お馴染みユニクロ×クリストフ・ルメールの「ユニクロU」2018AWが本格スタート! 既視感や「飽き」の中で、ユニクロUを楽しむには何に注目するべき?
クリストフ・ルメールをデザイナーに迎えてスタートした「ユニクロルメール」、そしてそこから名称を変更した「ユニクロU」。
もうお馴染みになった感もありますが、毎回注目度の高いコラボレーションになります。
これはチラッと去年も言っていることではあるのですが…。
ユニクロの名前を出せば、かなり「食いつき」が良いというのは間違いなくあります。
ユニクロは日本に最も幅広く根付いているアパレルですし、一番読者の方に喜んで頂けるコンテンツです。
とは言え、ユニクロUだから、あのルメールがデザインしたものだから…といったところから一歩引いて、ちょっと冷静になっていかないと、ただただ読者の方を消耗させてしまうのかなと思っています。
しかし今回そんなユニクロUも2016AWから始まりかれこれ5回目。
大分「お祭り」的な熱も無くなってきたのを感じます。
目玉になるようなアイテムは、10月発売分に回されてしまったこともあって、皆さんかなり冷静に見ているなあという印象。
過去のコレクションと似た、どこかで見たことがあるようなアイテムも多く、「飽き」もかなりあるのかなと。
そういったアイテムもよくよく見ると、結構使いやすくなっていたりするんですが。
良いアイテムもその良さが伝わりにくい感じになってしまっているのかなと思います。
今回はレビューが遅れてしまったんですが、その分時間を掛けてああでもないこうでもないとアイテムをチェックして、今回のユニクロUの狙いどころ、楽しみ方みたいなものまで提案出来たら良いなと思っています。
それでは早速アイテムをチェックしていきましょう!
アウター類
ミリタリーフーデッドブルゾン
過去にあったアイテムを組み合わせたようなアイテム。
一番印象として近いと感じたのが、ユニクロU初年度(2016AW)のMA-1。
テカテカの生地ですね。
カタチはその後のアウターの焼き直しというか、無難にまとめてありますが、今これを着る必要性はあまり感じないですね。
初年度のMA-1はかなりキワドいビッグシルエットでしたが、逆に今ここまで無難にまとめる必要もないかなあ。
かなり「ジャンパー」感が強いですね。
手堅い、というよりも「堅い」「堅物」という印象で、正直これを着てオシャレに見せるのは至難の業だと思います。
ウールブレンドジャケット
「ユニクロのジャケットも大分良くなっているなあ」と感じざるを得ないほど、シルエットは素晴らしいアイテム。
過不足の無いジャケットとしては王道的なシルエットですね。
過去のデザイナーズコラボでも、テーラードジャケットだけはちょっと無いな…という物が多かっただけに前進を感じます。
ただウール50、ポリ50の素材がどうしても説明書き通りの「美しい」質感とは思えないですね…。
思い切り安っぽいわけでもないのですが。
まだどこかで「就活生が着ているようなスーツの生地」っぽさを抜け出し切れしません。
もうちょっとお金を出すと、今セレクトショップオリジナルでも化繊ですがシルエットが綺麗でユーティリティなテーラードジャケット、セットアップって売っていますから。
そういうものと比較して欲しいですね。
ユニクロが無二ではなく、意外とライバルは多いアイテムだと思います。
ウールブレンドチェスターコート
こちらのコートも以前のような、ただただ大きいみたいな作りを脱していて、綺麗なシルエットは出ています。
ブカブカ過ぎない適度なゆとりがあって、トレンドと合致していると言ったところ。
アームホールのゆるさも、これなら「あえて」感が出せるでしょう。
ただ昨年のユニクロイネスのステンカラーコートのように誰にでも似合うような難易度が低いアイテムではなくて、若干着る人の雰囲気を要求されるコートではあります。
いわゆる厚手のヘビーアウターではなく(かと言ってライトアウターでもないですが…)、年内いっぱいくらいを想定したコートです。
こちらはウールブレンドジャケットとは若干組成の異なる生地感。
こちらもちょっと「就活生が着ているようなスーツの生地」っぽさを抜け出し切れしません。
ただ今までUのウールコートは初日の陳列時点で毛羽立ちが激しかったりしていたので、それに比べると大分綺麗になってきました。
何となくこのカタチとか、生地感で既視感があるんでしょうね。
無駄に敬遠されている感じがなくもなく…。
ユニクロUを初日、2日目にチェックしにくるような層は皆一度はもう持っているということなのかな?
