無印良品のMUJI Labo(ムジラボ)大研究!春から秋にかけてどんどんアップデートされていったアイテムたちを振り返る!
無印良品の送り出す、実験的かつ実質的な上位ラインであるMUJI Labo(ムジラボ)。
2017年にリニューアルされたMUJI Labo(ムジラボ)ですが、2019シーズンはさらにこのラインが成熟した1年でした。
あくまでもトレンドウェアではなく、スタンダードウェアを貫く無印良品通常ラインは、ちょっとここ数年どんどん紹介できるアイテムが無くなってきているのですが、その分ムジラボが頑張ってくれています。
ムジラボの強さは、何と言ってもトレンドへの適応力への高さと、「ちょうど良い」クオリティ。
無印良品のシンプルな枠組みの中にありながら、ドロップショルダーなどトレンドのディテールを採用しています。
従来の無印良品ファンからはそっぽを向かれかねないと思うのですが、それが現在のトレンドファッションの中で競争力を生んでいるのです。
価格帯はユニクロや無印良品よりも1ランク、2ランク上になるため、やや高めの設定になっていますが、その分素材のクオリティもアップ。
流石にドメスティックブランドなどの、より高価格帯な服たちと比べると、そこまでハイレベルというわけではありませんが、十分満足感を感じられるものが多くなっています。
ユニクロや無印良品を見ていて、もうちょっと素材が良ければな…と思うことがあるのですが、その「もうちょっと」を上手く実現してくれていると言ったところでしょうか。
そんなムジラボ、実は春から秋に掛けてどんどんアイテムがアップデートされていきました。
今日はムジラボ2019シーズンのベストアイテムを振り返りながら、同時にどんなところが変わっていったのかも見ていきましょう。
※読者の方から教えて頂いたのですが、おそらく現在のムジラボの取扱店一覧がコチラです。
無印良品のムジラボHPからだとたどり着けないので、微妙なところなのですが、私が知る限り今の取扱店舗と一致しているので、暫定ではありますがこれをベースに、来店前に店舗に取扱の有無をお問い合わせください。
※なお商品リンクは当時のものをそのまま使っていますが、先シーズンのためそのほとんどが在庫切れ・リンク切れとなっているのでご了承ください。
スウェット・パーカー編
綿裏毛ドロップショルダープルオーバーパーカー
「綿裏毛ドロップショルダープルオーバーパーカー」は、ムジラボ2019・春夏第二弾(2月発売)のアイテム。
おそらくリニューアル後のムジラボでも、最も完売スピードが早かったアイテムがコレでしょう。
発売日、HPの更新直後からどんどん数が減っていき、私を大いに慌てさせました。
(しかもその後一旦売り切れたのかオンラインストアから削除されて、さらに慌てさせられました。)
プルオーバーパーカーは定価約8000円と、決して安くは無かったのですが、肩の落ちたゆったりシルエットのプルオーバーパーカーということで人気が集中。
男女兼用とはいえ基本的にメンズサイズであるS-Mサイズなどは女性にも需要があり、それが完売スピードにも影響していたように思います。
全体的にめちゃくちゃ大きいというわけではなく、19上半期までのムジラボ特有の「横に大きく、タテに短い」というシルエットをしていました。
とにかく着心地の良いアイテムで、生地にスウェットにありがちなゴワゴワ感の全くありません。
腰のリブの締め付けも無いし、生地もペラペラまではいかないもののスウェットとしては薄手で、ポケットも無く、厚手のカットソーに近いようなアイテムだったのかなと思います。
色味が本当に良いアイテムでもありました。
ネイビーは少しパープルっぽいくすんだ色味。
グレーも微かにパープル掛かったような綺麗なライトグレー。
そのシルエットも相まって、テイスト的にメンズでは可愛らしくなりすぎてしまうくらいのアイテムでしたね。
二重編みジップアップパーカー
「二重編みジップアップパーカー」は、ムジラボ2019・秋冬第二弾(9月発売)のアイテム。
パーカーは、メンズの基本アイテムであり、こだわり出すとキリの無いアイテムの1つです。
私もこれまで何着パーカーを買ったか分からないのですが、思わず「日常使いなら、こういうので良いよね」と思ってしまうのがこのアイテム。
これは18年春夏のムジラボの名作、「綿混二重編みパーカー」を基本に、19年春夏の綿裏毛ドロップショルダーパーカーのエッセンスを加えたようなアイテム。
