時代の後押しを受けて、どんどん存在感を増すイージーパンツ…ユニクロUから「フランネルイージーワイドフィットパンツ」、ムジラボから「超長綿ポプリンイージーパンツ」「太番手天竺編みイージーパンツ」を紹介!
時代の後押しを受けて、どんどん存在感を増すイージーパンツ
新型コロナウイルスが生活を一変させ、様々なものが一変した現在。
ファッション、洋服もまた最も影響を受けた業界の一つでしょう。
少しでも影響を抑えようと、これはテレワークに最適だとか、抗菌・抗ウイルスの機能を付与した素材をアピールしたり。
家でもオシャレしようぜ!みたいな提案もあったりとか…。
やたら「新しい生活様式」を盛んにアピールしていますが、元々トレンドはシルエットにしても素材にしても「着ていてラク」「イージーケア」など肩肘を張らない方向性にシフトしていたので、それがさらに加速しているだけ、とも言えるでしょう。
家に居るときは、ジャージで良いでしょ?というのは誰もが思うことで、じゃあジャージみたいな服を街でも着れるようにしよう、みたいな流れです。
普段着と言えばデニム、でしたが、そのデニムすら履き心地が悪い、と敬遠される時代なのです。
さて、ラクに、でもそれでいてそれなりにカッコ良く、ということで、ここのところあらゆるブランドからイージーパンツのリリースが続いています。
今回はユニクロU・ムジラボから充実のイージーパンツを紹介・比較してみようと思います。
ムジラボのイージーパンツはとにかく気楽に穿ける!素材的な挑戦も
まずはMUJI Labo(ムジラボ)から、「超長綿ポプリンイージーパンツ」。
これは21年下半期の第一弾として発売されたもの。
このイージーパンツ、とにかく軽い!
これ超長綿ポプリンを使用した、コットン100%のイージーパンツ…なのですが、何も知らなければ、本当にコットンなのか!?と思ってしまうと思います。
薄手で、バサバサっと音が出る独特のハリ感があり、見た目や質感的に化繊と言われれば信じてしまうかもしれません。
ここで言う化繊っぽい、というのは悪口ではありませんよ。
それくらい、「素軽さ」を持った素材だということ。
穿いていてストレスはゼロです。
この軽さは見た目にも表れます。
生地に落ち感がないため、ふわっと、あまりシャープなシルエットにはなりません。
これは好き嫌いあるでしょうね。
ナイロンパンツをコットンで表現しようとした…そんな意欲作。
化繊をコットンで再現する…という試みは、上位ブランドも取り組んでいることでもあります。
こうした挑戦があるのが、ムジラボの実験的なところですよね。
この素軽さは、気楽さにも繋がり、ちょっとした外出時についつい手が伸びるパンツになるでしょう。
そして、もう少し歩いてみようかな?そんなアクティブさを与えてくれるアイテムです。
ただ一方で、「軽過ぎる」という懸念も…。
気楽さや、アクティブさはあるけれど、近年の夏の延長線的な色合いがどんどん強まってきた秋のうちは良いとしても、もう少しシーズンが進んで来ると一気に寒々しくなりそう。
見た目的にも軽過ぎて、どんどん見た目的に重く重くなってくる秋冬の服達からは浮きやすいんですよね…。
そういうところもナイロンパンツっぽいんです。
グレーのスウェットパーカとか、カジュアルかつ軽いアイテムとは相性良いと思うんですけどね。
ちなみにこちらは黒表記ですが、ほぼダークネイビーと言って良い色合いになっています。
撥水性は付与されていませんが、洗濯してもすぐ乾くので、ガンガン穿けますね。
とは言え、お願いなので裏返してネットに入れてくださいね。
ムジラボは21年下半期第二弾でもイージーパンツを出してきました。
それが「太番手天竺編みイージーパンツ」。
こちらは上半期Tシャツに使われ、今回は他にパーカーなどにも使用されている生地を使ったイージーパンツ。
こちらはいわゆるスウェットパンツのふっくら感、部屋着感を減少させ、スッキリと見せてくれるようなイージーパンツ。