Uになってからのコートでは一番良いと思うのですが、結構スルーされていました。
そんなわけで急ぐ必要はナシ。
こちらもセレクトショップのオリジナル品なんかと見比べましょう。
ブロックテックコート
毎度お馴染み、ユニクロのハイテク技術「ブロックテック」シリーズ。
これは防風性に加えて、透湿防水性もある「廉価版ゴアテックス」を目指したもの。
ユニクロUの発売日に雨が降っていることが多いのはコレを買いたくさせる陰謀なのか?笑
今回もっとも手に取られている印象があるアイテムです。
YELLOWがくすんだ感じがなく、非常に鮮やかな色味。
「目玉無きスタート」となったユニクロU2018AWにあって、これが唯一華やかなアイテムとなった気がします。
若干鮮やか過ぎて「幼稚園児」感もあるのですが…。
良くも悪くも、非常に目立つカラーです。
どうしても強烈なハリ感を持つ生地故に大ぶりに作らなければいけないブロックテックシリーズ。
昨年はシルエットがロボットみたいになってしまうモッズコートタイプで、難易度が極端に高かったですね。
これをエリの無いチェスターコートで作るとかなり難しくなりますが、今回の新型もステンカラーコート。
ブロックテックシリーズ内で考えればかなり着こなしやすいと思います。
とは言えやはり強烈なハリ感が大振りなシルエットを作ってしまうのは相変わらず。
そのちょっと大袈裟なシルエットに加えて、このコートにある大きなフラップポケット。
後述するブロックテックステンカラーコートが余計なディテールを付けずに、シルエットを流れるように作っているのに対して、コチラはブロックテックの強烈なハリ感、「角ばった感じ」「こわばった感じ」を強調してしまっています。
ここで賛否が分かれるだろうと思います。
一応スリットも入っているんですが、それよりもこのポケットによる角ばった感じを強調されるのが気になってしまう…。
ただ、このフラップポケットは横からも手が入れられるようになっていたり、ディテール面の作り込み具合は文句なし。
なんだかUではユニクロルメール初期の作り込みが見られなくなってきて、寂しさを感じるんですが、このアイテムはかなり力入っているのを感じます。
これも見せ方1つの問題で、伊勢丹メンズ館の2Fに展示されていても違和感ないと思いますね。
ただそれとファッションとしての着こなしやすさみたいなものは全く別ですが…。
そういうクオリティの高さは感じます。
ブロックテックコートは、素材からくる制約的にもおそらくこのあたりが最高到達点なんじゃないかな?と思いますね。
我こそは!と雰囲気に自信のある方はチャレンジしてみてください。
ちなみに女子が着ても可愛かったです。
実はDARK GRAYが、オンラインショップの画像とは全く異なる「ほんのり紫がかった」綺麗なチャコールグレーをしています。
オンラインショップだと緑がかっちゃっていますが。
このグレーが非常に好みで、少し欲しくなりました。
今回の伏兵はコイツです。
YELLOWがまず真っ先に気になるとは思うのですが、このグレーも是非見て欲しいですね。
このグレーなら、ライトグレーなどのインナーとグレーの綺麗なグラデーションが作れるんですよね。
しかしユニクロオンラインショップ、なんでこんな実物を反映しない画像の撮り方なんでしょうかね…?
お金や設備はあるはずなのになあ…。
このグレーが、今回のユニクロUの隠れたキーワードになりそうです。
ブロックテックステンカラーコート
これは2018春夏の「ブロックテックコート」とほぼ同じアイテム。
BROWNの生地もおそらく同一じゃないかな?
