今季のアウター戦略を考える。明日着る服に困らないためにブルゾン系とコート系の2つを最終的に揃える、という発想を持とう!ちょいユル&着丈が中途半端な丈のアウターを攻略する方法は…?
今スグに着れるものも大切ですが、やはり秋冬のファッションアイテムの購入計画として大事になってくるのが、どうしても高額になりがちなアウター、特にヘビーアウターと呼ばれるアイテムです。
ウールコートだったりダウンジャケットだったりですね。
ここで要点を抑えておくことで、ワードローブに計画性を持つことが出来ます。
具体的なアイテム紹介は少なめに、まずは今季の全体像を把握していきましょう。
※ワードローブとは、今現在持っている既存の服たち、もっと言うと、その人の今や過去を構成する服たちという意味です。
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最終的にブルゾン系とコート系の2つのアウターを持つと、ワードローブが安定する
今年はどんなアウターが来るのか?トレンドなのか?
もちろんそういった観点も大切ですが、その前に…
よりワードローブを安定させる、
という観点も大切です。
多くの人は、「明日着る服に困る」という悩みを常に持っていると思います。
もちろん「常に新しい、良い服は無いかな?」とときめくような出会いを求め続けるのもファッションの楽しみ方ですが、
明日着る服に困るという状況まで行ってしまうと辛いですよね?
ライフスタイルに合わせて、安定した、つまり「明日着る服に困らない」ワードローブを構築していくことが大切です。
そしてメンズの場合は、まずはブルゾン系のアウターとコート系のアウター、この2つを揃えることでワードローブが安定すると考えています。
大人びた印象だったり、男の色っぽさを与えてくれるコート系アウター。
ユースフルで、アクティブさを引き出してくれるブルゾン系アウター。
どちらかに偏りすぎることなく、この2つを最終的に揃えることで、ワードローブは安定します。
この関係はスニーカーと革靴、カットソーとシャツ、デニムとスラックス…など様々なアイテムに応用できる話ではあります。
もちろん、ジャケットスタイルに魅了されて(テーラード)ジャケットばかり着てます、男の基本スタイルはジャケットでしょ?っていう人がいても良い。
それはその人に明確なスタイルがあるからです。
ただそうではない人は、ある意味でメンズファッションの「美味しいとこ取り」をしていいんです。
1つのコーディネートではなく、ワードローブ全体としてバランスを取っていくことが大切なんですね。
ではどちらを先に…?まずはブルゾン系を優先してゲットすべし!
どちらも揃えられたら最高ですが、どちらかと言うと、最初に揃えて欲しいのはブルゾン系です。
というのも、あまりアウターを持っていない人が新しいウールコートを買うと、とにかくそればかり着るわけです。
すると、みるみるうちに毛玉が出来たり、最悪穴を空けたり…。
よほどでなければ1、2年は着れるのですが、確実に寿命、もっと言うと「状態良く着れる期間」は短くなります。
もちろんブルゾン系アイテムも素材によっては脆いですし、着用頻度によっては早く痛みます。
程度問題ではありますが、まずは先にブルゾン系アイテムからワードローブを作っていくと、「明日着る服がない!」という状況に陥らずに済みます。
以上のことを踏まえた上で、ブルゾンとコート、今季の大まかなトレンドを見ていきましょう。
ブルゾン系ではMA-1人気が落ち着き、「アウトドア」「中途半端丈」がキーワードに?
ここ数年チェスターコートと並び、超が付くほど量産されていたMA-1。
URBAN RESEARCH ALPHA INDUSTRIES×URBAN RESEARCHiD LOOSE FIT MA-1
これが今年、かなり落ち着いてきました。
「終わった」わけではなく、まさに「落ち着いた」、という感じに。
昨年を100とすると、60くらいといったところ。
トレンドという超強烈な追い風は弱くなりましたが、これからはアイテムの質に対するこだわりや着こなしがより問われていくことになるでしょう。
ではブルゾン系ではどんなアウターがMA-1に取って代わるのか?と言うと、まだ明確なジャンルは出てきていないと言っていいでしょう。
スウィングトップ(ドリズラージャケット)は来季以降か?
