COMOLIがついに公式通販を開始!アパレルは「実店舗至上主義」を修正せざるを得ないか…
人気ブランドCOMOLI、カート販売を解禁!本店通販も開始
現在押しも押されもせぬドメスティックブランドナンバーワンの人気となっているブランド、COMOLI(コモリ)。
元々高い人気を誇るブランドでしたが、昨年春から人気が爆発。
ブランドを代表する「タイロッケンコート」や「コモリシャツ」はあっという間に店頭から姿を消しました。
ブランドを代表するアイテム、「コモリシャツ」
コモリの強みは、「シンプルなアイテムも特別に感じさせてしまう独特の空気感」ではないでしょうか。
「変な服を着たいわけではない(シンプルな服を着たい)」
「でも特別な服を着たい」
という矛盾した欲求はいつの時代でもあるものです。
そのある意味矛盾した欲求を上手くまとめ上げるのがその時代時代の人気ブランドというもの。
今コモリは「シンプルだけど特別な服」、を一番上手く作れているブランドだと言えると思います。
そして昨秋、青山に待望のブランド直営店をオープンし、こちらも大変な人気になっていました。
そんなコモリですが、今年発生した新型ウイルスによる事態を受けて、これまでディーラーに課していた、通信販売における「カート販売」の解禁を先週から行いました。
「カート販売」とは、要するにオンラインストアで最後まで通販を完結させられる、ということですね。
人気の「ベタシャン」シリーズもオンラインストアに続々とアップされ、通販による入手が可能に
コモリでは一度電話やメールで問い合わせをして、在庫を確保してもらって、それから取引を行う、というやり方をルールとして設けていたんですね。
なぜそんな面倒なことを?と言うと、そのような障壁を設けることで、基本的には通販をしてほしくない、という思いがあったようです。
実物を手にとって見て欲しい、という。
そのような障壁を課しても、人気商品はオンラインストアからすぐに姿を消していたのでどれくらい機能していたのかは不明ですが…。
とにかく面倒なことは確かだったので、この状況下では取り扱いディーラー、そしてユーザー双方にとってありがたい措置と言えるでしょう。
コモリは本当に今人気のあるブランドですから、新型ウイルスが本格的にヤバいぞ…となってからも、注目アイテムの発売日にはショップによっては行列が出来てしまったりしていたので。
どれだけ素晴らしい服でも、命を賭けてまで手に入れなければならない服というのはありませんから。
そしてコモリ直営店(現在休業中)でもついに待望の通信販売「MAIL ORDER」をスタート。
これは、ユーザーがまずはメールで欲しい商品をオーダーし、ショップ側が電話を折り返して繋がったら売買成立、という、ちょっと古めかしいシステム。
ただスタートしたばかりの今の所ですが、人気が集中しそうな注目アイテムはあまりアップされておらず、ちょっと拍子抜けですかね。
ただディーラー各店ではなかなかオーダーされないような、ややマイナーな商品も取り扱いがあるのは嬉しいですね。
オンラインストアにアップのなかったショップも続々と解禁へ!
緊急事態宣言を受けて、都内のセレクトショップはそのほとんどが休業や短縮営業、あるいは事前アポイント制による営業など何らかの制限を受けています。
そしてこれまではコモリに関しては実店舗のみの取り扱いで、オンラインストアにはアップしてこなかったショップも新たにオンラインストアへのアップを開始しています。
例えば先日オリジナルマスクを紹介したconfect(コンフェクト)やcoverchord(カバーコード)が新たにCOMOLIの取り扱いを始めました。
どちらも実店舗では案外人気アイテムの在庫が残っている穴場的なショップだったのですが、その在庫がオンラインにも反映されたことによって思わぬ人気アイテムが購入出来たりしたようです。
今季の人気アイテム、「ウールギャバ」シリーズのスウィングトップもスタート時には残っていたり…
そして、これを受けて新たにオンラインストア一覧をリライトしました。
探しているアイテムがあるとき、全国のオンラインストアを一気に見れるので便利です。
こういうものをブランド側が用意してくれると良いのですが…。
ストックリストは、取り扱い店をダーッと羅列するだけでは使いづらいですから。
※2020年4月~の期間限定カート販売解禁を受けて、新たにオンラインでの取り扱いを始めたショップなどを追加しました
※リンク切れを修正しました
アパレルは「実店舗至上主義」を修正せざるを得ない…でもブランドはどう生み出す?
この状況下においては、各アパレルは店舗をフル稼働させることは到底出来ず、オンラインでの販売に切り替えざるを得ない状況にあります。
ただ、コモリのようにすでに十分なブランド価値を持っているブランドは良いものの、そうではないブランドが商品をどれだけオンライン上にアップしても苦戦は必至です。
今までネット上の展開だけで育ったようなブランドというのはほとんどなく、あったとしてもそれは「本流」とはみなされなかったところがあります。
いわば「実店舗至上主義」に陥っていた状況を変えざるを得ない。
とは言え安易にインフルエンサーにPRをお願いするようなブランドが上手く行くとは思えません。
そこにブランドを育てるような熱はありませんから。
やっぱりその服を本気で良いと思っていない、この人には熱が無い、とどこかでユーザーにバレてしまうんですよね。
私は商品だけでなく、今まで実店舗で実際に接客をされていたショップ店員の方々の熱もまたオンライン上に上げなければいけないと思っています。
やっぱりそういった熱が、ブランドを育ててきたと思いますし。
そういった熱がほとんどないから、大半のセレクトショップオリジナル品はブランド力を持たないのだから…。