※画像は2018SSのものです。
横に並べて徹底的に比較すると細かい点で違いのかもしれないのですが(もしかしたらソデの幅が少し違う?)、とりあえず羽織ってみても違いがわからない程度で、「ほぼ」同じアイテムと言っても良いと思います。
春夏はBROWNに関しては結構早めに完売した人気商品だったんですが、秋冬は余裕がありますね。
今季のブロックテックコートと注目を分け合う形になったからでしょうか。
やっぱり人間、選べると迷いが生じてなかなか決められなかったりしますからね。
Uの注目度が下がっている、というのもあるのかもしれませんが…。
春夏でも言いましたが、BROWNは元々秋冬っぽいカラーなので、むしろ秋冬向き。
BROWN表記とは言え「黄色」味が強い色ですね。
そして黒い糸が混じることにより、くすみが出て、暗めのマスタードのような色味になっています。
こちらは表地が綿100%なので、生地感もややナチュラルというか、シワ感などもちゃんと付きます。
ブロックテックなので強烈なハリ感がありますが、余計なディテールが無いので、綺麗なAラインを形成してくれます。
まあ難易度は高いんですが、高すぎるということもないという感じですね。
今これくらいのゆるさのコートがトレンドなので。
モックネックやタートルネックを中に着て、首周りの密度を高めることと、視線を上に持っていくことでロングコートはグッと着こなしやすくなります。
そういう意味では秋冬の方が着こなしやすいと思います。
ただブロックテックシリーズは1つ持っていれば十分だと思います。
ポケッタブルコーチジャケット
このアイテムは、発売日に店頭に並んでいませんでした。
どうも台風などの影響で一部アイテムに遅れが出ていたようなのです。
今回私が行った複数の店舗で、ユニクロUのアイテムを一つのコーナーにまとめて陳列するいつもの方式ではなく、ユニクロの通常ラインと並列的にバラバラに置く、という措置が取られていたため、アイテムを探すのに非常に苦労しました。
以前から徐々にそんな感じの配置になっているのは感じていたのですが、今回それに輪をかけてバラバラになっていたので、かなりシンドかったですね…。
そしてこのアイテムのように、探してもそもそも無いアイテムがあったり…。
さて、その後無事入荷が果たされたのですが、後述する「ポケッタブルモッズコート」とは全く異なる生地感でした。
ポケッタブルモッズコートは、シワ感を最初から付けたような生地ですが、こちらは薄手でツルツルとしたかなりライトな生地。
ペラペラは悪いことではないけれど、かなり安っぽいですね…。
2017SSのコーチジャケットのような満足感は無いです。
もちろん値段にして倍の開きがあるのですが、ポケッタブルアウターが欲しいにしても、これならポケッタブルモッズコートの方が良いんじゃないかな…。
シルエットはコーチジャケットにしてはショート丈で、かなりコンパクトな作りですね。
シャツの着丈もどんどん長くなってきたりしているので、合わせが難しいのもポケッタブルアウターとしてはマイナス。
寒くなってきたら、バサッと羽織れる方が良いですから。
ポケッタブルモッズコート
「ポケッタブル」、つまり小さく畳んでカバンの中にしまって持ち歩けてしまうというもの。
「パッカブル」とも言いますね。
長年ファッションには「気候への対応」という視点が欠かせないと思っています。
やっぱり「日中の一番暑い時間帯を想定してしまうと朝晩が寒すぎる」「朝晩の寒さだけを想定してしまうと日中暑すぎる」というのは永遠の課題。
オシャレは我慢、なんて言いますが、気温にそぐわない厚着をして汗だらだらになってしまっているのがオシャレなわけがありません…。
日本の電車とか商業施設、イベント会場ってやたら周囲と温度差があったりするんですよね…。
ジャケットやコート、カーディガンなど脱ぎ着しやすいもので調整を図ることになりますが、ポケッタブルアウターはその究極の形。
最近はシワが気にならない、最初から微細なシワ感を付けた質の良いナイロンなどが登場して、一気にポケッタブルアウターが選択肢になってきました。
実は私も今季そろそろパッカブルのアウターをこの秋欲しいと思っています。
で、このポケッタブルモッズコート。
今季のユニクロUのアウターの中で一番価格と質のバランスが良くて、なおかつ使いやすいアイテムなんじゃないかなと思います。
BLACKはちょっとテカテカとしているんですが、BROWNとDARK GREENはツヤ感抑えめ(角度によってはあります)、フラットな落ち着いたカラーです。
パッカブルアウターの潮流に乗った細かいシワ感が付けてあります。
DARK GREENは緑味が少なく、ほぼグレーのような色味ですね。
ゆるさのあるシルエットですが、ブロックテックのような強烈なハリ感は無く、生地に落ち感もあるのでそこまで「大きすぎる」、「デカイ」という感覚はありません。
ブロックテックシリーズのような大袈裟感も無く、気軽に羽織れますね。
