革の色や風味を極力変えたくない!そんな時にオススメな、植物生まれのリッチデリケートクリーム!ベタつかないから、あらゆる小物に使うことが出来る!逆に色を濃くしたい場合は…?
このサイトではアイテムを紹介するだけではなく、買った後のケア・メンテナンス方法もなるべくフォローしていきたいと思っております。
今まで結構ヌメ革などのデリケートなレザーを紹介してきているので、それらのケアに最適なアイテムを紹介したいと思います。
ヌメ革に塗っても変色しないクリーム!
もう記事のタイトルでも書いているので、いきなり紹介しますが、「M.MOWBRAY(M.モゥブレィ)」のリッチデリケートクリーム。
[エム・モゥブレィ プレステージ] M.MOWBRAY Prestigio クリーム リッチデリケートクリーム 2074 (ニュートラル)
このリッチデリケートクリームは、ヌメ革にも使える万能クリームです。
クリームというよりは、「ジェル」みたいな質感ですね。
これ、ヌメ革にも使える、というだけじゃないんです。
「ヌメ革に使っても変色しない」という他にあまりない特徴があるんです。
ヌメ革というのは、革を植物によるタンニンによってなめした後、染色や表面加工をほとんど施さずに仕上げられた革のことです。
最初は薄いベージュのようなナチュラルな色味なのですが、使用とともに日焼けしたり、手など人間の脂による経年変化、クリームやオイルの油によって変色し、最終的にはアメ色に変わっていきます。
Hender Scheme manual industrial products-04 MIP-04
ヌメ革のインソールなんか数回使うと、足の指の形がハッキリと付くほどデリケートで、ちょっとしたことで変色しやすい革なんですね。
数年かけてアメ色にしていくわけなんですが、初期の薄いベージュの色味や質感が好きだという方もいますし、なるべくこの状態を長く楽しみたい、という場合は
「出来るだけオイルやクリームを使わない」というのが常識でした。
しかし、オイルやクリームを塗らないでいるとやはり少しづつ乾燥していきますし、そのままずっとそうした状態を続けていると革が傷んでしまうので、どこかで観念してオイルを塗るわけです。
ところがこのリッチデリケートクリーム、
デリケートでクリームを塗るとすぐ変色してしまうヌメ革に塗っても、変色しないのです。
ちょっと実験してみましょう。
ヌメ革で出来たケースに通常のヌメ革にも使えるレザーローション(乳液タイプ、無色)とM.モゥブレィリッチデリケートクリームを塗って比較してみます。
上が普通のレザーローション、下がM.モゥブレィリッチデリケートクリームを塗った状態です。
下のリッチデリケートクリームの方は取る量を多くしてしまい、これはやらかした、流石にシミになるかも…と思ったのですが…。
1時間経過後の様子です。
…すごくないですか?
通常のレザーローション(上)ではハッキリとシミになってしまっているのに、リッチデリケートクリームは、痕跡がほとんど残っていません。
一週間経過後がコチラ。
実はオイルやクリームなどを塗ってシミになっても徐々に徐々に薄く、飛んでいってしまうのですが、1週間ではほとんど抜けないのが分かりますね。
対してリッチデリケートクリームはほとんど見た目上は変化しない。
これは凄いですね。
リッチデリケートクリームは天然のアボカドオイルを主成分として、成分の97%を天然成分で作っているまさにリッチなクリーム。
皮革に栄養を与えて、柔らかさを出してくれるのですが、変なツヤ感は出ないし、シミ、ベタつきはほとんど作らないという特性を持っています。
顔に塗るジェルも、クリームに比べるとサラッとした仕上がりになりますよね。
まさにそんな質感。
ピッカピカにレザーシューズを磨きあげたい!という方には向きませんが、あくまでナチュラルな質感を保ってケアをしたいという場合にはかなり使えるクリームです。
実は私も革靴でもカジュアルに履く場合はピッカピカにはしたくないタイプ。
あくまで革本来の風合いを活かした、ジワッとしたツヤ感に仕上げたいタイプで、これはその点でも非常に良いですね。
ベジタブルタンニンなめしなど、時間をかけて天然の力によってなめされた高級な皮革の雰囲気を壊さずメンテナンスしたいという場合にもうってつけだと思います。
また、小銭入れやカードケースといった、服のポケットに入れる物だったり、ベルト、バッグ、時計のベルト…などなどオイル的なベタつきがあると乾くまで数日間使えなくなってしまう物も、ほんの数十分(早ければ数分)乾かすだけで使用することが出来ます。
小銭入れやカードケースなど小物類全般の使用にピッタリ、ベタつきが一切無いからすぐに使用開始出来る
私はもう思いつく限り、持っている小物に使っています笑
バッグに部分的に使われたレザーなどにも良い。通常のクリームなどにありがちな「重さ」が一切無い
靴用のレザーローションなどは「比較的物として強い靴用に作られているから、小物やカバンにはちょっと使わないほうが良いですね…」なんて物も多いんですが、これはほとんどの物に使えると思います。
革が使われている物を見たらこれを使ってOKです(合成皮革、人工皮革は除く)。
※革の種類によっては若干色が濃くなるなどの変色は起こりえます。
他のクリームに比べると、変質が起こりにくいと捉えてください。
スポンサーリンク
スタンスミスLEA SOCKにも使える?
