MUJI Labo(ムジラボ)上半期が遂に完結!第4弾から第6弾まで、夏に使えるトップスをピックアップ!豊富なバリエーションを誇る半袖シャツ、ビッグTシャツはどれを選ぶ!?ムジラボvs無印良品、ポロシャツ対決!
無印良品の送り出す、実験的かつ実質的な上位ラインであるMUJI Labo(ムジラボ)。
今年は「男女兼用(ユニセックス)」、「リバーシブル」とムジラボらしい実験的なテーマを掲げました。
そしておよそ1ヶ月に1回のペースで、各月ごとにアイテムテーマを設けて順次リリースされました。
そんなムジラボ2019の上半期が6月6日の第6弾発売をもって終了。
今回はムジラボ第4弾から第6弾のアイテムから、メンズの夏の代表的トップスである「半袖シャツ」「Tシャツ・カットソー」「ポロシャツ」をテーマとして、来るべき夏の参考にしていただければと思っています。
ムジラボに比べると、圧倒的にシンプルでプレーンな無印良品通常ラインのアイテムも絡めてお伝えしていきます。
豊富なバリエーションを誇る半袖シャツをオススメ順にピックアップ!
5月期(と言いつつ前倒して4月末、GW前の発売でしたが…)のムジラボ第5弾はテーマが「半袖シャツ」ということで、様々なタイプのシャツが発売になりました。
その中でもオーソドックな半袖シャツとして現実的に選択肢となるのは、
「綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツ」
「綿ブロードスタンドカラー半袖シャツ」
「綿ブロードドロップショルダー半袖シャツ」
「ジャパンファブリックインディゴスタンドカラー半袖シャツ」
の4つではないでしょうか。
これらは、エリやスソのディテールの違いこそあれ、全て「着丈が短い」「ドロップショルダーで大振りなソデ」という点で共通しています。
もちろん身幅もトレンドに合わせてかなりゆったりたっぷり取られていますが、やはりこの着丈の短さが目立つものになっています。
現在タテにもヨコにもどんどん大型化しているシャツのトレンド。
一般的には、着丈が長いよりは短いほうが難易度が下がると言われていますが、おそらく多くの人にとっては、ムジラボの半袖シャツの着丈の短さは若干ネックになるでしょう。
何故かと言うと、ドロップショルダーの半袖になると、かなり大きめに袖が作られているものですから、これとの対比でさらにさらに着丈が短く感じるものなのですね。
逆に、着丈が短いことで対比によってドロップショルダーもより強調されて、さらに強い印象になるというわけです。
この2つの要素が対比によって、お互いに強烈な印象を引き出し合ってしまっているわけですが、逆に1つの要素を弱めてあげると、片方の要素も弱まります。
そのためにソデをちょっと折って、まくってあげるのも1つの手。
この半袖シャツの「腕まくり」、なんでもかんでもやれば良いってわけじゃありません。
ソデに一定の長さが無いと、短くなりすぎて「体育で気合入れ過ぎているヤツ」になりますし、ソデが細すぎても、二の腕にピタッと密着してしまって、それはそれでちょっと気持ちが悪いと捉えられてしまうんです。
ムジラボのシャツ類は、ドロップショルダーのためにちょっとソデが長くて、太さも大振りで大袈裟なくらいありますから、この腕まくりがうまいことハマります。
ここで腕まくりによってちょっとソデのイメージをマイルドにしてあげると、着丈の短さとのアンバランスさも解消されて、そこまで着丈が短過ぎるようには見えなくなります。
ムジラボのシャツ、生地のクオリティなんかも値段に見合わず高いですから、ちょっと着丈がネックだなあ…なんて場合試して欲しいですね。
袖は着る前に、2折くらいしてあげてください。
さて、こんな小技も紹介した上で、この4種の半袖シャツをオススメ順に並べてみたいと思います。
綿ブロードスタンドカラー半袖シャツ
1位・2位はほとんど差がないんですが、こちらを上位に取りました。
スタンドカラーとスナップボタンで、しっかりと洒落感を持って着れます。
メンズの半袖シャツって、どうしても長袖シャツの袖をぶった切っただけ、みたいな滑稽さが付きまとうもので(サラリーマンがクールビズで半袖シャツを着ていてもイマイチカッコいいなと思えないと思います…)、どこかで洒落感が欲しいんですね。
