この春のシャツ、トレンド事情は「ストライプ」「ビッグシルエット」「ロング丈」…コストパフォーマンスに優れた美シルエットシャツや、まさに今着たい、余裕を感じさせるシャツまで、春のシャツ特集前編!
突然ですが、あなたはカットソー(Tシャツ)の人でしょうか?それともシャツの人でしょうか?
私はカットソーの人です。
カットソーをメインとして、コーディネートを組み上げていく。
シャツを着るにしても、きちんとボタンを閉めて…というよりは、カットソーの上から軽く羽織ってラフに着たくなる。
それをメインとして持っているからこそ、たまにシャツをボタンを閉めてきちっと着ると一辺倒にならず、とても新鮮に感じられるんですね。
そして春から夏に掛けては、シャツが一番活躍する季節になります。
というわけで、大変お待たせしてしまいましたが、2018年のシャツ特集です。
今回は前後半に分けて、2本立てでお伝えしていきます。
前編は今季のシャツのトレンド事情と、ストライプシャツを中心にお伝えしていこうと思います。
この春のシャツ、トレンド事情は「ストライプ」「ビッグシルエット」「ロング丈」
まずはこの春目についたシャツのトレンドから。
まずは「ストライプ」でしょう。
とにかく今季はストライプシャツが豊富でした。
元々ストライプシャツとギンガムチェックシャツは、「柄シャツ」ながら難易度が低く、実は白シャツより取り入れやすいアイテム。
ただ、今季トレンドのストライプはどちらかと言うと「ちょっと難易度高めのストライプ」が多かったですね。
ちょっとヤンチャなイメージだったり、レトロなものだったり。
次に「ビッグシルエット」化の流れ。
これが、とうとうシャツやテーラードジャケットなどにも押し寄せました。
シャツやテーラードジャケットとというのは、「身体にピッタリとフィットしたものが理想」とされるドレスウェアの影響が強く及んでいるアイテムではあったのですが、どんどんゆるくゆるくなっていくトレンドはここまで波及しています。
そして最後に「ロング丈」。
かなり前の話になりますが、一時期シャツの着丈がかなり短くなるショート丈のトレンドがありました。
そこからどんどん着丈は長くなっていき、その流れが先鋭化したロング丈のシャツも出されるようになったのです。
そして後述しますが、このロング丈のシャツ、メンズの中でも最も難しい部類に入るアイテムです…。
ビッグシルエットにしても、ロング丈にしても、極端な形で取り入れる必要はありません。
これらのニュアンスとして「ゆるめ」「長め」を意識するだけでもOKなのです。
では具体的なアイテムを見ていきましょう。
スッキリシルエットのシャツを手軽に入手したいならココ
まずはシンプルでスッキリとしたシャツを手軽に手に入れたい…と思った時に見て欲しいショップが、417 EDIFICE(フォーワンセブン エディフィス)。
このブログではもうお馴染みですが、系列であるジャーナルスタンダードやEDIFICEに比べると若干お値段抑えめで、コストパフォーマンスの良いオリジナル品が見つけられるショップです。
このショップが得意としているのがシンプルなブロードのシャツ。
アイテムの名称になっている「120」というのは、糸の番手・太さのことで、番手が高くなるほど細く、細い糸で作れば作るほど光沢が出て、滑らかになっていきます。
120はかなり細いですね。
またここのシャツはシルエットが綺麗。
しっかりウエストがシェイプされていて、かつ着丈は長すぎず短すぎず。
身体にフィットしたシャツとしては王道的なシルエットですね。
この値段で手に入るシャツとしてはレベルが高いと思います。
私も去年購入して、このブログでも紹介しました。
※この写真は昨年発売のもの、今年よりも細い均一なストライプ柄、また若干サイズ感も違うようなので注意
なかなか無印・ユニクロなどでこうした美シルエットのブロードシャツを手に入れるというのは難しいものです。
服にこだわりのある方の日常着としても、また「勝負シャツ」にもなりうるクオリティにあるかと思いますね。
本来身体にフィットさせて着るシルエットではありますが、ビッグシルエットに引っ張られて、ゆるめゆるめに流れているトレンドですから、タイトに着るよりも1サイズ余裕を持って着ても良いでしょう。
そこはご自身のキャラクターや体型と相談、といったところでしょうか。
シャツにもゆるめのトレンドが来ていますが、ジャストフィットがやっぱりカッコイイ、という人もいます。
ただ数年前までのように、サイズをあえて落とすのは止めておいたほうが良いでしょうね。
カラーやストライプ柄も複数種類あり、自分好みのストライプ柄を選べますね。
実はブロードシャツの生地のクオリティって、ここから大幅に上げるとなると結構難しかったりするんですね。
特に春物の薄手生地となると、分かりやすく厚みを増すことによるクオリティアップというのも難しいので…。
後述しますが、ストライプシャツってストライプ柄が命なので、気に入ったストライプ柄があればこれくらいの物でも十分過ぎるくらいだと思いますよ。
今季的なストライプ柄とは?
