今季最注目のEDIFICE別注スタンスミス、「EX StanSmith LEA SOCK」。スタンスミスであって、スタンスミスでないそのフォルムとは?「一枚革」ってどんな感じ?靴紐をぎゅーっと締めてあげると、化けるスニーカー!
注目アイテムを次々送り出すEDIFICE×adidas originalsの別注スニーカーシリーズ。
今回は今季最も注目を集めている別注スタンスミス「EX StanSmith LEA SOCK」をレポートします。
2017年春夏のスタンスミス総括はコチラ!
海外発売モデル「スタンスミス LEA SOCK」をEDIFICE限定でリリース
発売前のネット予約分が完売するなど、ローテクスニーカーとしては異例の反響があったこの「EX StanSmith LEA SOCK」。
実はこれ海外で発売されていた「STAN SMITH LEA SOCK」。
ADIDAS ORIGINALS Stan Smith Leather Sock スタンスミス AQ4787
adidas originals STAN SMITH LEA SOCK
国内未発売のこのモデルを、EDIFICE限定でリリースしたというわけなのです。
これは同じく国内モデルを限定でリリースしたフリークスストア別注ガゼルなどと同じですね。
発売前に「ダンスシューズのような」と形容されていたので、どんな感じなのか?と思っていたのですが、実物を見てみるとちょっと意外?なスニーカーでした。
詳しくレポートしていきたいと思います。
スタンスミスとは大きく異るフォルムだが、実は…
EX StanSmith LEA SOCKの大きな特徴は、「一枚革」で出来ていること。
通常、スニーカーのアッパーは、パーツごとに分断された数枚の革を貼り合わせて作られるのですが、それを1枚の革だけで作ってしまおうというのが一枚革のスニーカー。
こういった一枚革の靴・スニーカーを「ワンピース」と呼んだりします。
革靴には結構ありますし、スニーカーにも全く無いわけでは無いのですが、かなり珍しいですね。
シューレースを取り外してみると、よく分かります。
通常、別パーツになっているシュータン(いわゆるベロ)と、サイドアッパーが一枚の革で一つづきとなっているのです。
通常のスニーカー
通常のスニーカーとはかなり作りが異なるのが分かるのではないでしょうか?
ちなみに私も一枚革のスニーカーというのは、ちょっと経験がありません…。
よく一枚革の革靴で言われるのが、一枚革ならではのシワの出来方、経年変化をするということ。
通常のスニーカーとはどのように異なった経年変化をするのかはこれからのお楽しみ、ということで。
そしてヒモを通すとこんな感じに。
大分スニーカーらしくなりましたね。
このLEA SOCK、スタンスミスの特徴である、パンチングによるスリーストライプや、
スタンスミス氏の肖像、シグネチャー
ヒールのトレフォイル&STAN SMITHロゴ(ちなみにパッチではなく、一枚革への直接刻印)
これらの特徴によって、確かに「スタンスミス」っぽくなってはいるのですが…
スタンスミスと比べてみると、かなり違う印象を受けます。
スタンスミス(S75075)との比較
従来のスタンスミスとくらべて、かなり平べったい、ボテッとした作りに見えるのです。
違いが一番分かるのが正面から見た時。
かなり違いますよね。
これは横に並べてみないと分からないですね。
試着段階から「ん?結構横にボテッとしている作りだな」とは思っていたんですが、
こんなに差があるとは、ちょっとびっくりしました。
スタンスミスは、スニーカーとしてはシャープなフォルム、という印象を持っている方が多いと思うのですが、このEX StanSmith LEA SOCKは丸っこい、可愛らしい印象を抱くかもしれません。
イメージ画像ではトゥ(つま先)部分がシュッとシャープになっていますが、実はここが一枚革のせいで空気が入ってポコッとなりやすいですね。
しかし、靴紐を全体にきつく締めてあげると印象が一変します。
左がキツく、右が緩めに締めた状態(出荷時は右の状態に近い)。
これにより一気に、スタンスミス本来のフォルムに近づきます。
一枚革ということもあって、履き心地などは全く別物。
革が非常に柔らかく、軽快な履き心地に感じますが、通常のスタンスミスの堅牢さはありません。
ただスニーカーでありがながら簡易な革靴のような、非常に雰囲気のあるスニーカーです。
adidasなどのスポーツメーカーというより、ファッションに特化したブランドが作ったようなモデルです。
そして一番むずかしいのがサイズ選びです。
スタンスミスとはちょっと違った選び方をする必要があるかもしれません。
サイズは落として、少しだけ小さめを選んだほうが良いかも?