ここで言う洒落感っていうのは、つまりは
「コレはオシャレで着ているんですよ~、(暑いから)仕方なく半袖シャツを着ているわけじゃありませんよ~」
というシグナルみたいなものです。
でないと制服のように見えちゃいますから。
前述したとおり、ムジラボの半袖シャツシリーズは「着丈の短さ+ドロップショルダー」で十分洒落感があるように見えるんですが、それらはともすると野暮ったいと捉えられてしまう要素もあるので。
スタンドカラーでスッキリとした印象でバランスを取る、というわけです。
この値段に似合わず垢抜けることが出来ると思います。
値段に対するクオリティは文句なし。
生地もスナップボタンの数も3月期に出た同様の長袖シャツとは別物。
スナップボタンの数が増えて一気に融通が効くようになりました。
また生地が変わったおかげか、ライトグレーの色味もクリーンで綺麗なものになりましたね。
ただ、スナップボタンの基部なんかはちょっと安っぽく見えるので、なるべくボタンは締めたほうが良いと思います。
そうでなくとも、緩く、また着丈が短いシャツは「アウターのように『羽織る』」という着方よりも、しっかりとボタンを締めて着る方がキマリやすいですね。
ゆったりとしたシルエットの普及とともに、夏のシャツのあり方も「ボタンをしっかりと締めるのが基本」に変わりつつあるように思います。
綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツ
プルオーバー、被りタイプを2番手にチョイス。
元々プルオーバータイプの半袖シャツって、半袖シャツの中でも熟れた印象で雰囲気を持って着こなしやすいんですよね。
これで着丈が長ければ、人気ブランドのシャツの代替品になったと思うのですが…。
まあそれはそれ。
前述したとおり袖を折り返すことや、タンクトップやカットソーをスソからチラ見せするレイヤードなどで、さらに熟れた印象で着ることが出来ます。
今季は黒シャツが充実しているシーズンだと思っていて、ダークネイビーなどに逃げがちな人にも黒シャツにチャレンジして欲しいと思っているのですが、価格的にもチャレンジしやすいんじゃないでしょうか。
ジャパンファブリックインディゴスタンドカラー半袖シャツ
ムジラボではお馴染み、かつムジラボ随一のキラー素材「ジャパンファブリックインディゴ」生地を使ったシャツシリーズの半袖版。
これは先程の綿ブロードスタンドカラープルオーバー半袖シャツと全く同じ型で、サイジングなどもほぼ同じ。
シルクのような光沢感と、ドレープ感が従来のデニムシャツの概念を覆す、本当に良い素材ですね。
他のシャツでネイビーが無いので、一際際立つカラーにもなっています。
ただ比較的薄手な素材で暑苦しいわけではないのですが、汗をかいたときはデニム素材だけにちょっと色移りなどに気をつけたいところ。
まあ多少なら全然大丈夫だと思うのですが、大汗をかいたり、雨にかなり濡れたりすると、下に着たカットソーやタンクトップに色移りしてしまう可能性はあります。
これは本当にインディゴ染めを施している証拠でもあるので、仕方ないですね。
綿ブロードドロップショルダー半袖シャツ
最も普通に見える、オープンカラーシャツ(ただし出荷段階ではエリがレギュラーカラーのように癖付けしてあります、店頭だと同じ商品に見えないかも…)。
これも悪くはありませんが、上位3つが良いので…。
最近無印良品のインラインで出たムジラボの流れを汲むオープンカラーシャツなどもそうなのですが、スソなどを直線的に、またアウターのような処理をしているので、ややパリッとした素材もあって、シャツ自体が際立つような作りになっています。
ムジラボのようにトレンドを汲み取ろうというというか、ムジラボのDNAを受け継ぐかのようなアイテムが無印良品通常ラインにも増えてきましたが、それならムジラボの方が良いな、というアイテムが多いのも事実…。
おそらく将来的にはムジラボは終了して、また無印良品通常ラインのみになるのでしょうが、その時までにはうまいこと両者が融合してほしいものですね。
無印良品通常ラインは、色とソデが決め手に!?