春の綿裏毛ドロップショルダーパーカーは、着丈がちょっと短いという弱点があったのですが、こちらはそれがありません。
ムジラボ2019上半期全体を通して気になった、着丈の短さ。
これを下半期は改善してくれたのが本当に有り難かったですね。
「横に大きく、タテに短い」故に、着丈の短さが目立ってしまっていたのですが、これであまり恣意的にどこかが目立つということがなく、かなりバランスの良いアイテムだったと思います。
誰にでも勧めやすいアイテムになっていましたね。
今は生地にふっくら感のあるパーカーが人気ですが、これは膨らみのない、ソリッドな質感。
こちらも重さやゴワゴワ感が全くありません。
着ていてストレスが全く無くて、カーディガンのような感覚で着れてしまいます。
名前の通り、「二重編み」になっており、表は鹿の子のような細かい凹凸感のあるコットン地、裏はポリエステルのツルッとしたスポーティーで肌触りの良い生地になっています。
見た目はコットンのナチュラル感があり、着心地はジャージのようなラクさ。
下半期はこればかり着ていました。
難点は、黒以外のカラーがパッとしなかったことでしょうか。
カットソー編
天竺編みハイネック長袖Tシャツ
「天竺編みハイネック長袖Tシャツ」はムジラボ2019・秋冬第二弾(9月発売)のアイテム。
天竺編みの「滑らか」系のカットソーですね。
元々春夏の半袖Tシャツには定評のあるムジラボですが、これはまさに歴代のムジラボのカットソーの中でもベストと呼べる待望の長袖カットソーでした。
まずドロップショルダーの長袖カットソーってまず低価格帯ではなかなかありません。
ユニクロUなんかでもドロップショルダーと説明書きに書いてあったとしても、やはり万人受けを考慮してか、ほぼ肩が落ちていなかったりすることがほとんどです。
あっても、生地がイマイチだったり、ドロップショルダーということしかウリがないことがほとんど。
これは滑らか系の、肌触りの良い生地ながら、しっかりと厚みもあり上々の素材感でした。
そしてネック部分も、折り返して使うタートルネックタイプではなく、短めなモックネックタイプ。
珍しい広めの口を採用しており、首の締めつけ感がほとんどない仕様でした。
首が締めつけられている感じがあるから、ハイネックのトップスって苦手…という人でも取り入れやすいアイテムだったんじゃないでしょうか。
私もタートルネックは苦手ではないんですが、やっぱりふとした瞬間にその締めつけ感に息苦しさをおぼえたりするもので、それに比べてこれはラクでした。
4000円のロングTシャツと聞くと、ちょっと高いな…と思われる方もいると思うのですが、これは定価でも安い!と感じさせてくれるアイテムでしたね。
分かりやすく良いアイテムだったので、完売スピードも早かったです。
あえて言うなら、S-M、L-XLみたいなサイズ展開ではなく、ちゃんとS、M、L、XLという形で出して欲しかった…。
そして無印良品で通年で手に入るようになると良いのにな…と願ってやまないアイテムですね。
なお今回は省略しましたが、同商品にはクルーネックタイプや無印らしいボーダータイプもあり、そちらも良かったです。
ニット編
ミラノリブプルオーバー半袖セーター
「ミラノリブプルオーバー半袖セーター」は、ムジラボ2019・春夏第四弾(4月発売)のアイテム。
いわゆる「ニットポロシャツ」に当たるアイテムです。
当初は4月11日に発売される予定だったのですが、異例の一週間前倒しで4月4日発売に。
この日は無印良品の新たな旗艦店であるムジ銀座と、初のホテル業態であるムジホテルがオープンする日でしたから、それに合わせて早めたのでしょう。
ムジラボの夏シャツで、最も着やすいアイテムだったのでは無いでしょうか。
というのもこれ以外のムジラボの半袖シャツは、袖が太め&長めに作られていて、その割に着丈が短い、というやや難しい形(私はこの形をムジラボ・ガラパゴスと呼んでいます。)だったのです。
袖との対比で着丈がどうしても短く見えすぎてしまったんですね。
これも袖が大きく着丈が短いムジラボ仕様ではあったのですが、生地に落ち感があったので、袖も落ちる、裾(ボディ)も落ちる、でそこまでそれぞれが恣意的に見えずまとまり感がありました。
トレンド感はありつつも、バランスよく見えやすく、コーディネートで難しいことを考えなくて済むアイテムでしたね。
半袖Tシャツだけだとちょっと物足りない…みたいなときに、ちょうどいい。
困ったらコレ着ちゃう、みたいなアイテムでした。
