涼しく、かつ雰囲気抜群のリネンシャツを羽織る!最初は白よりライトグレーが良い!?野暮ったく見えるのはインナーにも問題アリ!?リネンシャツをキレイめに取り入れるなら…?「麻ならココ」というセレクトショップまで!
今季の初夏~夏の羽織りシャツとして紹介したいのがリネンシャツ。
麻を使ったシャツですね。
麻は熱が逃げやすく、通気性も良い夏に適した素材。
さらに水分を吸収した後、乾くスピード(速乾性)もコットン(綿)とは比べ物になりません。
私はスチームアイロンやスチーマーをシャツに使用するのですが、スチーム、水蒸気が一時的に出過ぎると生地が濡れたようになってしまうんですね。
コットン生地だとそのまましばらく濡れたままなのですが、リネン生地だとあっと言う間に乾くので驚かされますよ。
そして麻独特の弾力のあるハリ感と、そのハリ感から生まれるシワ感が独特の表情と、雰囲気のあるスタイルを作ってくれます。
シャープで角ばったものから、どんどんナチュラルで丸みのあるような、あるいはちょっと粗野感のあるスタイルが求められるようなトレンドにもなってきていますから、「良い麻シャツ無い?」と探している方もいるでしょう。
ただ、一つ間違えると単に野暮ったいだけになりがちなのも麻シャツの難しいところ。
シャツ特集後半戦では、リネンシャツの選び方から、ちょっと気を付けたいお手入れ方法までレクシャーしましょう!
リネンなら白でも良いけれど…最初の1枚にはライトグレーがオススメ!
白シャツは、よほど洗練されたものか、着る本人に雰囲気がないと、制服のようになってしまいがち。
その点リネンシャツはブロードやオックスフォードのシャツに比べると、そのシワ感のおかげで制服感は軽減されるんですが、相当気を付けなければちょっとだらしない感じも醸し出してしまいます。
パジャマみたいなね。
リネンシャツはガーゼシャツなどと同様、柔らかい雰囲気を持っているが故に結構パジャマみたいな印象になりがち。
またコーディネート的にも、白シャツだけ浮いてしまいやすく、「シンプルだけど難しい」アイテムの代表なのが白シャツだったりします。
白シャツ単体が見せる、そのクリーンさに惹かれて購入したものの、合わせるのが難しくて結局着なかった…なんて人も多いんじゃないでしょうか?
まず一枚目のシャツを選ぶのであれば、白シャツのようなクリーンさを持ち、かつコーディネート的にはより万能性を持ったライトグレーがオススメなのです。
(白シャツは、白シャツの着こなしの機微が分かってからにしましょう。)
参考アイテム
参考アイテムはJOURNAL STANDARDの「スーパ-リネンレギュラーシャツ」です。
「まずはライトグレーのシャツが良いよ」と言ってみても、難しいのはライトグレーの色味。
ライトグレーには色味に幅があるからです。
ライトグレーと言いつつ、これ完全に薄い紫だよなあ…という色に出てしまっていることもありますし。
それはまだマシな方で、どうも濁ったような暗いグレーに寄ってしまったり、あるいは緑がかってしまったり。
そうなってしまうと、ライトグレーのシャツにクリーンさが出てきません。
その点このシャツは、僅かにだけ紫がかった、綺麗なライトグレーのお手本のような色味が出ています。
こういった綺麗なライトグレーは、本当に探すのが難しい…。
そういう意味でも、麻シャツ探しの一つ基準になるアイテムかなと思います。
麻としては細めの繊維で薄手にできているので、ダイナミックなシワは付きにくいため、普通のシャツの延長で取り入れやすいのかなと思いますね。
(ただ、リネンシャツはどうしても「畳みジワ」がガッツリ付きます。これはカッコ悪いので、必ず消してから着ましょう。)
麻シャツも本当にピンキリで、1万円以下の物だとアームがやたら太い、野暮ったすぎるシルエットだったり、生地感が安っぽすぎたりとどうにもイマイチな物が多いのですが、これくらいのクオリティから及第点と言えるでしょう。
また、麻シャツは小さすぎるものを選ぶとあまり上手くいきません。
シャツのトレンドがちょっとゆるめになってきていることを合わせても、ジャスト以上のサイズで試着してみましょう。
これは、「今年だけではなく、来年も再来年も着れるシャツを選びたい」というのであれば是非知っておいて欲しいのが、淡い色味のシャツの方が、濃い色味のシャツよりも劣化が少ないということ。
麻は綿に比べるとかなり強度が高いとされる素材なので、誤解されがちですが、実は「色の劣化」は綿同様に起こってきます。
具体的には、濃いカラーのリネンシャツは、気を付けなければすぐに部分的な変色をきたしてしまいます(これを防ぐ方法は後ほど)。
丁寧にケアしても、徐々に部分的に白っぽくなってくるのはどうしても避けられません。
淡い色味のシャツは、きちんと汚れを落としてあげれば意外と何年も着れたりします。
野暮ったく見えるのはインナーのせいかも?
