話題性だけじゃない!?このスラックスだけでも、ユニクロ×MARNI(マルニ)はやる意味があったかも…話題性だけじゃない、ただただ「良い服が欲しい」なら見て欲しいアイテム!
22年5月20日発売された、UNIQLO and MARNI(ユニクロ マルニ)22SSシーズン。
9年ぶりに復活も、残念ながら3シーズンで終了したユニクロ+J(プラスジェイ)のジル・サンダー以来となる海外有名ブランドとの初コラボということで、話題性は抜群。
ただ事前にアイテムラインナップを見たときにユニクロとの相性はどうかな?というのが、正直な感想でした。
柄を多用した派手めなデザインは、ユニクロUやプラスジェイなど、ここ最近成功したユニクロデザイナーズコラボの系譜ではなく、どちらかと言うとJWアンダーソンに近く…。
どうなんだこれ?と思いましたが、発売当日は行列に入場規制、そしてアイテムの取り合いに、オンラインはダウン…と、最近のデザイナーズコラボでは見られなかった盛り上がり方でしたね。
アイテム全般の出来としては、かんばしくは無い…というのが正直なところでしたが、今回はとにかくこのデザインを手軽な値段で手に取って欲しいという「買いやすさ」重視なのかなと。
プラスジェイのような高額アイテムも無かったですし。
ユニクロでは普段目にしない派手めなデザインは、非日常感があり、今回はもうそれだけで十分良かったのかもしれません。
ただこれ2回目以降は、何らかの変化が欲しいところ…。
次もし同じ感じだと、おそらく飽きられてしまうだろうな…と。
ユニクロのデザイナーズコラボは「お祭り」的な要素が強く、それ自体がイベント的な色彩が強いのですが、年々その消費スピードは早まっています。
プラスジェイも、もし復活後の4シーズン目を今春継続していたら盛り上がったかどうか…。
さて、そんな派手なアイテム達に紛れて、ユニクロ史上でも相当上位のスラックスが発売されていました。
それが、「ワイドフィットタックパンツ」。
ユニクロ×MARNIには、同名の柄パンツもありますが、こちらは無地になります。
柄パンツとは生地感が全然違いますね。
いやーこのスラックス、かなり良いですよ。
腰回りは2タック入りで、とにかく太く…と、かなりトレンドを取り入れたデザイン。
2タックで情報量のある腰回りから、緩やかなテーパード。
太さがあるので脚に生地をまとわり付かせずに、ズドンと落とす…
そうやって出来るシルエットの良さは、え?これユニクロだよな?というくらいにトレンド感のあるものに。
無難とは程遠い、かなり洒落感のあるシルエットで着ることが出来るのです。
もうこれにシンプルな無地シャツ、無地Tシャツで良い、という。
ただこのアイテム若干難しさがあって、ウエストなんかはかなり大きめなんですね。
かなりハイウエストで穿くことによって、生地を高い位置から落とし、このシルエットを作る、という狙いがあるわけですが…。
おそらくこういったハイウエストな、近年トレンドの穿き方に慣れていないと、「ウエストガバガバで、バカでかいスラックスだなあ…」という評価をされてしまう危険もあるのではないかと。
オンラインストアページのメンズモデルの方(175cmの方)みたい見せ方をしたい場合はジャストサイズで、レディースモデル(170cmの方)の方みたいな見せ方をしたい場合は1サイズ上のサイズが良いでしょう。
そういったサイズ選びの難しさはあるのですが、こういったワイドスラックスがユニクロから出てくるとは…という驚きのあるアイテムです。
このスラックスが出ただけでも、ユニクロ×MARNIはやる意味があったかもしれないですね。
デザイナーズコラボだからこそ許されるこのワイド感だと思いますし、またこの値段(4990円)って、ユニクロのパンツとしては微妙に高いと言われかねないラインだと思うのです。
ユニクロと言えど、これだけのものを作ろうと思うと、これくらいは掛かるよね…と。
そこを妥協せず作れたのは、デザイナーズコラボだからこそ、そしてMARNIだからこそではないかなと。
カラーはブルー(68 BLUE)とオリーブ(57 OLIVE)の2色展開。
ブルーは、青というよりは完全にパープルですね。
少し毒気もある、NEEDLESあたりが好きな人にハマるカラーかな。
オリーブはリアリティのあるカラーで、黒のトップスも白のトップスもどちらも合わせられる、濃過ぎず、淡過ぎずの絶妙なカラー。
ブルー(パープル)はオンラインも完売してしまっているのですが、私はオリーブの方が使いやすいんじゃないかな?と思います。
素材はポリエステル100%ですが、ポリエステル特有の安っぽいツヤ感は無し。
決して高級感がある!とは言えませんが、5000円のスラックスには見せないことは確かです。
揺れ感、ドレープ感のある柔らかさがありながら、意外とシワにも強いんですよね。
どうしても今回のユニクロ×MARNI、何かを紹介しようと思うと、「こういうのはお祭りだからね!」と、予防線を張りたくなる出来なのです。
ユナイテッド・アローズなどインポートも取り扱うセレクトショップで「お、この服めちゃくちゃ良いな」と思うとMARNIだったりします。
やはりインポート、そしてハイブランドと呼んで良いその値段の高さに尻込みしてしまうものの、ひと目で分かる仕立ての良さ、クオリティの高さは際立っています。
それだけに今回の「柄推し」は、うーん、そっちの方向性なんだ…と。
「MARNI感」ってそこじゃないだろう、と。
そんなMARNIの片鱗を感じられる唯一と言って良いアイテムが、このスラックスでした。
このアイテムはコラボ云々関係なく、ただただ「良い服が欲しいんだよね」、という人にも見て欲しいクオリティの高さです。