こういう少しクタッとした感じ、価格が安めのアイテムはこういう質感の方が勝負になります。
ウールコートみたいな「素材が命」のもので勝負すると、どうしても値段の高低で露骨に決着が付いてしまいますからね…。
昨年のブロックテックモッズコートとは全く異なり、難易度は低いアイテムです。
ニット類
エクストラファインメリノクルーネックセーター
ユニクロのスーピマコットンに並ぶキラーマテリアル「エクストラファインメリノ」。
極細なメリノウールの糸で作ったセーターは、繊細でチクチク感を抑えた肌触りの良さをもたらします。
素晴らしい素材ではありますが、その欠点は「生地の薄さ」。
どうしてもコストの関係で薄くせざるを得ないと思うのですが、これによりかなり柔らかい生地感になってしまい、シルエットが「着る人頼り」になります。
以前「ユニクロでカッコよくなれる人、なれない人」内で解説しましたが、こうした「柔の服」は、着る人が「シルエットを自分で作れる人」でない限り、それ単体でカッコ良く見せるのは至難の業です。
ドロップショルダー具合もほんの気持ち程度で、あまりインラインとの違いをハッキリ打ち出せていません。
無地で情報量も少ないですし。
昨年のユニクロ×J.W.アンダーソンでのボーダー柄を採用したセーターはその点でも良かったのですが…。
色も肩口に施された装飾もちょっと微妙…。
エクストラファインメリノタートルネックセーター
こちらはタートルネック版。
昨年からユニクロはインラインにもエクストラファインメリノのタートルネック版が登場したわけですが、これが結構くせ者。
やはり生地が薄く、身体にピタッと密着するようなシルエットにならざるを得ず、しかもタートルネックとあって、相対的に顔が大きい人の多い日本人にはこれを強調させる鬼門のようなアイテムになっています。
このアイテムもそれを受け継いでしまっていますね…。
これはサイズを上げて解消出来るものでもないので。
エクストラファインメリノカーディガン
おそらく中にシャツを入れる…というカーディガンとしての使い方よりはカットソーの上から着て、これをシャツ風に見せたい…というアイテム。
サイズ感的にもそういう狙いではないかと思います。
シャツの上から着るとエリ同士干渉しますし。
エリがあるだけ、上の2つのエクストラファインメリノアイテムよりも着こなしはしやすいとは思います。
丈も短く、着用例などを見ても、タイトに着てほしいとは思うのですが(モデルもかなりタイトめに着ていますよね)、
サイズを思い切り上げたほうが今は取り入れやすいかもしれません。
正直店頭にあるサイズはタイト過ぎて取り入れにくい…。
(着用していくうちに出る伸びは考慮せずですが)
そこで私はネット限定のXLで注文しました。
それならどうにかなるかな…?という期待も込めて…。
これが大当たり。
グリーン掛かったダークグレーは、まさにルメールらしいエレガントさ。
そしてサイズを上げることで、そのエレガントさを損なわないストンとしたラインを作ることが出来ます。
「日常着としてユースフルだけど、それ以上のレベルは…」というアイテムが多い中で、このアイテムはブランド品と混ぜて使っても違和感がない質の高さがありますね。
どちらの良さも削がれている感じがしないでもないUで、これぞユニクロとルメールの良いとこどり、といったアイテムではないでしょうか。
まあもちろん5000円、というのはユニクロでは高い部類だと思いますが、試してみる価値があるかなと思います。
今回のアイテムで一番着ていてテンションが上りますね。
ボタンはきっちり締めたほうがカッコいいですよ。
ウールVネックセーター(長袖)
https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/412956-35#thumbnailSelect
結構ザックリと編まれたセーター。
エクストラファインメリノとは異なり、粗野感のある素材感です。
ユニクロコラボのセーター類にはよくありますが、まず作りが小さいですね。
いつもユニクロのS着てますよ、という人がSを着てもかなり小さく感じるはず。
まあ伸びると言えば伸びると思うんですが…。
正直良くも悪くもない、と言わざるを得ないアイテム。
説明文のクラシカル、と言ってしまえば聞こえは良いかもしれませんが、要するにどこにでもありそうなアイテム。
これユニクロUだって言われなかったら、ルメール関連だとは本当に分からないと思います。
ウール100とは言え、そこまで素材感の良さも無いですし。
これなら化繊混紡でも昨年のモックネックニットの方が使いやすかったかな…。
今回ニット類に去年のような使いやすいアイテムが無いのが本当に残念。
カットソーと同じである程度数が欲しいアイテムですからね。
来月に控えている後半戦のアイテムか、昨年同様なら充実していると思われる無印のアイテム待ちで良いと思います。