1万円以下のリネンシャツとなると、そうそうシルエットが洗練されたものはありません。
そうなってくると、どうにも野暮ったいなあと感じるわけですが、さらにそう感じてしまう原因に、首の詰まり過ぎたカットソー・Tシャツをインナーにしているから、ということがあるかもしれません。
現段階のトレンドでは、シャツのインナーはUネックじゃないとダメだとかVネックじゃないとダメだとか、コレという決まりはありません。
「首元から中のインナーが見えてはいけない」といったこともありません。
ただ、同じシャツでも、インナーが首の詰まったものと、Vネックなど開いたものでは受ける印象が全く違ってくると思います。
ネックのタイプによっては、Vネックなど首元の開いたものを合わせるといやらしくなりすぎてしまうものもあるので、そこはケース・バイ・ケースです。
(トレンドのオープンカラーシャツなどがそうですね。)
どちらにしても、少し下着っぽいような要素を持ったカットソーの方がシャツのインナーには向きます。
首がグッと詰まりすぎたインナーを着てシャツを合わせても、どうもどれも野暮ったいなあ…となってしまうでしょう。
またインナーに生地が厚み・固さがあるものを選んでしまうと、上に着たシャツに「響いて」しまって綺麗にシャツのシルエットが出ません。
インナーに「いかにもTシャツらしいTシャツ」を着て、その上からシャツを羽織り、何だかふにゃふにゃっとしたシルエットになってしまっている人が結構います。
シャツのシルエットは、シャツだけで構成するのが理想です。
そういった意味でも「下着っぽい」インナーが適しているのです。
そこを意識してシャツの試着に臨むと良いでしょう。
キレイめ要素をリネンシャツにプラスすると…?
リネンシャツと言うと、「粗野感」、つまり洗練されすぎていない、ちょっと荒々しいような雰囲気が魅力の1つ。
この粗野感が、暑い暑い夏にリラックス感をもたらしてくれます。
私は半袖短パンのような分かりやすいリラックス感ではなく、素材感やシルエットなど細やかな機微で作り出されるリラックス感が好きです。
そんなリネンのシャツですが、出来るだけ粗野感を抑えて、キレイめに作るとこうなる、といった趣きなのがEDIFICE BELESTO(ベレスト) の「DELAVE LINEN ワンピースカラーシャツ」です。
BELESTO(ベレスト)というラインは、EDIFIEのカジュアルラインとドレス・ビジネスラインのちょうど真ん中あたりの位置づけらしいですね。
このアイテムはコットン素材で作ると、ちょっとキレイめに寄り過ぎる「ワンピースカラー」のシャツをリネンで作ることによってカジュアルシーンで使いやすいバランスに仕上がっています。
ワンピースカラーというのは前身頃とエリが一体化しているものをいうのですが、エリが高すぎたり、逆に開き過ぎる作りの物が多くて、あまりオススメ出来ない形(「イタリアンカラー」などで画像検索してみてください、まあいけ好かない感じの画像が出てきます、笑)
なのですが、EDIFICEのワンピースカラーは、高すぎず、開きすぎない絶妙なカタチのものになっています。
特に第1,2ボタンを開けた時に開きすぎず高さを保ってくれるのが良いですね。
リネン素材の時点でキレイめ過ぎる印象がかなり軽減されているんですが、トレンドのグレンチェックがまたさらにこのシャツのキレイめ過ぎる印象を緩和してくれてオススメです。
従来のチェックシャツの印象を覆してくれると思いますよ。
リネンシャツとしては細身の作りですね。
他のラインの似た形の商品とはサイズ感が違う(このシャツの方が少し緩い作り)ので気を付けて下さい。
同じベイクルーズグループでもジャーナルスタンダードとEDIFICEではリネンシャツに対するアプローチが全くと言っていいほど違うのが面白いですね。
ワンランク上のリネンシャツが欲しいならこのショップをチェック
ワンランク上のリネンのアイテムが欲しい、となった時にチェックして欲しいショップがあって、それが「nest Robe CONFECT」です。
現在注目のブランド、コモリやforme、S.E.H Kellyなどを取り扱うセレクトショップなのですが、リネン素材を中心としたオリジナルアイテムも豊富です。
確か元々生地屋さんを母体としていたと思います。
こちらはリネン100%のバンドカラーシャツ。
80番手の、リネンとしては細番手の糸を超高密度に織り込んだ生地を使用しているので、分厚いという印象はないのですが、緻密さを感じられる表面感をしています。
