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僕らは「プロ消費者」になれるのか…!?「消費に対する意識を極限まで高める」とは何なのか?

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勝ち組消費者になる…とは?僕らは「プロ消費者」になれるのか…!?

 

  

 

 

 今日は、これは良い本だ!と言うよりも、この本をきっかけに考えさせられることや、展開されそうな議論が面白そうだなと思って取り上げたい本があります。

 

それが「もう新品は買うな!」です。

 

 

 

 もう新品は買うな!

 

 

消費を変えなければ、断捨離も無駄…本当に価値のあるモノとは…? 

 

 

 この本を書かれているのは斉藤由貴生さんという方で、日本初の「腕時計投資家」という肩書の方のようですね。

 

この本で筆者が提唱することを、あえて一言、二言に要約するならば「消費に対する意識を極限まで高めよう」、そして「幸せな消費をしよう」ということ。

 

そのための手段として、「中古のブランド品を買おう」という話になってきます。

言いたいことは「消費者の勝ち組になろう」みたいなことなので「勝ち組消費者になろう!」とかのほうが筆者の考えとしてはストレートかもしれません。

 

 

筆者は中学3年生で高級腕時計として名高いパテックフィリップを、高校3年生でロールスロイスを購入した、という出だしから始まり、「あなたの消費は踊らされている!」という、少し煽ったような立ち位置から話はスタートします。

 

そして大量消費社会への反動から、物をなるべく持たない「断捨離」「ミニマリズム」という考え方が登場したことなどの現状を説明した後で、「物を持つ前提となる消費を変えないことには何も解決しない」と説きます。

 

「必要ない物は買わなければいい」と、消費から距離を置くだけでは必ずリバウンドが起きてしまうというわけですね。

この本の中では、「その消費を変えなければ断捨離も無駄!」と言い切られています。

 

 

消費とちゃんと向き合い、消費を楽しむことで、物を持ちすぎるとか、そういったいわば消費の出口の問題も解決される、と。

 

 

これは私も大いに賛同するところで、「要らない物ばかりをたくさん持っている」という状態が生まれるには必ずその前段階として「要らない物ばかり買ってしまう消費」があるはずで、そこを改善しない限りは、物をいくら捨てても同じことの繰り返しになる、あるいはどこかで歪みが生じると思っています。

 

 

そしてその根本的な解決方法として筆者は「本当に価値のあるモノを見定めて消費する」ことを提唱します。

 

 

では「本当に価値のあるモノとは何なのか?」と言うと、筆者の場合は要するに「高級腕時計」とか「高級車」、それから「高級家具」など、洋服のような消耗品以外のブランド品全般となるようです。

 

「ちょっと良い腕時計が欲しい、5万円くらいかなあ?」という人がいたら、筆者なら「どうせなら30万円の腕時計にしなよ?」と勧める、と言うのです。

 

そこから筆者が中古で30万円の腕時計を買って40万円になった話、などが続きます。

 

 

「30万円で高級腕時計を楽しんだ上に、40万円で売れるなんて良くない?」というわけですね。

 

 

 

 

 

 

この本の真似は不可能…でも本質は突いている!?

 

 

 ここまで読まれた方は、この本の筆者にツッコミを入れたくなると思います。

 

 

「いや、今5万円しか無いんだけど…」と。

 

 

そう、もしかしたら値上がりするかもしれないし、悪くても買値で売れるから散々楽しんで飽きた時に売れるよ?と言われても、30万円用意出来なければ30万円の腕時計は買えません。

 

無い袖は振れないのです。

 

物を買うには、ある程度の余裕が無ければなりません。

 

10万円しか貯金がないのに、10万円の物を買ってしまう人はなかなかいないでしょう。

 

手元に30万円きっかりあれば30万円の腕時計が買える、というものではないですから、30万円の腕時計を買うには貯金がもっともっと多くあったり、あるいはローンを組むなどの必要が出てきます。

 

つまり何かしら余裕が無いと30万円の腕時計は買えないのです。

それは投資的な意味合いだとしても、です。

 

筆者にしても、腕時計などの投資だけでロールスロイスまでたどり着いたのではなく、中学生にしてプログラミングなどの知識があり、ホームページ作成を請け負うなどの収入源があったからこそ出来た買い物のようです。