何にせよ今回のユニクロU、焦る必要はまったくない情勢です。
ウールVネックカーディガン(長袖)
コチラはカーディガンバージョン。
Vネックセーターと違うのは、YELLOWやPINKなどの鮮やかなカラーがあること。
売り場でもかなり目立っていました。
こういったカラーカーディガンは「色の取り入れ方」としては難易度が低くオススメです。
プルオーバー(被り)のセータータイプだと色がのっぺりとしてしまって、重ね着前提となってしまうので。
こういったカーディガンなら、アウターとしてシンプルに色を押し出していくことが出来ます。
パンツに今季流行のブラウンを持ってくれば、トレンド感満載のカラーコーディネートが出来るでしょう。
シャツ
オープンカラーシャツ(コットン・リヨセル版)
こちらは、春夏にもあった、もう一型の綿100%のものではなく、リヨセルコットンのタイプです。
すぐ近くにあると思うので、比べてもらえば分かるんですが、見た目にもこちらのほうが高級感があります。
ちょっと春夏から、Uの綿100のオープンカラーシャツは安っぽい感じがしてしまっていたので、それをうまく補っていますね。
またこちらのほうがシワになりにくいです。
サイズ感はゆったり目で、3cmほどスリットが入っているので、綺麗なオーバーシルエットが作りやすいですね。
ただ難しいのがカラー選択。
どの色も悪くは無いけれど、ちょっと合わせるのが難しいなあ…という色合い。
グレーは緑がかったオリーブ味が効いています。
単体では綺麗なのですが、合わせ方を間違えると、汚い感じにもなってしまう微妙な色合い。
ブラウン2種のうち、35BROWNは黄色味が強いマスタードのようなブラウンで、36ブラウンは赤みというかピンクというか「芋っぽい」ブラウン。
この中だと35BROWNが一番使いやすいのかな…。
パンツに明るめのものを持って来れるなら、黒でも良いかも。
結構この黒も「艶っぽい黒」なので、これを上手く打ち消さないと難しいかなとは思います。
あとはちょっとボタンが安っぽい。
ボタンが目立つワークシャツ風の作りですからね。
ポロカーディガンのボタンとかはそこまで安っぽく無いんだけどなあ。
最初店頭で見たときは、今回のUでこれが一番良いのでは?とすら思ったのですが、購入してみて合わせるのが難しい点と、ボタンで評価を一段下げざるを得ないかなという結論に。
ちなみに黒が一番ボタンの安っぽさが目立ちません。
オープンカラーフランネルシャツ
こちらはオープンカラーシャツのフランネル生地バージョン。
うーん、生地感とかも悪くは無いですが、このオンブレチェックがちょっと「まだ早い」かなぁ…。
何が早いかと言うと、ヲタクの代名詞的に言われてしまっている「ネルシャツ」「チェックシャツ」の代表的な柄だからです。
別に元からこれがそういうイメージだったわけではなく、10年ほど前ですかね。
チェックシャツはオシャレなアイテムとしてどこのブランドもやっていたのです。
その時中心的な柄だったのがこのオンブレチェック。
ファッションアイコンだった芸能人達も皆チェックシャツ着ていましたし。
あまりに流行ってしまった後、徐々に「ギャル男」たちのアイテムになり、その後ヲタク御用達のアイテムになってしまったというわけです。
今年はチェック柄が大流行していますが、数年前に流行っていたこうしたオンブレチェックなどとはチェック柄の種類から異なります。
一周廻って…というにはまだ早いかも…。
まだオンブレチェックが「オシャレ」なイメージを取り戻すのには時間が掛かると思います。
この型で、無地のフランネルかウールタイプを出してくれていれば…と思わずにいれません。
スーピマコットンジャージーシャツ
個人的に今回最もガッカリしてしまったのがこのアイテム。
スーピマコットンを使ったシンプルなドレスシャツということで期待していたのですが、「ジャージー」部分だけ気になっていました。
実物を見て、あぁやっぱりこういうことか…と。
シャツは普通布帛(ふはく)といって織物を生地に使います。
Tシャツなどは、編み物で伸び縮みします。
考えてみれば分かるのですが、シャツ生地が伸び縮みするということは、Tシャツなどと同じいわゆるカットソー生地を使っているということ。
ただ、そのカットソー生地がちょっと貧相…。
着心地は良いでしょうが、これはちょっと期待はずれ。
オフィスカジュアルで使うにしても次のブロードシャツのほうが良いと思います。
(そもそもオフィスカジュアルならユニクロは「ファインクロス」などを通常ラインに持ってはいますが…。)
見栄えはどうでもいい、と言うなら、着心地の面でこちらの方が良いかもしれませんが…。
ブロードシャツ(長袖)
ユニクロルメール時代は4000円だったシャツがユニクロUで3000円になり、かなりクオリティがダウンしてから計5シーズン。
今回も全く期待していなかったのですが…
ちょっとビックリ、ユニクロUのこうした無地ブロードシャツとしては最高傑作なんじゃないでしょうか?