前述の通り、厚手とは言え春にはTシャツに使われていたような生地ですから、穿く前はどうかな?と思ったのですが、これが意外や意外。
肌に吸い付くように、シルエットが綺麗に出るのでビックリしました。
服の型、パターンとしては先程の超長綿ポプリンイージーパンツと同じなのですが、生地の違いから来るシルエットの出方が全く違うのです。
太番手の、ドライな質感からツヤやテカリもなく、最近トレンドの古着を模した服達にも自然に合わせやすいですね。
どうしても部屋着感故に全身のスタイリングから浮きやすいスウェットパンツと比べて、自然に馴染ませることが出来ます。
穿き心地も本当に良いんですよね。
いわゆる「高見え」するとか、高級感があるとか、そういうわけではないのですが、地味ながらも、なかなかのアイテムだと思います。
この生地も、スウェットパンツの新しい表現、というチャレンジと言えるでしょう。
こちらは超長綿ポプリンと異なり、黒表記は本当にまっ黒です。
左 太番手天竺編みイージーパンツ 右 超長綿ポプリンイージーパンツ
これ本当地味で、注目度低そうなので、もしかしたらセールで買えるかもしれないですね。
ただシーズン的には、超長綿ポプリンほど軽過ぎる感じでは無いにしても、冬は厳しい生地感ですね。
ムジラボから登場したこれらのイージーパンツは、これで家の中で快適に過ごすことも出来るし、そのまま街着として繰り出す事もできる、今アパレルが盛んに提案しようとしている、家着と街着のシームレス化に最も近いアイテムではないかな?とも思います。
どうしてもジャージや、スウェットパンツそのままでは、気恥ずかしさがあると思いますし。
かと言って、家に帰ってきたらすぐ脱ぎたくなるような、そんな堅苦しさもないですし。
家の中で着ていたいものは、外では物足りなかったり。
この塩梅がね、ファッションではとても難しいですから…。
ユニクロUのフランネルイージーワイドフィットパンツは、より「よそ行き」の佇まい
先日21AWのアイテムが本格的に発売されたユニクロUからは、フランネルイージーワイドフィットパンツを紹介。
フランネルということで、オンラインストアの商品説明だと「起毛感があって柔らかな」という解説がなされているのですが、そこまで起毛感は無く、厚みがあって、という生地感ですね。
固くはないですが、よりしっかり感があります。
ポリエステル65%ですが、ポリエステル感が強く出過ぎてはいないので、見た目も安っぽくなくて良いです。
レーヨン(33%)が効いていて肌触りも良い。
「ワイドフィット」と言うだけあって、スペックだけで言うとかなり太め。
ワタリと言って、ふとももの付け根の、一番太い部分はムジラボのイージーパンツよりも圧倒的に太いのです(そこからテーパードして、スソ部分ではムジラボより細くなるのですが)。
おそらくこの手のパンツに慣れていない方は太いな~とか、自分には合わないな~と思ってしまうと思うのです。
中途半端な腰位置で合わせてしまうと、綺麗にシルエットが出ず、やっぱり自分には合わないのかな…?無理なのかな?なんてなってしまったり。
この手のパンツは「穿き方」を知らないと、本当にただただデカイだけの、野暮ったいパンツになってしまいますからね。
こういうパンツはで、ハイウエスト、高い腰位置で合わせて、ドローコードをギュッと縛ってみると生地がスッと落ちてくれて、綺麗なシルエットで穿けるのです。
昨今のちょいゆる~ビッグシルエットのトップスに対応するには、上が太くて、下が細い、という特殊なスタイルを取らない限り、バランス的にある程度太いパンツが必要になってきます。
これは、ちょうどよく取り入れられる太いパンツになるのではないかな?と思いますね。
腰周りにボリュームが出つつ、スソに向かってテーパードが効いているので、スッキリと見せられるし。
全体としては、そこまでめちゃくちゃ太いというわけではなくとも、ビッグシルエットなトップスでも受け止めてくれるんですよね。
生地に重みがあるぶん、それが落ち感となって、シルエットに余裕感や熟れた感じが生まれます。