 

買値が高い高級品を買えば、売値、リターンも高いという当たり前のことは多くの人がなんとなくは分かっているわけですが、それでも実行出来ないのは元手が必要だからで、やっぱり多くの人には難しいのではないでしょうか。

 

またどうやら筆者は「母親の浪費で火の車だった」と回顧するものの、その分野では日本有数の会社を保有していた祖父を持ち、自分でも「元ボンボン」と言っているようにそもそも高級品に慣れ親しんでいたというような背景があります。

 

あまりいないと思うのですが、この本に影響を受けて高級品を買い漁った人がいたとしても、筆者のようには上手く転売できないでしょう。

 

筆者は高級品の値上がり面以外の良さとして、所有することで意識が上がることにあるとしています。

 

ただ、高級品を買うと意識が上がる、と言うのもちょっと一概には言えない気が…。

世の中状態が悪い、意識の低い使われ方をしてしまった高級品もまた山のようにありますしね。

 

また、「その物の値上がりが期待出来ること」と「その物を本当に自分が使いたいと思えるか?」が一致しないと、幸せな消費にならないのがまた難しいところ。

 

この両者を一致させるのって結構難しいと思うんですよね。

 

予算を考えないとしても、今あなたが欲しいもので、十分楽しんだ後でも値上がりもしそうな物ってどれくらいあるでしょうか?

 

まあ洋服はまず無理でしょうね。

(還ってくるパーセンテージにはもちろん差がありますけどね。)

 

筆者のような「使用後でも価値が出来るだけ落ちない、むしろ値上がりするものだけを買う」という思考だと、じゃあ洋服にはそういうものはなかなか無いのでユニクロで、となってしまいます(筆者も洋服はユニクロを愛用しているようです)。

 

筆者は物の価値や満足感をリセールバリューという市場価値に丸投げしてしまっているように思うのですが、それが悪いというわけではなく、それだけで満足出来るかは別問題ということです。

 

何でも極端に走るのはよくありません。

 

 

なんか全体的に「惜しい」んですよね。

 

穿った見方をしてしまうと、「金持ちが貧乏人に金の使い方を教えてあげる」というような構造が見え隠れしているようで、素直に聞けない笑

 

思うに文章を書くということは、「自分の頭の中の宇宙を他人に見せる」、ということですから、したくないと思っていても「啓発」じみてしまいます。

 

そもそも「啓発」単品での運用は不可能だと思っていて、具体的な「情報」や「ノウハウ」が無いと人は動かないと思っています。

 

例えば「勉強」の素晴らしさを広めたいと思った場合、勉強することの効能や素晴らしさを説くだけでは駄目で、具体的な勉強方法やノウハウもセットにしないとなかなか読んでいる人は納得し行動出来ないと思います。

 

その点で、この本はその「情報」や「ノウハウ」の面が足りなかったのではないかな?と思いますね。

 

 

例えば高級ブランド品は中古でも簡単に売れるよ?と言っても、真贋の鑑定・証明などはどうするのか?といった具体的な方法は書いていません。

 

中古ブランド品の売買はそれなりにリスクもあるわけですからね。

 

 

筆者はいわば空気を吸うように高級ブランド品の相場などの情報を得られる環境にあると思うのですが、そうした環境を整備するまでのコスト、要するに「勉強する」コストを低く見積もり過ぎな気がします。

(そうした情報が主観的には低コストで吸収しやすい「好きなモノ」にお金をかけよう!とも本書の中でチラッと述べているんですけどね。)

 

筆者が言っていることは結局「転売ヤー的な視点を持て」、ということでもあると思うのですが、転売ヤーだってあれ、結構勉強してそれなりに時間を掛けてますからね。

 

売るインフラについてもこれから整備が必要、と言及するに留まっています。

 

 

ただ、大いに本質を突いている部分もあります。

 

それは「人間使えるお金の額には限りがあり、かつ使い方で人生の満足度に差が出る」ということ。

 

 

正直、これから日本の景気がめちゃくちゃ良くなって、若年層の可処分所得が大幅に増える、なんてことはおそらく期待出来ませんから、「お金の使い方」はより重要性を増すでしょう。