スウィングトップ(ドリズラージャケット)タイプなどが増えてきましたが、まだまだ大流行とはいかずに、今年は「MA-1の次」を模索する年になりそう。
スウィングトップは形としてはごくごくシンプルなのですが、逆にそこが難しいアイテム。
キレイめに作ると、どことなく「昭和」テイストになってしまうので、どこかそれを崩すような要素を入れたいところ。
出典 http://coverchord.com/eshop/items/VNN-J3212588/index_en.html
まだまだ良品が少ないスウィングトップ、良品は少ない
今季オススメ出来るスイングトップ型ブルゾンは、nonnative(ノンネイティブ)の「STRANGER JACKET C/N TUSSAH OVERDYED WITH WINDSTOPPER 2L」のみでした。
往年のスウィングトップの着こなしづらいところを細部のディテールだけは残してアレンジし、クセがなく羽織っただけでサマになりやすい形に。
また2レイヤーで透湿性と高い防風性を備えた「GORE-TEX WINDSTOPPER」を使用しています。
これはいわゆる3レイヤーのゴアテックスと違って、表地の防水フィルムが無いのでそこまで防水性は高くないのですが、その分3レイヤーのゴアテックス使用したブルゾンのようなアウトドア・スポーツ感がそれほど無く、
表地には後染めのナイロン・コットンを使用しており、ちゃんと街着としての雰囲気があります。
スイングトップは、非常にハリ感がある生地が特徴ですが、そこに少しクタッとした表情が加わることで着やすさが違ってきます。
真冬はこれを少しオーバーサイズなコートのインナーにすると、色味的にも防風性的にも面白いかもしれません。
こちらはもう機能性とルックスのどちらもとことんこだわったドメスティックブランドの物なので、値段も高くなってしまいますが、来季以降はこうした着やすい要素を持ったスイングトップ、ドリズラージャケットが登場するのかもしれません。
セレクトショップも雑誌もBarbour(バブアー)推し
昨今セレクトショップでも雑誌でもひたすら目につくのが、Barbour(バブアー)。
バブアーと言えば、英国の伝統的オイルドジャケット(コットンに油でコーティングすることで、防水性と防風性を持たせたジャケットのこと)ですが、現代でも十分通用するルックスから大変人気があり、雑誌もセレクトショップもバブアー、バブアー、バブアーです。
まあ確かに誌面では非常に映えますし、置いてあるだけで貫禄があるアイテムなのですが、如何せんワックスが塗りたくってあるために、愛好者以外が着ることはほぼ無理なアイテムです。
展示されている物をむやみに触ればオイルが手に付着してしまうので、試着も躊躇われるアイテム。
公共交通機関が非常に混雑する日本ではほぼ着るのは不可能でしょうね。
「オイル抜き」をするという手もあるらしいのですが、それならオイルドクロスではなく、先程のノンネイティブのスイングトップと同じような透湿防水性を持った2レイヤー素材に置き換えたビームスプラスのモデルがオススメです。
出典 http://www.beams.co.jp/item/beamsplus/blouson/11183878197/
ディテールはバブアーで最も人気のモデル「BEDALE」とほぼ同じというアイテム。
オイルドクロスの雰囲気には及びませんが…。
かなり人気で在庫も僅少となっています。
以前はブルゾン系アウターはショート丈の物が人気でしたが、徐々にミドルに近い、ある意味「中途半端な丈」が増えてきました。
春先のコーチジャケットの流行もそうなのですが、エリ付きで、ややシルエット的には野暮ったさも残した物。
これもある意味これからのブルゾンのキーワードになってきそうです。
ショート丈アウターはレイヤードがカギに?
ショート丈アウターは、かつてのようにインナーもショートで合わせて出来るだけトップス全体としてもタイト&ショートに…というよりは、インナーとの着丈差を計算していかにレイヤードを上手く見せるか?という時代になっています。
ラウンド&スリットの入ったカットソーやニットの充実で、レイヤードは新しい時代に?