無印良品通常ラインのシャツは、ムジラボを見た後だと、正直かなり見劣ってしまうのですが、色をポイントにすると良いでしょう。
無印良品の夏のシャツを代表する素材であるリネンは、ネイビーの出来が良いですね。
薄めの色より、クオリティの面での誤魔化しが効きます。
また、「半袖シャツ、やっぱり苦手なんだよなあ…」という人は七分袖をオススメします。
私も昔は半袖シャツが大の苦手で、夏場は七分袖を羽織ったり、ソデをまくって着たりしていましたよ。
シャツ類のダークホースはコレ!ちょっと違ったものが欲しい人に
今季のシャツ類で隠し玉がコレ。
ムジラボの「綿混ジャージーコンビTシャツ」。
いやこれTシャツでは?と思うでしょうが、これボディ部分は布帛(ふはく)、つまりシャツに使われるような織物(伸び縮みしない)が使われています。
それによって独特の色気を持ったカットソーになっています。
対して、袖部分は通常のカットソー素材、伸び縮みする素材が用いられて、異素材で切り替えされています。
ちょっとフットボールシャツのようでもありますね。
白やネイビーだと、布帛のツヤ感がどうにもイメージ的にレディースを連想させるものなのですが、黒はツヤ感がフラットに抑えられていてメンズが着ても違和感がありません。
カタチ自体はシンプルですし、めちゃくちゃ変形したアイテムとかではないのですが、素材感でかなり違いを生み出せるアイテムだと思います。
半袖Tシャツで最もハイクオリティなのは…?
現在のTシャツのトレンドは、身幅や肩幅を大きめに取ったビッグTシャツ。
ムジラボ、無印良品通常ラインそれぞれからこのビッグTシャツがリリースされています。
ムジラボからは、「綿二重編みドロップショルダーTシャツ」。
二重編みで、一枚でも透けない程度に厚みがありながら、風が吹くとひらひら揺れるような、トロットロの生地なのです。
そんな生地でビッグTを作ったものですから、結構落ち感があります。
これが、ある人にはビッグシルエットの難易度を下げてくれますし(落ち感があったほうが、大きさを感じさせないのです)、ある人には柔らかすぎてシルエットがうまく出ず、だらしなく見えてしまい、難易度が高くなってしまいます。
一方、それを解消したようなアイテムになっているのが無印良品通常ラインの「二重編みビッグシルエットTシャツ」。
こちらはポリエステルとコットンの混紡により、なめらか系の生地感ながらよりガッシリとした、シルエットのハッキリ出る生地感になっており、1枚で着た時によりサマになりやすくなっています。
ただ、やっぱりムジラボの素材感、生地感の良さは失われてしまうという、痛し痒しなところがありますね…。
色はムジラボラインにはない、カーキ、それからムジラボラインとは色味の違うグレーがオススメです。
無地にこだわらない、というのであればムジラボの「綿ドロップショルダーボーダーTシャツ」が今季ムジラボ・無印良品をあわせて最もハイクオリティな半袖Tシャツです。
ムジラボのボーダーTシャツは以前は少しガシッとした固めの素材だったのですが、今のボーダーTシャツはかなり滑らかで肌触りの良い生地を使っています。
それでいて無地Tシャツのような落ち感はないですし、シルエット形成力が高い。
ボーダーの情報量がビッグシルエットの面を埋めてくれるので、間延びしたところもないですし、「Tシャツ一枚」のスタイルが最もキマリやすいんじゃないでしょうか。
いやこれ本当にクオリティ高いですね。
今季着ていて最も気持ちのいいTシャツかもしれない。
結局無印はボーダーかよ!という結論に、ある種のつまらなさも感じると思いますが、これは本当にオススメです。
ちなみに無印良品・ムジラボのビッグTは、シャツ類とは異なり、着丈は他のブランドと比べても短くは作られていません。
ムジラボ第六弾の機能性素材を使ったTシャツは…?
ムジラボ上半期のフィナーレを飾る6月の発売アイテムのテーマは「機能性素材」でした。
汗をよく吸って乾きやすい素材で「夏のふだん着」を実験したとのこと。
その中にあったTシャツが、「吸汗速乾UVカットドロップショルダーTシャツ」。
前述の通り、今季ムジラボが出している半袖Tシャツは主に「ドロップショルダーTシャツ」という名称で、ビッグシルエットになっています。
このドロップショルダーTシャツシリーズは、無地、ボーダー、そしてこの化繊版と3種類、無地のみポケットが有るなどの違いはあるのですが、基本的に寸法は同じ。
同じサイズで重ね合わせてみるとピッタリと重なります。
ところがその素材感の違いから、着てみた時のシルエットはかなり異なったものに感じるはず。
無地とボーダーでも落ち感が違う(無地のほうが落ち感がある)のですが、これはさらに比較にならないほどトロトロッとした質感で落ち感があります。
もうハンガーに掛けていないと、トロトロと形が崩れて、ただの布の塊のようになってしまうほどで、着てみると、あれ?この型ってこんなにソデの長さあったっけ?と思うほど生地が落ちてきます。
同じ型でも、素材によってここまで変わってくるものなのか?と、ムジラボの「実験」としてはかなり面白い結果になっています。
まさに大きめに、ビッグシルエットで作ったユニクロのエアリズムのような感じなんですね。
黒などはかなり、スポーツウェアのような、あからさまな化繊っぽいツヤ感をしています。
グレーなどはまだマシなのですが…。
シルエットでかなり差別化は図られているものの、パッと見はやはり運動着っぽい感じもしますし、多くの人にとってはこの落ち感も難しいのではないでしょうか。
ジム着にはかなりもってこいだと思いますが、街着でのハードルはちょっと高いかな…。
機能性素材であれば、それよりもオススメなのが「吸汗速乾縦横ストレッチTシャツ」。
こちらはドロップショルダーTシャツのシリーズとは異なり、前後の着丈差やスリットが設けられた全く新規の型。
シャツに使われる「布帛(ふはく)」のようにハリ感のある素材ながら、グインとカットソーのように(カットソーよりも?)伸縮する、そんなポリエステル100%の素材を使っています。
そのこともあって、着てみるとゆとりはあるものの、寸法よりかなりコンパクトに感じると思います。
落ち感などは全くと言っていいほどありません。
これがムジラボの他のカットソーシリーズとの大きな違いになりますね。
この素材感、モードブランドが好んで使うもののような雰囲気がありますよ。
無印良品vsムジラボ、ポロシャツ対決!