ストライプシャツを買う時に、おそらく一番悩まれるのがストライプの柄。
ストライプシャツというと、こんな感じで均一な線で優等生的なタイプが最も難易度が低いのですが、今季は本当に様々なストライプ柄が出ています。
線が均一で、幅が細いほど難易度が低くなる
先程紹介した417EDIFICEの今季のストライプシャツもそうですが、ストライプが均一なものや「白地メインで色がサブのストライプ」という従来の柄ではなく、「色地がメインで白がサブのストライプ」という柄も多いのも今季のストライプシャツの特徴です。
ストライプ柄は、メインの方の色が全体の印象を決めますから、色地の方がメインであればその色の印象が強く出ます。
爽やかで優等生的な印象になる白メインストライプに比べて、色メインストライプはちょっと色っぽかったり、優しい印象だったり、クセがあったり、本当に様々な印象に出てくれます。
今季私が買い足したのも「色がメインで白がサブ」のタイプ。
Honor gathering(オナーギャザリング)の「European Cotton Stripe Retro Shirt 」です。
これは「Caramel」という、ベージュとブラウンの間くらいの色がメインカラーになっています。
ブラウン及びブラウンから派生した色というのは、今年一年を貫くようなキーカラー。
非常に柔らかい、優しい印象に出てくれます。
薄手でとても気持ち良い素材感です。
滑らかなブロード生地なので、ガッツリアイロン掛けても良いですし、ちょっとクシャっとしたシワ感で着てもいいと思います。
今季はもうちょっとストライプ幅の広い、クセの強い物も多く出ていますが、それらはトレンドという追い風に乗っていることは事実なので、
長く着るとか、アウターとの合わせという観点から考えるとこれくらいが使いやすいと思いますね。
ストライプシャツは、結局の所ストライプ柄が命。
生地が良くても、シルエットが良くても、ストライプ柄がしっくりこなかったら買うべきではありません。
是非自分が気に入ったストライプ柄を見つけてみてください。
Honor gatheringは今季で終了となるブランドなので、各アイテムかなり人気・品薄となっています。
このシャツも例に漏れずという感じですが、下記のショップではまだ在庫があるようです。
European Cotton Stripe Retro Shirt (Mens) HARMONICS.
このショップ、Honor gatheringの過去アイテムの在庫も結構あったりしますね。
ビッグシルエットシャツとロングシャツはこう取り入れる
冒頭でも述べましたが、シャツというのはスーツの1パーツという認識が強く、元来「身体にピッタリとフィットしたものが理想」とされるドレスウェアの影響が強く及んでいるアイテムです。
ただ、それもビッグシルエットブームの流れの中で、現在はかなり崩れてきました。
INFLUENCE / インフルエンス ストライプルーズフィットシャツ
こうしたビッグシルエットシャツを選ぶポイントは、着丈が長過ぎるものを選ばないこと。
身幅や肩だけが落ちるように作られたものを選ぶことです。
着丈まで極端に長いと、「お父さんのシャツを借りてきた」みたいな印象になってしまうので注意しましょう。
これはビッグシルエットのTシャツを選ぶときでも同じです。
このインフルエンスというブランドのストライプルーズフィットシャツ、非常に綺麗な表面感で、生地にハリがある分落ち感はないのですが、各部のバランスが良く、大袈裟になりすぎないビッグシルエットシャツのお手本のようなアイテム。
実はビッグシルエットシャツって、セレクトショップオリジナル品で昨年から作られてはいるんですけど、生地をたくさん使うからなのか、ハリも無ければ落ち感も無い薄い生地が使われて、ビッグシルエットが活きように無いような物もあるのです。
これは値段から考えてもこの春一番コストパフォーマンスが高いと感じるシャツでしたね。
一方ロングシャツは最初はエリ付きの物が良いでしょう。
http://wear.jp/kaz0608/11039965/
BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS BY ロング シャツ
それでも難しいことには変わりないのですが、エリが付いていると視線を上に持ってこれるのでバランスが取りやすいんですね。
