スタイルの主役になれるワイドパンツ、そろそろ取り入れたい…そんな人に送るワイドパンツ特集。本格派ワイドパンツへのソフトランディングに最適なワイドテーパード、セミワイドパンツも。
どうしても暑さや高い湿気から、薄手のものが中心となり、全身の情報量が落ちてしまいがちなこれからの季節。
そんな中でも主役級のインパクトを持たせられるワイドパンツ。
トレンドの波もどんどんゆるい方向に向かってきて「そろそろかな…?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
今日は今が旬のワイドパンツを特集したいと思います。
穿きやすいワイドテーパード~セミワイドパンツがかなり充実してきた
ワイドパンツがトレンドと言っても、どうしてもいきなり細身のパンツから移行するのは難易度が高く、抵抗を感じてしまう人も多いのではないでしょうか?
実はワイドパンツも、慣れてしまえばそんなに難しくはないんですけどね(逆に着こなしの幅は細身一辺倒よりもグンと広がってきます)。
オススメは「ワイドテーパード」と呼ばれるような、ワイドパンツとテーパードシルエットとをかけ合わせたようなシルエットのモノと「セミワイド」と呼ばれる本格的なワイドパンツほど太くはないワイドシルエットから入ること。
今季はそんなワイドパンツへのソフトランディングに最適なワイドテーパード、セミワイドパンツがかなり豊富になってきた印象があります。
MARKAWARE "FRONT PLEATS PEGTOP"
2年前からオススメしているMARKAWARE(マーカウェア)のワイドテーパードスラックス。
このブログをいつも御覧頂いている方にはお馴染みのシルエットですね。
オススメする大きな理由の1つはシルエット。
タックの入ったゆったりとした腰回りから、膝下にかけてのテーパード…という謳い文句は昨今よく聞くわけですが、これは本当にそのライン取りが絶妙。
MARKAWARE FRONT PLEATS PEGTOP #BLACK 128553687
特に横から見たときのシルエットが本当に綺麗なのです。
腰回り~太ももにかけてしっかりワイド感を味わいつつ、テーパードを効かせてスソ周りでは持て余さない。
本当にギリギリのところでシルエットを綺麗にまとめられるので、どんなスタイリングにもハマります。
もう1つは生地。
MARKAWAREのペグトップは、人気モデル故に様々な素材で展開されているのですが、中でもアルゼンチンオーガニックウールがダントツの人気。
しなやかでかつハリのあるこの生地が、シルエットの良さを存分に再現してくれます。
型紙上や、平置きした感じでは良い感じでも、いざ穿いてみるとイマイチ…なんてパンツは結構ありますが、それは生地がシルエットを上手く再現してくれないからなのです。
この素材は、パンツのシルエットの良さを存分に引き出してくれます。
だから最初の1枚は、高価だけれどアルゼンチンオーガニックウールをオススメしているんですね。
(色々なアイテムカテゴリーがある中で、一番価格による差が出やすいのが実はパンツなのではないか?と思っているくらいです。)
春夏用はサラッとして毛羽立ちの無い、いわゆる「サマーウール」に仕立てているんですが、そんなに薄いわけではないので春夏秋と3シーズン使用出来ます。
あからさまな光沢があるわけではないんですが、このジワッとしたツヤ感は、店頭で吊るされているのを見た時に思わず見惚れてしまうほど。
そして実用面でも、毛羽立ちが無いが故に、かなり着用を繰り返しても劣化が少ないんですね。
上の写真は2年前に購入して、何十回と着用を繰り返してきた私物ですが、昨年購入したものと比べても、ほとんど違いや劣化が見られません。
秋冬のフラノ版と春夏のサマーウール版、どちらがオススメか?と聞かれれば、より着用期間が長く取れて、劣化も少ない春夏版でしょうか。
私が初めてこのスラックスを購入したのも春夏用でした。
似たようなワイドテーパードパンツは増えてはきましたが、絶妙なライン取りから
来るシルエットの良さと圧倒的な生地感の良さでファンを増やし続けています。
2枚目3枚目…と買い増しする人も少なくないのです。
(かくいう私もその一人。)
