無印良品の値上げは、洋服に関してはほとんど気にしなくて良い?何故なら、一定期間売れなければ値下げされていくからです…
22年末、無印良品が値上げを発表しました。
23年1月13日および2月3日の2回に分けて、既存製品の価格を改定。
値上げの理由は、商品原材料の高騰と急激な円安。
主な対象商品は、大型家具、プラスチック収納、布団カバー等の布製品、食品等ということで、洋服は含まれていないように思えますが、実は洋服類は既に値上げが始まっています。
12月に既に23年春夏向けの洋服類として、Mujilabo(ムジラボ)などがスタートしています。
Mujilabo 天竺編みクルーネック長袖Tシャツ
ムジラボでは定番的に展開されているロンTは、以前は「超長綿天竺編みクルーネック長袖Tシャツ」という名前でしたが、「天竺編みクルーネック長袖Tシャツ」に変わっており、価格も3990円から4990円に。
参考 Mujilabo 22SS 天竺編みクルーネック長袖Tシャツ
参考 Mujilabo 22AW 天竺編みクルーネック長袖Tシャツ
ちょっと素材感も滑らか系から若干ドライ系寄りに変わった気もするのですが、そこは好みレベルなので。
パッと見は全く変わりません。
商品名も変わっているし、生地感も若干変わっていますが、完全に別商品とも言い難く、実質的に値上げ、と言って良いでしょう。
4000円と5000円は、結構違いますよね…。
ムジラボのロンTは、結構使えるアイテムでして。
品質的にはユニクロ・無印良品のランクを抜け出しており、セレクトショップがオリジナル品として作っているようなアイテム、中間的な価格帯のランクに位置しています。
4000円で、このムジラボより良いロンT探してこい!と言われると、結構難しかったりします。
まあムジラボの象徴である、通常はジャケットのエリの内側などに付いているハンガーループがネックの後ろ、見えるところに付いているので、そこが気になる人は気になると思うのですが。
こういう「特に必要は無い」ディテールも、デザイナーのこだわりで、ブランドが確たる地位を築いた時には、無いと寂しいものだったりするんですよね。
これが嫌だ、という人も結構居ますが、そんな目くじら立てないであげてよ…と。
このアイテムのバリエーション商品である、「超長綿天竺編みハイネック長袖Tシャツ」はムジラボでも文句なしナンバーワンの名作アイテム。
参考 Mujilabo 21AW 超長綿天竺編みハイネック長袖Tシャツ(ライトグレー)
参考 Mujilabo 22AW 超長綿天竺編みハイネック長袖Tシャツ(ブラック)
日本人は顔が大きいことにコンプレックスを持つ人が多いので、首を締め付けて顔を突出させてしまうタートルネックが苦手…という人が結構居ます。
そういう方でも、こんな感じで折り返さない、そして締め付けの少ないハイネックであれば取り入れられる。
そして絶妙な高さのハイネックは、コートやウールシャツなど、なかなか頻繁には洗えないトップスのエリを汚れから保護してくれますし。
20年秋冬の初登場以降、秋冬には欠かせないアイテムで、寒くなるまでに良いカラー、サイズは売り切れてしまうアイテムだったのです(値下げ表記に現在はなっていますがその価格で買えた人はほとんどいないでしょう)。
このムジラボのハイネックロンTは、「何でこれを他のファッションブランドは作ってくれないんだ!?」と思うほど、優秀も優秀なアイテム。
売り切れてしまってから「代替品はありますか?」と質問されることもあるのですが、色々試してもこのアイテムの代わりを見つけるのはとても困難なのです…。
それに対して、通常のクルーネックロンTとなると「良いモノは良いモノだけれど、5000円かあ…」となってしまうのは事実。
私が今回のロンTを紹介するテンションも、「今すぐ買ってね!」というものにはどうしてもならず。
春が近づき、「そろそろロンT欲しいけれど、どうしても良いロンTが見つからなかった」という時の、最後の門番的なアイテムで良いのかもしれないな、というものに留まりました。
他に代替品を見つけるのが非常に困難なハイネックロンTなら、5000円に値上げされても、いや6000円でも買い!なんですけどね…。
流石に7、8000円とかになったら、うーん…となりますが。
そして何と言っても、ムジラボを含めた無印良品の商品は、基本的には時が来ればどんどん値下げされていきます。
通年展開のド定番商品はその限りではないのですが、前述のムジラボ・天竺編みクルーネック長袖Tシャツのようなベーシックなアイテムも、発売開始から一定期間後に1000円程度の値下げが行われています。
これはもう半ば機械的に行わる値下げなので。
つまり、今回1000円値上げされても、完売さえしなければ結局は元の価格にしなければならない…という。
昨今はユニクロ・無印系インフルエンサーの影響力も弱まっているように感じますから、誰かが猛プッシュしても値上がりし、5000円になったムジラボロンTが売れまくる、ということも考えづらく。
結局「値下がり待ち」にもなってしまうんですよね。
それでも、定価が1000円高くスタートするということは、それだけ高い価格で販売する機会が増えるということではあるんですけどね。
従来のセール価格である2990円になるのは、4990円スタートだとかなり時間が掛かるでしょうし。
ファッションアイテムは、本当にごく一部のブランドやアイテムを除いて、需要と供給のバランス的には、供給過多になりがち。
無印良品のようなファッション特化と言うよりは、ライフスタイルブランドと言っても良いブランドにごく少量のみ生産しろ、と言うのも無理があるでしょうし…。
先日本田圭佑氏が「ラーメン安過ぎる、一杯2000円にしよう」とツイートして話題になりましたよね。
ラーメン屋。あの美味さで730円は安すぎる。もうちょっと値上げするべき。ってか色んな業界がもう少し値上げするべき。高すぎるか安すぎるかの両極になり過ぎ。次ラーメン食うときは2000円支払います。必ず。 pic.twitter.com/OqzRducvWL
— Keisuke Honda (@kskgroup2017) 2023年1月9日
昨今の値上げ値上げのフェーズにさらに議論を呼んでいます。
私も、2000円に値上げするラーメン屋さんがあっても、全然良いと思うんですよ。
でもこの「全然良い」というのは「これまで通り通いますよ」という意味ではなくて「批判や非難はしないけれど、かと言って値上げに賛成(これまで通り何も気にせず買う)というわけではない」ということに過ぎないんですよね。
2000円ではなく、1000円以下くらいのラーメン屋さんに行くと思うし、もしすべてのラーメン屋さんが2000円になったら、パスタを食べに行ったりしてしまうのが現実じゃないかな。
どれだけ世間が称賛しても、売上が下がってしまって収益が得られなければ、値上げは成功したとは言えないわけで…。
「値上げに消費者も理解を示した」っていうのは、従来通り買って、はじめて言えることですよね。
そうでないなら結局は自分も傍観者であり、値上げ抑制の共犯者に過ぎないのかな…という罪悪感めいたものを覚えてしまいます。
今無印良品には、ムジラボ・ハイネックTのような、他に代替品を見つけられない良品を作ってくれることを願うしかないんですよね。
そしたら、値上がりしたとしても買うからね、と。
ところが無印良品、値上げの裏で謎の行動に出ています。
昨秋完売してしまっていた良作ロンTを、2000円値下げした上で、おそらく再生産してオンライン・実店舗にガッツリとリストックするという…。
詳しくはこちらの記事で解説しているので是非お読みください。