バンドカラータイプなどエリの無いものを選んでしまうと、視線が長いスソ、つまり下に下にと行ってしまって、なかなかバランスが取れないのです。
レディースのワンピースのようにも見えてしまいますし。
この「○○のように見える」っていう「イメージ」って、なかなか乗り越えられないものなのですよ。
かなり本人に雰囲気が無いと説得力が出ず、このイメージに負けてしまうのです。
(トレンドが追い風になって乗り越えられることもありますけどね。)
ロングシャツはシャツコート風に見えるような物が難易度が低いでしょうね。
今の「余裕感」を表現するシャツ
ここまで見てきて「ゆったり」だとか「着丈が長め」のシャツが今のキーワードになってきているのはお分かりいただけたかと思います。
シャツに限らず、今のファッショントレンドはその根底に「『余裕』を感じさせるもの」というキーワードが隠れています。
ちょっと派手だったり、リラックス感があったり、リッチな素材感だったり、アプローチの方法は様々ですが、アイテム選びやコーディネートもこの点を念頭に置いておくとトレンドに振り回されず、むしろ良い距離感を掴めるのではないでしょうか。
シャツカテゴリーにおいて、その「余裕感」というキーワードがピッタリ合致するシャツがCOMOLI(コモリ)のシャツなのでしょう。
https://unlimited-web.shop-pro.jp/?pid=129301001
極端に身幅が広いわけでもないし、肩が落ちているわけでもないのですが、各部の絶妙なゆとりを取ったサイジングと長めの後ろ身頃によるゆったり感で、今らしい余裕感を感じられるシャツになっています。
http://bloom-branch.jp/blog/2018/03/60914.html
シャツの見え方の肝は、一つはアームにあると思っているのですが(そしてここが安いシャツと高いシャツの一番の違いだとも思います)、このシャツはアームが極端に細いというわけではないのですが、
スッキリとしていて全くもたつかず、全体のバランスを整えてくれます。
個人的には小さなエリの形が非常に好みですね。
エリはシャツの顔ですから。
ちょっと前までは少しだけ難しさを感じるサイズ感でしたが、今むしろこれがちょうどいいと感じますね。
背が高くないとやっぱり難しいんじゃないか…?と感じられる方も身長168cmの方が着用して色々な方向から撮影したものがあるので参考にしてみてください。
COMOLI / New Arrival Vol.3 / Koumura - BLOOM&BRANCH
バンドカラータイプは着丈が80cmを大きく超えてくるのでやっぱり難しさがあるのですが、レギュラーカラーは70cm台からなので、そこまでめちゃくちゃ難しいというわけではないのです。
(コモリのバンドカラーシャツ難しいな…という方へのオススメはシャツ特集後編を是非御覧ください。)
本来タックインすべきスソを出して、絶妙なだらしなさを演出したドレスシャツ姿をドラマや映画なんかで見たことがあると思うんですが、大抵スタイルの良い俳優さんだからこそキマるスタイルですよね。
あの片鱗を味わえるシャツ、って言ったら伝わるかなあ。
海外製のゆったりとしたシャツってどうしても日本人には似合わなかったりするんですが、これは日本人のために作られたゆったりとしたシャツなので、一度ハマると何枚も何枚も買ってしまう人が出るのも頷けます。
今季私はこのコモリシャツのシルクのストライプバージョンを選びました。
写真だと飛んでしまうくらい、ピンストライプのような、小さい点で表現された極細ストライプです。
通常こうした極細のストライプ柄は優等生的な印象になりますが、コモリシャツのシルエットと写真では伝わりづらいのですが、シルク特有の光沢感でかなり存在感のあるシャツになっています。
全体はベージュベースで、光の当たり方によって全く違う表情を見せるシャツになっています。
このシルク特有の光沢感は、家で水洗いをしていくことで表面が毛羽立ち、徐々に落ち着いていくそうです。
(本来タグ表記的には水洗い不可、そうした経年変化を楽しめる人だけに水洗いを案内しているそう。)
洗っていくことで経年変化がどうなるか正直今は分からないですし、値段も張るのでオススメ!ですとはとても言えませんが、ちょっと育ててみたいと思います。
今年は例年より初夏を感じる日が多いので、後編ではリネンシャツについて取り上げたいと思います。