ポリエステル100%のアイテムですが、私が「ポリ感」と呼んでいる、ポリエステルで出来たアイテムにありがちな特有の歪なツヤ感が無かったのも良かった。
ムジラボの先進的な試みが残っているのが実はニット類で、そのほとんどが年間通じて悪い方向に出てしまっていた(ポリエステルのツヤ感で見た目安っぽく映ってしまう)中で、これは当たりアイテムでしたね。
シャツ編
綿高密度スタンドカラーシャツ
「綿高密度スタンドカラーシャツ」は、ムジラボ2019・春夏第三弾(3月発売)のアイテム。
その名の通り高密度で、パリッとした生地感のシャツ。
一般的なブロード地でもなく、もちろんオックスフォード地でも無く、独特のハリ感でシャープに見せてくれるシャツでした。
ツヤ感が無いので、黒を選んでも黒シャツ特有のキザっぽさが出ず。
この生地のハリ感が、スタンドカラーをよりシャープに見せてくれるんですよね。
シャツの複雑さが出ないため、やや複雑な作りのコートをシンプルに見せるためインナーとしてもとても使いやすかったです。
着脱のしやすさを優先してボタンが3つしか無い、その当時では特殊な形をしていたため、慎重な評価をしてしまったのですが、着ていくうちにどんどん評価が上がっていったアイテムでした。
ただシャツのトレンドがどんどん大型化していく中で、着丈の短さはちょっと気になったかな…。
その後ムジラボは下半期はシャツの形をガラッと変えて、着丈がやや長く、さらにオーバーサイズになっていきました。
撥水ドロップショルダースタンドカラーシャツ
「撥水ドロップショルダースタンドカラーシャツ」は、ムジラボ2019・秋冬第一弾(8月発売)のアイテム。
シャツが豊作だったムジラボの秋冬シーズン。
オックスフォード、撥水ナイロン、ジャパンファブリックインディゴデニムなど、バリエーション豊かに、かつそれぞれにスタンドカラーとレギュラーカラータイプが用意され、ユーザーは好みのタイプを選ぶことが出来ました。
前述の春夏スタンドカラーから、秋冬はさらにアップデート。
ボタンの数は3つから4つになり、一番上まで留めることができるようになりました。
袖・アームはトレンドに合わせてかなり太くボリューミーなものになり、着丈は若干長く、短すぎるバランスを修正してきました。
問題は生地で、この撥水ナイロン生地は、初見ではちょっと安っぽいかな?と思ったのですが、実は着てみるとより上位のブランドっぽかったアイテムです。
撥水ナイロン版
ちなみにこれはL-XLの方をセレクト。
同時発売で、ほぼ同じ寸法で作られているオックスフォード生地とはボリュームの出方が異なり、生地によって全く違った印象になるのも面白かったですね。
オックスフォードの方ではボリュームが出すぎてしまうので、S-Mを選んでいるのですが、ナイロン版は生地が落ちてくれるのでサイズを上げてもバランス良く着れますね。
オックスフォード版
春夏にはなかったスラッシュポケットまで付き、より完成度がアップしたシャツシリーズでした。
撥水ナイロン生地は、とにかくユーティリティ性が高かった。
洗濯してもすぐ乾く速乾性があり、元々細かいシワを付けて着るものなので、大きくシワが付いてしまうポケットに集中的にスチームを当てれば良いだけ、というケアの手軽さがありました。
汚れを気にしなくて良いし、綿素材に比べると本当に扱いがラク。
子育て中のパパさんなんかにも是非オススメしたいアイテムでしたね。
そうでなくとも、意外とオシャレな人の悩みとして、「オシャレ着を汚すのが怖くて、アクティブな活動が出来ない」という声を聞くので、こういうアイテムは本当に使えるんじゃないかなと。
パンツ編
綿混ワイドクロップドパンツ
「綿混ワイドクロップドパンツ」は、ムジラボ2019・春夏第一弾(1月発売)のアイテム。
ムジラボではもうお馴染みの、いわゆる「チノパン」ですね。
黒スキニーブームの中ですっかり悪者にされてしまった感のある「ベージュのチノパン」ですが、逆に上手く取り入れることが出来れば中級者以上に見られやすくなるアイテムでもあります。
あまり肌に密着するようなシルエットやサイズ感で選ばず、クシャクシャっとシワのたくさん付いただらしなさを出さないのが現代的でしょう。
それを上手く実現してくれるアイテムの1つがこのチノパンでした。
生地は薄いのですが、それが従来のチノパン的なゴワゴワ、クシャクシャっとしたシルエットを作らずに綺麗なワイドシルエットを作ってくれます。
ちなみにワイドワイドと言っていますが、ムジラボはサイズにもよりますが裾(スソ)幅21cmと「セミワイド」程度。