先ほども見たように、LEA SOCKは一枚革ということもあって、ソールからはみ出す感じで横に広く作られています。
さらに、ヒール(かかと部分)も一枚革のため非常に薄く、柔らかいのです。
このためヒールにホールド感がほとんどありません。
横に広く作られていることと、この柔らかいヒールがサイズ選びを難しくさせます。
具体的には通常のスタンスミスよりも最低0.5cm~1cmはサイズを下げた方が良いかもしれません。
横に広く、余裕があるのと、ヒールにホールド感が無いため、普段と同じサイズ感で選んでしまうと、歩いた際に「ヒールが付い来ず」脱げやすくなってしまうのです。
普通スニーカーは、革靴と違って「沈み込み」が起こらないため、キツいよりは緩めにサイズ選びをするのですが、これはやや革靴よりのサイズ選びをした方が良いのかもしれません。
また一枚革なので、横に伸びそうな感じもしますね。
パーツを縫い合わせているわけではないので、履く人の足の形に革がフィットしてくれそうな感じがします。
私も試着して上記のような感想を抱いたため、いつもよりサイズを落として買っています。
またヒールにホールド感が無いため、インソールを入れて調整、というスニーカーによく使われるサイズ調整の手法も使いにくいと思います。
インソールの数ミリの厚みでも、脱げやすくなってしまうのです。
そんなわけで、おそらくサイズが合わないが故の返品などがあると思うので、再入荷した場合はこのような点に注意してみて下さい。
ただし上述したように、靴紐を全体にキュッとキツく締めて履いた方が断然カッコいいモデル(スタンスミスそのものがそういうスニーカーですが、このモデルは特に)。
あまりサイズを落としすぎると、それもできなくなるので慎重なサイズ選びが求められます。
ADIDAS ORIGINALS Stan Smith Leather Sock スタンスミス AQ4787
このような海外イメージ画像のようにはなりにくい。
出典 http://blog.baycrews.co.jp/edifice/?p=113310
こちらのほうが実物の着用イメージに近いかも
特徴的なカラー、その使い分けは?
EX StanSmith LEA SOCKは、ホワイトとグレーの2色展開。
どちらも「ヌバック」といって、表革を軽く起毛加工させたものを使っています。
ホワイトと言っても、かなりくすんだ「オフホワイト」といった色合いです。
こちらは通常のスタンスミスと同様、どんなパンツ・ボトムスとも合わせることが出来るでしょう。
問題はグレー。
媒体、またモニターによってもかなり違った発色になっていると思うのですが、こちらはほとんど淡いモスグリーンといった感じの色合い。
かなり濃い発色の画像を使った媒体もありますが、やや淡めの色です。
これはヌバックとスエードという違いはあるのですが、今年発売されたスタンスミスBB0038 「トレースカーゴ」と似た色合いですね。
こちらは、少し濁った色味なので、黒やダークネイビー、グレーといった出来るだけ単一のまとまった色味を持つボトムス・パンツと合わせたいところです。
それによってこの淡いモスグリーンがフルに活きてきます。
アイスブルーなどの色落ち系デニムや、カーキ・オリーブなどのパンツと合わせるとちょっと難しいかもしれません。
ベージュやライトグレーのコートを濃い目のブラックやダークネイビーのパンツと合わせ、最後にこのスニーカーを足元に持ってくるとぐっと春っぽくなりそうですね。
こういった淡い色味のスニーカーを一足持っておくと、かなりコーディネートの幅が広がりますよ。
AMERICAN RAG CIE ナイキ NIKE TENIS CLASIC テニスクラシック 105-NKE-829351
かなり革靴寄りのこのスニーカーは、やはり昨年のEXスタンスミスの流れを踏襲したもの。
「もっとミニマルで、シックなスタンスミスが欲しい!」という需要に応え続けるEDIFICE別注シリーズはこれからも注目ですね。
もうネット上では完売で手に入らないじゃないか!と思われるかもしれませんが、実店舗の方ではまだサイズに寄っては在庫があります。
EDIFICEなどベイクルーズグループのアイテムを扱うベイクルーズストアでは、「お店に取り置く」ボタンから、各サイズの店舗在庫を調べることが出来ますよ(このスニーカーは、取り置き自体は出来ないようです)。
また、追加生産的な再入荷については分かりませんが、本記事で説明したようにサイズ選びの難しかったスニーカーでもあり、おそらくサイズ違いでの返品がポツポツとあると思われるので、まだまだ入手のチャンスはあると思います。
またEDIFICE別注アイテムはadidasオンラインショップでも取扱があるのが通例なので(例外となるかもしれませんが)、そちらでも可能性がありますね。
※3月19日ZOZOタウンのadidasショップ及びadidas公式オンラインショップにほぼ全サイズ入荷中です。
この記事の最初で言ったとおり「EDIFICE」限定というのは、adidas以外での取扱がEDIFICEだけ、という意味であり、adidasサイドでは「EDIFICE」の表記は使っていないので注意が必要です。
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ヌバックって、防水スプレー使えるの?