ある意味ガバッと羽織ってしまえば何とかなる中途半端丈アウターに比べて、ショート丈アウターは考えることは多いと言えるでしょう。
レイヤードはすればするほど難易度が高くなるもの。
この点についても解説を行っていきたいと思います。
安定感ならマウンテンパーカー
ワードローブに安定感をもたらし、着こなしに悩まされずに使えるブルゾンタイプのアウターが欲しいのであれば、いつもオススメしているマウンテンパーカーが良いでしょう。
昨今はアウトドアブームでもありますが、街着向けに洗練された物をセレクトすれば流行り廃りにも比較的影響されにくいアイテムではあるので、「ワードローブに安定感をもたらす」というブルゾンタイプの役目を全うしてくれるでしょう。
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冬のヘビーアウターはまずはダウンジャケットorミリタリーアイテムをファーストチョイスに
ブルゾン系とコート系というアウターの分け方は、非常にざっくりしたものなので語弊があるかもしれませんが、ブルゾン系ヘビーアウターとしてまず頭に入れたいのがダウンジャケットです。
こちらは連続して特集していますが、やはり今季は寒くなるのが早すぎた影響もあってヘビーアウターの王様、ダウンジャケットへの注目度も高い高い。
ダウンジャケットか、もしくはガシガシ使えるミリタリーアイテム(N-3Bなど)があると真冬のワードローブは安定します。
私は昔から、冬はダウンジャケットorミリタリーアウターとウールコートという2本立てで構成してきました。
その時に、出来ればダウンジャケットかミリタリーアウターは防寒面で高性能な物を用意したいところ。
年明けの寒さが厳しくなった時にも対応出来るからです。
ちょいユル、中途半端な丈のアウターを攻略するには…モックネックのカットソー!
ショートでもない、ロングでも無い、ヒップが隠れるくらいの着丈のアイテムが増えてきましたが、それらは同時に、タイトでもないし、かと言ってビッグシルエットでもない…「ちょっとだけゆるい」アイテムが多いと思います。
これに、ちょっとした難しさを感じている人も多いのでは…?
以前より、ビッグシルエットアウターの攻略法としては「中の密度を上げること」を提案してきましたが、これは「ちょいユルアウター」にも使えます。
とは言え、ビッグシルエットアウターのように「アウターの中に別のアウターを『仕込む』ほどの余裕は無い…まだライトアウターだからそこまで重々しくは出来ない…。
そこで活躍するのがモックネックのカットソーです。
【CURLY|カーリー】BRIGHT LS MOC NECK
「モックネック」とは、首元を覆うようにネックが高いものの、タートルネックまでいかない、折り返さずに使うネックのタイプのこと。
CURLY (カーリー) 173-35092 BRIGHT LS MOC NECK モックネックカットソー
これによって首元まで詰まって見えるので、首元が空いていると目立ってしまうゆるいアウターの「スカスカ感」が軽減されるんです。
参考
bukht (ブフト) DROP COLLAR BLOUSON [KHAKI BLACK]
視点も上に持ってくることが出来るため、中途半端な丈のアウターでもバランス良く着用することが可能になります。
中途半端な丈でも、フードがあったり、ファーが付いていたりするとバランスが良くなるのは、視点を上に上にに持ってこれるからです。
カットソー素材でハイネックやタートルネックだと、ちょっと恣意的だったり、ナルシストっぽく見えてしまうことがあるのですが、そこまで高さの無いモックネックなら自然に取り入れられると思います。
これ、騙されたと思って試してみてください。
今季は、シャツをアウターとして着る、ということも提案していますが、そんなシャツの下に入れてもOKです。
春先に買った淡い色のコーチジャケットに、黒のモックネックを差し入れたりすると…
かなり良いと思いますよ。
オススメのモックネックカットソーは、カットソーと言えばココ、「CURLY(カーリー)」です。
【CURLY|カーリー】BRIGHT LS MOC NECK
スソにしっかりとスリットが入っているため、腰でもたつかずスッキリ落ちてくれるため、無駄に大きいサイズで丈が長くなってしまう物を選ぶこと無く着用できます。
生地はスウェットまでは行きませんが、しっかり厚みがあり、満足感がありますよ。
ちょっとお値段はしますが、1枚持っておいて損のないカットソーです。
(私が今季最も枚数買ったのがこのカットソーですね。)
流石にカットソーにそこまで出せない、という場合には、ユニクロUのオーバーサイズモックネックTでも代用可能です。
http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/402259-03
色によって出来不出来の差が激しいアイテムなのですが、モックネックカットソーとしてはコスパがいいですね。
オンラインの在庫は切れているので、再販待ちとなりますが、店頭にはポツポツ残っているので、見つけたら買っておきましょう。
一方このアイテムが出たおかげで、ユニクロ通常ラインのソフトタッチタートルネックTは相対的にちょっと使いにくさを感じますね。
http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/400328-38-005-000
こちらはタートルネックなので、これを重ねるとちょっと首元が恣意的に見えてしまうんですよね。
肌に直接触れる面積の大きいカットソーとしてはあまりオススメ出来ない綿・ポリ混紡ですし、これならユニクロUのモックネックの方をオススメします。
コート編では、今季基準とすべきコストパフォーマンスの高いアイテムや、注目すべき色などを掘り下げていきたいと思います。
お楽しみに。
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