デザイナーズブランドが出してくる本格ワイドパンツは裾幅25cmを大きく超えてくる極太なタイプですから、それに比べると取り入れやすくもなっています。
ムジラボはスキニーなど細めのパンツはほぼ出さないのですが、その代わりにワイドパンツに関してはかなりバリエーションを出してくれます。
綿混撥水イージーワイドパンツ
「綿混撥水イージーワイドパンツ」は、ムジラボ2019・秋冬第一弾(8月発売)のアイテム。
こちらはワイドクロップドパンツからの完全なモデルチェンジというよりは、新しい並行モデルといった位置づけのアイテム(2020年は両方のモデルがリリースされています)。
上記綿混ワイドクロップドパンツは、綿98%ポリウレタン2%だった生地を、綿65%ナイロン35%とより化繊を使った生地に変更。
これによりいい意味で化繊的なツヤ感をまとった高級感のあるパンツになっていました。
特にこのシーズンは黒が良かったですね。
ただ、かなりゆとりのある腰回り、ヒップ周りの作り。
これにプラスして、生地にハリ感があるため「サルエルパンツ」のように腰回りやお尻のところに生地が不格好に余りやすい。
深~い股上から揺れるように生地が落ちるシルエットがまた非常に今っぽいのですが、これだけがちょっと気になるアイテムです。
こちらも同じ型を様々な生地で作るため、これが気にならない生地を選ぶと良いでしょう。
アウター編
オーストラリアダウン水を弾くブルゾン
「オーストラリアダウン水を弾くブルゾン」は、ムジラボ2019・秋冬第四弾(11月発売)のアイテム。
正直アウターが物足りないムジラボに登場した、待望のダウンジャケット。
通常表面に来てしまうダウンパックを内側に配して、ダウンのモコモコ感を軽減してミニマルに見せてくれた2018年の無印良品通常ラインのアイテム「オーストラリアダウン水を弾くフードブルゾン」の実質的な後継アイテムでした。
ただ、そこはムジラボ。
良くも悪くも、無印良品通常ラインと同じように…というわけにはいきません。
最近のビッグシルエットトレンドを受けて、野暮ったいボリューミーなダウンジャケットに先祖還りしているダウンジャケットですが、このトレンドを取り入れてかなりボリューミーなシルエットに。
最初試着したときは、S-MサイズでもL-XLサイズを間違って着てしまったかな?と思うほどでした。
ダウンジャケットとしての難易度はかなり高いのですが、ショート丈バージョンは比較的取り入れやすかったかなと思います。
このショート丈バージョンも出してくれたというのが、2018シーズンからのアップデートと言えるでしょう。
あとは無印良品通常ライン版「オーストラリアダウン水を弾くフードブルゾン」同様の、全くと言って良いほど重さを感じない軽さも特徴。
この手の超軽量ダウンは、もっともっとお高いブランドで出してしまうと、どうにもその値段の価値を感じにくいものです。
重い=高い、では無いですが、10万円の超軽量ダウンっていうのはなかなか成立しにくいと思います。
生地をしっかりとしたものにして…とやっていると多少重くなってしまうもので、ムジラボのこの値段だからこそ成立していたかなと思います。
通称ハッピージャケットと呼ばれる、米支給品を思わせるミニマルなデザインにまとめたところも良かったですね。
徹底的にディテールを簡略化していますが、ポケットの止水テープや、フロントジップにダブルジップを採用していたりと、抑えるべきポイントはしっかり抑えられているのも好印象でした。
2019のムジラボは、年間通じて良いアイテムの多い年となりましたが、一番良かったのは春に「ちょっと着丈が短すぎるかなぁ…」と思っていたところで、それを秋のシーズンで修正してくれたところ。
このままではムジラボ・ガラパゴスとして、選びにくい特徴になってしまうな…と思っていたのですが、そこを修正してきてくれました。
これでさらにオススメしやすいラインになりました。
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2月6日更新のマガジンでは、2月5日に発売されたばかりのムジラボ2020春夏第二弾アイテムを速報!
オススメ度数やコーディネートでの注意点などを出来る限り徹底解説しています!
今回はムジラボの迷いどころ、S-MサイズとL-XLサイズどっちを選ぶ?も解説していますよ。
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