表面を起毛させたヌバック素材ということもあって、防水スプレー使えるのか?というご質問を頂いたのですが、ヌバックも防水スプレー使えます。
というか起毛させてあるということは、汚れやすいということでもあるので、履く前に使ったほうが良いですね。
早速実験してみたいと思います。
ヒモを外して(外すともう一度付けるのがかなり面倒なのですが…)、全体を一度丁寧にブラッシングします(このブラッシングは、一般的なシューケア用の物で大丈夫です)。
新品ですが、製造段階などで付いた埃や汚れがあるので、それをサッと落とすためです。
ここで汚れが付いていると、防水スプレーによって変色してしまう可能性があるので気をつけましょう。
我が家にはたくさん防水スプレーがあるのですが、今回は「コロニル ウォータープルーフ」を使用。
[コロニル] Collonil 防水スプレー レザープルーフ 250ml CN044028 (Colorless250ml)
これはスウェードやヌバックなど起毛革に最適な成分で作られた防水スプレー。
ただこれ、値段は他のスプレーとあまり変わらないのに容量的にあまり入っていなくて…。
起毛革用スプレーを持っていない方も多いと思ったので、出来れば起毛革用で無いスプレーで試したかったのですが、このスニーカーの革はちょっと怖い…。
起毛感はあまり無いので大丈夫かな~?とも思ったのですが、革の質感と、あとは折りたたまれていたりして、全体的に均一な質感をしていないので。
私の経験上、こういう革はちょっとしたことで変質を起こしやすいんですよね。
ヌバックなどの起毛革専用スプレーでなくても、「起毛革にも使える」と書いてある防水スプレーなら大丈夫だとは思うのですが、その際は慎重に、目立たないところでテストしてみて下さい。
目立たないところでテスト、と言っても白スニーカーは目立たないところがないですし、先ほども言ったように折りたたまれている部分はどうなんだ?など試してみないとわからないこともあるのですが…。
まずは目立たない?ヒール部分から。
ここでテストした結果いけそうなので、続行。
写真では分かりづらいと思うのですが、スプレーした段階では濡れた質感になって、色が濃くなります。
またどんどん乾いていくので、ムラっぽくなりますが、これは問題ありません。
均一なスプレーを心がけて下さい。
左がスプレーしたもの、右がスプレーしていないものなのですが、乾くとどちらがスプレーしたのか分からなくなります。
今回は部分的にも変質は起こらず済みました。
ちなみにこのブログで何度も紹介している、ステインクリーナー(汚れ落とし)は「表革専用」なので使わないで下さい。
以前、やや起毛感のある表革に使用したところ、見事に変質してしまいました。
万が一、起毛革に変質が起こった場合、丁寧にブラッシングしてあげると、元に近くなります。
起毛させてあるということは、汚れが付きやすく、防水スプレーは必須なのですが、防水スプレー自体で変質が起こらないよう注意する必要があります。
ただこの革は、白スニーカーではあるものの、くすんだ質感がナチュラルさを生んでおり、それが魅力でもあるので、多少色味がくすんでいくのは仕方がないと思います。
それを「アジ」として楽しむスニーカーであって、あまり毎回ピカピカに磨き上げて履くようなタイプでも無いと思います。
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