部屋着と兼用するなら、ジャストサイズで小さめに穿く方がズリ落ちてこなくて良いのですが、あくまで「オシャレ着」として着る場合は1サイズ上げて、ドローストリングをギュッと絞って穿いてあげると、太さによって迫力も出ますし、生地の落ち感やドレープ感もより出てきます。
ムジラボのイージーパンツと異なり、よりオシャレに穿ける、そんなパンツかなと思うのですが、一方で生地が重いので、履き心地の面では劣るし、ズリ落ちてくるのを気にしないといけないかなと。
そのズリ落ちてくる感じを、ルーズ感として許容出来るか…ですかね。
かなり良いアイテムだとは思っていますが、紹介する側としてはそこ大丈夫かな?と気になってしまいます。
また生地感的には家の中でガシガシ穿いても大丈夫な感じはあまりせず、スラックスに準じてパンツハンガーに掛けて欲しいパンツなんですね。
HIMETSUYA スカートハンガー 木製 ズボンハンガー 跡がつかない 収納ハンガー 12本組セット ナチュラル色 HI-013 パンツハンガー
私はこのパンツハンガーをメインで使っていますが、この手のワンタッチで挟めるタイプのものにはどうしても一定数不良品と言うか、挟む力が弱くて、パンツを落下させてしまうものが出てきてしまいますので、ご注意ください。
一度使うとクリップタイプには戻れないくらいラクなんですけどね…どこのメーカーのものでもどうしても一定数、挟む力が弱い物が出てきてしまうんです。
外から帰って、穿き終わったパンツは、スソ側から吊るすとシワが伸びてくれますよ。
ムジラボのイージーパンツは、畳んで置いても大丈夫かなとは思うのですが(流石に放り投げておくと嫌なシワが付きますが)。
何というか、ユニクロUのフランネルイージーワイドフィットパンツは、より「よそ行き」に、ちょっと頑張りたい時に着る服ではないかなと。
多少なりとも気は遣いますからね。
ちょっとコンビニに行くときとか、家の中では着ないかな、と。
ただその分、よりファッションとして気が抜け過ぎず、自信を持って着れるのではないかなと思っていますよ。
穿いていて多少ズリ落ちてきて、スソにクッションが生まれても、今のルーズなトレンド的に別に問題は無いのですが、気になる場合は裾上げして良いでしょう。
センタープレスの無い、シルエットが綺麗なパンツというのも1つ持っておくとコーディネートの幅は広がります。
センタープレスが入っているとどうしても綺麗さと同時に「お堅い」雰囲気が出てしまうことが多いので。
何よりセンタープレスの維持、消えた時にアイロンで復活させるとか、そういうことを考えずに済むので、その点でもラクなんですよね。
この手のドローストリングパンツ(ドロストパンツ)に慣れていない、という人も居ると思うのですが、ヒモを結ばずにいきなりギュッとヒモを結ぼうとすると、基部が破損することがあります。
ドロストパンツのヒモを締めるときは、必ずヒモを交差させて、ちょうちょ結び(リボン結び)の一段回目の状態にしてから締めます。
こういうことですね。
これを知らず基部を破損させる人が多いので、注意しておきたいですね。
最初から中で交差させているイージーパンツもありますが、今回紹介したものはどれもそういったタイプではありません。
さて、ユニクロUとムジラボのイージーパンツ。
ファッションとしての見栄えとしてはユニクロUに軍配が上がるものの、気楽さ、ついつい手に取ってしまう度合いではムジラボの方が高いだろうという、なかなか良い戦いになっていると思います。
ラクに、カッコ良く、というのが今のファッションの目指すべきところにしても、そのバランスは難しい…。
ただ今回紹介したイージーパンツたちは、なかなかのアイテム達ですよ。
イージーパンツに何万円も出せないよ!というのは分かりますし、出せたとしても本当に気楽に運用出来るか?という問題がありますしね。
もっともっと普遍的で、より「本物感」を求めるなら、こちらの記事のアイテムも見てください。
こっちもすごいです!