発売してすぐの初年度はセールで買えたりしたんですが、徐々に良さが広まった今では各シーズンの一度目の生産分は完売となってしまって、再販分が追加生産されることも多くなってきました。
色は、黒とネイビーで迷われる方が多いと思うのですが、ここの黒とネイビーでは結構イメージが異なります。
迷ってしまう場合、まずはシルエットがハッキリと出てくれる黒がオススメですね。
MARKAWARE[マーカウェア]/ FRONT PLEATS PEGTOP
黒のワイドパンツと言うと、夏には重々しいイメージがあると思いますが、綺麗なシルエットと、サラッとした素材感で重々しさは感じないと思います。
モード過ぎないところも良いですね。
このシルエットがハマった場合、色違いで購入しても面白いでしょう。
特にベージュ系のパンツというのはチノパンに多いと思いますが、チノパンではありえない、シワ感の無い伸びやかなシルエットになるのです。
チノパンスタイルに置き換えると見違えると思いますよ。
※上記画像は昨年発売の「BEIGE」
MARKAWARE | マーカウェア FRONT PLEATS PEGTOP [EXCLUSIVE] #COYOTE/
※今季は店舗限定でやや濃い目のベージュ「COYOTE」がリリース
これを穿いて歩いていると、肌触りが気持ちよくてつい嬉しくなってしまいます。
相変わらずオススメのパンツです。
スラックスの保管には、クリップハンガーをオススメします。
着用後のシワを伸ばし、スラックスのセンタープレスも長持ちしますよ。
アイリスオーヤマ ハンガー PVCコーティングスラックスクリップハンガー PV-SR1
UNIVERSAL PRODUCTS "EASY SLACKS"
MENS :: PANTS :: UNIVERSAL PRODUCTS TUCK SLACKS [BROWN]
こちらは人気セレクトショップ1LDKのオリジナルブランド「UNIVERSAL PRODUCTS」のタックスラックス。
UNIVERSAL PRODUCTS TUCK SLACKS [BROWN]
こちらはMARKAWAREのワイドテーパードよりもやや太く、肌離れの良い生地によって夏にも使用できそうなスラックス。
ブラウンの春夏向けスラックスって実は全然無いので、そういう意味でも貴重ですね。
昨今のパンツのトレンドのキーポイントとしては「ワイド」とか「ワイドテーパード」とか、太さやシルエットだけではなく「タック」が挙げられます。
「タック」とは、布をつまむように付けた「ひだ」のことです。
タックを入れるとそれだけ生地が余分に使えるので、ゆったりとした着心地や見え方になってくれますし、タック自体が腰回りから太腿にかけてデザイン上のポイントにもなってくれます。
ワイドシルエットに加えて、このタックがこれまで脇役だったパンツを主役に押し上げていると言っていいでしょう。
パンツが主役になってくれると、バランス的にトップスの情報量を減らせるので、コーディネートは非常にラクになります。
夏は、ワイドパンツに無地Tシャツ、こんな人がどんどん増えてきています。
ワイドパンツ入門なら、ムジラボのセミワイドパンツ
いきなり細身のパンツから本格的なワイドパンツは抵抗がある…という人に「ワイドテーパード」と並んでオススメなのが、太すぎないワイドパンツ、「セミワイド」と呼ばれるタイプです。
MUJILABO(ムジラボ)は、昨年大幅リニューアルされた無印良品の上位ライン的な存在。
ストレッチ性というよりは生地のゴワゴワ感を軽減するためにポリウレタンが入っており、ストンと落ち感のある綺麗なシルエットになっています。
こういうセミワイドパンツは、サイズを落として穿くというよりは、ジャストからむしろ少しサイズアップして穿きたいですね。
サイズを落として穿いてしまうとワイド感が出ずに、ただただ中途半端な太さになってしまうからです。
MUJILABO(ムジラボ)のセミワイドパンツは、デニムタイプも幅広いサイズが選べて、ワイドパンツ入門にピッタリのアイテムになっています。
まさに主役級のインパクト、本格的なワイドパンツを穿くなら、脱・BLACKを
セミワイドやワイドテーパードシルエットで、ワイドパンツに少しずつ慣れてきたら、やっぱり本格的なワイドパンツを穿きたくなってくると思います。
では「本格的な」ワイドパンツってどのくらいの物を指すのか?