ちょっとそこらへんのリネンシャツにはない雰囲気抜群のダイナミックなシワ感が出てきますね。
バンドカラーシャツと言っても、やや襟が高めに出てくれているので、スタンドカラーシャツ寄りで使いやすい形ですね。
このアイテムが使いやすい理由はもう1つあって、丈が長すぎないこと。
CONFECTもセレクトしているコモリのバンドカラーシャツなどは、着丈が80cmを超えてきますから、どうしても難しい印象に。
参考アイテム
http://www.arknets.co.jp/category/A5_B_A_C_1023/A5_M01_02002.html
対してこのシャツは普通のシャツとそう変わらない着丈なので、雰囲気のあるデザインと生地感ながら難易度は抑えられています。
前後で着丈差を出して、それをスリットで繋げることで、デザイン的な野暮ったさは排除されています。
このディテールと高密度な生地のおかげで、リネンシャツと思えないような、スッと落ちてキレイなシルエットを形成してくれるんですね。
生地感も合わせて、シャツを超えて、まるでアウターのような存在感を持っています。
私はアウター的に使いやすいダークパープルをチョイス。
「レンガ」の意味を持つ「Brick」は、大人っぽいピンクにも見えて今年っぽいです。
最後まで迷いましたね。
http://nestrobe.com/cf/product/2018ss/02181-0002/
他にもリネンで作ったミリタリーシャツなど、ありそうで無いアイテムも。
http://nestrobe.com/cf/product/2018ss/02181-0056/
セレクト品で他の素材を補いつつ、オリジナル品は徹底して麻にこだわって、ショップ全体が麻から生まれる独特の雰囲気に満ちています。
「麻」の魅力に気付かせてくれるショップと言えますね。
「セレクトショップオリジナル」品というと、どうしてもセレクト品を手を出しやすい価格帯へ落とし込んだものが多いですが(それはそれで存在価値があるわけですが)、ここのオリジナル品はセレクト品に負けないクオリティを持っている物もありますね。
その分お値段は張るのですが、縫製など細かいところまで良く出来ています。
ここのオリジナル品を買うのは本当に久しぶりだったのですが、是非紹介したいなと思った逸品です。
オンラインショップがあるわけではないようですが、全国的展開されているショップでもあります。
かなり幅広い年齢層に支持されているショップなので、「大手のセレクトショップの次の選択肢が欲しい…」という人は、是非覚えておくといいでしょう。
リネンシャツのお手入れ
リネンシャツのお手入れですが、麻は洗による縮みが心配になると思います。
ただ、今はほとんどの製品が製品段階で一度洗いを掛けられているので、大幅に縮むということも無いでしょう。
サイズを選ぶ段階で、そこまで縮み幅を考慮しなくても大丈夫です(最もトレンド的にも、リネンシャツというアイテム解釈的にもあまりタイトなサイズ感で着るのはオススメ出来ませんが)。
ショップスタッフの方は、「手洗い」を推奨される方が多いのですが、私は面倒なのでネットに入れて洗濯機で洗ってしまいますね。
(洗剤は「中性洗剤」を使いましょう。)
いつもの通り、脱水を極力少なく「ビショビショ」で、干します。
そして、これが肝心なところなのですが、濃いカラーのものは必ず直射日光に当てないように陰干しをして下さい。
これによって変色のリスクを最小限に出来ます。
これだけビショビショの状態からのスタートになっても、麻の速乾性ってすごいものです。
今の時期だと夜に洗濯してお風呂場に干しておき、明け方陰干ししておくと、その日の夕方には完全に乾いているほどです。
洗濯後
乾かした直後、こんな感じでダイナミックなシワが付いています。
好みによってはこのまま着ても大丈夫です。
私の場合はもうちょっとクリーンに着たいので、スチーマーで大きなシワを伸ばしていきます。
スチーマーだと完璧にシワを伸ばしきるわけではなく、小さなシワは残るので麻特有の雰囲気は損なわれなくて良いですね。
スチーム後
リネンシャツのお手入れは、アイロンがけの負担がない分、むしろ普通のシャツよりもラクなぐらいです。
現在、夏に向けて様々な記事を企画しています。
またちょっと新しい試みも進行中ですので、お楽しみに!
前編はコチラ