あのグレーのスタンスミス「クリアグラナイ」が、プライムグリーン(合皮)仕様で登場!天然皮革との違いを徹底比較!軽くなったって本当!?
あのグレーのスタンスミス「クリアグラナイ」が、プライムグリーン(合皮)仕様で登場
昨年2020年暮れ、adidasは衝撃的な発表を行いました。
ブランドのシンボル的なスニーカーであり、ギネスによれば「世界一売れたスニーカー」とされるスタンスミスを、2021年以降すべてサステナブル素材へと切り替える、と。
このサステナブル素材とは、「プライムグリーン」と呼ばれる最先端のリサイクル素材ですが、要するに合成皮革、「合皮」です。
これまで少し値段の高いスタンスミス(15000円くらいするもの)のアッパーは、すべて天然皮革で作られていました。
リサイクル素材で環境に優しいとは言え、天然皮革のスタンスミスが無くなることには抵抗感や寂しさがあったものです。
当初の発表通り、adidasのスタンスミス合皮化は、やはり徹底していました…。
レギュラーモデルはもちろん、各セレクトショップの別注品すらもすべて合皮で出されており、例外的に天然皮革で出されるケースはありませんでした。
天然皮革で出してしまうと、やはりそちらが良い!となってしまうからでしょう。
従来品は市場で枯渇し始めており、今後は中古市場でしか、天然皮革のスタンスミスを手に入れることは難しくなってくるでしょう。
そして2021年の秋、とうとうスタンスミス「クリアグラナイ」がプライムグリーン(合皮)仕様で登場。
新しいスタンスミス・クリアグラナイの品番は「GX6286」(旧品番はS75075)。
このクリアグラナイには思い入れありますから…これはもう、とりあえず買ってみるしか無いでしょう!
スタンスミス・クリアグラナイとは?スタンスミス・リバイバルを牽引した存在…合皮になってどうなった?
2016年春に登場したグレーのスタンスミス、「クリアグラナイ」。
スタンスミス・クリアグラナイ(S75075、旧品番 天然皮革)
グリーン、そしてネイビーの印象が強いスタンスミスに新色として登場したこのグレーカラー・クリアグラナイは、冬の発売から春先に掛け、時間が経つにつれジワジワと人気を博していきました。
一時は完全に品薄になりプレミア化するという、限定モノではない、いわゆるレギュラー商品としては異例な事態に。
その後数度の再販を経て、品薄は解消したのですが、このグレーのスタンスミスは間違いなく数年前のスタンスミス・リバイバルを牽引したと言えるでしょう。
スタンスミスの洗練されたシンプルさを損なわず、それでいて新しい…むしろより洗練さを増すような、そんな魅力的なカラーリングだったんですよね。
それから時が経ち、昨年20年秋冬に待望の復刻を遂げたこのスタンスミス・クリアグラナイですが、その直後の20年12月にadidasは前述のスタンスミス合皮化の発表を行います。
その時のラインナップにクリアグラナイは無かったのですが、21年秋冬のスタンスミスのラインナップとして新たに追加されました。
まずパッと見の印象としては、とにかく白い。
本当に真っ白という感じ。
ただ従来のスタンスミスもモデル、そして年代やロットの関係では真っ白に近いものも存在したので、「新品のスタンスミス」と考えると、何か特別「軽い」印象がするのは先入観なのかもしれない…。
で、従来品、私の私物では最も新しい昨年秋冬発売の「S75075」と横に並べて比較してみると…やっぱり違うな、となってしまいますね。
ただこれは靴ヒモを取り替えている影響もかなりあります。
(後述しますが、私はスタンスミスの靴ヒモはすべて取り替えています。)
ヒモを外すと、大分差は無くなりますよ。
左が天然皮革、右が合成皮革
上が合成皮革、下が天然皮革
型やディテールは全く同じということもあって、使用による経年変化部分を除くとパッと見て明確に異なるのは
・レザーの白さ具合