これといった定義があるわけではないのですが、大体裾(スソ)幅が25cmを超えてくるとかなりワイド感が強まってきます。
最も細いスキニーデニムの裾幅が大体13cmくらいなので、およそ倍くらいですね。
ちょっと気をつけたいのが、スラックス素材でかつ黒やダークネイビーの裾幅広めのこのような本格ワイドパンツを探してしまうと、なんだか「ボンタン」みたいに見えてしまうことです。
(裾幅は狭くなっているワイドテーパードならそんなこと無いんですけどね。)
その手の物はモード系ブランドにも多いので、どうしてもモードっぽいイメージにも見えてしまいますし。
そこで、本格派ワイドパンツではカーキやベージュ、ブラウンなどのナチュラルな色を選ぶと取り入れやすいと思いますね。
やっぱり本格派のワイドパンツってどこか印象として強すぎるんですよね。
それを色味で緩和する、っていう発想は大事になってきますね。
AURALEE "WASHED FINX LIGHT CHINO WIDE"
AURALEE (オーラリー) / WASHED FINX LIGHT CHINO WIDE PANTS A8SP01CN
AURALEE(オーラリー)の「WASHED FINX LIGHT CHINO WIDE 」。
私はかねてよりカーキ・オリーブカラーのパンツを優先して探していて、このアイテムもOLIVEを選びました。
オーラリーについては、もう今さら私が説明するまでもないようなブランドですが、2015年スタートながら、今最も勢いのあるドメスティックブランドです。
インスタグラムでファッション系を見ていたら見ない日は無いでしょうし、新作はすぐ売り切れていくし、話題作にはオークションなどではプレミアが付く。
中古での取引価格も高止まりしていますしね。
今そんなブランドは、一部ストリートブランドを除いてほとんどありません。
角がどんどん取れてきて、丸みを帯びているかのような今のトレンドにも合致している、というかそれを牽引しているようなブランドですよね。
サイジングやシルエットで難しさを感じないことも無いのですが、総じて素材へのこだわりが本当に強いですね。
ここの素材の真骨頂だと思うのが、超細番手と言われる長く細い糸を重ねて重ねて、惜しげもなく密度を高めていく。
そうすると、見た目はしっかりと詰まっているのに、触ってみると非常に滑らかで高級感のある、じわっとしたツヤ感も出ているという。
このチノパンツも、古着のようにクタッとしていながら、一般的なチノパンツのようなゴワゴワっとしたところはなく、また太さもあるのでストンと落ちてくれるのです。
私はあんまりチノパンって好きではないし、今までオススメしたこともあまり無いのですが、このパンツはカーキ・オリーブカラーのパンツの中でもあまり無い、クリーンで上品なテイストを表現出来るのが良いですね。
秋冬向けの物より生地が薄いので、夏場もラクに着れそう。
ショートパンツは苦手だし、スキニーは暑いし…という人には、ワイドパンツっていうのは夏場に良い選択肢が出来たと思うんですよね。
何というか今はインスタ御用達ブランドみたいになっていますが、本来は写真映えというより、見て、触って、着て、納得する、みたいな、そういうブランドじゃないかなと思っています。
BLOOM&BRANCH WEB SHOP - AURALEE WASHED FINX CHINO WIDE PANTS
OLIVEの在庫がネット上だとほとんど残っていなくて、見つけるのに苦労しますが記事執筆時点ではこちらはまだありますね。
そのちょっと持て余す感じも、心地良い生地でクセになるパンツですね。
今のビッグシルエットブームって難しいサイジング、シルエットではありますが、一度ハマるとクセになる人が多いのもちょっと分かります。
Phlannel Basic Line "BA-118"
「Phlannel(フランネル)」という名前は聞き覚えが無い方も多いかもしれませんが、今後覚えておいて損のないブランド。
BLOOM&BRANCH WEB SHOP - Phlannel BA-118
オーラリー、コモリ、キャプテンサンシャインなど、今のトレンドを牽引するブランドを数多く扱うセレクトショップ、「BLOOM&BRANCH(ブルームアンドブランチ)」のオリジナルブランドです。
今季から始まったPhlannel Basic Lineのメンズ。