 

だから、最初に要約した筆者の伝えたいこと「消費に対する意識を極限まで高めよう」そして「幸せな消費をしよう」というのは、その方法論には是非があるけれども間違ってはいないと思うんですね。

 

 

消費から目を背ける、つまり自分の欲望から目を背けることは、かえってゴールから遠回りになってしまうかもしれません。

 

 

 

私が思う、「幸せな消費」とは買ってよかった!使っていると気分が上がる!と自分が心から思える物を知っていて、それを所有していること。

そうではない物はなるべく持たないということ。

(なんか「こんまり」みたいになってきちゃったな…。)

 

 

そして、いつも良い意味で自分が持っている物に満足せずに、何か良いものがないかと探しているような状態(つまりまだまだ余白がある状態)。

 

過去の買い物には一定の満足をし、未来の買い物にもワクワクしているような、そんな状態です。

 

 

これを実現するために、「消費に対する意識を極限まで高める」必要があるのかなと思います。

 

確かに物を捨てるとか、消費自体を諦める、だけでは到達出来ないことなんですよね。

 

私はこの活動を始める前は、出来るだけ洋服を買ったら、洋服を売る、そしてまた洋服を買う、というサイクルを保っていました。

 

このサイクルは非常に効率的かつスピーディーに物に関する経験値を上げてくれます。

 

物自体を知るだけではなく、物を通じて自分を知る、という意味でもです。 

 

今は執筆のための資料として大量に物を買っていますが、これも物に関する経験値をスピーディーに上げる方法と言えなくもないでしょう。

 

何でもかんでも金に物言わせて買う、となってしまうと逆に意識がめちゃくちゃ下がると思うので、ユニクロだろうが買う際はそれなりにシビアな見極めが必要になります。

 

「消費に対する意識を極限まで高める」にはブロガーになるのもアリかも!?

 

 

出来ることからコツコツと…プロ消費者への道

 

 

 それは冗談としても、高級腕時計投資から始める必要なんてありません。

 (と言うか、前述のようにほとんどの人は出来ません。)

 

まずは小さな、出来ることから始める。

 

例えばスニーカーを買ったら、箱は必ず取っておく。

洋服のタグは、捨てないでどこかにまとめて保管しておく。

 

これらはどちらも「これはいつか売りに出すかもしれない」という前提での行動です。

 

実際に売りに出さなくても、いつか売りに出すかもしれないと思っていれば綺麗にキープしようと思うはずだし、意識は自ずと上がるはず。

 

買ったら最後、いつまでも保有すると考えていると、その物が本当に好きなのか否か、満足しているのか、どうなのか?の見定めも曖昧になりがちです。

 

つまり「もうコイツと一生添い遂げるしか無い…」というある種切羽詰まった状況に自分を置かず、物に対してフラットな状態、検証を出来るだけ冷静に出来る状態をキープするのです。

 

そして、「これは違うな…」と思ったら迅速に売りに出してしまうのも大いにアリでしょう。

それで儲からなくても、還ってきたお金は次に物を買う原資になります。

 

 

この本で筆者が言っているような「意識の高さ」というのは、何も高級ブランド品だけで磨かれるわけではないと思います。

(まあ適度な緊張感をもって物と接するには「値段の高さ」というファクターはどうしても無視出来ないんですけんどね…。)

 

 

 

買ってよかった!使っていると気分が上がる!と自分が心から思える物を知るには、とにかく買うという行為がどうしても必要になりますし、後で気が変わってしまうのも人間だから仕方のないことです。

 

 

 

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そんな、変わってしまう自分を受け入れられるようにしておく、というのも大事なことだと思うのです。

 

 

他人から強制されるものでもなければ、ケチを付けられる筋合いもないのが「消費」。

だからこそ、どうしたら自分は満足出来るのか?真剣に向き合わないといけません。

 

 

それこそ「プロ消費者」と言えるのではないでしょうか。

 

その物が値上がりするかどうか?などの目利きはひとまずは置いておきましょう。


 

転売ヤーになる必要はないけれど、テキトーに買った要らないモノを持っているなら、まずは連休最終日にメルカリにそれを出してみる、なんてことから始めてみるのが良いのではないでしょうか?

 

 

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