今季のムジラボのシャツ類で、「最も難易度が低くサマになってしまう」アイテムが、実はこの「ミラノリブプルオーバー半袖セーター」。
分類的には、「サマーニット」扱いのポロシャツです。
これも前述のシャツ類に負けず劣らずの着丈の短さ&ドロップショルダーというムジラボ仕様。
ですが、こちらは素材的に落ち感があるので、ボディも袖もスッと落ちてくれてそこまで大袈裟にならない。
そもそもポロシャツって、エリがあってTシャツよりは複雑だけれど、シャツに比べると極めてシンプルですから、何となくまとまって見えてしまうんですよね。
この何となくまとまって見えるのがポロシャツの良いところでもあり、「つまらない」ということと表裏一体でもあります。
ただ、このポロシャツは通常のポロシャツにはないシルエットで、その点は払拭していますね。
ムジラボポロシャツがS-Mサイズ、無印良品通常ラインポロシャツがLサイズなんですが、これだけ身幅・肩幅・ソデを大ぶりに作っているのです。
それでいて着丈は短め。
まさに今っぽいシルエットです。
また生地感も特徴的で、ポリエステル100%の割に、ポリエステル特有の歪なツヤ感、私がいつも「ポリ感」と呼んでいるものが少なく、またポロシャツの定番素材である鹿の子に比べて凹凸感の無いクリーンな表面感をしています。
サマーニット特有の、レディースっぽさも全くありません。
見た目だけなら、今季最も上位ブランドに近付けているアイテムなんじゃないかな?と思います。
ただやっぱり見た目はどうあれ、素材はポリエステル…。
身体に密着するようなサイズ感では無いので、涼しいところにいれば全くもって快適なんですが、この暑さの中で歩き回ったりするようだと、かなり不快感も出てきます…。
ポリエステルってやっぱり透湿性や吸湿性の面でコットンに敵わないんですよね…。
この点では、コットン100%の鹿の子素材なんかに分があります。
見た目だけなら、本当に15000~20000円くらいするポロシャツに匹敵するんですけどね。
一方無印良品通常ラインの「新疆綿 鹿の子編み半袖ポロシャツ」は、極めてオーソドックスな見せ方。
コットン100%の鹿の子なんですが、ギリギリまで薄手にすることで野暮ったさを抑えて、身幅なんかもスッキリとかなり綺麗目に作っています。
数年前にユニクロ・ルメールが出したポロシャツのような、スタイリッシュに着れるものになっています。
トレンドへの追従性は無いものの、かなりシルエットにこだわって作ったというのが伺えます。
綺麗な雰囲気を活かすために、ボタンはしっかり一番上まで閉めましょう。
かなり細身の作りなので、父の日のプレゼントには、お父さんがよほど痩せていないと向かないでしょう。
ムジラボやユニクロのコラボラインを見てしまうと、どうにも見劣ってしまうことの多い無印良品通常ラインのアイテムですが、このポロシャツが最も出来が良いんじゃないでしょうか?
さて、今回は半袖シャツ、Tシャツ、そしてポロシャツと夏のトップスを総まとめで紹介してきました。
まだ梅雨真っ只中ではありますが、店頭である程度夏物の在庫が揃っているギリギリの時期でもあります。
ちょうどタイミング良く無印良品週間も始まりましたし、ムジラボ&無印良品、是非チェックしてみてください!