今ユニクロのレディースを男性が買う意味は、昔とは真逆!?無印良品で広がる「男女兼用」シリーズ
10-15年前にユニクロを買う意味、それはとにかく「細さ」を求めて…
「これ実は、ユニクロのレディースです」
店舗数と値段からくるお手軽さで、今ファッションで衆目を集めたいならユニクロは避けては通れません。
ただ、普通にユニクロを紹介していたのでは、どうしても似たりよったりになってしまいます。
そこで、意外性を出すためにメンズのインフルエンサーに使われてきたのが、この台詞。
レディースからアイテムを引っ張ってくることで差別化を図ることが出来ますし、より良品を見つけやすくもなります。
ただその使われ方は、10-15年前と今とでは真逆かもしれません。
10-15年前と言えば、ファッションの世界では細身のスタイルが全盛。
今となっては、ちょっとどうかしていると思うのですが、ひたすらに細さを競っていたような時代です。
いかに細いものを着るか、作るか。
ユーザーもブランドも、そんな志向でした。
当時のインフルエンサー達は、スナップが主流。
インフルエンサーという言葉すらもまだ無かったですよね。
そんな中よく目にした台詞が冒頭の「これ実は、ユニクロのレディースです」でした。
当時は主に、より細いスキニーデニムを求めてユニクロのレディースを買っていたのです。
細さを追求していくと、メンズでは物足りずにレディースから選ぶことになる…今となっては奇異な印象を受けるかもしれませんが、当時はそういう時代でした。
「ユニクロのレディースのスキニーを穿けるくらい細いぜ」というアピールもあったかもしれない。
もちろん、本当に細いから、レディースのスキニーでないと合わない、なんて人もいたとは思うのですが。
現在は真逆?ユニクロでは、レディースでないとなかなか無い「太さ」
一方現在はトレンドが移り変わり、ワイドパンツがすっかり幅を利かせるようになりました。
スキニーが長くトレンドの中心だった間も、業界ではワイドパンツを何度も流行らせようとしたのになかなか流行らなかったのですが…。
永遠に変わらないトレンドは無いのです。
そして現在は、より太いパンツを求めて男性がユニクロのレディースアイテムを買うようになっています。
このユニクロレディースのタックワイドパンツは、スソ幅がLサイズで25cmと、本格的なワイドストレートシルエット。
もちろんユニクロのメンズにもワイドパンツはあります。
ありますが、その種類はレディースに比べると少ないのです。
そして純粋なワイドパンツではなく、ワイドテーパードと言って、スソは細くなるものだったり。
デザイナーズコラボでは、本格派のワイドパンツが出てくるんですけどね。
(余談ですが、この春のユニクロ×MARNIのこのワイドスラックスは、ユニクロでも歴代屈指の出来でした…。)
だからユニクロでワイドパンツを買おうと思うと、このタックワイドパンツのようにレディースから探さないと無かったり。
今やレディースに太さを求める時代なのです。
このタックワイドパンツ、太さだけではなく、生地感や色味も優秀。
サラッとしていて、レーヨンのテロっとした感じもあり、高いウエスト位置から落とした時に綺麗なシルエットを作ってくれます。
そしてこのダークブラウンは、この生地から安っぽさを消してくれる優秀なカラーです。
安っぽいポリエステルのテカリなどは元々無い生地ですが、ダークブラウンを選ぶことで洒落感が一段とアップします。
生地と色味がバチッとハマって、セレクトショップオリジナルのスラックスにも負けない見え方をしてくれます。
もしかしたらフレア(裾広がり)しているように見えるかもしれませんが、ストレートシルエットは丈を長めに残すとそういうふうに見えます。
唯一気をつけてほしいのはウエストサイズ。
太もも周りや腰回りなどはかなり余裕があるのですが、一番上のウエストだけ、ギュッと細い作りになっているのです。
レディースのパンツを取り入れる際に注意したい、ヒップラインはほぼ問題ありません。
あとは、微妙にこのハイウエストでストレートの感じが女性っぽいと言えなくもないので、そこがどうか…だけですね。
まあでもこれも先入観レベルかな。
タックインしなければ分からないですし。
レディースなんて買えない!?レディースアイテムが「男女兼用」になった例も…無印良品は男女兼用ラインを創設し良品を連発
いやいや、レディースのアイテムなんて買えないよ…と思われたかもしれません。
ファッションって気恥ずかしさとの戦い、「自分がこれを着て良いのか?」という思いとの戦いだったりします。
ましてやレディースアイテムなんて言われたら…着て良いのか?ってなりますよね。
ただ、実はレディースアイテムとして発売されたものの、再登場時には男女兼用となっていた…なんてアイテムもあります。
例えば昨年レディースアイテムとして発売されたユニクロUの「スウェットギャザーパンツ」(現在は完売)は、再登場時には男女兼用となっていました。
その際サイズバランスなどは特に調整されたりはしていません。
男性にも売れているから男女兼用にしてしまおう、みたいなノリなんですよねもう。
無印良品では、「男女兼用」サイズを大幅に拡充しました。
XXS-XS、S-M、L-XLの3サイズで、男女の分け隔てのないサイズ設定にしています(実質的にXXS-XSはレディース専用みたいになっていますが…)。
これは明らかに、先に男女兼用サイズを導入していたMujilabo(ムジラボ)からのフィードバックです。
そしてこの男女兼用シリーズから、良品が出てくる率が高いのです。
今年前半も良品を連発。
22SS カポック混オーバーシャツ
22SS ヘンプ洗いざらしバルーンパンツ
「カポック」等の珍しい素材や、「バルーンパンツ」などの従来のユニクロや無印良品ではなかなか実現できない大胆なシルエットなどを続々採用。
ムジラボとはまた違った実験的で、面白いラインです。
今、無印良品でこの男女兼用シリーズを除外してしまうと、一気に良品の選択肢が少なくなってしまうほど。
ただ弊害もあって、このサイズ展開の少なさから合うサイズが無かったり。
これはムジラボでもあったことですが、ムジラボの場合はS-Mだと小さくてL-XLだと大きい、といった「サイズのはざま」の問題がメインでした。
無印良品通常ラインの方の男女兼用サイズは、ややレディースに寄っていて、平均身長くらいの男性でもS-Mでは小さく、L-XLが丁度良かったりして、身体の大きな男性には対応するサイズが無かったりするのです。
特にトップス類にその傾向がありますね。
パンツはL-XLサイズは本当に大きかったりするのですが。
そんな弊害はあるのですが、見方を変えると、従来ならレディースでしか展開の無かった服が男性にも回ってきている…と考えることも出来るかもしれません。
ユニクロとか無印ってレディースのほうが、よりトレンドに合致した面白い試みがあったりしますよね。
メンズはちょっと保守的だったり…。
レディースのアイテムを買うのに抵抗があるのは、大いに理解出来るところ。
男女兼用、としてくれるだけでグッと手に取りやすくなりますから、今後この流れは要注目です。
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