adidasスタンスミスにFW6095「SUPERSTAN(スーパースタン)」が登場!adidasのスタンスミスとスーパースター、二大巨頭の夢の共演・融合モデル!これが意外とカッコいい!?
adidasのオールドモデルで、いや全スニーカーの中でも最も有名な2つのモデル。
スタンスミスとスーパースター。
https://shop.adidas.jp/products/CQ2871/
https://shop.adidas.jp/products/G61070/
この、どちらかは履いたことがある…という人は多いのではないでしょうか?
adidasのオールドモデルの中では比較的スマートな形・デザインのスタンスミスに対して、ちょっとボテッとしたフォルムと「三本線」や独自の「シェルトゥ」(貝殻のように成形されたつま先)など、主張が強いスーパースター。
思えばいつも隣にあるようで、ある意味対照的なその両者を合体させたら…というのは、誰しもが一度は思いつくアイデアなのですが、今まであまり実現してきませんでした。
実はスタンスミスをベースに名作オールドモデルを融合させる試みは、昨年のadidas×ラフシモンズが先行して試みているアイデアではあります。
例えばこれは、スタンスミスとSAMBA(サンバ)を掛け合わせたもの。
adidas by RAF SIMONS RS SAMBA STAN EE7954
この試みの上手いところは、2つのスニーカーをただ闇雲に合体させてキメラ化するのではなく、あくまでベースとなるスニーカーはスタンスミスで、その上から塗装によって別のスニーカーに「偽装」するという手法が取られている点。
無理やり2つのスニーカーを合体させたら、絶対に齟齬(そご)が起こるので、あえてその齟齬すらもデザインにもなるようにしているのです。
この手法を取り入れる形で、今年いよいよスタンスミス×スーパースターが実現したというわけなのです。
https://shop.adidas.jp/products/FW6095/
その名も 「STAN SMITH SUPERSTAN(スーパースタン)」。
ド直球のネーミングですが、実物は結構カッコいいんですよこれが。
ベースはあくまでスタンスミス、その上からスーパースターの塗装が施されています。
元々のモデル同士は、靴の木型から、あらゆるディテールまでが異なるが故に、重ね合わせたときの「ズレ」が生じていて、パッと見は、ちょっと雑な印象を受けるでしょう。
ただよくよく見ていくと、「スーパースターなら、このディテールはここにある」と言わんばかりにスタンスミス上に再現されていて…。
「どこからがスーパースターで、どこまでがスタンスミスなんだ?」と思わず手で触って確認してしまいます。
スーパースターの方のディテールは、全て塗装なので、凹凸感などは無いんですね。
この3本線も、塗装によるフェイク。
さらにスーパースターの方のパンチング(穴)はフェイクで、スタンスミスの方はしっかりと穴が空いています。
そしてそれがフェイクだとアピールするかのように、あからさまに剥がれかかったような加工になっています。
2つのスニーカーの「ズレ」を意図的に表現しているんですね。
うっすらと、二重の縫い目をプリントしているのが分かるでしょうか?
スーパースターなら、ここにあるはずでしょ?とばかりに一番前の「そこにはない」靴紐まで再現されていたり。
「スーパースターのアイデンティティである『シェルトゥ』が無いじゃないか!」と思うところですが、よーく見ると…実はシェルトゥも再現されているじゃないですか!
上からスーパースターを被せられて、スタンスミス氏の表情がちょっと曇っている気がするのは気のせいでしょうか…?
経年変化で塗装が剥がれかかっているように見せていたりと、工業製品というよりアート作品という趣が強い一足。
これをよくまあ一般的なスタンスミスと同じ価格で出したものだなあと思いますね。
実験的に2つのスニーカーを掛け合わせてはいるものの、決して「キワモノ」じゃあありません、というのが称賛すべきところでしょう。
もちろんコレクションモデル、ディスプレイモデル的な存在ではあるのですが、履いてもカッコいいですよコレ。
どうしてもスーパースターってボテッとしたフォルム故に、現代では合わせるパンツに苦労するところがあるのです(流行りのワイドパンツに合わせると、野暮ったさが強調されてしまいがち)。
しかし、このスーパースタン、フォルムはスタンスミスですから、シャープに履くことが可能です。
adidasの正規商品として、こういうアイテムが出たというのはちょっと驚きですが、スニーカーの新しい可能性を見せてくれるモデルでしょう。
いやこれカッコいい。