しっかりとハリ感のある生地でシルエットも良い感じ。
着丈もカジュアル用として長すぎず、短すぎず。
シャツは高価なブランドと差が出やすいアイテムですが、3000円のシャツとしてはかなーり頑張っています。
先日紹介した無印良品のシャツと、テイストは全く違いますが比較してみてください。
ちなみにライトグレーが少し緑がかった色味、ブルーがライトブルーにしては濃い目に出てしまっていて、使いづらいですね。
白か、「グレー」表記の細いストライプ柄が使いやすいかなと思います。
一番良さが出ているのは白です。
カットソー
スーピマコットンクルーネックT(半袖)
春夏のスーピマコットンクルーネックTとほぼ同じアイテムです。
違うのは色展のみかな?と思っています。
これはもう、あまり言うことの無いアイテムですね。
もちろんこれが他のブランドが作っている上級種のコットンを使った1万円のカットソーとかと同じか?と言うと、使っている糸の量などが全然違うっていうのはあります。
ただやっぱりこの値段でこれは、ちょっと凄いなとは思いますよね。
ただ、次の長袖版で触れますが色展開がちょっと渋い。
狙いは…。
ライトグレーなどがあるとさらに良かったんですが。
ところでなんでスーピマコットンシリーズって白シャツの中に着ても目立たないベージュとかを出してくれないんでしょうか?
そんなわけでここでは余談ですが、近日中に白シャツの下に着るのに適したカットソーを紹介したいと思うのでお楽しみに。
スーピマコットンクルーネックT(長袖)
こちらはユニクロルメール、Uを通して初?となるスーピマコットン使用の長袖カットソー。
これからの季節を考えれば、半袖よりこちらでしょう。
私も半袖は春に買ったので、秋はこちらを買いました。
下着っぽい、インナー向けアイテムですが、アウターを脱いで短時間これ1枚になったとしてもそこまで恥ずかしくはないと思います。
そして、今回色なのですが、とんでもない当たりが紛れています。
それがDARK GRAY。
写真ではとても表現出来ませんが、暗い色味にスーピマコットンが与えてくれるツヤが何ともエレガント。
光を当てると、その良さがわかりますね。
「グレーオタク」である私。
これはストック買い決定の出来の良さです。
(ユニクロのスーピマコットンは素晴らしいのですが、如何せん薄いので、洗濯による「痩せ」が起こりやすいのです…。)
真っ黒には決して表現出来ない奥深い色味。
ライトグレーのアウターと合わせてグレーのグラデーションを楽しみたいですね。
オーバーサイズモックネックT(長袖)
昨年もあったモックネックTシャツですが、今年は趣向が変わっています。
こちらはTシャツというにはずいぶん分厚い生地。
2018春夏の薄いニット的に使えるモックネックの後継的なアイテム。
タートルネックほど恣意的ではなく、高い首元、詰まった首元を作れる便利なモックネックですが、意外と手に入れようとすると無いアイテム…。
カットソーよりももっと分厚く、かと言ってスウェットなどよりは全然薄いので使いやすいですね。
フードコート、ダウンジャケットなどフードアイテムとの相性も良いでしょう。