今年イチオシのスニーカーの1つ、スタンスミス「LEA SOCK」。
(当初限定発売をしていたEDIFICEではほぼ完売ですが、adidas公式やZOZOタウンにはまだ在庫がありますよ。)
1枚革を使った、非常に雰囲気のあるスニーカーなのですが、如何せんその革質がデリケートで、ケアに気を使うのです…。
ヌバック(表側を、スエードのような質感にするため毛羽立たせたもの)を使用している、ちょっとデリケートそうな革で、クリームなどを塗るといかにもシミになりそうな革…。
とは言え、毛足がそれほど長いわけでもなく、純粋なヌバック(変な言い方ですが…スエードのような質感ではないということですね)というわけでもないので、リッチデリケートクリームいけるんじゃないかな?と思い試してみることにしました。
※リッチデリケートクリームはスエード・ヌバックなど起毛皮革には使えないと注意書きがあります(また爬虫類系の革にも使用不可のようです)。
まだそんなに乾燥していないので、クリームを塗る必要はないのですが、まずは丁寧にブラッシング。
紐を外して、リッチデリケートクリームを塗ってみます。
まずは失敗したとしてもめだちにくい(折り畳まれて、さらに靴紐で隠せる)、シューホール周辺から。
こんなのもう普通だったら、絶対シミになるんですが…。
塗ったそばからどんどん色が薄くなります。
数分後、よーく見るとややテカリが出ているかな?という部分はありますがシミには全くなりませんでした。
うーん、これはスゴイ。
一応全体にも塗り込みましたが(塗ったそばから乾いていくので、全体の色が変わっていく様子が撮りづらい…)。
1日経過後、ほとんど塗ったことが分かりません。
もちろんまっさらな革ではないので、元々のムラ感みたいなものはありますが、クリームによって変質してしまった様子はナシ。
LEASOCKの白にも試してみましたが、
(わかりにくいですが塗った直後濡れたような質感をしています。)
乾くとコチラも変質は無し。
LEASOCKのケアどうしようかな~?栄養も入る防水スプレーを使用しようかな?
と思っていたのですが、これを使えば問題無さそうですね。
買ってしばらくは必要ないと思いますが、乾燥が気になってきたら試してみてください。
スポンサーリンク
逆に、ヌメ革に色を入れたい場合は?
ここまでは、ヌメ革などの色味を変えたくない、という場合の話をしてきましたが、もう十分ヌメ革の初期を楽しんだので、そろそろ色を入れたい、濃くしたいという場合にはどうしたら良いのでしょうか?
ヌメ革をアメ色にするために、日光浴をさせて強制的に日焼けさせる方法もありますが、あまり革に良さそうな方法ではないので、ここではオイルやクリームのよって色を濃くする方法を紹介したいと思います。
必ず「ヌメ革にも使える」と表記のあるオイル・クリームを使ってください。
今回は、ヌメ革製品を多数発表しているブランド「 Hender Scheme(エンダースキーマ)」が新しく出した、ヌメ革にも使えるローションタイプのケア剤「Hender Scheme レザーローション」を使用します。
エンダースキーマ Hender Scheme レザーローション leather lotion ot-rc-lel【【smtb-TD】【tohoku】
ほとんどの成分を「ビーズワックス」、すなわちミツロウや油脂など革の栄養分だけで作った革にとっても良いローション。
ヌメ革だけでなく、表革・スムースレザー全般に使えます。
これ結構商品として面白くて、こんな感じの包装になっているんですが
開けると、容器を包んでいた布が手袋になっている、というもの。
この手袋は、直接ローションをレザーに塗布するのに使えます。
またローションの容器はレザーのケースに入っていてこれ自体もどんどん色が変わるなどの経年変化をしていくというもの。
(実は最初にリッチデリケートクリームの実験をしたのが、この容器の裏側です)
ギミック的にもかなり面白くて、プレゼントとかにも最適ですね。
これはクリーム自体には色が付いておらず無色なのですが、先程のリッチデリケートクリームと違ってヌメ革に塗っていくとどんどん色が変わっていきます。
昨秋購入し、半年以上経つ素上げのコードバンを使用した贅沢な靴。
これはこれですごく良い質感なのですが、ケアもしたいし、そろそろ色を濃くしたい…。
これにレザーローションを塗っていきます。
まずは目立ちにくいベロから塗っていきます。
塗ったそばから色がどんどん変わっていきます。
片方だけ塗り終わった状態。
全く違う色になっているのが分かりますよね。
もはや別の靴です。
両方共塗り終わる頃には、色も落ち着いてきて、うす~いキャメルくらいの色味になります。
ローションを塗り込むと、毛羽立った表面から毛が寝て、スムースレザーに近くなりますね。
日焼けによって色が変わったわけではないので、この状態から、数週間経つとクリームが抜けていき、それと同時にかなり色が抜けてきます。
そしてこの作業を繰り返していくうちに、どんどん色が濃くなり、キャメルから濃い茶色に変わっていくんです。
メンズのコーディネート的には、革靴はまずは黒や濃茶を買うべきで、色の薄いベージュや明るいキャメルなどは一通り靴が揃ってからにすべきですが、こういう変化を味わえる革というのも非常に面白いものです。
これからもこうしたケア・メンテナンス方法を記事にしていくつもりですので、リクエストがあればコメント欄にお願い致します。
スポンサーリンク