・シュータン部分のスタンスミス氏のシグネチャー、ヒールタブのトレフォイルロゴのグレーの濃淡
・ソールのベージュの濃淡
くらいですね。
左が天然皮革、右が合成皮革
手前が合成皮革、奥が天然皮革
合成皮革(GX6286)
天然皮革(S75075)
合皮の方を3、4回履いてみたのですが、いつもよりシワの付き具合だったり、汚れ方が穏やかで、もしかしたら天然皮革のような経年変化は期待出来ないかも?と思っています。
逆に言えば、合皮の方はクリーンに履けて、その状態をキープしやすそう。
本当は半年、1年、2年と経過した後で比べないといけないんでしょうけどね。
ちなみに合皮は見た目的な意味だけではなく重量的に軽い、と言う人もいるので計測してみたのですが、
天然皮革 363-365g
合皮 330-334g
(ともに片足、靴ヒモ無しで計測)
という結果になったので、合皮のほうが重量的に軽い、というのは本当です。
今の時点では合皮と言っても、これまであった明らかに見た目でそれと分かる廉価版スタンスミスとは異なり、先入観を持って見ないとあまり分からないレベルではあります。
ただやっぱり、両者を隣に置くと、なにか違う。
なにか軽い、物足りない気がする…というのも事実で。
天然皮革を愛していた人、微細な違いを気にする人にとっては、やはりちょっとなあ…となるのは理解出来るところです。
ファッション雑誌やウェブ媒体は、未だにスタンスミスを以前のスタンスミスと何ら変わらないかのように伝えているけれど…。
これ何も変わらないです!って言ってしまうとそれは嘘なんですよ。
正直、スニーカーを紹介するに当たって、この新しいスタンスミスを前に葛藤しないというのは嘘だと思う…。
やっぱり合皮は合皮。
実際そんなに悪くない、ニュースタンスミス・クリアグラナイですが、ちょっとでも違うなあ…と思うなら止めておいたほうが良いでしょう。
私にはこれが悪いスニーカーだとはとても言えないし、でも天然皮革のものがもしあったら、そちらを選ぶし、オススメしますからね…。
もう天然皮革のスタンスミスは販売されないけれど、レザースニーカーなら、他にもいっぱいありますから。
「それでもスタンスミスが履きたい!」という人だけが、履けば良いと思うし。
ファッション、嗜好品にサステナブルの流れを持ち込むのは良いことなのかもしれませんが、必ずしもすべてを受け入れる必要は無いので。
とりあえずこのスニーカーに関しては、今後もどう経年変化していくのか見ていきたいですね。
果たして劣化が起こるのかも含めて。
(もし短期間で劣化が起こるようなら、とてもサステナブルとは言えないでしょうし。)
adidas公式オンラインショップ ZOZO Amazon 楽天
スタンスミスは靴ヒモで化ける!それは合皮でも変わらず!
お願いだから、スタンスミスは靴ヒモ変えて!全然変わるから!というのはしばらく言い続けているのですが、それはプライムグリーン、合皮になってからも変わりません。
付属の靴ヒモ
[クツヒモドットコム] ロー引き靴紐・平ひも・紐幅3.5mm・長さ130cm
今回はクツヒモドットコムの「ロー引き靴紐・平ひも・紐幅3.5mm・長さ130cm」に靴ヒモを変えています。
スタンスミスはスニーカーとしては比較的洗練されたフォルムをしているのですが、付属の靴ヒモは太過ぎて、そのフォルムをフルに活かせていないんですよね。
靴ヒモ・シューレースは靴にとっていわば髪型。
印象を大きく左右します。
合皮と天然皮革のものを最初見比べた時に、天然皮革のものは靴ヒモを変えていたのでかなり印象に差異が出てしまったのですが、合皮の方も靴ヒモを変えたら、一気に印象が変わって、良く見えてきたり。
特にシューレースの先に、セルチップが付いているものを選ぶと、グッと高級感が出るし、靴を結ぶ時にちょっと嬉しくなりますよ。
[クツヒモドットコム] ロー引き靴紐・平ひも・紐幅3.5mm・長さ130cm