シワが伸びないのですが。
大きさがあっていることと、あとはシダーという木で出来ていればなお良いですね。
シダー製のシューツリーは防虫・防臭効果もありますし、シューツリーそれ自体も長持ちします。
10年は平気でもつので。
Natural Nine(ナチュラルナイン) シューキーパー 39/40 木製 メンズ シューツリー レッドシダー シューキーパー
本当は、前の油分を落としたほうが良い?
本当は、クリームを塗る前に、ステインリムーバーを使って以前に塗布したクリームを落とした方が良いですね。
実はステインリムーバーにも色々な意見があって、高級な、タンニンなめしなどがされた革にはあまり使わない方が良いとされています。
私は高い靴にはあまりステインリムーバーを使いません。
今回は表面の汚れを落とす意味でも使ってみました。
[エム・モゥブレィ] 汚れ落とし M.モゥブレィ ステインリムーバー 3020 60ml
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飛んでしまった色の補色
さっきのBEFORE写真を拡大すると分かるんですけど、靴の先端部分が擦れて色が飛んでしまってます。
汚れではないんですねこれ、キズなんです。
これを色の付いた靴クリームを使って補色します。
[エムモゥブレィ] M.MOWBRAY シュークリームジャー 20244 (ダークブラウン)
ペネトレイトブラシかネルの端っこに付けて塗りこんでいけばOK。
少しずつ少しずつ塗りこむのがコツです。
どうですかね?よーく見ないとわからないくらい、色の飛びが目立たなくなりましたね。
これで、完成です。
クリーム後に、先程のホコリ落とし用のブラシとは別に、ツヤ出し用のブラシでブラッシングするまでをケアの行程とすることも出来ます。
[アールアンドデー] ブラシ プロブラシ 703131 WH ホワイト フリー
ホコリ落としは、馬毛のブラシを使うのですが、クリーム後のツヤ出しには山羊か豚毛を用います。
ただ、正直オフに履くようなカジュアルな靴は、そこまでツヤツヤに仕上げ無くても良いのではないか?と思っています。
今回はブラッシングとワックス塗りだけでどれだけ変わるかお伝えしたいのでこの行程は省きます。
革靴をちょっと高級にする裏ワザ
私が馴染みの靴修理屋さんでやってもらっていたサービスに、靴紐にセルチップを装着する、というものがあります。
セルチップというのは、靴紐の先端に付ける金属のこと。
これがあることで、ヒモをシューホールに格段に通しやすくなります。
なおかつ、このセルチップによって靴自体に高級感を持たせる事ができます。
高級な靴の靴紐には予めなされていることが多いですね。
このセルチップを装着してくれるサービスを行っている靴修理屋さんはそんなに多くはないので、簡単にセルチップ付きの靴ヒモに換える方法として「紗乃織靴紐(さのはたくつひも)」をオススメしたいですね。
これは蝋引きの紐(ロウを塗り込んである、これによって強度を増し、またほどけにくくなる)の先端にセルチップが予め付けてあるアイテムで、長さも短靴からブーツまで幅広くラインナップされているので
使っている靴の紐の長さを測って購入してみてください。
簡単に高級感が出せる裏ワザですね。
完成!
いよいよ完成です!
BEFOREに比べると、かなり良くなったと思います。
このパドローネのチャッカブーツは、正直もう使い込み過ぎて限界が来ていて、ボロボロなのも確かなのですが、ケアをすることでここまで綺麗になります。
もうちょっと丁寧に履いてあげれば、オールソール交換をして、10年くらいは使えたのかな?
パドローネは革靴入門だったり、普段気兼ねなく靴としては良いと思いますね。
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