これ何が良いかと言うとシルエットが良いですね。
ユニクロのカットソーはシルエットまではあまり考えられていないことが多く、サイズを上げて誤魔化すことが多いんですが、これはそういう工夫はナシでOK。
ネック、ソデ、スソは生地のハリ感を活かしてシャープに、肩は落としてリラックス感もあり、正直シルエットだけならかなり良い線行ってます。
残念なのはボソボソっとした生地感もそうなのですが、あとは色味。
メランジという複数の色の糸を混ぜて複雑な色味を表現しているのですが、イエローはちょっと色同士の反発が大きくて派手。
パープルも春夏に比べると赤み・ピンクみが強く、濃い目になっています。
ブルーは緑がかった感じの色差の少ない濃いめの「ブルーグリーン」といった色味で、この中では一番使いやすいかな。
生地感と色味をもう少しだけ頑張ってくれていれば、文句なしのオススメアイテムでした。
デイリーユースとしては、文句なしです。
スウェットシャツ
こちらも発売日には配送が遅れていたアイテム。
いわゆるスウェットですね。
肩を「ラグラン」にしています。
リラックスブームの中で今季もかなり流行しているスウェット。
わかりやすくお洒落に見せる方法は、ゆったり目に着ることですが、Uに関してはパーカーも含めてデザイナーはジャストめで着て欲しいのかな?と思ったり。
生地感は着古したような、褪(あ)せた感じが強いものの、それを活かした色も減ってしまった気がします。
この手のアイテムは「あえて」という感じが出せないと、「あの人着古したトレーナー着ている」という野暮ったさだけが残ってしまうのですが、それを出すのは難しいんじゃないかな?
スウェットプルパーカ
Uでは初年度から出ているお馴染みのスウェットプルパーカ。
今年は、画像では大人気だった初年度のものを彷彿とさせる濃いめのマスタードのようなイエローが展開されている!と思ったのですが、残念ながら実物は結構褪せた感じが強い黄色といった色味に…。
ただスウェットシャツに比べると難易度が低いのはコチラ。
フードがある分、安心感や説得力の出しやすさがちがうというか。
それっぽく見せやすいのでしょう。
今年も安定した人気でした。
ちなみに相変わらずコンパクトな作りで、着丈が短いのでサイズ感にはご注意を。
この手の腰回りにリブの入ったアイテムは、スタイルに自信のある人はジャストサイズで良いのですが、スタイルに自信の無い人はサイズを上げてごまかして上げたほうが良いですね。
身長が高いから大きめサイズ、身長が低いから小さめサイズ、というわけでは必ずしも無いんですね。
パンツ
イージーワイドフィットアンクルパンツ
イージーパンツとは、ベルトではなくウエストに入れられたゴムで穿くパンツのこと。
近年リラックスブームの中で様々なタイプが作られていますが、これはワイドスラックスタイプ。
画像だと、むしろスッキリしているように見えると思いますが、実物は結構太いですね…。
ワイドがワイドじゃないUにあって、結構太いと感じると思います。
横からのチェックも忘れずに。
ウエストがゴムで融通効くので、サイズは下げたほうが良いかも?
