酒飲み接客で炎上してしまった某セレクトショップ…でも問題の核心はそこじゃない!色々もったいない、変わってほしい
某新興セレクトショップ(と言っても規模がかなり大きくなりましたが)が、営業時間中に酒を飲みながら接客していた…ということで炎上していますね。
ついに爆発したか…。
という感じ。
酒を飲みながらの接客は、問題の核心ではない
どうやらTwitterの投稿に端を発した今回の「酒飲み接客騒動」は、本来閉店後に行われるはずだった顧客に向けたパーティーを、閉店前に来店した顧客がいたために早めに行ってしまった、ということらしいですね。
しかし…ハッキリ言って、今回の炎上は、この「酒飲み接客」が核心ではありません。
要するにこのセレクトショップの一部の店員が普段行っているような、半ば強引だったり、度を超えているとも言える接客態度に悪感情を持っている人が相当数いて、それが今回のことをきっかけに爆発した感じ。
まあ出るわ出るわ、「この店でこんな接客をされた!」というエピソードが…。
何年も前から「ここの接客はキツイ」という話は有名でしたからね。
酒飲み接客騒動はきっかけに過ぎず、溜まりに溜まっていた不満が噴出しているのです。
「やべーなんか『誤解』されちゃったわ」と本当にショップサイドが思っているなら、ちょっとそれは違うかもしれません。
私もまあこの店には随分色々な思い出が(悪い意味で)あります。
下記記事は主にこの店を想定して書いた記事です。
中にはいい感じの人も要るんですけどね(もう辞めちゃいましたが…)。
同じショップの店舗が隣接していて、アイテムが隣の店舗にあるっていうことがあったんですが
その時「僕ちょっと取ってきますね!隣はちょっと接客がキツイんで…」というセリフを聞いて
「あ、店員もやっぱり自分のとこの接客がキツイと感じているんだなあ…」と軽く衝撃を受けましたね。
私のスタイルは「色々な服を、じっくり見ながら検討する」というタイプですし、その店員の方がかなり前に辞めてしまったこともあって(また他にも少し思うところもあって)、最近は足が遠のいています。
私の場合は、接客がめんどくさそうな店の場合でも、見ているだけならそこまで粘着されることは少ないのですが、やっぱり試着などをお願いした場合、
「買わない」という意思表示をした後が特に面倒な場合が多く、それなら試着まで気持ちよくさせてもらえるショップに行きたいなと思ってしまうのです。
私がよく紹介するようなドメスティックブランドのオンリーショップ、本店と呼ばれるようなショップは、駅前に店を構えていることは殆ど無いのです。
ですから、それらを一気に見ることのできるセレクトショップは、大変便利ではあるのですが…。
清濁併せ呑んで人間…でも…
同記事内にあった同セレクトショップのインセンティブ制度。
同社はフレンドリーな接客に定評がある。昨年導入した「スーパースターセールス制度」という販売員の売上の10%を給与に還元する制度により年収700万円を得る販売員も在籍している。
(https://www.fashionsnap.com/news/2017-09-25/studious-service/)
フレンドリー、というところが一番のツッコミどころなわけですが、それは置いておいて、こういう制度が去年からだったのか?というのがちょっと疑問符が付くところ。
おそらく前々から何らかのインセンティブ制度は存在していたと思うのですが…。
そうでないとあの接客はありえないのではないか?と思うからです。
「接客が強引な店員」というのは、他のショップにもたくさんいますが、その「出現率」を考えると、やっぱり社風や社内システム的な問題が大きいのではないかと思います。
営業にはインセンティブがつきものですが、どこかで何か歯止めをかけないとどんどんモラルハザードな体制になっていくものです。
インセンティブは人間のやる気を高めます。
普通の人は良心がストッパーとなりますが、良心がある人ばかりではありません。
売りつけてしまえばインセンティブが貰える、そして営業成績が良い先輩がどんどん出世していく、となれば強引な営業をする人間が一定数出てくるのはシステム上仕方のないことなのです。
歯止めなきインセンティブ営業は、それを推奨しているようなものです。
そんなことはない、という反論はあるかもしれませんが、事実これだけの不満が続出しているわけですから、歯止めを掛ける仕組み、マネジメントを出来ていないと言われても仕方がない気がします。
とはいえ、そういうモラルハザードを起こしているような企業が長い目で見ると必ず衰退するか?といえばそうではありません。
接客がキツイことで有名だった某ファッションビルはどんどん店舗を畳んでいますが、未だ元気で業績をバンバン拡大させている企業もたくさんあります。
清濁併せ呑むことが出来るのが人間です。
また、全てが正しい人間なんていないし、全てが間違っている人間もいません。
でも、やっぱりあまりに疑念が大きくなりすぎ、ある一定ラインを超えるとそのサービスは使えなくなるのではないでしょうか。
アイテムは良いという声は多いだけにもったいない
まだ救い(?)なのは、そのショップには「接客は嫌いだけど、扱っているアイテムは良い」という声があることです。
現に扱っているドメスティックブランドは、有名所が多く、私の好きなブランドもいくつもあります。
それだけに、もったいない。
現に私だって接客がまとまなら立ち寄りたいけど、買うと決まっているアイテムも無いから今日は寄らないでおこう、となっているお店がいくつかあります。
その接客があるから、行きたくない。
これってそのお店にとって、めちゃくちゃもったいなくないでしょうか?
「インセンティブを背景とした接客姿勢が生み出している利益」というのは目に見えやすいものです。
こういう制度だから、売上が好調なんだ、ってね。
でもそれって、要は扱っているアイテムが今の時流に乗っているだけ、かもしれませんよね?
普段は目に見えない「接客姿勢が嫌で、店から足が遠のいている」という声が今回ハッキリと目に見える形で表れてくれたわけですから。
これで変わらなきゃ嘘だと思うんですけどねえ…。
ちなみに私は、現行の「通販で買ったほうが何かとユーザーには有利」という面では、実店舗や店員さんに同情的な立場です。
色々変わってほしいなあ。
まあそういうのが根っこにある企業だとしたら無理かもしれませんけど。
でもインタビューとかではでっかいこと言ってるじゃないですか。
本当に志があるなら、変わるんじゃないかなあ。
気持ちよく、買い物したいじゃないですか。