いつの時代もメンズに求められるのは「シンプルなスタイル」です。
しかし一口に「シンプル」と言っても、どんどんその「シンプル」は形と内容を変えています。
今求められているナチュラル感を伴ったシンプルアイテムの選択肢の1つになってくれそうです。
セレクトショップのオリジナルブランドながら、卸しも行い、全国のセレクトショップで扱われる事になりそうです。
イギリス軍のパンツをベースにしたというこのパンツは、少し前からトレンドの「ベイカーパンツ」タイプのワイド。
オーラリーのチノパンツと最後まで迷ったのですが、こちらはオーラリーとは逆に短く太い太番手の糸を極限まで高密度に織り上げた生地を使用。
洗いをかけると、落ち感が出るそう。
新品段階では、生地の強いハリ感を感じるのですが、ショップスタッフの方が穿いていたものには、新品にはない落ち感が出ていました。
生地の粗野感がありつつ、ワイドシルエットによって脚にまとわりつくようなシワも軽減されています。
こんな感じのパンツをずっと探していて、穿いている店員さんに思わず「それどこのですか?」と聞いてしまいました。
(私はちょっとでも気になったらすぐ聞きます。)
同ブランドはセミワイドくらいのタックの入ったチノパンツも出しています。
BLOOM&BRANCH WEB SHOP - Phlannel FA-188
ナチュラルカラーのワイドパンツを手に入れておくと、テーラードや白シャツの着こなしが一気にラクに
非ダークカラーのワイドパンツは、ボンタンに見えない、というだけではありません。
白シャツやテーラードジャケットなど、メンズの基本アイテムながら着崩すのが意外と難しいアイテムを簡単に取り入れる事ができるのです。
白シャツに黒やダークネイビーのスラックスと組み合わせてしまうと、「制服」のようになってしまう人もいますが、ナチュラルカラーのワイドパンツとならばそうしたイメージを払拭して、自然に取り入れられます。
テーラードジャケットも同様。
一昔前だと、カーゴパンツがそのように使われていましたが、今ならもうちょっとナチュラルに、ワイドチノやベイカーパンツを用いると良いでしょう。
ワイドパンツ攻略は色、ロールアップ、靴
ショップスタッフのようにワイドパンツを穿きこなしてみたいけど、難しそうだな…と思っている方へ、ワイドパンツの攻略法をまとめてみたいと思います。
ショップスタッフなどオシャレな人たちは身長に左右されずトレンドアイテムを自由に着こなしていますが、そこにはちょっとしたテクニックが隠れています。
一つは先程から説明したように「色」で選ぶこと。
本格的なワイドパンツが持つ強烈なインパクトを色で緩和してあげます。
もう一つは、やり過ぎない程度の「ロールアップ」をすること。
AURALEE(オーラリー)】WASHED FINX LIGHT WIDE PANTS/A8SP01CN
ワイドパンツにとって、生地がもたつかず落ち感が出ているのは重要な要素の1つですが、そのままズドンとスソまで生地が落ちていると印象がキツすぎる感じもあります。
これをロールアップしてあげると、印象を緩和してあげることが出来ます。
よくファッションでは「抜け感が出る」とかよくわからない表現がなされますが、要するに「やりすぎ感を抑える」ということです。
あとは本格的なワイドパンツまで来ると、スソが靴に掛かっていると流石に煩わしかったりするので、ロールアップすることで機能的になるという面もありますけどね。
最後に、やはり靴。
ワイドパンツって、脚が短く見えるし、出来るだけ今流行りのダッドスニーカーみたいな厚底のスニーカーなんて合わせると良いんじゃないか?と思われるかもしれませんが、逆にメリハリが無くなってお互いの野暮ったさが強調されてしまいます。
むしろこういう靴は、アンクルカットやリブパンツのようなスソが靴と干渉しないパンツがよく合います。
ワイドパンツで失ったシャープさを足元で取り戻すべく、相棒には出来るだけミニマルなシューズを選びましょう。
http://bloom-branch.shop-pro.jp/?pid=127530091
ワイドパンツスタイルの成否は、靴にあると言っても過言ではありません。
主役級のインパクトを持つワイドパンツならば、夏場の無地Tシャツスタイルも見栄えが変わってきます。
選択肢が限られがちな夏のスタイルにも変化をもたらしてくれますし、このトレンドの波に乗ってみるのも良いのではないでしょうか。