逆にガッツリワイド感を楽しんでも良い気がして、結構サイズ選びが難しいなと感じました。
もう少しテーパードを効かせてくれると良かったかなと。
黒のテーパードの効いていないワイドスラックスは似合う・似合わないが出やすいと思うんですね…。
生地はポリエステル感の強い、ガサッとした生地感で高級感とかは全く無いですが、この値段なら許容範囲。
シワも付きづらそう。
この手のイージースラックスは一本あると、ちょっとそこまで、の格好に困らなくなります。
あとは最初に穿いたときにしっくり来るかどうかですね…。
ユニクロUのパンツは、コットン素材だとシワやホコリが付きやすかったり…
なんだかんだで穿かなくなりがちなので、しっくりくるのであれば、その後も確実に穿くであろうこうしたユーティリティ性の高いアイテムがようやく出てきてくれましたね。
ウールブレンドワイドテーパードパンツ
ジャケットとセットアップのスラックス。
スラックスとして悪くはないですが、悪くはないレベルにしてはやっぱり値段が割高かなと…。
以前Uではセットアップでは無かったですが、ウール100のスラックスを出してくれていたのでそこが残念。
今はテーパードスラックスはライバルが多いアイテムですし、ちょっと積極的にオススメというのは言えないかな。
レギュラーフィットアンクルパンツ
チノパンは今回2種。
レギュラーフィットとは言いますが、もう1本の「ワイドフィットテーパードアンクルチノ」とシルエット的に何が違うかと言うと、同サイズなら腰回り~膝くらいまではほとんど同じくらいで、膝下からテーパードするかしないかの違いのように感じます。
ワイドフィット名義でもサイズを上げないと、そこまでワイド感はありません。
あとは生地が全然違います。
こちらは表面に織り目感が少ない、ツヤ感のある生地。
説明文にある「起毛感があって」というのは正直そこまで感じません。
色を選びやすいモデルですが、 黒が一番落ち着いていて安っぽくなりづらいですね。
ジーンズの代替としても良いかも。
ワイドフィットテーパードアンクルチノ
こちらはUを見ている人にはおそらく既視感のあるであろうチノスラックス。
表面に織り感のあるツイル生地で、洗いが掛かったような、少しこなれた生地感です。
生地感的にもそうですし、カタチもテーパードも掛かっているので、レギュラーフィットアンクルパンツよりこちらのほうが取り入れやすいという人が多いでしょう。
サイズを上げないとワイド感はあまり出ません。
昨年2017AWの「コットンツイルワイドアンクルパンツ」とほぼ同じ生地だと思います。
昨年大変人気があったモデルですね。
35 BROWNなどは、非常に合わせやすい色味です。
おそらく昨年とほぼ変わらない色味だと思います。
買い逃した方は是非見てみて下さい。
ワイドフィットテーパードジーンズ
「テーパードの効いたワイドデニム」…と言うとなんだか良さそうですが、流石にもっと上のブランドのようなメリハリは効いていないですね。
あとこれ、サイズに気を付けないと全然ワイドパンツではないですね。
ウエストのサイズで選ぶと、メリハリの効いていない微妙なシルエットの中途半端な太さのパンツになってしまいます。
あとはステッチによってカジュアル過ぎる印象なので、ステッチが同色で目立たない黒が良いんじゃないかなと思います。
やっぱりデニムに定評のあるユニクロなので、ウール・ポリエステル、ポリエステル、チノ、デニムとこうやって並べたときに、一番安く見えづらいのがデニムなのかなと思いますね。
セミワイド~ワイドのデニムはムジラボも良いんですが、黒はムジラボには無いですしね。
今回もパンツには特に強くオススメ!というものはなかったのですが、あえて言うならコレかな。
ワイドフィットテーパードカラージーンズ
一般的なカラージーンズではなく、「モールスキン」と呼ばれる起毛させたコットンを用いたアイテム。
モールスキンはコットンながらウールなどにも負けない温かみを表現出来るアイテムです。
残念なのは、グレー。
「エレガントなグレー」が、今回のユニクロU攻略のキーワードになっていますが、ちょっとこのグレーは温かみがある…というよりは、汚らしい感じになっていて、エレガントさは全くありません。
選ぶならネイビーでしょう。
今回のU前半戦の攻略のキーワードはズバリ、「エレガントなグレー」!
というわけで、全体的に目新しいアイテムが少なく、そういった意味ではテンションが上がらないのですが、ここまで前半戦のアイテムの総括をすると
・カタチやシルエット的には使いやすいものが多い
・素材面に過剰な期待は出来ない
こんなところでは無いでしょうか。
両方を兼ね備えたもの、となるとやはり少ないですね。
「デイリーユースなら十分使える」アイテムは多いものの、皆さんもうそういうアイテムはこれまでに結構買ったりしているんじゃないでしょうか?
そんな中で攻略のキーワードに挙げたいのが「エレガントなグレー」です。
あまり目立たない、盲点的な要素になっていますが、今回素晴らしいグレーのアイテムがありました。
エクストラファインメリノのグレー、スーピマコットンTのダークグレー…。
ブロックテックコートのグレーも綺麗でした。
何となく使えそうだから…こんな選び方はやめて、「エレガントなグレー」を集中的に攻めてみる。
シーズンを重ねて「飽き」や「疲れ」が来てしまったUですが、そんな選び方を提案したいと思います。
焦る必要のない今回のユニクロU前半戦、是非グレーに注目してみてください。